第46話 青鉄砂の流れを追って
翌日。
銀行での仕事を終えた俺――上塚賢吾は、いつものように寄り道をせず帰宅した。
夕食を取り、風呂へ入り、家事と翌日の準備を済ませる。昨日、《試作五号》改め《星月》がシズナ鍛冶師ギルドの正式審査を通過したからといって、現実側の生活が変わるわけではない。
むしろ、こういう時ほど浮かれない方がいい。
昨日の最後に届いた《シズナ周辺・特別調査依頼》。
調査対象は《北東草原上流域》。
俺たちが《青鉄砂》を発見した川のさらに上流で、通常とは異なる魔力反応が確認されているらしい。
推奨レベルは十一から十三。
現在の俺たちはLv12だから、ちょうど適正範囲だ。
「星月の正式採用後、最初の冒険か」
俺はVR機器を装着した。
《リアルコンディションチェックを開始します》
《睡眠状態:良好》
《栄養状態:問題なし》
《水分状態:問題なし》
《体温:正常範囲》
《身体活動:良好》
《フルダイブ可能》
今日も問題なし。
「ログイン」
視界が暗転し、意識がAWOへ切り替わった。
◇◇◇
銀麦亭。
二階の客室から一階へ下りる。
そこにはすでにミナ、カイト、レントが揃っていた。
ミナ「ジョウゴ、おかえり!」
ジョウゴ「ただいま。全員早いな」
カイト「今日は調査依頼だろ?」
レント「北東草原なら移動時間もそれほど長くない。今からでも十分行ける」
ジョウゴ「そうだな」
俺は空いている椅子へ座る。
腰には昨日正式な名前を付けた《星月》。
試作五号と呼んでいた時と形は変わっていない。
でも、名前が付いただけで少し違って感じるから不思議だ。
ミナ「星月、持ってきた?」
ジョウゴ「主武器なんだから持ってるよ」
カイト「今日は初冒険だな」
ジョウゴ「実戦試験ではもう使ってるけどな」
レント「正式採用後では初めてだ」
ジョウゴ「そういう意味なら」
その時。
銀麦亭の入口が勢いよく開いた。
バルガ「準備できたぞ!」
ジョウゴ「何の?」
嫌な予感しかしない。
バルガの背中。
採掘道具。
腰。
ハンマー。
さらに。
ふるい。
完全装備だった。
バルガ「上流調査だ!」
ジョウゴ「バルガは来ないぞ」
バルガ「なんでだ!」
ジョウゴ「調査依頼だから」
バルガ「青鉄砂の上流だろ!」
ジョウゴ「そうだけど」
バルガ「なら新素材があるかもしれねぇ!」
ジョウゴ「まだ決まってない」
バルガ「だから調べるんだろ!」
理屈としては間違っていない。
困る。
レント「依頼の参加人数制限は?」
ジョウゴ「四人推奨」
バルガ「……」
カイト「終わったな」
バルガ「俺は戦わねぇ!」
ジョウゴ「余計危ない」
バルガ「採掘だけ!」
ジョウゴ「駄目」
バルガ「素材ぉぉぉ!」
マリア「バルガさん」
バルガ「……はい」
厨房から顔を出したマリアさん。
今日も強い。
マリア「冒険者さんたちの邪魔しちゃ駄目だよ」
バルガ「……分かった」
ジョウゴ「素直だな」
バルガ「その代わり!」
バルガが俺を見る。
バルガ「変な石見つけたら全部持って帰れ!」
ジョウゴ「依頼品じゃなければな」
バルガ「絶対だぞ!」
ジョウゴ「はいはい」
◇◇◇
シズナ冒険者ギルド。
受付で依頼を確認する。
《シズナ周辺・特別調査依頼》
《対象地域:北東草原上流域》
《推奨Lv:11~13》
《依頼目的:河川上流部の魔力反応増加原因調査》
《追加目的:水質・魔物分布・鉱物状況の確認》
《危険度:暫定C》
《調査地点:青鉄砂採取地点より北東》
俺は依頼書を読む。
ジョウゴ「討伐じゃない」
レント「戦闘回避も選択肢に入る」
カイト「でも魔物はいるだろ?」
受付職員「確認されています。グラスウルフやホーンラビットのほか、上流側ではロッククラブの目撃報告があります」
ミナ「ロッククラブ?」
