対峙
【出口】
光が放たれた。大きく、破壊的に。地の底から、誰も到達できない深淵から。
白く焼けつくような光が地面から噴き出し、広場の下から柱のように昇る。稲妻のように爆発し、空中で炸裂してアストラ・ノヴァ王立学院に降り注いだ。
地面が激しく震え、広場が裂ける。周囲の講堂の半分が一瞬で破壊された。壁が崩れ、窓が砕け、柱が倒れる。舞い上がる埃の中、生徒たちの悲鳴と石の軋む音、遠くでの爆発音が響き渡る。
図書館の一部が崩落し、医療棟が揺れた。生徒会本部の壁に亀裂が走り、廊下は瓦礫で埋め尽くされた。
青く澄んでいた空は、瞬く間に灰色に、黒に、そして赤へと変わっていく。あらゆる場所から煙が立ち上り、燃える匂い、砕けた石の匂い、焼けた木の匂いが混ざり合う。何か古い、今まで嗅いだことのない危険な匂いがした。
外にいた生徒たちは凍りついた。ある者は叫びながら走り出し、ある者はその場に立ち尽くして目を見開く。まるで見てはいけないものを見てしまったかのように、誰も言葉を発さない。
中央広場では、輝いていた噴水が止まり、青い光が消えた。ただ瓦礫と埃、そして重い沈黙だけが残る。嵐の前の、不気味な静寂。
そして、音がした。笑い声だ。地面の下から、深みから。
瓦礫の間から、奇妙な者が這い出てくる。広場の下から現れ、立って、私たちの前で笑っている。
完全な悪魔ではない。人間でもない。その中間の何かだ。背が高く、痩せているが弱くはない。髪は炎のような赤。背中の真ん中まで伸び、乱れている。手足にはオレンジと金色の房があり、残り火のように光の下で輝く。目は炎のオレンジ、中央には爬虫類のような黒い瞳孔。体は古い火傷の跡で覆われ、かつて黒かったのであろう破れた服は灰色にくすんでいる。裸足だった。
「やっとだ。やっとだ。出た。」
笑うのをやめ、彼は私たち三人――リツ、私、アウレリア――を見据えた。
私は震えながら言った。
「誰だ、これは?」
彼は私を見て、微笑む。温かくも冷たくもない、別の時代から来たような笑みだった。
「ようこそ。ザラティルの担い手よ。」
広場全体が、静まり返った。
【紅の怒り】
リツとの戦いの疲労と、体中の痛みにもかかわらず、私は彼を見た。何も理解できない。
アウレリアを見る。彼女は剣を握り、手を震わせていた。恐怖ではなく、怒りで。
彼女は急速にエネルギーを放出し始めた。紅のエネルギーが体から漏れ出し、煙のように、炎のように溢れる。紅い髪の間に、小さな二本の黒い角が現れた。目が紅く輝き、単なる色ではなく、生きた炎のように脈打っている。背中からは巨大な黒い悪魔の翼が開き、周囲の空気を震わせた。
彼女はまるでカズミの仇を目の前にしたかのように激怒していた。息をするのが苦しく、吸気のたびに胸から炎が漏れるかのようだ。
彼女の周囲の温度が明らかに上がっていた。足元の土は乾き、近くの草さえ枯れ始める。
不死鳥の三人でさえ後退し始めた。マヤも、恐れを知らないカガミでさえも、その重く古いエネルギーに圧倒されて後退する。リツは困惑した表情で一歩下がった。これが自分の過ちだと、取り返しのつかないものを解き放ったのだと悟ったのかもしれない。
私も驚いて見ていた。なぜアウレリアがこれほど怒っているのか? なぜ彼女はイグニスをまるで長年の仇敵のように見つめているのか?
【裏切り者】
イグニスは皆を見渡し、冷たい微笑みを浮かべて、百年間使っていなかったようなかすれた声で笑った。
「最後に君を見た時から、長い時間が経ったな。」
彼はアウレリアを見て、続ける。
「あの日を覚えている。君が母と一緒だった時を。裏切り者のロゼリア・ファルモント。我がファルモント家の者だったのに、家族を裏切り、あの愚かな男――カシアン・ローゼンフィルと共に去った。私の言葉を聞かず、ただ平和を望んだあの男と。そして今、私はここにいる。」
空気が凍りついた。寒さではなく、冷たい記憶のように。
彼のオレンジの目がさらに輝き、虹彩の炎が今にも飛び出しそうに脈打つ。
「以前、出ようとした時があった。しかしあの愚かな従者が来て、私を地獄の門へと押し戻した。君の祖母、エヴェリア・ローゼンフィルが最初に扉を閉めたのだ。そして二度目。あの愚かな者――カズミが来て、私を扉へ押し戻した。ローゼンフィル家の紅の鎖で、扉は閉ざされた。」
アウレリアは聞いていた。剣を手にし、翼を開き、角を露わにして。しかし「君の母は裏切り者」と言われた瞬間、彼女の表情が変わった。紅い瞳が一瞬見開かれ、怒りではなく、古い痛みが走る。剣を持つ手が震えた。彼女自身も知らない、もっと深い何かだった。
私は初めて、ファルモント家の裏切りや、エヴェリア、そしてカズミの真実を知った。口を少し開け、閉じる。何を言えばいいかわからない。ただアウレリアの痛みに満ちた顔を見て、なぜ彼女が冷たく、この重荷を一人で背負っていたのかを理解した。
リツも聞いていた。茶色の目には罪悪感が浮かんでいる。彼は貴族の家の者だから、この事件の一部は知っていたのだろう。しかし、イグニスがファルモント家の者であること、ロゼリアが裏切ったこと、エヴェリアが扉を閉めたことまでは知らなかった。彼もまた扉を開け、これを解き放った原因なのだと、胸に重い何かを感じているようだった。
