4「妖怪がなんか用かい? じゃね?」③
ブックマーク13000!
どうもありがとうございます!
「祐介くんに、千手さん……またいいタイミングで河原にいるなぁ」
「運命だね! 夏樹くん、妖怪さんと知り合いならもっと早く教えてくれればいいのに!」
「ぐ、ぐいぐい来るなぁ!」
軽やかなステップを刻みながら、祐介が夏樹とぬらりひょんに近づいてくる。
ふたりの前で、くるっと一回転すると、白い歯を輝かせた。
「うわぁ」
「……この子、なんか怖い」
無意味にテンションが高い祐介に夏樹とぬらりひょんはドン引きだ。
「なんでそんなに祐介くんはテンションが高……あ、もしかして好きなの?」
「だいちゅき!」
異世界に召喚され、不遇な扱いを受けた挙句亡くなった勇者佐渡祐介はもういない。
代わりに人外娘大好きっ子、佐渡祐介がここにいた。
「……そういえば、すさすさが夏樹坊ちゃんの他にも勇者がいるって言ってたな。まさか、こちらの坊ちゃんがふたりめの勇者とはねぇ。見た感じ、歳も近いようだが、同じ時期に異世界に何度も召喚されるっていうのもおかしな話だねぇ」
「確かに。気にしたことなかったな。なんで、わざわざ、この時代の日本の、しかも向島市に限定してふたりも攫われているんだか」
「そんなことはどうでもいいから、妖怪娘さんを! ご紹介ください!」
「……この坊ちゃんすげえなぁ」
異世界召喚を『そんなこと』とはっきり言い切る祐介に、ぬらりひょんも苦笑気味だ。
「まさか俺も、由良がこんなところで妖怪と一緒にいるとは思わなかったな。ところで、このじいさんはなんの妖怪だ?」
千手の質問に、夏樹は「あー」と、なんとも言えない表情をした。
妖怪であることは千手もわかっているようだが、ぬらりひょんであることまでは見抜けていないようだ。
ぬらりひょんがわざとわからなくしているのか、それとも個性がないからであるのか、夏樹には判断できなかった。
「このおじいちゃんはぬらりひょんさんです」
「……頭が違うじゃねえか」
「はいはい、また言われちゃった! すみませんねぇ、頭が普通で! どうせ盛りましたよ! そんな盛り盛りのぬらりひょんこと、ぬらりひょん・善也です! よろしくな!」
「そんなことどうでもいいから、美人な一反木綿さんを紹介してください!」
「坊ちゃん、さすがに妖怪の俺でも一反木綿の美人だとかそうじゃないとかわかんねえよ。というか、さっきからぐいぐいすごくない?」
「その前に、ぬらりひょんに名前があるのかよ。善也ってなんだよ。誰がつけたんだよ」
まだ見ぬ妖怪娘に興奮を抑えられない祐介、ぬらりひょんの名前に頭痛を覚える千手、人間に振り回されているぬらりひょん、そして夏樹は疲れたのでお弁当箱を開けて早弁を始めた。
「うまっ」
この面子でいくぜぃ!
今回はボーイたちだけで、ガールはお休みです(多分)。
千手「やべぇ、常識のある征四郎呼ぼうぜ!」
征四郎さん「甥っ子がしゅごいから無理です」
楽しんでいただけましたら、ブックマーク登録、ご評価、ご感想を頂けますと励みになります。
よろしくお願い致します!