受付職員「川辺に生息する甲殻系の魔物です。普段は岩に擬態しています」
カイト「また硬いやつか」
ジョウゴ「星月の相手にはちょうどいいかも」
ただし、目的は戦闘ではない。
異常な魔力反応。
それを調べる。
ジョウゴ「異常が確認されたのはいつ頃からですか?」
受付職員「三日前です。青鉄砂を採取する冒険者が増えたことで上流部も調査対象になり、その際に発見されました」
レント「反応は強くなっている?」
受付職員「わずかですが、昨日の測定では最初の報告時より上昇しています」
「……」
そこ。
少し。
気になる。
急激。
ではない。
でも。
増えている。
ジョウゴ「分かりました。無理に原因へ接触せず、危険なら戻ります」
受付職員「お願いします。調査が目的ですので、危険を感じた場合は必ず撤退してください」
依頼。
受注。
《特別調査依頼を受注しました》
《北東草原上流域》
《調査進行度:0%》
◇◇◇
シズナ北東門。
今日は配信しない。
正式配信者になったとはいえ、普通に遊ぶ日は必要だ。
四人。
草原。
進む。
しばらくすると。
見覚えのある場所。
ミナ「あった!」
青露草。
以前。
採集依頼。
来た場所。
さらに。
その東。
小川。
俺たちが《青鉄砂》を見つけたところ。
水。
変わらず。
透明。
流れている。
レント「まずここで比較する」
ジョウゴ「ああ」
川砂。
少し。
採取。
ふるい。
今回はバルガから借りた。
カイト「結局持たされたんだな」
ジョウゴ「鞄に入れられた」
ミナ「バルガらしい」
砂。
水。
流す。
残る。
青。
細かい粒。
《青鉄混じりの川砂》
《品質:普通》
《蒼鉄含有量:微量》
さらに。
少し上。
別の場所。
《低純度青鉄砂》
ミナ「前と同じだね」
ジョウゴ「ああ」
レント「ここでは異常なし」
なら。
上流。
◇◇◇
川沿い。
進む。
最初。
草原。
広い。
でも。
三十分ほど歩くと。
地形。
少しずつ。
変わる。
草。
低く。
石。
増える。
そして。
川幅。
狭くなる。
カイト「山っぽくなってきたな」
レント「丘陵地帯の入口だ」
マップ。
《北東草原・上流丘陵》
《未探索率:68%》
ミナ「新しいエリア?」
ジョウゴ「同じ北東草原扱いだけど、俺たちは初めて」
その時。
レント。
止まる。
レント「待て」
全員。
止まる。
レント。
前。
見る。
レント「あの岩」
カイト「岩?」
レント「動いた」
川辺。
灰色。
丸い。
岩。
確かに。
動く。
そして。
ガサッ。
脚。
出る。
《ロッククラブLv.11》
カイト「カニ!?」
ミナ「大きい!」
幅。
一メートル近い。
巨大。
カニ。
甲殻。
石。
みたい。
ジョウゴ「一体だけ?」
レント「……三」
別。
岩。
動く。
《ロッククラブLv.11》
《ロッククラブLv.12》
カイト「本当に擬態してた!」
ジョウゴ「向こうが来なければ避ける」
目的。
調査。
でも。
次の瞬間。
一体。
鋏。
上げる。
ガチン!
《敵対状態》
カイト「駄目みたいだな!」
ジョウゴ「カイト、正面!」
カイト「任せろ!」
盾。
構える。
ロッククラブ。
横。
移動。
速い。
カイト「カニ速っ!」
ミナ「右からも来る!」
レント「止める!」
矢。
飛ぶ。
カンッ!
甲殻。
弾く。
レント「硬い」
ジョウゴ「関節狙い!」
俺。
星月。
抜く。
正式採用後。
初。
本格戦闘。
青い刃文。
光。
なし。
まず。
通常。
◇◇◇
ロッククラブ。
鋏。
振る。
俺。
踏み込まない。
見る。
速い。
でも。
単純。
横。
振り。
その軌道。
星月。
棟。
添える。
流す。
ガッ。
衝撃。
でも。
手。
残らない。
そのまま。
身体。
入る。
脚。
付け根。
「そこ」
斬。
スッ!