マヤの手は震え、カガミの青い目は動かない。しかしその内側で、なぜリツが力を欲しがったのか、なぜ怒っていたのかを初めて理解し始めていた。
イグニスは声を低くして言った。
「とにかく、あの愚か者は殺した。彼は犠牲を望み、そして今、死んだ。」
アウレリアの紅い瞳が、さらに燃え上がった。髪からの炎の舌が増え、周囲の温度が上がり、足元の土が燃える。剣を重く、鋭く持ち上げ、彼女は言った。
「お前を殺す。」
言い終えると、彼女は一歩踏み出した。
【最初の攻撃】
アウレリアは静かに、一歩一歩進んだ。頭は下を向き、涙が少しずつこぼれ落ちる。震える呼吸。しかし、顔を上げた時、その紅い瞳は百年の喪失と復讐の炎で燃えていた。
「黙れ愚か者! お前は何も知らない! どうやって自分を犠牲にしたか、どうやって皆を救ったか、どうやってお前を排除しようとしたか! そしてお前は、死んだ後も彼を嘲笑うのか! お前を殺す、復讐する!」
静かに言っていたが、その怒りはすべてを燃やしていた。空気そのものが震える。
反対側で、私は少し驚いて見ていた。ジャワド・タナカ。立っているが、動けない。彼女がこれほど怒っているのを、涙を見たことがない。髪に炎を、角を、翼を見たことがない。すべてはカズミのため、従者のため、友のためだ。
彼女が飛んだ。悪魔の翼で空へ舞い上がり、イグニスへと急降下する。これまで見たことのない速さで、黒い翼が力強く羽ばたく。
ローゼンフィル家の聖剣が太陽の下で輝き、何十もの紅い火の玉が彼女の手から、髪から、目から放たれる。まるで彼女自身が炎に変わったかのようだった。
玉が衝突する。ドン、ドン、ドン。爆発が続き、地面が震え、炎が空気を満たす。何十歩も離れている私の顔にさえ、その熱が届く。生徒たちは叫び、ある者は逃げ出したが、大多数は衝撃を受けながらもその場に立ち尽くして見ていた。
イグニスが煙の中に消える。沈黙。一瞬、二瞬。
そして、煙の中から静かな声がした。笑っている。
「良い。これが覚えていることだ。ローゼンフィル家の炎。裏切り者の娘の炎。」
煙から現れる。何も受けていない。服も肌も無傷で、ただ立って微笑んでいる。
「しかし、これが全部か?」
【痛みと無力の間で】
私は地面にいた。体中が血まみれで、服は前の戦いで破れている。右腕の鎧は震え、もう重さを支えられない。脚は言うことを聞かず、胸にはリツからの深い傷があり、息をするのが苦しい。
不死鳥の三人を見る。リツは少し離れた場所で震えていた。寒さからではなく、恐怖から。茶色の目は大きく見開かれ、イグニスとアウレリアと私を交互に見ている。両手が震え、その目には罪悪感と認識が浮かぶ。彼が扉を開け、これを解き放ったのだと。
マヤは彼の後ろで口を覆い、顔を青白くして震えている。カガミは槌を背負ったまま、イグニスと戦いを固定した目で見つめ、その中に恐怖ではなく、悔恨のようなものが見えた。まるでこの日が来ることを知っていたかのように。
私も驚いていた。介入すべきか? 傷は重く、リツとの戦いの後だ。立ち上がろうと左手を地面に置く。押す。一度、二度。しかし体が従わない。脚が支えられず、右腕の鎧が山のように重い。
イグニスとアウレリアの戦いが始まる。アウレリアは翼で飛び、剣と炎で攻撃する。イグニスは黒い火の玉を放ち、彼女の攻撃を防ぎ、返し、まるで遊んでいるかのように動く。すべての打撃が広場を揺らし、熱が私の傷にまで届く。
私は再び立ち上がろうとする。一度、二度、三度。倒れる。しかし、試す。いつも。
同時に、別の場所で。
【扉を閉めた者】
エヴェリア・ローゼンフィルのオフィスで。
彼女は大きな机の後ろで書類の山に埋もれ、ペンを走らせていた。手が止まる。顔を上げ、窓の外を見る。青く澄んでいた空が、速く灰色に、黒に、赤に変わり、煙が立ち上るのを見た。
胸に、胃に、骨に、何かが目覚めたような感覚を感じる。何かが出た。何かが開いた。
紅い瞳が大きく見開かれた。動かない。息をしない。瞬きもしない。ただ椅子に座り、煙と赤と黒を見つめていた。
すべてを思い出す。カズミを。扉を。鎖を。イグニスを。娘のロゼリアを。裏切りを。カシアンを。アウレリアを。
彼女は立った。悪魔のような速さで動き、灰色の服が翻る。腰の剣が震える。扉から出て、走るのではなく、飛んだ。廊下を、通路を、階段を、地下室へ。
着いた。深みへ。地獄の扉へ。止まって見る。
扉が開いている。完全ではないが、開いている。小さかった亀裂は大きくなり、紅い鎖は地面に落ちて壊れ、抑えていたルーンは消えていた。中の闇はもういない。出て、学院へ、広場へと上がっていったのだ。
破壊を見る。学院の半分が破壊され、壁が崩れ、柱が倒れ、生徒たちが走り叫ぶ。
イグニスを見る。広場で微笑み、アウレリアと戦っている。
アウレリアを見る。孫娘が翼で飛び、怒りとすべての力で戦っている。
エヴェリアは低く、重く、鋭い声で言った。
