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精霊の執事  作者: 3608
執事修行的な
PR
9/68

襲撃的な

初めての事件です。戦闘描写もできる限りのことはやりました。

「剣術の心得はありますか?」

「一般人以下のど素人です」


 目の前に差し出された無骨な剣と一緒に出された問いかけに、正直に答えた。

 魔霊に対して警戒するとは言ったものの、衛兵すらいないこの屋敷でどんな対応が出来るのか。

 それはお嬢様に仕える僕達が武装して魔霊が出てきても撃退出来るようにするということだった。

 でもねユリアさん、僕は武器を持ったことすらない人間なんですよ。今まで自分でも結構頑張ってきたけど、さすがにそれは無茶ぶりというものですよ。

 及び腰になる僕をユリアさんは甘えを許さない態度で諭してくる。


「なにも魔霊と戦うことになるのが決まったわけではありません。出てきた魔霊は既に討伐されましたが万が一に備えるだけです。それに万が一があったとしても魔霊はわたくしが撃退します」

「ユ、ユリアさんが!? 危険ですよ! もしユリアさんが怪我でもしたら――!」

「本邸からは衛兵もやってきません。そしてこの屋敷には傭兵を雇う余裕もないのです」


 その正論にぐぅの音も出なかった。

 たとえどんな状況でも、この屋敷では護衛を増やすことは出来ない。

 改めて突きつけられたその事実は、不穏な現状ではまるで見えない鎖が幾重にも巻きつけられて深い闇の中に引きずり込まれるような言い知れない不安を心にのさばらせていく。


「それにわたくしは低位の魔霊に遅れを取る程やわではございませんよ。これでもアスラの一族の一人ですから」

「……アスラ?」

「左右で色の違う目が特徴の、常人とは一線を画した身体能力を持った一族のことです。もうあまり数は残っていませんが単騎で並みの精霊複数と戦える程度の実力は持ち合わせています」


 言われてユリアさんとの初めての邂逅を思い出す。

 あの時は動転していてあまり意識しなかったけれど、確かにあの時のユリアさんの動きは地球のオリンピック選手よりも速い――要は人並み外れた身体能力を持っていた。


「ちなみにあなたと初めて会った時は本気の三割程度です。戦いの素人に動きが認知出来る程度ではアスラは名乗れません」

「あれで三割……」


 頬を引きつらせるしかなかった。

 頼もしいげんだ、しかしそれは僕の中に溜まっていく不安を払拭するには足りなかった。


「だからたとえ魔霊が出てきたとしてもわたし一人でなんとかなります。しかしそれでも、戦いに絶対はありません。遅れを取ることはなくても、隙を突かれて後ろに通してしまうかもしれない。その時はあなたがお嬢様を守るしかないのですよ」


 ユリアさんの紫と赤の目が、ピクリとも揺れずに僕の目を捉えてくる。

 僕の目はユリアさんのその左右で色の違う目から離れない。いや、離すことができない。ユリアさんのその目が僕に目を逸らすことを許してくれなかった。

 今僕を見ているユリアさんの目は今まで何度か向けてきたどの色とも違っていた。それは……問いかけだ。

 僕は今、覚悟を試されている。

 同時にこれは一種の最後通告でもあるだろう。

 ――お嬢様の為に命を賭けられるか。

 ここで僕が否と答えれば、恐らく二度とユリアさんは僕を認めることはない。

 そして同時に、僕は二度とお嬢様と顔を合わせられなくなる。恐らく僕はこの屋敷を出て行くことになるだろう。

 お嬢様と、自分の命、揺れる天秤を傾けたのは……お嬢様に向けた誓いの言葉だった。


 ――たとえどんな状況であっても、力の及ぶ限り、僕はあなたに付いて行きます、お嬢様。


 あの時僕はなんて言った? どう思っていた? あの……地球で生きていた頃に僕がこの目で見た誰よりもしたたかで優しい笑顔を見せてくれる彼女に僕は命も賭ける価値を見出していたか?

