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Another World Online(通称:AWO)  作者: バモス
第一章 AWO開始編

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48/130

第48話 偽りの手配書

《Welcome Back》


《Another World Online》


 白鷺亭。


 朝。


 俺――ジョウゴは、ログイン直後から妙な違和感を覚えていた。


「……静かだな」


 いつもなら一階から宿泊客や女将フェリアの声が聞こえてくる。


 でも。


 今日は。


 妙に。


 静か。


「嫌な予感」


 部屋。


 出る。


 階段。


 降りる。


         ◇◇◇


「ジョウゴさん」


 女将フェリア。


 受付。


 俺を見る。


 表情。


 険しい。


「おはようございます」


「おはよう」


「でも」


 声。


 小さく。


「今日は表から出ない方がいいよ」


「……何かあった?」


「これ」


 紙。


 カウンター。


 置かれる。


 見る。


 俺。


 止まる。


《レイゼン市内告知》


《重要参考人》


《異邦人ジョウゴ》


《アルト》


《ナディア》


《オルド商会関係者》


《クロウ運送商会襲撃・貨物強奪・重要書類窃盗事件について事情聴取対象》


「……」


 事情聴取。


「手配書?」


「まだ犯罪者扱いじゃない」


 フェリア。


「でも」


「街の衛兵」


「探してる」


「早いな」


 昨日。


 水車小屋。


 黒鎖商会。


 処理班。


 撃退。


 帳簿。


 守った。


 それから。


 まだ。


 一晩。


「ジョウゴさん!」


 階段。


 ミナ。


「見ました?」


「ああ」


 カイト。


 レント。


 続く。


「俺たち三人は?」


「名前ない」


 レント。


「ジョウゴだけ」


「アルトさん」


「ナディアさん」


「オルド商会」


 カイト。


「完全に」


「昨日の関係者狙い撃ち」


「ああ」


         ◇◇◇


 メニュー。


 開く。


《地域状態更新》


《レイゼン》


《ジョウゴ:重要参考人》


《一部NPCからの警戒度が上昇しました》


《衛兵から事情聴取を求められる可能性があります》


「敵対じゃない」


 ミナ。


「まだ逮捕対象じゃないんですね」


「証拠」


「そこまで」


「作れてないんだろう」


「あるいは」


 レント。


「リオス副支部長が止めてる」


「可能性ある」


         ◇◇◇


 その時。


 コンコン。


 白鷺亭。


 入口。


「……」


 フェリア。


 俺たち。


 見る。


「誰だい?」


「レイゼン衛兵隊です」


 来た。


 早い。


「ジョウゴという異邦人が宿泊していると聞いた」


 カイト。


 小声。


「どうする?」


「出る」


「え?」


 ミナ。


「逃げないんですか?」


「逃げたら」


「本当に怪しくなる」


 刀。


 腰。


 確認。


「抜かない」


「抵抗しない」


「話す」


         ◇◇◇


 入口。


 開く。


 衛兵。


 三人。


《レイゼン衛兵隊 巡回兵》


「ジョウゴか?」


「はい」


「同行願いたい」


「理由」


「クロウ運送商会から」


「正式な被害届」


「それと」


「商会機密書類の窃盗」


「俺が盗んだ?」


「そう証言されている」


「昨日」


「クロウ運送商会へ入った記録は?」


「……ない」


「なら」


「どうやって盗んだことになってるんです?」


 衛兵。


 一瞬。


 止まる。


《洞察Lv.1》


《衛兵は疑問を感じています》


「俺たちは」


 さらに。


「昨日夜」


「北区にいました」


「証人もいます」


「……」


「でも」


 衛兵。


「それはこちらで確認する」


「分かりました」


「同行します」


 ミナ。


「私たちも」


「同行者三名も事情を聞く場合がある」