「出た。どうやってかはわからない。誰が扉を開けたかもわからない。しかし、出た。」
黙り、破壊とイグニスと孫娘を見て言う。
「アウレリア。一人で戦うな。彼は思っているより強い。」
そして一歩、広場へと進んだ。
【古い血】
その後、カシアン・ローゼンフィルとロゼリア・ファルモントが到着した。
急いで来て、広場の端に立つ。話さず、尋ねず、ただ見ている。
破壊を、エヴェリアを、イグニスを。
ロゼリアは凍りついた。二つの青い目が大きく見開かれる。動かない。息をしない。瞬きもしない。ただ彼の顔、目、髪、傷、古い服、裸足を見ている。怒りを感じる。彼が祖父であり、自分の血であり、家族であるにもかかわらず。しかし彼女は知っている。何が起こったか、娘と彼との戦いを、すべてを。
過去を思い出す。
フラッシュバック:武器
ファルモント家の館。二十数年前。ロゼリアは十六歳だった。暗い茶色の長い髪、青い目。しかし疲れていた。
祖父イグニスの前に立っていた。彼は大きな黒い広間の椅子に座り、一本のろうそくの光だけが揺れていた。
彼は彼女をオレンジの炎の目で見つめ、静かで重い声で言った。
「お前は家族を裏切った。」
低く、鋭く。
「あの男と結婚した。カシアン。ローゼンフィル家の者。価値も力も地位も血もない家の者と。何を考えていた?」
黙り、言う。
「しかし、問題ない。学ぶだろう。」
立って、ゆっくりと彼女に歩み寄る。一歩、一歩。止まり、手を上げて扉を指した。
「行け。森へ。北の洞窟に獣がいる。行って殺せ。」
ロゼリアは顔を上げ、青い目を大きく見開いて震える声で言った。
「しかし、おじいさま。私は訓練していない。準備していない。できません。」
イグニスは冷たく言った。
「頼んでいない。お前にできることを頼んだ。行って殺せ。もし死んだら、それはお前が弱いからだ。弱い者に場所はない。家族に。」
振り向き、椅子に戻って座り、彼女を見ずに言った。
「行け。今。」
ロゼリアは立ち、一瞬振り向き、扉へ歩いた。足音は重く、遅く、両手が震えていた。しかし泣かなかった。叫ばなかった。懇願しなかった。ただ歩いて出た。
次の場面。森。夜。
ロゼリアは木々の間を走っていた。体は血まみれ。自分の血だけではない。獣の血も。服は破れ、髪は絡まり、枝が手と脚を刺した。しかし止まらなかった。館に戻るために走った。
着いて、広間に入る。イグニスはまだ椅子に座り、動かず、待っていたかのようだった。
ロゼリアは彼の前に立ち、苦しそうに息をして言った。
「殺した。獣を。北の洞窟で。」
イグニスは冷たく言った。
「良い。ならば、お前は弱くはない。完全には。」
黙り、言う。
「今、南の谷へ行け。悪魔の反乱者たちがいる。行って皆殺しにしろ。」
ロゼリアは顔を上げ、青い目を大きく見開いて言った。
「しかし、おじいさま。私は疲れている。傷ついている。二日間眠っていない。」
イグニスは冷たく言った。
「頼んでいない。眠ることを頼んだのではない。行って殺せ。もし死んだら、それはお前が弱いからだ。弱い者に場所はない。家族に。」
ロゼリアは話さず、抗議せず、ただ振り向き、扉へ歩いた。足音はさらに重かった。しかし止まらなかった。出た。
場面が繰り返される。彼女の心の中で。
一度、獣の前に。
一度、悪魔の前に。
一度、反乱者の前に。
一度、傭兵の前に。
一度、知らない敵の前に。
一度、裏切った友の前に。
毎回、出て、傷つき、疲れ、死にかけて、戻る。広間でイグニスは同じ言葉を言う。
「良い。ならば、お前は弱くはない。完全には。」
そして別の場所へ、別の獣へ、別の戦いへ、別の死へ送る。死にかけて、しかし死ななかった。
彼は気にしなかった。ただ力と支配を欲しがった。孫娘をただの武器として見ていた。人間として、孫娘として、自分の血として見ず、ただ使う道具、壊れたら捨てるものとして扱った。
最後の時。
ロゼリアは再び広間にいた。しかし今回は一人ではなかった。カシアンがいた。
彼は彼女の隣に立ち、手を握っていた。紅い瞳でイグニスを見つめ、恐怖ではなく挑戦と怒りと愛があった。
ロゼリアは低く、しかし確かな声で言った。
「終わった。おじいさま。もうあなたの武器にはならない。今からカシアンと行き、結婚する。自分の人生を生きる。あなたから遠くで。あなたの家族から。すべてから。」
イグニスは冷たく言った。しかし今回は声に怒りと憎しみがあった。
「ならば、家族を裏切り、血を裏切り、名を裏切ったな。ロゼリア。今からお前は私の娘ではない。私の血ではない。私の家族ではない。行け。しかし知れ。後悔する。戻ってきて跪き、家族に戻してくれと頼む。その時、犬のように捨てる。」
振り向き、彼女を見なかった。もう一度。
ロゼリアとカシアンは出た。広間から、館から、イグニスの人生から永遠に。
しかしイグニスは忘れなかった。許さなかった。その日から待っていた。光に戻る瞬間を。皆に復讐する瞬間を。
フラッシュバック終わり。
ロゼリアは現在に戻る。
広場に、戦いに、破壊に、イグニスに。彼女の前に立っている。百年後、これだけの痛みの後に。