 ……そんなの決まってる。


「…………」


 僕は無言で剣を……受け取った。

 これで僕はユリアさんがどうにもならない事態になった時に、命を賭けてお嬢様を守る役目を自分に与えたことになる。

 お嬢様を守るために受け取ったその剣は、物理的な重さ以上に重く感じた。

 鞘を固定する為のベルトを腰に巻きつけた僕の姿を見てユリアさんが満足気に一言。


「違和感がすごいですね」

「口調とセリフの内容が合ってないですよ」

「剣術の基礎ならお互いの時間に余裕がある時に教えますから、今はその剣の重みを感じることに専念していてください」


 聞けば、ユリアさんはオーソドックスな種類の武具は大体扱えるとのこと。家事も優秀、しかも強いって……戦うメイドさんという言葉を地で行ってるよこの人……。

 そこからはお互いに平常運転に戻った。ユリアさんはいつもの午後の仕事(何をやってるかはイマイチ把握していない)に、僕は……花壇の様子を見てから部屋以外の掃除かな?


 ◆


 お嬢様は僕が腰に吊るした剣を見ても何も言わなかった。

 正確には何かを言いたそうにして口に出す前に飲み込んだというところか。

 口に出さなくてもお嬢様が何を言いたいのかは痛いほどわかった。

 あのお嬢様が自分に近しい人が危険な目に遭うことをよしとする筈が無い。本来なら顔を真っ青にして危ないことをするのは止めて欲しいと言うだろう。

 だけどお嬢様は日がな一日を本を読んで過ごすからか頭がいい、そうする必要があるのも理解しているんだろう。だから心配気な表情を向けるだけに留まっている。その心配が来て数日の僕にも向けられているのは不謹慎だけど嬉しかった。

 さて、僕は現在花壇で土いじりをしている。

 ……他にも仕事はちゃんとしている。ユリアさんに言われてお嬢様に紅茶を持って行ったり、廊下の窓に目立つ汚れを綺麗にしたり、ユリアさんが買ってきた食材とかを選別してしまっていくのを手伝ったり。

 今僕がそれ以外にやることは無いと言わんばかりに花壇に来ていても、それはちゃんと他の仕事を終えてからのことだ、何を言われる筋合いもない。

 というか今僕がこうしているのは時間潰しをしているのに等しい。

 というのももうすぐユリアさんの仕事が一区切りするらしく(なんだかんだで僕がちょこちょこと手伝っているから終わるのが早いらしい)、その後ですこし時間をとって僕に最低限この剣を扱う為の技術を教えてくれるとのことだった。

 どんなことをするのかと好奇心と若干の不安を抱えながら時折お嬢様との雑談を交えながら土いじりに精を出す。


「……ユーリはさ、やっぱり普通の男の子みたいに剣に憧れたりしてたの?」


 その女の子が男の子に対する質問としてよくありそうなそれは、聡いお嬢様が、それでもどうしても訊きたくて、それで出来る限りの遠回りをした上での僕に対する様々な問いかけだった。

 そのお嬢様の精一杯の努力を理解して僕は話の流れに沿うようにおどけた口調で、それでいて正直に答えた。


「お恥ずかしながら子供の頃は正にそうでした。架空の物語の中で主人公が剣を取って戦うのを子供ながらに真似したりしましたよ」

「う~ん……理解出来ない」


 そう言って。心底不思議そうに首を傾げる。男子と女子の感性の違いは世界を超えても変わらないみたいだ。それがどこか可笑しくて苦笑しながら先を続ける。


「あはは……。でも、歳をとるにつれてそういうのは無くなりましたね」

「どうして?」

「空想に憧れるよりも現実を見るほうが大事になったのが一つ。それに物事を考えれるようになって、武器を持つということが誰かを傷つけたり自分が傷つけられたりするかもしれなくなるってことに気づいたからじゃないですかね。おかげでユリアさんからこの剣を受け取るときすごくビビってたんですよ」