「なら一緒」


         ◇◇◇


《特殊クエスト更新》


《偽りの告発》


《クロウ運送商会が公的機関を利用した情報操作を開始しました》


《事情聴取に対応し、自身の潔白を証明してください》


《不必要な抵抗は状況を悪化させる可能性があります》


「やっぱり」


 カイト。


「戦ったら駄目なやつ」


「ああ」


         ◇◇◇


 レイゼン。


 大通り。


 衛兵。


 前後。


 俺たち。


 歩く。


 周囲。


 視線。


「ジョウゴ?」


「手配書の?」


「商人襲ったって」


「昨日まで英雄扱いじゃなかった?」


「分からん」


「噂」


 速い。


 でも。


「気にしない」


 俺。


 前。


 見る。


 現実でも。


 噂。


 印象。


 数字。


 事実。


 全部。


 別。


「証拠で返す」


         ◇◇◇


《レイゼン衛兵隊詰所》


 石造り。


 中。


 俺たち。


 別室。


「武器」


「預かります」


「分かりました」


 試作三号。


 鞘。


 ごと。


 渡す。


「丁寧にお願いします」


 衛兵。


「……大事なのか?」


「ものすごく」


「了解」


 カイト。


「そこだけ真剣」


「いつも真剣」


         ◇◇◇


 事情聴取。


 担当。


 男性。


《衛兵隊調査官 ゲイル》


「まず」


「名前」


「ジョウゴ」


「異邦人」


「はい」


「シズナ冒険者ギルド所属」


「はい」


「クロウ運送商会を知っている?」


「知ってます」


「敵対してる?」


「向こうはそう思ってるかもしれない」


「お前は?」


「人攫いをしている組織なら」


「好意的には見ません」


 ゲイル。


 眉。


 動く。


「人攫い」


「証拠は?」


「東街道管理局」


「保護された子供二人」


「拘束された四人」


「確認してください」


 紙。


 書く。


         ◇◇◇


「次」


「昨日」


「クロウ運送商会から帳簿を盗んだか?」


「盗んでない」


「帳簿は持っている?」


「俺は持ってない」


「誰が?」


「答える必要あります?」


 ゲイル。


 目。


 細める。


「なぜ答えない」


「その人」


「命狙われてるから」


「……」


「保護」


「できる?」


「できる」


「信用できる?」


「俺が判断することじゃない」


「なら」


「まず」


「リオス副支部長」


「呼べます?」


「冒険者ギルドの?」


「はい」


「なぜ」


「彼には事情を共有してます」


         ◇◇◇


《洞察Lv.1》


 ゲイル。


 顔。


 変化。


《リオスの名前に対して警戒反応なし》


「この人」


 多分。


 黒鎖側。


 ではない。


 少なくとも。


 今のところ。


「それと」


 俺。


「東街道管理官」


「呼べるなら」


「お願いします」


「昨日」


「黒鎖商会関連の荷馬車」


「正式に引き渡してる」


「記録」


「あるはず」


「……調べる」


         ◇◇◇


 次。


 ミナ。


 事情聴取。


 カイト。


 レント。


 別々。


「証言合わせ」


 レント。


 戻る。


「同じこと聞かれた」


「嘘」


「ついてないから」


「問題ない」


         ◇◇◇


 一時間。


 待つ。


 長い。


「暇」


 カイト。


「牢屋じゃないだけマシ」


「これ」


「拘束?」


「任意同行」


「帰れる?」


「多分」


 その時。


 扉。


 開く。


「ジョウゴ」


「リオスさん」


 副支部長。


 入る。


 後ろ。


 ゲイル。


 そして。


 別。


 男性。


《東街道管理官 ベルド》


「昨日ぶり」


「おお」


「本当に面倒事に巻き込まれてるな」


「俺もそう思います」


         ◇◇◇


 机。


 三枚。


 書類。


 並ぶ。


《クロウ運送商会被害届》


《東街道管理局事件記録》


《オルド商会証言書》


「まず」


