間話「アマリリス・ブレスコットの最期じゃね?」
ブレイバーズ王国第二王女アマリリス・ブレスコットは、第一王女ベアトリス・ブレスコットの影に隠れて目立たない存在だった。
勇者の加護を得たベアトリスが、貴族や貴族出身の騎士を味方につけている間に、アマリリスは宮廷魔法使いをはじめ、平民出身の騎士魔法使いを味方にしていた。
宮廷魔法使い筆頭である若き天才魔法使いレオニーと結婚したことで、自らの派閥を確実に広げていった。
一方で、勇者の名を使い好き勝手していたベアトリスは、勇者を失ったことで力を失っていた。
勇者を利用しようとしていた貴族たちは離れてしまったのだ。
まだ騎士団を味方につけているので、影響力はあるが、アマリリスが騎士団長ランドルとベアトリスが肉体関係にある事実を噂に流しているので、いずれ騎士団は崩壊する――はずだった。
アマリリスの予定では、他にも肉体関係がある騎士たちが内部分裂し、父王の耳にも届くだろうと予想していた。
父王は、女性の不義を絶対に許さない男だ。しかも、相手が親友である騎士団長ランドルであれば、より怒りは大きいだろう。
うまくいけば、ランドルは処刑、ベアトリスも王女の地位を奪われると思っていた。
だが、状況はアマリリスが望んでいた以上に進んだ。
まず、勇者がいなければ自分に価値がないと気づいたベアトリスが慌てて勇者召喚をした。
佐渡祐介という少年は、明らかに姉を警戒している。実に頭がいいと思った。
そんなことにも気づかない姉は、夜這いをかけ、失敗したのだろう。自分の失態を隠すためにせっかく異世界から呼んだ勇者を処刑するという愚行をしたのだ。
――結果として、何者かの攻撃により騎士団長ランドルは惨たらしく死に、ベアトリスの両腕が落とされてしまうという大事件に発展した。
しかも、民まで巻き込まれて十人以上死んでいるのだ。
これはベアトリスの責任問題となる。
アマリリスは、ここで姉を絶対的に潰すために、逃げた勇者を追った。
殺すためではない。
味方にするためだ。
異世界人を使い潰そうとする姉のように愚かではない。
美味しい思いをさせ、自ら力になろうとさせるのだ。
――しかし、彼女の野望はここで潰えることとなる。
「ぱおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!」
聞いたことのない雄叫びと共に、アマリリスの身体は宙を舞った。
何が起きたのかわからず、ただ真っ青な空を眺めていた。
身体がばらばらになってしまったような激痛に襲われるが、人ごとに思てた。
そして、アマリリス・ブレスコットはぐしゃり、と頭から地面に落ちた。
アマリリス・ブレスコットさんでした!
お疲れ様でした!
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