64「大地の勇者の全力じゃね?」④
「ほーら、ほーら、僕が裸になっちゃうよ? あなたに裸にされたとSNSで晒すよ!」
「そ、それが大地の勇者の戦い方だと言うのか! 晒すなら晒せばいい! 私は、すべきことのために戦うだけだ!」
「――そのすべきことが気になるんだよね」
どんっ、と寒波の神の腹部に祐介の掌底は入り爆発したような音が響く。
「――が、ほ」
寒波の神の口から、血が溢れた。
「SNSで晒したりしないよ。僕はね、大地の勇者だから大地のパワーで戦うよ」
「――散々ふざけたことをしていた貴様がなにを」
「上、見て」
祐介が頭上を指差した。
寒波の神が恐る恐る視線を上に向ける。
「――な」
そして絶句した。
頭上には、十本の石柱が浮いていた。
魔力が込められた石柱は神の身体を潰し、削るだろう。
「殺したくはないから、がんばってね」
石柱が寒波の神を襲った。
直径が五十センチほど、全長は十メートルほどある石柱が、唸りを上げて神を押しつぶさんと襲いかかる。
「――いくら結界を張っていても地形が変わるぞ!」
「地形のことを気にするなら、市街地で襲い掛からないでよ!」
祐介にしてはもっともなことを言う。
その間にも石柱が襲いかかった。
一本目は、余裕で避けた。背後の石柱が音を立てて突き刺さる。
二本目、三本目も余裕で避けることができた。
三本目、四本目は外れた。
五本目も、前方に埋まった。
六本目で寒波の神は自分が石柱に動きを封じられていることに気づいた。
七本目を拳で砕き、八本目も同じようにした。
九本目を神力の砲撃で破壊すると、十本目は今までにない速度で襲いかかってきた。
腕で弾くが、腕が砕けた。
「よくできました。じゃあ、次いくよ」
――ぱんっ。
祐介が手を叩くと、地面に埋まった石柱たちが中心にいる寒波の神を一斉に囲み、挟んで埋め尽くした;
「なめるなぁああああああああああああああああ!」
しかし、石柱はすべて寒波の神によって内側から破壊されてしまった。
「いや、舐めてないよ」
祐介は拳を構えて、腰を低くする。
「決着をつけよう、あなたには渾身の一撃以外通じないと理解した」
「――舐めるな、変態が! 寒波の神の一撃を喰らうといい!」
――冷気が吹き、ふんどしがなびいた。
「――凍てつく世界」
「――怒れる大地!」
凍りつく冷気が祐介を襲い、地面から隆起した大地の槍が寒波の神を貫いた。




