表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
9章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

769/1506

25「千手さんととらぴーカップルが戦うんじゃね?」②





 虎童子が軽いバックステップで退くと、天眼の神の口から血と吐瀉物が地面に大量に撒き散らされた。


「……意外と固いじゃねえか。穴を開けるつもりでぶん殴ってやったのに」

「ごほっ、おえっ、ごぇ……この、鬼風情が! ――――停まれ!」


 天眼の神が叫ぶと、虎童子の身体が停止する。


「――マジかよ」

「ええ、マジですとも。私の能力は、未来予知だけの身体能力が低いから戦いに向いていないわ。本当なら、この鬼のような前衛が必要なのだけど……、未来予知だけじゃないのよ」


 にぃ、と笑い天眼の神は虎童子の肉体を蹴り飛ばした。

 千手が虎童子の身体を抱きしめ、地面を転がる。


「……面倒臭えことになったな」

「人間が神を相手にできると思っている時点で、傲慢だ。新たな神々と呼び侮っていたか? 神は、神ぞ」

「知るか。――停マレ」

「本気を出した神にこの程度の魔眼が効くわけがないだろう!」


 神気が吹き荒れ、千手を襲う。

 天眼の神の力が風となり刃となり千手を襲う。

 手足、顔、首、肩、背中を切り刻まれていく。


「ぐ、あ」


 反射的に虎童子を庇ってしまったせいで、負わなくていい怪我を負ってしまった。


「ほう。迷惑そうにしていた割には、その鬼を庇うか」

「反射だ。気にすんな」

「ふん。まあいい。さて、神を相手にした報いを受けてもらおう」


 天眼の神が千手に近づき、髪をつかんだ。


「馬鹿野郎……髪を掴むんじゃねえ、抜けたらどうする。てめえと違って再生しねえんだよ」

「この期に及んで頭髪を気にするとは愉快な男だ。その舐めた態度も可愛らしく思う」

「死ね」


 天眼の神の拳が千手の顔に叩き込まれる。


「生意気な男だ。神を相手に不遜な!」


 繰り返し殴られ、千手の顔面はあっという間に血だらけになった。


「痛くねえし。由良にボコされた時の方が痛かったんだけどなぁ。あんた、本当に戦いには向いていないみたいだな。眠くてあくびが出るぜ」

「ふふ。では、神としても可愛がってやろう。私は天眼の神。お前の持つ魔眼とは比べられぬほど強い力を持つ神である。なぜ天眼かわかるか?」

「天気予報が得意なんだろう?」


 再び殴られ、血が舞う。


「お前たち魔眼使いの能力全てを持っているのだ。わかるか? 魔眼を全て制する目、すなわち天眼!」

「くだらねえ、手数が多いのが自慢か」


 三度殴られた。

 鈍い音がし、口と鼻から血が止めどなく流れていく。


「手数が多いのではない。すべての魔眼は私の下位でしかないのだ! ひとつしか使えないお前たちのような矮小な者と一緒にするな! どれ、私の天眼を味合わせてやろう。とっておきだ。精神が狂うまで幻覚を見せてやろうではないか! 私の目を見ろ!」


 天眼の神に髪を掴まれたまま、無理やり千手は瞳を合わせられた。


「お前がもっとも苦しむ幻覚を見せてやろう!」

「う、うわぁああああああああああああああああああ!」


 千手が叫び、天眼の神が笑った。


「なーんっちゃって!」

「――は?」

「お前の目は俺が停めたんだよ! とらぴー出番だ!」

「あいよ!」


 能力が発現しなかった天眼の神が、驚いたわずかな時間が彼女にとって致命的だった。

 千手の腕の中にいた虎童子が動き、鋭い爪を全力で振るった。




 ――天眼の神の首と腕が宙を舞い、地面に落ちた。




 彼女の肉体の断面から血が吹き出す。


「――な、ぜ」


 立ち上がった千手は、電子煙草を加えると煙を吸い、吐いた。

 そして、何が起きたのかわからないでいる天眼の神の顔を踏みつける。


「あんたは確かに神様だ。強くておっかない神様だ。だけど、能力を使いこなせてねえし、人間を、鬼を舐めすぎたな。あんたの力は言うほど強くねえんだよ。たくさん持っている装飾品を見せびらかしているだけだ」


 足に力を込めた。


「や」

「そうそう、教えておいてやる。俺が持つ魔眼は動きを停めるんだよ。単純な行動だけじゃない。能力だってその気になりゃ停められる」

「やめ」

「あんたが新たな神々の中でも三下でよかった。俺みたいな雑魚で勝てたぞ。なあ、由良!」

「――やめ」





 ――ぐしゃり。





 千手は天眼の神の顔を思い切り踏み潰した。






 天眼の神「ここからでも入れる保険が……」

 千手さん「ねーよ」


 まずは千手さんと虎童子さんが一勝!



 書籍版『異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。』が発売となりました!

 小梅さんがセンターを飾る素敵なイラスト、挿絵では夏樹くんがちゃんと主人公している場面もございます!

 ぜひお手に取っていただけますと幸いです! よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 千手さん格好いい! 沢山能力あっても使いこなせないんじゃ無駄ですよね ただ一つの力を鍛え上げた人間の底力を侮ることなかれ でも千手さん、とらぴーとの結婚フラグ立てちゃったよね?
[一言] 千住さんが苦しむ幻覚・・・延々となっちゃんにマウントからのパンチ?
[一言] しかし、千手さんが最も苦しむ事かー。なっちゃんがはっちゃける以上の苦痛だからなー、ツッコミ封印とか?w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