 情けないですよねと、力なく笑う。

 しかしお嬢様は嘲るでもなく、釣られて笑うでもなく、励ますでもなく、


「ユーリ、ちょっとこっちに来て」

「――? どうかしましたかお嬢様?」


 言われるままにお嬢様顔を覗かせる窓際へと移動する。

 疑問に思う僕に対してお嬢様は何も言わずに――僕の手を握り締めた。

 お嬢様の手は上質な布団にくるまれたように温かい。

 しかし今の今まで花壇の土いじりをしていた僕の手はまだ土で汚れたままだった。


「っ……お嬢様、手が汚れてしまいますよ!」

「確かに、武器を持つことを恐れるのは傷つくことを恐れる心の弱さの現れ。だけどわたしは、傷つけることを恐れる優しさの現れであるとも思ってる。それにわたしは、恐れてもなおその武器を手に取ったあなたの心を弱いとは思わない」


 お嬢様の力強い断言が耳朶を打って頭の中に浸透してくる。

 ……僕は案外単純なのかもしれない。テンションのメーターがマックスを振り切ってとんでもないことになっている。今ならもうなんでもバッチ来いみたいな気分だ。

 ――そのテンションが一瞬で冷え込んだのは、次の瞬間だった。


「…………!」


 半ば反射で後ろを振り返る。

 何も変わりのない屋敷の敷地の光景が広がっている。

それでも……この背中が総毛立つ感覚と、離れた場所から感じる異質な――どこかで覚えのある気配が、今が非常事態であることを冷酷に告げていた。


「ユーリ……」


 震えた声で僕の名前を呼ぶお嬢様は、顔を土の色に変色させて呆然と僕と同じ方向を見ていた。……精霊と契約していなくてもも、この異質な気配は感じられている。

 バンっ!


「お嬢様っ、ご無事ですかっ!?」

「ユリア……」

「なんですかその格好」 

 

 僕はまずユリアさんの様相に目を剥いた。

 長い髪は後ろでくくられ、体には幾重にもベルトが巻かれ、背中には何本もの槍と矢筒に弓、腰にはこれまたいくつもの剣を携え、止めに両腕両足に鉄甲を取り付けたその戦闘準備は、どう見ても武器が壊れることを前提にした装備だった。

 息を急き立てて部屋に飛び込んできたユリアさんはお嬢様の無事を確認して安堵の溜息をつき、厳しい視線を窓の外へ向ける。

 気配は出現した場所から四方へ散り、その内のいくつかはこちらに向かっている。それでも数はかなりのものだ。


「ユリアさん」

「わたしの察知能力はそれほどではありませんが、こちらに向かってくる気配があることはわかっています」

「他の場所にもたくさん行ってましたけど……」

「街には騎士団が、本邸には私兵がいます。それに正直なところ、わたしたちに気にしている余裕はないですよ」


 そのことを示すように、ユリアさんのこめかみからは一筋の汗が流れる。


「アスラなら魔霊くらい余裕みたいなこと言ってませんでしたっけ?」

「孤軍奮闘というのはそう甘くはないんですよ、一瞬の油断が命取りになりますから。それに、武器が耐えてくれるか怪しいです。量産品の安物ですからね、一応持てる限り持っては来ましたが……」


 緊張を和らげようとした軽口もあまり効果はなかったみたいだ。

 

「とにかく窓際にいるのは危険です。お嬢様を抱えて扉の近くまで避難を」

「ここで戦うんですか?」

「魔霊の位置的に迎撃にはここが最適です。それよりも早く、魔霊の動きが思ったよりも――」

 

 ユリアさんが言い切る前に、

 ゴウっ!