 ベルド。


「東街道の荷馬車」


「確かに」


「黒鎖商会の関係者四名を」


「ジョウゴ一行が拘束」


「児童二名」


「救出」


「さらに」


「荷馬車内部から」


「睡眠薬」


「拘束具」


「偽装貨物札」


「発見」


「……追加で出た?」


 俺。


「調査した」


「結果」


《違法輸送の疑い:極めて高》


 クロウ。


 訴状。


「商品」


 織物。


 薬草。


 貴金属。


「全部」


「なかった」


 ゲイル。


 顔。


 険しい。


「つまり」


「被害届」


「内容」


「虚偽の可能性」


「高い」


         ◇◇◇


《偽りの告発》


《証拠1:クロウ運送商会被害届と管理局記録の重大な矛盾》


《進行度上昇》


「一個」


         ◇◇◇


 リオス。


「次」


「帳簿窃盗」


「被害届には」


「昨日午後七時」


「クロウ本店から内部帳簿三冊が盗難」


「犯人」


「ジョウゴ」


「目撃者」


「商会職員二名」


「俺」


 昨日。


 午後七時。


「どこいた?」


 カイト。


「白鷺亭出たの」


「八時くらい」


 ミナ。


「そうです」


「七時」


「夕食」


「食べてました」


「証人」


 女将。


 宿泊客。


「かなりいる」


「記録も?」


 AWO。


 宿。


 注文。


《白鷺亭利用履歴》


《19:03 夕食注文》


《19:46 会計》


「ある」


 リオス。


「アリバイ」


「成立」


 ゲイル。


「だが」


「異邦人は」


「一瞬で移動できる?」


「ログアウト?」


「街から街へ」


「瞬間移動はできません」


「少なくとも俺は」


「転移アイテムも」


「持ってない」


「確認できます?」


「できる」


         ◇◇◇


《所持履歴確認》


《転移系アイテム:未所持》


《昨日のクロウ運送商会入場記録:なし》


「二つ目」


《偽りの告発》


《証拠2:帳簿窃盗時刻におけるアリバイ成立》


《進行度:大幅上昇》


「これで」


 カイト。


「潔白?」


「少なくとも」


 ゲイル。


「二つの告発」


「かなり崩れた」


「かなり?」


「まだ」


「正式取り下げには」


「クロウ側」


「再聴取」


「必要」


「逃げるかも」


 リオス。


「その可能性がある」


         ◇◇◇


「なら」


 俺。


「先に」


「帳簿」


「本物か確認」


 ゲイル。


「持ってる人物」


「保護」


「できるなら」


「出します」


 リオス。


「俺が保証する」


「ゲイル?」


「衛兵隊として」


「保護要請」


「受けられる」


「ただし」


「正式証言」


「必要」


「分かりました」


         ◇◇◇


 パーティーチャット。


 じゃない。


 オルド商会。


 連絡。


 直接。


 必要。


「俺」


「行っていい?」


「事情聴取」


 ゲイル。


「現時点」


「終了」


「ただし」


「市外」


「出るな」


「了解」


 刀。


 戻る。


「傷」


「ない?」


 衛兵。


「ない」


「よし」


 カイト。


「刀の心配一番」


「当然」


         ◇◇◇


 詰所。


 出る。


 周囲。


 また。


 視線。


 でも。


 さっき。


 より。


 少し。


 違う。


「拘束されなかった?」


「本当に犯人?」


「衛兵と普通に出てきた」


 噂。


 揺れる。


「今」


 情報。


 上書き。


 始まってる。


         ◇◇◇


《オルド商会》


 裏口。


 入る。


「どうだった?」


 オルド。


「告発」


「ほぼ崩した」


「早いな!」


「書類が雑だった」


「黒鎖」


「焦ってる?」


 ナディア。


 奥。


 出る。


「あり得る」


「帳簿」


「返せないと」


「組織」


「危ない」


 アルト。


 後ろ。


「なら」


「今すぐ」


「叩けば?」


「駄目」


 俺。


「証拠」


