間話「お正月でまもんまもんじゃね」②
お餅を食べ終えてお茶をすすっていたさまたんは、ふと外を見た。
「結構吹雪いているな」
「……これが、結構、でまもんまもん? まもん的には超まもんまもん雪降ってんでけどー、まもんまもんやばーい! って感じなんですが」
「地声が低いくせに無理して高い声を出しているのがいらっとする。声帯抉りちぎってもいい?」
「まもん!? パワハラさまたんでまもんまもん!」
「混ぜんな!」
マモンは初めての青森の大雪に戸惑いが大きいようだ。
今までも吹雪く日があったが、ここ最近は雪が凄い。
「あ、あの、さまたん様、雪の吹き方がびゅーではなく、ごぉー、なのでまもんまもん」
「寒いもんな。仕方がないんだ」
「……昨年は、ワイハーのビーチでまもんまもんしていたのに……」
「お前……ちょいちょい良い暮らししてんな!」
「名のあるまもんまもんな魔族ですもの!」
聞けば、マモンは年末年始はハワイでのんびりしていたらしい。
セカンドハウスもあるようで、部下の家族とちょっとしたパーティーもしていたようだ。
「……セレブな生活しやがって」
「ですが、今年は雪の中でまもんまもんです」
「数年は覚悟しろ。だけどな、――慣れる!」
「……まもん……そんなにいる予定はないのでまもんまもん。亜子さんとワイハー行きたいでまもんまもん」
「さっきからハワイをワイハーって言うんじゃねえよ、イラっとする!」
怒鳴ったさまたんだったが、せっかくのお正月だと大きく息を吸い、吐くことで気持ちを落ち着かせる。
まだ突っ込まなければならないことがあるのだ。
さまたんの視線が、マモンの傍にある封筒に向く。
「……あのさ、さっきから気になっていたんだけど、それ、なに?」
「まもん? ああ、このまもんまもんですか? 日本はおもしろいまもんまもんですね。お正月にお金をあげる、おとすぃだまぁというまもんまもんな文化があると聞きまして。先日、さまたんに言ったではないですか。周平たちにはどれくらいのまもんまもんを包めばいいのか、とまもんまもん」
「……確かに、聞かれたな。んで、私は万でいいんじゃね、と言ったんだわ」
「まもん。ですから、万を人数分用意しました。仲間外れは良くないのでモハマッドくんとオーレルくんの分も用意したのでまもんまもん」
「んー、大人にはあげなくても良いんだけど、まあいいさ。私も毎年、近所のおじいちゃんおばあちゃんからお年玉をもらっているし」
「そういうマモンも、お餅を届けてくれた高橋さんにまもんまもんとお年玉をいただいてしまました。なんだかとってもまもんまもんと心が暖かくなりまもん」
「良い話だなー、で終わってくれればよかったんだけど、なんでお前の用意した封筒はパンパンなの? 破れちゃうって、悲鳴あげているんだけど?」
「お年玉袋を用意したのはよいのでまもんまもんが、なかなか入らなく、少々強引なまもんまもんをしていれてしまいまもんまもん」
そう言ってマモンが手に持ったお年玉袋は、さまたんが初めて見る厚みがった。
一センチはあるだろう。
「一応、聞いておくけど、いくら?」
「まもん! ひとり、万といわれたので百万円を人数分用意させていただきまもんまもん!」
「ちげぇからぁあああああああああああ! ひとり一万って意味だよ! 更正中の少年少女に百万ポンと渡そうとするんじゃねぇえええええええええ!」
「し、しかし! 周平たちの日々の頑張りを考えれば百万円でも少ないまもんまもんだと思うのでまもんまもん!」
「それはそれ、これはこれなんだよぉおおおおおおおおおおおお!」
渋るマモンを言葉と拳で説得して、周平たちのお年玉は一万円で落ち着いた。