甲殻。
ではなく。
関節。
切れる。
《ロッククラブLv.11》
《HP:61%》
カイト「一発で四割!?」
ジョウゴ「弱点なら通る!」
ロッククラブ。
体勢。
崩れる。
俺。
次。
《二連撃》
一。
関節。
二。
腹。
斬。
《HP:0》
一体。
消える。
《硬岩殻×1》
《蟹肉×2》
ミナ「蟹肉!」
ジョウゴ「そこ?」
ミナ「食材!」
ブレない。
◇◇◇
二体目。
カイト。
受ける。
でも。
昨日。
話。
した。
受け流し。
カイト。
盾。
少し。
角度。
つける。
鋏。
ガンッ!
真正面。
止めない。
横。
滑る。
カイト「おっ!?」
ジョウゴ「今の!」
カイト「できた!?」
ジョウゴ「少し!」
カイト「少しかよ!」
でも。
前。
違う。
盾。
衝撃。
減る。
身体。
後ろ。
飛ばされない。
レント「十分効果ある」
カイト「よし!」
そこ。
ミナ。
ミナ「《ホーリーライト》!」
光。
ロッククラブ。
顔。
直撃。
怯む。
レント。
矢。
関節。
刺さる。
カイト「今だ!」
剣。
腹。
突く。
二体目。
撃破。
◇◇◇
三体目。
Lv12。
俺。
星月。
魔力。
少量。
送る。
鍔元。
青月石。
反応。
星蒼導流鋼。
内部。
魔力。
走る。
スゥゥゥ――。
《魔力刃補助:ON》
《蓄積魔力を使用》
《起動消費MP:0》
青白い刃。
ロッククラブ。
鋏。
来る。
俺。
避ける。
そして。
今回は。
甲殻。
狙う。
「ふっ!」
斬。
ガッ――。
硬い。
でも。
刃。
止まらない。
青白い軌跡。
甲殻。
斜め。
割れる。
《ロッククラブLv.12》
《HP:43%》
カイト「甲羅から通った!」
レント「魔力刃ならいける」
ジョウゴ「でも一撃じゃない!」
十分。
強い。
でも。
万能。
ではない。
そこ。
いい。
俺。
踏み込む。
次。
通常。
関節。
斬る。
そして。
最後。
《片手平突き》
星月。
突き。
腹。
貫く。
《HP:0》
撃破。
《硬岩殻×2》
《蟹肉×2》
《小魔石×1》
魔力刃。
解除。
《蓄積魔力:91%》
《本人MP:85/85》
ジョウゴ「問題なし」
ミナ「星月、やっぱり便利だね」
ジョウゴ「蓄積分がある間はな」
カイト「後で充電?」
ジョウゴ「余裕があれば」
◇◇◇
戦闘終了。
依頼。
《調査進行度:18%》
魔物。
記録。
それも。
調査。
対象。
そして。
川。
さらに。
上。
進む。
しばらくすると。
レント。
しゃがむ。
「ここ」
川砂。
見る。
俺も。
隣。
しゃがむ。
青。
粒。
増えている。
明らか。
《青鉄砂》
《品質:良質》
《蒼鉄含有量:中》
ミナ「前に取ったやつ」
ジョウゴ「ああ」
さらに。
少し。
上。
砂。
採取。
鑑定。
《青鉄砂》
《品質:良質》
《蒼鉄含有量:中~高》
「増えてる」
レント。
川。
上流。
見る。
「源流側に蒼鉄系鉱床がある可能性が高い」
ジョウゴ「たぶん」
カイト「バルガが聞いたら走ってきそう」
ジョウゴ「言うな」
ミナ「もうくしゃみしてそう」
◇◇◇
さらに。
進む。
地形。
狭い。
左右。
岩壁。
川。
その間。
道。
そして。
空気。