青い目が燃えている。炎ではなく、もっと深い何か。太陽のように熱く、周囲の空気が熱を帯びる。汗が額に浮かぶ。
カシアンも衝撃を受けている。イグニスを見て、母方の祖父である彼の紅い瞳が大きく見開かれる。これが物語にあった者だ。閉じ込められた者だ。カズミが犠牲になった相手だ。今、彼の前にいる。
同時に、エヴェリアが急速に介入していた。
イグニスがアウレリアを地面に投げた後、アウレリアは衝突し、土が舞い、血が口から出た。しかし留まらず、立ち上がる。ゆっくりと、努力で、怒りで。
「許さない、カズミにしたことを許さない、借りを返す!」
エヴェリアが戦いに介入する。
彼女は速く、悪魔のような速さではなく、もっと古い、静かで深い速さで動いていた。手から紅の炎を放つ。金色ではない、紅の生きた炎。矢のように光のようにイグニスへ。
彼は一つの動きでかわし、速く、しなやかに言った。
「相変わらずだな。」
手を動かし、地面へ打つ。ドン。エヴェリアが空中に飛ばされ、地面に衝突する。しかし留まらず、立ち上がる。アウレリアより速く、誰よりも速く戦いに戻る。衝突が始まる。
今、戦いは四人。アウレリアが翼で飛び、剣と炎で戦い、エヴェリアが紅の炎と鎖で、カシアンが剣と紅で、ロゼリアが金の炎で戦う。
イグニスは一人で中央に立つ。速く、しなやかに、冷たく動き、防ぎ、返し、まるで遊んでいるかのように戦う。二つのオレンジの目がさらに輝き、微笑んで言う。
「良い。良い。これが覚えていることだ。ローゼンフィル家。すべて、一箇所に。」
黙り、これまで見たことのない速さで動いた。
【三人対一人】
エヴェリアが静かに進む。一歩一歩。走らず、飛ばず、ただ歩く。しかしすべての一歩が地面を揺らし、空気を動かし、圧力を高める。アウレリアの前に止まり、紅い瞳で鋭く見て言う。
「下がれ、アウレリア。これはお前の戦いではない。」
彼女は放つ。速く、これまで見たことのない速さで。悪魔のような速さではなく、もっと古く、静かで深い。紅の炎の玉を準備し、手から放つ。液体の炎、生きた炎が輝き、大きくなりイグニスへ向かう。
イグニスは手を上げ、黒い火の玉で防ぐ。二つの玉が衝突する。ドン。爆発が広場を揺らし、地面が裂け、埃が上がる。熱と紅の炎が混ざる。
本当の戦いが始まる。
エヴェリアが速く動き、紅の炎の玉を放つ。もう一つ、三つ目。イグニスはかわし、防ぎ、返す。黒い火の玉が放たれ、エヴェリアは紅の炎の壁で防ぐ。爆発し、飛び散る。しかし止まらない。
「良い。良い。まだお前はそのままだ。変わっていない。まだ厳しさを使っているのか?」
返す。打撃で。強い打撃。エヴェリアは両手で防ぐが、突破される。飛び、壁に衝突する。最初、二番目、三番目、四番目、五番目、六番目。止まった。
地面にいた。震え、血が口から、額から、手から出る。しかし死なず、諦めず、立ち上がる。苦しそうに、努力で、ゆっくりと。私たち全員が見ている。ジャワド、アウレリア、リツ、マヤ、カガミ、生徒たち。皆見ている。立って、戦いに戻る。
カシアンとロゼリアが戦いに加わる。
ロゼリアが一歩一歩進む。青い目が燃えている。炎ではなく、もっと深い何か。太陽のように熱い。イグニスの前に止まり、低く、重く、鋭い声で言う。
「おじいさま。あの従者にしたことを許さない。娘をずっと泣かせた。子供時代を破壊した。」
放つ。速く。炎が形作られる。手の周りに、普通の炎ではない金色の炎。太陽の炎、深みの炎。イグニスへ投げる。カシアンも攻撃を返す。剣で、力で、紅で。
戦いは三人。エヴェリアは紅の炎で、アウレリアは紅の炎で、ロゼリアは金の炎で。カシアンは剣で、紅で。
非常に難しい戦いだった。イグニスはすべての攻撃を防ぎ、返し、進み、後退し、まるで遊んでいるかのように戦う。楽しんでいる。二つのオレンジの目がさらに輝く。
フラッシュバック:カシアンとロゼリア
戦いの最中、カシアンとロゼリアは思い出す。
彼らは若かった。アストラ・ノヴァ王立学院で、ロゼリアは二年生、カシアンは三年生だった。異なる家、異なる階級の者だったが、何かが彼らを結んだ。
一緒に訓練し、同じ広場で、カシアンは剣を上げ、彼女は炎を上げた。笑い、芝生に座り、未来、夢、家族について話した。政治から、貴族から、イグニスから遠くで。
ある日、カシアンは愛を告白し、彼女も告白した。しかし、大きな問題があった。
イグニスは関係を拒否した。孫娘がローゼンフィル家の者と結婚することを望まず、別の強い貴族の家の者と結婚して影響力を拡大することを望んだ。
ある日、イグニスは学院を破壊しようとし、状況を支配しようとした。彼の主権と力を示そうとした。しかしエヴェリアが介入し、状況を支配して彼を地獄の扉に閉じ込めた。カシアンとロゼリアは結婚し、アウレリアを生んだ。
現在に戻る。戦いに、痛みに、怒りに。
【母】
ロゼリアが戦いに加わる。すべての力で。
青い目が燃え、手の周りに金色の炎、太陽の炎、深みの炎が形作られる。手を上げ、燃え上がる金の炎の波をイグニスへ放つ。
