33「子供の成長はいつだって早くね?」①
夏樹たちは通学路の途中にあるファミレスで征四郎と義政と待ち合わせをした。
「――お疲れ様です、征四郎さん、義政先生」
中腰になって頭を下げる夏樹に、征四郎が顔を引き攣らせ、義政が微笑む。
「あ、ああ、由良夏樹。他でもないお前からの誘いだから来たんだが、その挨拶はいいから座ってくれないか?」
「お疲れ様です、夏樹さん。一登さんと……杏さんでしたね。おや、そちらの方は?」
「――へい。一登と杏さんのクラスメイトの桐木霧子さん。通称きりきりさんです」
「そうでしたか。お初にお目にかかります、僕は神無義政です。こちらが僕の尊敬する叔父の神無征四郎さんです」
「いよっ! 義政先生、征四郎さん!」
ぱちぱち、と拍手をし始める夏樹に、桐木が困った顔をした。
「初めまして。――ていうか、なんでなまはげ先輩は舎弟みたいになってんの?」
「おばかっ、義政先生の前だ。言葉に気をつけなさい。へへへ、すみやせん、義政先生。この子はまだ月読ファミリーの新参者でして」
「いや、ファミリー扱いしないで。なんか倍増しでキモいね、なまはげ先輩」
「がーん!」
「そういうところね」
急に舎弟感丸出しで鬱陶しくなった夏樹を放っておいて、一登たちが席についた。
対面式の席だったので、夏樹は征四郎と義政と並んで座った。
「初夏のスイーツ増し増しパフェとブラックコーヒーをお待たせしました。他にご注文はございますか?」
ちょうどいいタイミングで店員さんが来てくれたので、夏樹たちがそれぞれ飲み物を注文した。
店員が笑顔で去っていくと、義政の前に置かれたパフェと征四郎の前に置かれていたブラックコーヒーが入れ替えられた。
「あ、逆なんだ」
「……すまん、最近、疲れているせいか糖分摂取したいんだ」
「あー、征四郎さん、お疲れ様です」
少し恥ずかしそうに征四郎がパフェにスプーンを入れる。
「ここは俺が奢るから、好きなものを追加で注文してくれ」
「あざーっす!」
とはいえ、まずは話をしなければならない。
「あの、義政くんだっけ? 砂糖とミルクいる?」
「いえ、僕はコーヒーはブラックと決めていますので」
「――しぶい!」
「味覚的に大丈夫なの? 苦くないの?」
「――ふっ、この苦味がまるで人生を味わっているようで好ましいのです」
「なんか難しいこと言ってる!」
「杏、びっくり!」
義政の貫禄に、杏と桐木が驚いている。
無理もない。
夏樹と一登もいまだに慣れない。
「えっと、こういうこと聞いていいのかわからないんだけど……」
「構いません。どうぞご質問ください」
桐木が躊躇いがちに尋ねた。
「中の人はおいくつですか?」
「――僕、子供だからなんのお話だかわかんない」
「演技へた!? すっごい嘘くさい!」