「……」
俺。
止まる。
ミナ「どうしたの?」
ジョウゴ「何か違う」
レント「ああ」
レント。
同じ。
気付く。
空気。
少し。
重い。
魔力。
俺。
魔法職。
ではない。
でも。
星月。
腰。
微か。
反応。
青月石。
淡く。
光。
ミナ「魔力濃い」
ジョウゴ「分かる?」
ミナ「うん。少しだけど、さっきより明らかに」
システム。
ポーン。
《周辺魔力濃度の上昇を検出しました》
《特別調査依頼が進行しました》
《調査進行度:41%》
カイト「ここからか」
ジョウゴ「ああ」
依頼。
本題。
◇◇◇
川。
水。
見る。
透明。
でも。
光。
角度。
青。
僅か。
粒。
流れる。
レント「砂だけじゃない」
ジョウゴ「水に魔力が混じってる?」
ミナ「たぶん」
ミナ。
手。
水。
触れる。
「冷たい」
ジョウゴ「普通?」
ミナ「温度は。でも……」
目。
閉じる。
「魔力が流れてる」
カイト「川そのものに?」
ミナ「うん」
自然。
魔力。
珍しくない。
でも。
濃度。
上がっている。
理由。
不明。
ジョウゴ「水質確認」
ギルド。
渡された。
採水瓶。
水。
取る。
《上流河川水・試料A》
《採取地点記録済》
さらに。
川砂。
《上流青鉄砂・試料A》
《品質:良質》
《蒼鉄含有量:高》
《微弱な魔力反応あり》
「魔力反応」
俺。
表示。
見る。
今まで。
青鉄砂。
蒼鉄。
含む。
でも。
こんな。
表示。
なかった。
レント「異常は鉱床側かもしれない」
ジョウゴ「可能性高いな」
◇◇◇
そこから。
十分。
上流。
歩く。
すると。
川。
分かれる。
右。
細い。
普通。
左。
岩。
多い。
そして。
青。
微か。
光。
ミナ「左」
ジョウゴ「ああ」
魔力。
濃い。
左。
進む。
そして。
岩壁。
その。
下。
小さな。
水。
湧く。
湧水。
そこ。
周囲。
岩。
青。
筋。
走る。
「……鉱脈」
レント。
呟く。
俺。
鑑定。
《名称不明・蒼色鉱脈》
《詳細鑑定条件未達成》
《蒼鉄系成分を検出》
《未知成分を微量検出》
《周辺魔力との反応あり》
「未知成分」
ミナ。
見る。
「青月石?」
ジョウゴ「分からない」
似てる。
でも。
決めつけない。
俺。
さらに。
見る。
岩壁。
青。
筋。
その。
奥。
ほんの。
少し。
紫。
いや。
銀。
混ざった。
光。
レント「採取する?」
ジョウゴ「調査用に少量だけ」
依頼。
目的。
調査。
採掘。
ではない。
だから。
岩壁。
壊しすぎない。
バルガ。
借りた。
小型。
採掘槌。
取り出す。
カイト「結局役立ったな」
ジョウゴ「本人来なくて正解だったけどな」
コン。
弱く。
表面。
一部。
欠く。
小さな。
鉱石。
落ちる。
《未知鉱石片》
《品質:普通》
《蒼鉄系成分:高》
《未知魔力成分:微量》
《詳細鑑定には専門技能または研究が必要です》
「持ち帰り」
俺。
収納。
その瞬間。
ポーン。
《特別調査依頼が進行しました》
《調査進行度:72%》
ミナ「まだ七十二」
レント「原因そのものではない?」
ジョウゴ「たぶん」
鉱脈。
魔力。
反応。
でも。
なぜ。
三日前。
増加。
始めた?