波が押し寄せる。火災のように、熱波のように、滝のように。彼に届くが、彼はそれを突破する。手で。炎の中を歩き、まるで何もないかのように。彼女の腕を掴み、投げる。学院の破壊された方へ。
飛んだ。壁に衝突する。最初、二番目、三番目。消えた。瓦礫の中、埃の中。爆発音が聞こえる。遠くで、沈黙。
血は落ちなかった。飛んだ。金色の滴が太陽の光の中で。まるで血の涙を流しているかのように。
しかし彼女は死ななかった。瓦礫の下から立ち上がる。ゆっくりと、努力で。血が額から、手から流れる。しかし戦いに戻る。なぜなら止まれないから。今ではない。娘が一人で戦っているのを見ている時に。
【イグニスの怒り】
イグニスは裏切りを思い出す。孫娘のロゼリアがした裏切りを。あの愚かな者を。カズミ。強い悪魔の悪を侮辱し、彼と出口の間に入り、自分を犠牲にし、笑いながら死んだ者。防ぐ。攻撃を。力で。
しかし今回は、もう遊んでいなかった。もう微笑んでいなかった。もう待っていなかった。二つのオレンジの目が燃え上がり、両手を上げ、低く、重く、鋭い声で言う。
「もう十分だ。」
波が出る。黒い炎の。体から。玉ではなく、波。巨大な波。黒い炎の。あらゆる方向に放たれる。地面が裂け、空気が震え、温度が上がる。私でさえ、ジャワド、地面に、遠くに、それを感じる。顔に、手に、胸に、傷に。
アウレリアが飛ぶ。遠くへ。エヴェリアが後退する。一歩。カシアンが両手で防ぐ。ロゼリアが金の炎の壁を上げる。しかし波がそれを砕く。届く。皆に。飛ぶ。空中で。地面に落ちる。石の上に、土の上に。
沈黙。広場全体が沈黙。イグニスは中央に立ち、微笑み、静かで重い声で言う。
「これが望んだことだ。ローゼンフィル家。皆、一箇所に。」
黙り、周りを見る。破壊された学院に、衝撃を受けた生徒たちに、死体に、瓦礫に、すべてに。言う。
「どこだ?」
沈黙。広場全体が沈黙。
【落下】
本当の戦いが始まる。イグニスはもう遊んでいなかった。もう待っていなかった。オレンジの目が黒い炎で燃え、右手を上げ、エヴェリアを指す。
「お前が最初だ。お前が扉を閉めたから。」
速く動く。これまで見たことのない速さで。場所から消え、現れる。エヴェリアの前に。直接。手を上げ、殴る。ドン。
エヴェリアは両手で防ぐ。紅の炎が爆発する。しかし拳が突破し、胸に届く。飛ぶ。空中で。上へ。落ちる。地面に衝突し、土が割れ、血が口から出る。動かなかった。一瞬。動いた。ゆっくりと、努力で、膝で立つ。紅い瞳が燃え、言った。
「諦めない。絶対に諦めない。」
振り向く。イグニスはカシアンへ。
「そしてお前。私の孫娘を奪った者。」
カシアンは紅の剣を上げ、攻める。すべての力で。最初の打撃を防ぎ、二番目、三番目、四番目、五番目。イグニスは片手で防ぎ、まるで遊んでいるかのように。カシアンが六番目に剣を上げた瞬間、イグニスが進み、一歩、殴る。腹を。ドン。
カシアンは屈み、血を吐く。飛ぶ。空中で。背中に落ちる。剣が手から落ち、遠くへ。立ち上がろうとする。両手で。しかしできず、もう一度落ちる。顔を土に。
振り向く。イグニスはロゼリアへ。
「そしてお前。血を裏切った者。弱い男のために。」
ロゼリアは両手を上げ、炎を形作る。周りに金の炎の壁、太陽の炎の壁、熱さの壁。イグニスへ放つ。炎が火災のように押し寄せる。しかしイグニスは手で壁を突破し、炎の中を歩く。まるで何もないかのように。彼女の腕を掴み、投げる。学院の破壊された方へ。
飛んだ。壁に衝突する。最初、二番目、三番目。消えた。瓦礫の中、埃の中。爆発音が聞こえる。遠くで、沈黙。
残る。アウレリア。一人、広場の中央に立っている。剣を手に、翼を開いて、角を見せて。紅い瞳が燃えているが、体が震えている。恐怖ではなく、疲労で、痛みで、すべての打撃から、すべての落下から、すべてから。
進む。イグニスは。一歩、一歩、彼女へ。止まり、彼女の前に。低く、重い声で言う。
「お前が一番若い。しかし一番強い。私と同じだ。だから生かしておく。少し。お前が苦しむのを見るために。私が苦しんだように。」
手を上げ、殴る。しかし今回は、アウレリアは準備していた。剣を上げ、拳を防ぐ。最初の拳。剣が震え、手に痛みが走る。しかし後退しない。二度目に殴る。防ぐ。三度目。防ぐ。しかし手が震える。さらに。四度目に殴る。拳が防御を突破し、肩に衝突する。骨が割れる音がする。飛ぶ。空中で。地面に落ちる。土が口に入り、血が出る。額から、唇から、手から。剣が手から落ち、遠くへ。立ち上がろうとする。ゆっくりと、努力で、怒りで。しかし脚が支えられず、もう一度落ちる。
立つ。イグニスは広場の中央に。一人。ローゼンフィル家全体が地面に。エヴェリアが膝に、カシアンが顔に、ロゼリアが瓦礫の中で、アウレリアが背中に。皆地面に。傷つき、疲れ、無力で。
上げる。イグニスは両手を。出る。地面から。黒い鎖。鎖。紅ではなく、ローゼンフィル家の鎖のように黒い。闇から、地獄から、深みから。動く。四人へ。エヴェリアへ、カシアンへ、ロゼリアへ、アウレリアへ。
巻き付く。鎖は。彼らの手に、脚に、首に。引く。持ち上げる。地面から。少し。多くなく、ただ圧力を感じるのに十分なだけ。痛みを、無力を。