「正式に」


「通す」


「それから」


「灰色谷」


「救出」


「順番」


 アルト。


「慎重だな」


「ルクにも」


「同じこと言ってる」


「……」


 アルト。


 少し。


 笑う。


「息子」


「お前の影響受けてないか?」


「パン好きは元から」


「そこじゃない」


         ◇◇◇


「ナディアさん」


 俺。


「衛兵隊」


「正式保護」


「受けられる」


「本当に?」


「調査官ゲイル」


「リオスさん」


「二人」


「今のところ信用できる」


《洞察Lv.1》


 ナディア。


 不安。


 強い。


 当然。


「嫌なら」


「無理に」


「出なくていい」


「でも」


「帳簿を」


「公的証拠にするには」


「本人証言」


「必要」


「……」


 長い。


 沈黙。


「行く」


「決めた?」


「ここまで」


「逃げた」


「もう」


「終わらせたい」


         ◇◇◇


 アルト。


「俺も」


「証言する」


「灰色谷」


「見たもの」


「全部」


「助かります」


「その代わり」


「何?」


「終わったら」


「すぐ」


「エルナ村へ」


「ああ」


「それ」


「俺も」


「一番」


「やりたい」


         ◇◇◇


 帳簿。


 三冊。


 机。


「運ぶ方法」


 オルド。


「普通に持ってけば」


「襲われる」


「複製」


 俺。


「できる?」


 ナディア。


「全部は」


「時間かかる」


「重要ページだけ」


「三部」


「作る」


「三部?」


 ミナ。


「一部」


「衛兵隊」


「一部」


「冒険者ギルド」


「一部」


「オルドさん」


「原本」


「別」


「保管」


 ナディア。


 目。


 見開く。


「証拠を分散」


「一つ消されても」


「残る」


「そう」


 アルト。


「やっぱり」


「剣士より怖い」


「だから褒めてます?」


「褒めてる」


         ◇◇◇


《洞察・現実知識による証拠保全行動を確認》


《特殊行動》


《証拠分散》


《黒鎖商会による証拠隠滅成功率が低下しました》


「ゲーム側」


「認識した」


 レント。


「かなり重要行動」


「みたいだな」


         ◇◇◇


 三時間。


 ナディア。


 帳簿。


 重要箇所。


 写す。


 俺。


 横。


 数字。


 確認。


「ここ」


「表帳簿」


「運送料」


「1200G」


「裏」


「4600G」


「差額」


「3400」


「どこへ?」


 ナディア。


「賄賂」


 別。


 ページ。


「ここ」


《調整費:3400G》


「調整」


「賄賂」


「隠語?」


「そう」


「支払先」


 記号。


《G-R》


「誰?」


「分からない」


「ギルド?」


「G」


「衛兵?」


「Guard?」


 推測。


 まだ。


 断定。


 しない。


         ◇◇◇


 別ページ。


《R-B》


《定期支払い》


「B」


 バルザック?


 カイト。


 言いかけ。


「まだ」


 俺。


「決めない」


「名前」


「記号」


「一致」


「だけでは弱い」


「分かってる」


「洞察」


 便利。


 でも。


 決めつけ。


 しない。


         ◇◇◇


 その時。


 ナディア。


「待って」


「何?」


「この記号」


「見覚え」


「ある?」


「帳簿係時代」


「上司が」


「絶対に触るなって」


 古い。


 ページ。


 後ろ。


《特別支払先》


《R-C》


《王都方面》


《G-B》


《レイゼン》


《K-S》


「黒鎖」


 思ったより。


 大きい?


「レイゼンだけ」


「じゃない」


 ナディア。


「多分」


「複数都市」


「役人」


「商会」


「繋がってる」


《重要情報を取得》


《黒鎖商会は複数都市へ影響力を持つ可能性があります》


「第一章で」


 終わる規模?


