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異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
4章

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1「ぬらぬらとか怖くね?」





 夏樹は、通学途中の河原で体育座りをしていた。


「ぬらぬら言ってる変なおじいちゃんがいたんだけど、なんだったのだろう。あれ。怖いなぁ、なんか怖いなぁ。小梅ちゃんと銀子ちゃんが気付いていないフリした方が面白くなるってメッセージ送ってきていたから、いつも通りに振る舞ったけど、マジで誰?」


 起き抜けに携帯を確認すると、小梅と銀子から侵入者がいるが気にするな、とメッセージが入っていた。

 夏樹は異世界の経験から、敵意がある者が近づけば寝ていても起きるし、近づかれたら無意識に迎撃もできる。

 なによりも、聖剣さんが夏樹以上に敵意に厳しいので、夏樹が何かする前に黒焦げになるだろう。

 実際、異世界では夏樹と既成事実を作って良いように操ろうとした貴族の子女が何人も黒焦げになっている。


「あのおじいちゃん、普通にご飯作ってたし、美味しかったけどさぁ。マジで誰?」


 最初こそ、神や魔族がまた遊びに来たのかと思ったのだが、なにやら雰囲気が違う。

 人外のような気がするが、気配がのらりくらりとしていて掴めなかったのだ。

 若干の不気味さがあったが、陽気にニコニコしている老人に問答無用で攻撃する趣味はなく、小梅と銀子がにまにましているので放っておくことにしたのだが、気になりすぎて学校に行けない。

 なんだかまたファンタジーの予感がして、家に戻った方がいいような気がしていた。


「ていうか、お母さんが帰ってきたときにあのぬらぬらおじいちゃんがいたら面倒臭くなる予感がする! やっぱり帰ろ――げ」


 腰を浮かせた夏樹が動きを止める。

 視線の先には河川敷を爆走してくるぬらぬらおじいちゃがいたのだ。


「おい、こら! 坊主、今、げ、って言ったろ! 言ったな! やっぱり気づいてたのにスルーしやがったな! ぬらぬらすんぞ! めっちゃぬらぬらすんぞ! おい! ぬらぬらにしてやんかならな!」

「ぎゃぁあああああああああああああああああああああああ! ぬらぬらおじいちゃんが陸上部真っ青な速さで河川敷をダッシュしてくるぅううううううううううううう!」

「おい、こら、逃げんな! おい、ぬっらぬらにすんぞ! ぬらぬらってんだよ! こっちはずっとぬらぬらってんだからな! あんまりぬらぬらさせるんじゃねえぞ!」

「なんかきもいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」


 異世界帰りの勇者でも、ぬらぬらおじいちゃんが怖くなって逃げ出す。

 すると、速度を増して追いかけてくる。

 控えめに言って恐怖だった。


 途中、クラスメイトとすれ違うが、そんなこと気にならないほど必死で逃げた。




 ――おかげで、学校に来ない由良がなんかぬらぬらしながら河川敷をダッシュしていた、という愉快な噂が学校に広がった。







 交番のお巡りさん「あのね、どんな理由があるかわからないけど、ぬらぬら言いながらおじいちゃんが中学生追いかけていたら、そりゃ本官もびっくりして緊急逮捕しちゃうわけよ」

 ぬらぬら「はい。すみません」

 交番のお巡りさん「この子が、知り合いでふざけていたって言ったから、今日は厳重注意ですますけど、次同じことしていたら、署の方で詳しいこと聞くからね。なんなら応援要請しちゃうからね」

 ぬらぬら「本当に申し訳ありません」

 交番のお巡りさん「じゃあ、とりあえず身分証明書だして。ぬらりひょん・善也さんね。変わった苗字ですね。住所は、遠野って。随分と遠くからきましたね。ご親戚?」

 ぬらぬら「えっと、親戚です。はい」

 交番のお巡りさん「あまりうるさいこと言いたくないけど、いろいろ物騒な世の中だからね。気をつけてね」

 ぬらぬら「はい。お手数おかけしました」



 注意:本作は特定の妖怪さんを誹謗中傷するつもりはございません。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
妖怪的にはこれだけ怖がって貰えれば本望カモシレナイ
葛飾北斎がえっちい絵を描くときに使ってたペンネームのひとつが「鉄棒ぬらぬら」だけど、その「ぬらぬら」のニュアンス持って読むと、迫ってくる様子と合わさってなかなかに変質的なじじいの発言だよね…(苦笑い)
注意:本作は特定の妖怪さんを誹謗中傷するつもりはございません。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。 は? 神様をあれだけ「冒涜」しておいて、今更もう手遅れだと思うの・・ ・・合唱!
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