言う。イグニスは。静かで重い声で。
「こうだ。もっと良い。ローゼンフィル家。完全に。一箇所に。私の足元に。やっと。」
微笑み、周りを見る。学院に、生徒たちに、瓦礫に、破壊に。黙る。広場全体が黙る。
私。ジャワド。地面に。場所に。遠くに。体は血まみれ。脚が支えられない。右腕。鎧のある腕。重い。非常に。立ち上がれない。助けられない。何もできない。ただ見ている。ローゼンフィル家を。空中に吊るされているのを。アウレリアを。震えているのを見る。苦しんでいるのを見る。私を見ているのを見る。怒りではなく、非難ではなく、別の何か。理解できない何か。待つのように、希望のように、信頼のように。気づく。彼女は私を待っている。ジャワドを。立ち上がることを。何かをすることを。彼女を救うことを。しかしできない。体が従わない。
沈黙。広場全体が沈黙。
【生存】
立ち上がる。苦しそうに。
鎧。右腕に。消え始める。鱗。黒銀。後退する。ゆっくりと。皮膚の下へ戻る。竜の頭。手の甲に。目を閉じる。消える。私の右目。紅。消える。もう一つ。色が戻る。黒に。自然に。感じる。痛みが。体全体に戻る。忘れていた痛み。鎧の瞬間。戻る。前より強い。胸が痛む。右腕が震える。脚が支えられない。
しかし立ち上がる。
隣に、立ち上がる。リツも。苦しそうに。体は血まみれ。茶色の二つの目。疲れている。しかし立っている。私を見る。一瞬。以前見たことのない視線。敵意ではなく、怒りではなく、別の何か。理解のように、認識のように。
見る。アウレリアを。立ち上がる。もう一度。痛みの強さにもかかわらず。体全体が傷だらけにもかかわらず。肩が割れていても。血が額から流れていても。しかし立ち上がる。なぜなら復讐が視界を奪ったから。もう何も望まない。ただ殺すことだけ。
動く。速く。痛みの困難にもかかわらず。彼女を掴む。後ろから。言う。震える声で。しかし正直に。
「止まれ! 聞け、止まれ! これは何も解決しない、これは悪化させるだけだ。止まれ、聞け!」
掴もうとする。彼女を。しかし彼女は抵抗する。自由になろうとする。戦いに戻ろうとする。言う。震える声で。怒って。
「何を言っている? 止まれ?」
手を動かす。私を殴る。もう一度。力で。泣く。言う。
「お前は何も知らない! これは殺した者だ、これは友を殺した者だ、私の一番大切なものを殺した!」
手を動かす。心を掴む。痛みにもかかわらず。彼女の目に涙を見る。痛みを見る。怒りを見る。喪失を見る。
言う。より大きな声で。しかし正直に。
「たとえ殺しても、こうやって復讐するのではない。復讐は何も解決しない、止まれ、お前はただ問題を悪化させているだけだ!」
殴る。もう一度。言う。
「お前は何も理解していない! 今殺さなければ、誰も殺さない。」
言う。痛みを感じながら。彼女の打撃から。しかし離さない。
「別の場所での殺しは良いかもしれない、しかしこうやって復讐しても問題は解決しない、なぜなら彼は強く、私たちは準備できていない。皆傷ついている、戦いを続ければ、皆死ぬ。」
見る。リツを。
初めて。理解する。初めて。理解する。リツ。私を見る。アウレリアを見る。イグニスを見る。頷く。少し。示す。カガミを。言う。低い声で。しかし鋭く。
「彼女の頭を早く打て、問題を悪化させる。」
動く。カガミ。速く。槌を持つ。近づく。アウレリアに。槌を上げる。打つ。頭を。しかし強くではなく。ただ意識を失わせるために。一時的に。意識を失う。倒れる。膝に。彼女を抱える。腕の中に。来る。不死鳥の三人の仲間が。彼女を運ぶのを助けるために。
同時に。見る。イグニスを。私たちを見ている。微笑みながら。言う。静かな声で。重い。
「おお、ここにいたずらな子供たちがいる。」
向ける。炎の玉を。力で。
【変身】
爆発の中央で。一瞬で。声が聞こえる。頭の中から。
声は女性的。静か。暖かい。懐かしい。同じ声。第九話で聞いた。同じ声。名前だけ言って。消えた。
「シエラフィナ。」
彼女の名前を言った。もう一度。付け加えた。
「私はそばにいる。怖がるな。これはお前の戦いではない。今は。しかし力が必要になる。逃げるために。聞け。鎧を使え。攻撃ではなく。防御だけ。防ぐだけ。そして逃げろ。」
変わる。私の右目の形が。
虹彩。黒い。割れる。現れる。紅の色。中央に。広がる。ゆっくりと。燃え上がる。かすかではなく。鮮やかに。脈打つ。心臓のように。展開する。鎧が。手から。肩へ。鱗。黒銀。皮膚の下から成長する。重なる。互いの上に。生きた金属の板のように。竜の頭。手の甲に。目を開く。前を見る。輝く。鎧全体が。攻撃ではなく。防御のために。シエラフィナが言ったように。
鱗は今回歌わなかった。祈った。静かに。防御のために。
上げる。右腕を。鎧を。前に。閉じる。左目を。開けたままにする。右目を。紅。燃えている。
来る。炎の玉が。
【防御】
玉が衝突する。鎧に。
ドン。