 と。


 ふと思う。


 でも。


「今はレイゼン」


 一つずつ。


         ◇◇◇


 夕方。


 証拠。


 準備。


 完了。


《証拠写本A》


《証拠写本B》


《証拠写本C》


《原本:ナディア管理》


「移動」


「どうする?」


 レント。


「一斉」


「じゃない」


「時間ずらす」


「俺とナディア」


「衛兵隊」


「ミナとレント」


「ギルド」


「カイト」


「オルドさんと原本?」


 カイト。


「俺だけ戦力扱い違わない?」


「原本守る」


「一番重要」


「……」


「任せろ!」


         ◇◇◇


「アルトさん」


「俺は?」


「目立つ」


「ここ」


「残って」


「なぜ!」


「大剣」


「目立ちすぎ」


「ジョウゴに言われたくない!」


 確かに。


         ◇◇◇


 第一便。


 俺。


 ナディア。


 外套。


 普通。


 変装。


 最低限。


「怖い?」


 俺。


 歩きながら。


「……怖い」


「逃げてもいい」


「今なら」


「でも」


 ナディア。


 首。


 横。


「逃げたら」


「また誰か」


「売られる」


「……」


「なら」


「行こう」


         ◇◇◇


 衛兵隊。


 近い。


 でも。


 途中。


「止まって」


 俺。


「何?」


「前」


 男。


 三人。


 道。


 塞ぐ。


《クロウ運送商会職員》


「ナディア」


「……」


「戻れ」


「嫌」


「会長」


「許すと言っている」


《洞察Lv.1》


《虚偽の可能性:極めて高》


「嘘」


 一人。


 俺。


 睨む。


「ジョウゴ」


「お前には」


「関係ない」


「ある」


「証人」


「連れてる」


「退け」


「街中だぞ」


「剣抜けないだろ?」


 男。


 笑う。


 俺。


 笑わない。


「抜かなくても」


「衛兵呼べる」


 すぐ。


 大声。


「衛兵さーん!」


「おい!」


「ちょっ!」


 近く。


 巡回兵。


「何事だ!」


「この三人」


「重要証人」


「連れ去ろうとしてます」


「違う!」


「ナディアさん」


「知ってる?」


「黒鎖商会」


「関係者です」


 三人。


 顔。


 変わる。


「逃げろ!」


「逃がすな!」


 衛兵。


 追う。


「剣」


 抜かない。


「楽」


 ナディア。


「……それでいいの?」


「街だから」


         ◇◇◇


《非戦闘行動により妨害を突破しました》


《洞察Lv.1熟練度上昇》


「これも」


「戦い」


         ◇◇◇


 衛兵隊。


 到着。


 ゲイル。


 リオス。


 いる。


「ナディア」


 リオス。


「久しぶりだな」


「……」


 ナディア。


 少し。


 警戒。


「帳簿」


 俺。


 写本。


 出す。


「まず」


「コピー」


「原本は別」


「賢明だ」


 ゲイル。


 受け取る。


「証言」


「取る」


「保護」


「保証する」


 ナディア。


「お願いします」


         ◇◇◇


 その後。


 ミナ。


 レント。


 冒険者ギルド。


 無事。


《証拠写本B提出完了》


 カイト。


 オルド。


《原本保全完了》


「三方向」


 成功。


         ◇◇◇


《特殊クエスト》


《偽りの告発》


《主要証拠の公的提出に成功しました》


《ジョウゴへの嫌疑:大幅低下》


《ナディア:重要証人として保護》


《クロウ運送商会への正式調査開始》


「始まった」


         ◇◇◇


 翌朝。


 レイゼン。


 大通り。


 告知板。


 新しい。


 紙。


《衛兵隊・冒険者ギルド共同告知》


《異邦人ジョウゴ一行に対するクロウ運送商会提出の告発内容について重大な矛盾を確認》


《重要参考人指定を解除》


《クロウ運送商会の輸送事業について調査を開始》


「解除」


 ミナ。


「よかった」


「一つ」


「片付いた」


 カイト。


「でも」


「向こう」


「黙ってない」


「ああ」


         ◇◇◇


 そして。


 ギルド。


 リオス。


 呼ばれる。


「ジョウゴ」


「はい」


「お前への嫌疑」


「解除」


「ただ」


「悪い話」


「何?」


「クロウ運送商会」


「今朝」


「主要倉庫」


「全部」


「空」


「逃げた?」


「それだけじゃない」


 地図。


《灰色谷》


「大量の荷馬車」


「昨夜」


「こっちへ向かった」


「証拠」


「人」


「商品」


「全部」


「移した?」


「可能性高い」


         ◇◇◇


《長期クエスト更新》


《黒鎖商会の影》