 

「ぐあっ!」

「きゃぁああっ!」

「くっ!」


 突如襲ってきた突風に僕は壁に叩きつけられ、窓から入り込んだ突風は暴れ狂うように部屋を荒らしていく。

  


「痛っ……お嬢様、怪我は?」

「うん、大丈夫……」

「お二人共、あれを!」


 お嬢様の無事を確認してホッとしたのも束の間に、ユリアさんが指し示す方向に目を向ける。

 その先にいたのは――雑多な動物の形をしたナニカの群れだった。

 形は僕でも見たことのある動物の形をしたものが多い。しかし、どの個体も構成されている体の表面の半分以上が様々な色が雑多に混ざったおぞましい色に取って代わられており、目も黒の中で赤い点が揺れ動くだけの化物になってしまっている。


「あれが……魔霊……」


 気配もさることながら、その姿も異様だ。こんな存在が世界で自然に生まれてくるなんてありえない、そう確信出来る程に目の前の存在は異質だった。


「呆けている場合ではありません! ユーリさん、早くお嬢様を!」

「わ、わかりました!」


 サッシに足を掛けてベッドを飛び越えて部屋の中に飛び込み、お嬢様の体とベッドの間に手を入れる。


「失礼します!」

「きゃっ!」


 いわゆるお姫様抱っこの状態になっているわけだけれども、恥ずかしがっている暇も舞い上がっている暇もなかった。

 僕と入れ替わりで外に飛び出したユリアさんは背負っていた弓を手に持って矢筒から三本の矢一度に抜いてものすごい速さでつがえて次々と魔霊に命中させていく。

 お嬢様を抱えて扉の傍まで移動する少しの間にユリアさんの背負う矢筒からは半分程の矢が消えており、それもすぐに射ち尽くされてしまった。

 魔霊の群れが近づくとユリアさんは弓と矢筒を投げ捨て、今度は背負っていた槍を持って魔霊の群れに単身で突撃していく。その勢いは凄まじく、巻き込まれた魔霊は例外なく吹き飛ばされていく。

 魔霊の群れもやられるだけではなく、どこからともなく現れた石で作られた槍や吹き荒れる風がユリアさんを襲う。……どうやらあの魔霊たちは風の精霊と地の精霊が魔に堕ちたものみたいだ。

 しかしユリアさんは石槍を槍で叩き落とし、叩き落とせない風はその場からの大ジャンプでことごとく躱していく。

 無傷で縦横無尽に戦い続けるその姿は先程ユリアさんが言っていた事が誇張でもなんでもないことを如実に物語っていた。


「……すごい、これなら……」

「……駄目。普通の武器じゃあ魔霊は簡単には倒せない」


 淡い期待はお嬢様のか細い声でかき消された。

 そういえば……さっきから魔霊の数が減っている気配がまるで無い。

 よく見てみると、ユリアさんの豪脚に蹴られ、槍に貫かれた魔霊は少し動きが鈍くなるだけで消えたりするようなことはない。いくらユリアさんの身体能力が凄くても、これじゃあジリ貧だ。

 ユリアさんの何度目かわからない刺突が魔霊に迫る、

 バキンっ!


「「あっ」」


 ――折れた。

 武器というのは本来消耗品だ。あの槍も量産品の安物だろうから耐久性もそんなに高くない筈だ。

 それにユリアさんの卓越した身体能力であんなに酷使されたら武器としての寿命が縮まってもおかしくない。

 すぐに槍を捨てて腰の剣に手を伸ばすユリアさんだが、その間に一瞬の隙ができた。

 遠距離攻撃が通じない事に業を煮やしたのか、犬のような形をした魔霊の一体がユリアさんの腕に噛み付いた。


「ぐ……」

「「ユリア(さん)!」」


 始めて攻撃を食らったユリアさんだがそれで怯むことはなく、腕に噛み付いた魔霊を力づくで引き剥がし、


「ぁあああああああああ!」


 そのままドカンという音を立てて思いっきり地面に打ち付けた。

 打ち付けられた魔霊は動かなくなり、細かい粒子のようなものが溢れて透けるように消えていった。死んだのかは知らないけど、あれでやっと魔霊を倒したと言えるんだろう。

 一瞬の間も無くユリアさんは腰に差した二本の剣を両手に持った二刀流で魔霊に挑みかかる。しかし思ったよりも傷が深いのか、傷を負った方の腕の動きが若干鈍くなった気がする。