爆発が地面を揺らす。空気を揺らす。体全体を。しかし鎧が持ちこたえる。ひび割れない。壊れない。動かない。鱗が輝く。さらに。さらに。さらに。竜の頭。手の甲に。口を開く。放つためではなく。飲み込むために。エネルギーを。飲み込む。炎を。飲み込む。爆発を。飲み込む。すべてを。
止まる。すべてが。
消える。光が。炎が。煙が。すべてが消える。
沈黙。広場全体が沈黙。
聞く。シエラフィナの声を。もう一度。頭の中で。
「今。逃げろ。」
消える。声が。
同時に。消える。私たちは。しかし私たちは死ななかった。イグニスには見えなかった。まるで死んで。塵になったかのように。しかし私たちは生き残った。生き残った。
防いだ。攻撃を。同時に。使った。リツが。瞬間移動の能力を。残っていた力で。呟く。いくつかの言葉を。私たちを安全な場所へ運ぶために。
【逃走】
消える。
死ではなく。移動。光が包む。一瞬。まるで世界全体が溶けるかのように。周りから。音が消える。埃が消える。破壊が消える。イグニスが消える。すべてが消える。
着く。別の場所に。
小さな裏庭だった。学院の北端に。場所。放棄された。誰も通らない。古い壊れかけた石の壁。片側に。反対側に小さな放棄された建物。土の地面。小さな淀んだ水たまりで濡れている。野生の草が石の間に生えている。空は頭上で灰色。煙たい。学院を襲った破壊から。
感じる。体が地面に落ちる。土の上に。痛みが戻る。肩に。胸に。脚に。重い息の音が聞こえる。リツの声。私の隣に座っている。地面に。苦しそうに息をしている。汗が額を覆っている。顔は青白い。まるで瞬間移動で全エネルギーを使い果たしたかのように。しかし成功した。
隣に。カガミ。槌を持っている。ゆっくり息をする。周りを見る。場所が安全か確認する。マヤ。彼の隣に。震えている。見ている。アウレリアを。腕に抱いている。
【隠れ家】
助ける。カガミが。私を立ち上がらせるのを。立てなかった。体が従わなかった。しかし彼の助けで。立った。足で。かろうじて。
入れる。アウレリアを。小さな放棄された建物に。
一つの部屋だった。小さい。壁は石。古い。天井は低い。亀裂がある。灰色の光が漏れる。床は土。遠い角に。古い壊れかけた木のベッド。小さな壊れた机。一つの木の椅子。匂いはここで。古い埃の匂い。湿気。乾いた草。誰もいない。長い間。
敷く。私のコートを。土の床に。置く。アウレリアを。ゆっくりと。努力で。まだ意識を失っている。顔は青白い。額は血で汚れている。乾いた血。右肩が腫れている。打撃から。苦しそうに息をする。しかし息をしている。
座る。彼女の隣に。地面に。背中を石の壁に。手を額に置く。めまいを感じる。失血から。疲労から。すべてから。
【傷ついた者たち】
座る。リツ。部屋の反対側に。背中を反対の壁に。槌。カガミの。壊れた机に寄りかかっている。マヤ。地面に座った。扉の近くに。外を見ている。壁の小さな割れ目から。カガミ。立っている。唯一の小さな窓のそばに。煙たい空を見ている。
誰も話さなかった。長い間。ただ私たちの重い息。ただ古い部屋の沈黙。ただ遠くの風の音。割れ目を通り過ぎて。かすかな口笛を立てる。
言った。低い声で。疲れて。
「彼女は大丈夫か?」
言った。リツ。疲れた声で。同じく。
「大丈夫だろう。打撃は強かった。しかし致命的ではない。カガミは自分の力をコントロールする方法を知っている。」
黙った。一瞬。私を見た。言った。
「ジャワド。すまない。」
部屋の影が近づいた。まるで聞いているかのように。
顔を上げた。ゆっくりと。彼を見た。
言った。
「私が扉を開けた。私がイグニスを解き放った。私の嫉妬がなければ。私の愚かさがなければ。学院の半分が破壊されることはなかった。ローゼンフィル家全体が倒れることはなかった。カズミは死ななかった。彼のために。私が原因だ。すべてにおいて。」
黙った。頭を下げた。言った。より低い声で。
「すまない。」
彼を見た。話さなかった。一瞬。言った。
「謝罪は起こったことを元に戻さない。しかし謝罪はお前が理解したことを意味する。それで十分だ。今は。」
顔を上げた。ゆっくりと。私を見た。二つの茶色の目。その中に何か。以前見たことのない何か。涙。しかし落ちなかった。ただ輝いた。彼の目の中で。頷いた。少し。沈黙に戻った。
【最後の言葉】
過ぎた。数分。あるいは数時間。わからない。ここでの時間は遅い。まるで過ぎないかのように。
見た。アウレリアを。まだ意識を失っている。まだ眠っている。顔は青白い。しかし呼吸は静かになった。より良い。以前より。肩はまだ腫れている。しかし血は止まった。出血から。
周りを見た。部屋を。小さな部屋を。リツを。マヤを。カガミを。手を見た。右腕を。鎧があった腕を。消えた。思い出した。声を。シエラフィナを思い出した。
「私はそばにいる。怖がるな。」
言った。心の中で。低い声で。
「誰だ、シエラフィナ?」
答えはなかった。ただ沈黙。ただ風。壁の外に。ただ灰色の光。亀裂から漏れる。
閉じた。目を。私も。眠りではなく。ただ休息。一瞬。一つ。前にもう一度すべてが戻る前に。
【一人で】
立つ。イグニスは。一人で。
足元の影は彼の影ではなかった。もっと長かった。もっと古かった。待っていた。
