63「大地の勇者の全力じゃね」③
大地の神は、祐介の力を感じ取り動きを止めた。
「――大地の力を解放するのか」
時間は限られていたが、訓練をした。
祐介は飲み込みが早く、柔軟だった。
そのため、少々指導に熱が入ったが祐介はすべて学び、覚えた。
初めて選んだ勇者が、当たりだったことに大地の神の喜びは大きい。
「――大地の力を見せてやれ」
にっ、と大地の神が笑った。
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寒波の神は小刻みに身体を震わせると、祐介を指差し叫んだ。
「変態だぁああああああああああああああああああ!」
「し、失礼な! この僕のどこが変態だというんだ! 新たな神々は千手さんを襲撃した挙句、人を変態扱いするなんて、無礼にも程があるよ!」
『大地』と書かれた褌を靡かせ、靴と靴下さえ脱いだ祐介が寒波の神を睨みつけた。
神が怯え、後退した。
「――大地に包まれる時間だ」
ぱぁんっ、と祐介は己の尻を景気良く叩いた。
「――ひっ」
寒波の神が怯えた僅かの隙間に、祐介が肉薄していた。
祐介の腕が伸び、首とベルトを握ると担ぎ上げた。
「――大地パワー!」
そして、そのまま寒波の神を地面に叩きつける。
「が、はっ」
全力で地面に叩きつけられた神の肺から空気が漏れる。
呼吸が止まった神の腹部を全力で踏みつける。
寒波の神がよけようとしたせいで、足が胸を踏みつけてしまい、あばらが折れる音が響く。
「………なんて……力、だ」
大地の勇者の基本は、圧倒的な身体能力。
しかも、力の特化している。
その力を全力で乗せて踏みつけられたのだ。
いくら神でもたまったものではない。
「――大地の抱擁」
肉体が再生していく寒波の神の首にふんどしを巻きつけ、絞める。
「殺しはしないけど、意識は奪わせてもらう。抵抗せず、力を抜いて」
「ふざ、けるなっ! ふざけるな! こんな汚い物をよくも!」
「洗濯したばかりだよ」
「知るか! 今度はこちらが、攻撃させてもらう! 神の力を、知るといい!」
「――いいのかい?」
「なに?」
寒波の神が動きを止めた。
祐介から謎の圧が放たれる。
「いいのかい? 君が攻撃して、もし、僕のふんどしが破れたり、はずれたりしてもいいのかい? その場合、ちゃんと責任をとってくれるんだろうね?」
「――し」
寒波の神は全力で吠えた。
「知るかぁああああああああああああああああああああああ!」