 何度も切りつけて何体かの魔霊は倒した。

 しかしそれ以上に……ユリアさんの消耗は激しかった。

 最初の傷からの血は止まらず、段々と魔霊の攻撃が掠るようになっていく。ユリアさんも肩で息をしだして疲労の色が伺える。

 それを僕は見てるしかできない。出来るのは僕の服を握りながら辛そうな目でユリアさんを見続けるお嬢様と一緒に歯を食いしばって耐えることだけだった。

 武器は次々と壊れていき、今ユリアさんが持っている槍が最後の武器だ。両手両足の鉄甲も殴る蹴るを繰り返すうちにひしゃげてしまってとっくに外している。

 ……限界は近かった。


「もう……やめて……」


 そして……お嬢様にはこれ以上耐えられなかった。


「もうやめてユリア! このままだとユリアが死んじゃう!」


 目から大粒の涙を流したお嬢様の懇願は確かにユリアさんに届いた筈だ。

 それでも……止まらない。

 自分が戦いを止めれば次に魔霊が狙うのは間違いなく僕とお嬢様だ。

 僕はまあ……わからないけど、お嬢様を守るためならユリアさんはどんなことだってするはずだ……たとえ自分の命が尽きようとも。

 

「何で……何で……そこまでするの……わたしなんかの為に……」


 わたしなんか? ……それは違う。

 上手く言葉に出来ない自分をもどかしく思いながら、顔を手で覆って嗚咽をもらす彼女に何かを言わないといけないと口を開こうとした時だった。


「しま――っ!」


 疲労の隙をつくように、三体の魔霊がユリアさんを抜けて僕とお嬢様に迫る。疲弊している上に後から後から押し寄せてくる魔霊のせいでユリアさんは対応出来ない。

 ――僕が守らないと!

 お嬢様を守るように立ちはだかって剣を抜く。剣の構え方なんてまだ知らない、記憶に残っているテレビか何かで見た剣道の構えをとるので精一杯だ。

 最初の一体に真正面から振り下ろす。刃が当たっても切れることはなく、自分でも驚く程の勢いで飛んでいったが、倒してはいない。

 二体目が石の槍を出して放ってくる。奇跡的な半ば反射のおかげで剣の腹で受けることに成功し、横凪に振り払――

 バキンっ!

 当たった魔霊は横に吹き飛んだ。しかし、石槍を腹で防いだのが悪かったのか、振り抜いた剣は根元から完全に折れてしまった。

 襲ってくる魔霊は後一匹残っている。

 周りの全てがスローモーションに感じる。

 残った魔霊が何かを放つような挙動をする。狙いは――お嬢様。

 考えるより先に体が勝手に動いた。

 武器は無い。

 だったら僕に出来るのは――

 自分の体を盾にしてお嬢様を守ることだけだった。

 ゴウっという空気を裂く音が走り、お嬢様を抱きしめると同時に背中が大きく裂かれるような感覚。

 背中が焼きごてでも当てられているかのような激痛の熱に対して、腕の中の熱はほんのりと温かい。

 

「ユー……リ……?」


 景色が横転していく。地球にいたころの最後の記憶と同じだ。

 違うのは……腕の中の温もりを今回は守れたことか。


「いやぁああああああああああああ!」


 お嬢様の慟哭が……どこか遠い世界の出来事のように聞こえた。

次でやっと主人公らしいというか能力的なものが目覚めるというかそんな風になります。

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