破壊された広場の中央に。埃がまだ上がっている。地面から。瓦礫から。死体から。すべてから。煙がまだ空を覆っている。太陽を隠している。昼を夜に変えている。灰色の夜に。学院全体が沈黙。音もなく。動きもなく。生徒たちは逃げた。兵士たちは消えた。警備兵たちはいない。皆。皆。場所を去った。皆。逃げた。閉じ込められていた者から。百年前に。ついに。闇から。光へ出た者から。
見る。イグニスは。埃を見る。場所を見る。私たちがいた場所。一瞬前まで。私たちが消えた場所。防いだ場所。鎧が。炎の玉を。消えた。爆発の中央で。閃光の中央で。
微笑む。微笑み。冷たい。遅い。笑う。笑い。小さい。かすか。かすれた。止まる。
言う。静かな声で。しかし重い。広場に響く。空の広場に。
「死んだ。皆。死んだ。」
見る。ローゼンフィル家を。黒い鎖で吊るされているのを。エヴェリア。膝の上に。片方。カシアン。顔に。土に。ロゼリア。瓦礫の中で。アウレリア。背中に。皆。空中に。少し。鎖で。動かない。話さない。ただ苦しそうに息をする。
言う。静かな声で。しかし重い。
「残った。お前たちだけ。」
進む。一歩。彼らへ。止まる。エヴェリアの前に。見る。彼女を。扉を閉めた女を。彼に。百年前に。彼を闇に閉じ込めた女を。言う。
「お前が始めた。すべてを。お前が扉を閉めた。最初に。お前が私を閉じ込めた。百年間。闇に。一人で。光もなく。音もなく。誰もいなく。ただ闇。ただ沈黙。ただ私の思考。ただ私の怒り。」
止まる。言う。
「しかし。今。終わった。すべて。学院は破壊された。扉を開けた者は死んだ。私を止めようとした者は死んだ。私と戦った者は死んだ。逃げた者は。戻ってくる。戻ってくる。死体を見つけるために。しかし彼らは何も見つけない。瓦礫以外。破壊以外。痛み以外。」
見る。灰色の空を。言う。
「今。すべてを支配する。秩序を再建する。しかしお前たちから始める。お前たちが最初だ。ローゼンフィル家。お前たちが例となる。お前たちが最初に私の真の力を見る。最初に代償を払う。」
沈黙。広場全体が沈黙。エヴェリア。まだ膝の上に。片方。二つの紅の瞳。半分閉じている。まだ意識がある。少し。まだ聞こえる。まだ見える。しかし動けない。話せない。
しかし内側で。彼女の心で。彼女の魂で。何かが変わる。何かが静まる。何かが微笑む。痛みにもかかわらず。鎖にもかかわらず。すべてにもかかわらず。
なぜなら彼女は知っているから。彼女は知っている。孫娘が生きていると。娘が生きていると。カシアンが生きていると。しかし知らない。どうやって。なぜ。ただ感じる。胸に何かを。暖かい何かを。安全のような。安堵のような。愛する者たちが無事だということを。
彼女の心の中で。暗闇の中で。意識を包む闇の中で。小さな像が現れる。小さな子供。小さな女の子。赤い髪。紅。紅の瞳。笑っている。遊んでいる。走っている。庭で。紅の薔薇の間に。振り向く。彼女に。微笑む。言う。
「おばあさま。私は大丈夫。」
消える。像が。戻る。エヴェリアは。闇に。しかし今回は。冷たい闇ではなく。暖かい闇。安全のある闇。安らぎのある闇。希望のある闇。
言った。心の中で。非常に低い声で。誰も聞かなかった。イグニスも聞かなかった。カシアンも。ロゼリアも。アウレリアも。ただ彼女だけが聞いた。ただ彼女だけが知った。
「彼らは大丈夫。娘は大丈夫。孫娘は大丈夫。彼らは安全。」
黙った。閉じた。目を。降伏ではなく。信頼で。待ちで。なぜなら彼女は知っているから。逃げた者が戻ってくることを。逃げた者が遠くに留まらないことを。痛みが続かないことを。復讐が来ることを。しかしイグニスの復讐ではなく。家族の復讐を。愛する者の復讐を。残った者の復讐を。
外で。破壊された広場で。灰色の空の下で。埃と煙の中で。立っていた。イグニスは。一人で。笑った。笑い。冷たい。長い。言った。静かな声で。しかし重い。
「見つける。どこにいても。逃げた者を見つける。ザラティルの担い手を見つける。私に挑戦したすべての者を見つける。そして見せる。真の力とは何かを。世界全体が知る。イグニスとは誰かを。」
黙った。見た。破壊された学院を。立っている半分を。倒れた半分を。すべてを。言った。
「これは始まりに過ぎない。」
沈黙。広場全体が沈黙。灰色の空が。まだ頭上に。煙が。まだ上がっている。炎が。まだどこかで燃えている。遠くで。しかし別の場所で。遠くで。小さな放棄された部屋で。北端の裏庭で。生き残った者がいた。逃げた者がいた。戻ってくる者がいた。
私はこの物語の作者です。アイデアの整理、情景描写の改善、会話の調整のために、AIツール DeepSeek を補助的に使用しました。行動、主要な会話、感情、キャラクターの成長はすべて私自身の創作です。
そして、読んでくださっている皆さんへ。
感想やコメントをいただけると、とても嬉しいです。次の話を書く大きな力になります。もしよろしければ、一言だけでも送っていただけると幸いです。
これからも、ジャワドとアウレリアの物語をよろしくお願いします。