鉱脈。
ずっと。
ここ。
あった。
なら。
別。
原因。
ある。
◇◇◇
その時。
カイト。
「なあ」
ジョウゴ「何?」
カイト「音しない?」
全員。
静か。
川。
水。
音。
風。
そして。
その奥。
ゴォォォ……。
低い。
音。
一定。
いや。
時々。
強く。
なる。
レント「水音じゃない」
ミナ「魔力……?」
星月。
鍔元。
青月石。
淡く。
光る。
今。
魔力刃。
使ってない。
俺。
触っても。
いない。
なのに。
《魔力調整核》
《外部魔力反応を検出》
「外部」
俺。
前。
見る。
鉱脈。
横。
岩。
隙間。
人。
一人。
通れる。
程度。
奥。
暗い。
でも。
青い。
光。
微か。
レント「洞窟か」
ジョウゴ「自然洞窟っぽい」
ミナ「入る?」
俺。
依頼。
確認。
《調査進行度:72%》
推奨。
Lv11~13。
でも。
洞窟。
中。
危険度。
不明。
そして。
俺たち。
目的。
原因調査。
「入口まで」
俺。
「中へ深くは行かない」
カイト「了解」
レント「賛成」
ミナ「うん」
◇◇◇
岩。
隙間。
近づく。
すると。
システム。
反応。
《未登録探索地点を発見しました》
「やっぱり」
俺。
止まる。
表示。
《北東上流・青晶洞》
《推奨Lv:不明》
《冒険者ギルド未登録》
《転移設備:なし》
《内部情報:未取得》
カイト「未登録」
ミナ「第一発見?」
レント「少なくともギルド管理前だ」
未登録。
つまり。
何。
いる。
分からない。
転移設備。
なし。
入る。
なら。
徒歩。
帰る。
俺。
洞窟。
中。
見る。
青。
光。
岩壁。
点々。
そして。
奥。
ゴォォォ……。
また。
音。
星月。
反応。
《外部魔力濃度:上昇》
依頼。
《調査進行度:91%》
「九十一」
俺。
呟く。
あと。
少し。
でも。
その。
少し。
求めて。
奥。
行く。
必要。
ない。
ジョウゴ「ここで戻る」
カイト「いいのか?」
ジョウゴ「ああ」
俺。
洞窟。
見る。
ジョウゴ「未登録地点発見。入口で魔力濃度上昇。鉱脈あり。未知鉱石も採取した」
レント「十分だな」
ジョウゴ「ギルドに報告してから」
ミナ「安全確認してもらう?」
ジョウゴ「ああ」
以前。
南洞窟。
探索。
した。
今。
分かる。
未知。
楽しい。
でも。
無理。
する。
理由。
ない。
まして。
新しい。
主武器。
手に入れた。
直後。
調子。
乗る。
一番。
危ない。
カイト「了解。帰ろう」
◇◇◇
シズナ。
冒険者ギルド。
受付。
俺たち。
報告。
川。
青鉄砂。
濃度。
鉱脈。
未知鉱石。
そして。
未登録洞窟。
受付職員。
表情。
変わる。
受付職員「未登録の洞窟ですか?」
ジョウゴ「はい」
マップ。
位置。
共有。
さらに。
採取。
水。
砂。
鉱石。
提出。
《調査資料を提出しました》
《上流河川水・試料A》
《上流青鉄砂・試料A》
《未知鉱石片》
そして。
システム。
ポーン。
《特別調査依頼を完了しました》
《調査進行度:100%》
《未登録探索地点発見ボーナス》
《依頼評価:S》
ミナ「S!」
カイト「戦闘ほとんどしてないのに」
レント「調査依頼だからな」
ジョウゴ「原因候補まで見つけたからだろ」
受付職員。
資料。
確認。
受付職員「《北東上流・青晶洞》については、ギルド調査員を派遣します」
ジョウゴ「お願いします」
受付職員「安全性と内部構造が確認されるまで、一般冒険者には立入注意情報を出します」
正しい。
そして。
受付職員「未知鉱石については、鍛冶師ギルドにも鑑定協力を依頼します」
「……」
俺。
嫌な予感。
する。
◇◇◇
銀麦亭。
戻る。
入口。
開く。
バルガ「何かあったか!」
ジョウゴ「早い」
バルガ「素材!」
ジョウゴ「まず座れ」
バルガ「素材は!?」
ジョウゴ「未知鉱石が一個」
バルガ。
止まる。
そして。
目。
輝く。
バルガ「工房!」
ジョウゴ「今日は行かない」
バルガ「なんでだぁぁぁ!」
銀麦亭。
響く。
ミナ。
笑う。
カイト。
葡萄ジュース。
飲む。
レント。
ため息。
俺。
腰。
星月。
触る。
正式な名前を得た。
その。
次の日。
もう。
新しい。
謎。
見つけた。
青鉄砂。
流れてくる。
川。
その。
上流。
蒼色鉱脈。
未知鉱石。
そして。
未登録探索地点。
《北東上流・青晶洞》。
奥。
響いていた。
低い音。
増え続ける。
魔力反応。
それが。
何なのか。
今は。
まだ。
分からない。
でも。
冒険者ギルドの調査。
終われば。
きっと。
俺たちは。
もう一度。
あの洞窟へ。
向かうことになる。
そんな気がしていた。




