21「新たな出会いはわくわくするんじゃね?」②
「ちょっと待った、まんた管理人さん!」
「くそぉおおおおおおおおおおおおおおお! あいつのせいでどれだけ世界が面倒くせいことになってんだ! 常識人を送ってくるならいざ知らず、犯罪者を平気で送ってきやがって! なーにが、俺は例外だ、だ! 厨二病主人公みたいな顔しているくせに!」
「えい!」
「へぶん!」
絶叫を続ける少女の頭を、聖剣の腹で思い切り叩く。
衝撃を受けた少女が鼻水を吹き出し、前のめりに倒れかけ、耐えた。
「――って、なにするの!?」
「話聞いてよ」
「わかったよ! 聞くよ! ごめんね!」
「ありがとう! んで、門の神ってそんなに厄介なの?」
夏樹の疑問はそこだ。
門の神の力は、とても面倒くさいものだ。
制限があるとはいえ、人ひとりを異世界に飛ばしてしまうなどありえない。
いくら新たな神々という「神」を名乗っているかとはいえ、さすがに限度がすぎる。
「厄介だよ! まんた級厄介だよ!」
「――そこまでか」
夏樹は、ごくり、と唾を飲み込んでみた。
「いいんだよ、別に! 世界と世界が偶然的に、もしくは召喚のように求められて接触することは! 文化の発展はもちろん、世界という畑に肥料を与える効果があるときもあるからね! 私たち管理者は良いことだと思っているんだよ。まあ、そもそも偶然が重ならないと世界の行き来なんてできないから、私たちだって干渉できないのよ」
「ほーん」
「もちろん、私たちが私たちの力で、たとえば君を別の世界に送ることはできる。でも、意味がないことはしない。偶然と偶然が重なり、なにか意味があると思っているからこそ、見守っているんだ」
「なるほどー」
「私たち管理者は、あくまでも管理者。例えば世界が滅ぶことになっても、管理は終わらないんだよ」
「え? でも、今、干渉したよね?」
「だーかーらー! 君は偶然ではなく、門の神によってこの世界にきたでしょう! 偶然ってだけなら、この世界に飛ばされてきたことも偶然っちゃ偶然なんだけど、それでもそんな君によって特異点を殺させるわけにはいかないんだよ!」
「ちょっと誤解があるようだから訂正するけど!」
「教えて!」
「俺はアールウェルスを殺そうとしたんじゃなくて、この世界を破壊しようとしただけだから」
「なお悪いわぁああああああああああああああああああああああああ!」
耳がきーん、となるほどの絶叫が少女から放たれた。
「門の神によって世界がいくつダメになったと思ってんだよー! ゴッドくんの管理内なら好きにしろよって感じだけど、あのクソ門の神は私たちの管理の外にいるんだよ! 新たな神々だかなんだか知らないけど、ある意味特異点なんだよ!」
「え? じゃあ殺しちゃまずい?」
夏樹は礼儀として尋ねた。
駄目、と言っても門の神は殺すと決めているが、一応聞いておこうと思った。
「――殺せる?」
「うん」
「あいつ強いよ?」
「やだなぁ、俺のほうが強いんですけど」
「でもあいつ覚醒前だよ」
「覚醒する前に殺せばいいじゃん!」
「いける?」
「いけるいける!」
「まんた?」
「まんたまんた!」
少女は希望に満ちた目をして夏樹を見た。
「――門の神をぶっ殺してください!」
「注文入りましたー! 喜んでー!」
「ノリが軽い! 中学生だよね? なんで居酒屋!?」