《クロウ運送商会レイゼン拠点が撤収を開始》


《物資・人員が灰色谷へ移動しています》


《父を追って》


《アルトを発見》


《新規目的》


《灰色谷の黒鎖商会中継拠点を調査し、囚われた人々を救出してください》


《推奨Lv:8~》


「……8?」


 カイト。


「また上がった」


 俺。


 現在。


 7。


「一個」


「足りない」


 リオス。


「急ぐな」


「でも」


「人」


「囚われてる」


「だからこそ」


「戦力」


「集める」


「お前ら四人だけで」


「行かせる気はない」


         ◇◇◇


「正式依頼?」


「ああ」


 リオス。


 書類。


 置く。


《緊急合同依頼》


《灰色谷・黒鎖商会拠点調査》


《参加条件:Lv8以上、またはギルド推薦》


《目的》


《違法輸送拠点の確認》


《被害者救出》


《証拠確保》


《黒鎖商会幹部拘束》


「大きい」


 ミナ。


「レイド?」


「小規模合同」


 リオス。


「参加」


「シズナ」


「レイゼン」


「両方から」


「冒険者」


「募る」


「シズナ?」


「グラン支部長へ」


「連絡済み」


 懐かしい。


 ような。


 まだ。


 そんな。


 経ってない。


         ◇◇◇


 そして。


 リオス。


 俺。


 見る。


「ジョウゴ」


「何?」


「今回」


「お前」


「配信者なんだろ?」


「……」


「知ってる?」


「街で有名だ」


「それで」


「何?」


「黒鎖商会」


「表」


「剥がれ始めた」


「なら」


「公開」


「使える」


「配信?」


 ミナ。


「現場」


「映せば」


「証拠隠滅」


「しにくい」


「でも」


 俺。


「被害者」


「映る」


「そこは」


「保護設定」


「必要」


「CROSS社」


「相談」


         ◇◇◇


 ポーン。


 タイミング。


《CROSS社からメッセージ》


《レイゼン地域の状況変化を確認しました》


《配信再開について、必要に応じてNPC・被害者自動秘匿処理を最大設定で利用可能です》


「仕事早い」


 カイト。


「見てる?」


「システム進行」


「だけじゃない?」


         ◇◇◇


 俺。


 少し。


 考える。


 灰色谷。


 黒鎖商会。


 捕虜。


 証拠。


 アルト。


 ナディア。


 ルク。


 全部。


 繋がる。


「配信」


「する?」


 レント。


「する」


「ただし」


「戦闘配信」


「じゃない」


「何?」


「記録」


 一拍。


「黒鎖商会が」


「何してたのか」


「消せないように」


 三人。


 頷く。


         ◇◇◇


《CROSS社へ配信申請》


《用途:灰色谷合同依頼》


《NPC・被害者秘匿:最大》


《位置情報:遅延公開》


《コメント:制限強》


《戦闘中自動モデレーション:有効》


 送信。


《承認されました》


「決まり」


         ◇◇◇


「その前」


 リオス。


「Lv8」


「お前」


「必要」


「ギルド推薦でも」


「参加できるけど?」


「推薦」


「出せる」


「でも」


「上げてこい」


「なぜ?」


「死ぬぞ」


「分かりました」


「素直だな」


「最近」


「みんなに言われる」


         ◇◇◇


 アルト。


 その日の。


 夕方。


 合流。


「俺も行く」


「Lv24」


 カイト。


「強すぎ」


「何だお前」


「盾役」


「いい盾だな」


「ありがとう!」


「すぐ懐いた」


         ◇◇◇


「アルトさん」


 俺。


「ルク」


「まだ」


「帰れない」


「ああ」


「でも」


「灰色谷」


「終われば」


「帰れる」


「そうだな」


 アルト。


 大剣。


 握る。


「なら」


「終わらせる」


         ◇◇◇


 夜。


 俺。


 白鷺亭。


 部屋。


 地図。


 開く。


《灰色谷》


 次。


 ここ。


 第一章。


 始まり。


 AWO。


 発売。


 シズナ。


 刀。


 配信。


 ルク。


 エルナ村。


 父。


 黒鎖。


 全部。


 この谷。


 一度。


 集まる。


「あと少し」


 でも。


 焦らない。


 Lv8。


 装備。


 準備。


 合同依頼。


「全部」


「整えてから」


         ◇◇◇


 一方。


 灰色谷。


 地下。


 檻。


 並ぶ。


「レイゼン拠点」


「捨てました」


「帳簿」


「取られたまま」


「ナディア」


「証言」


「開始」


「ジョウゴ」


「嫌疑解除」


 黒鎖商会。


 幹部。


 静か。


 聞く。


「では」


「次」


「全部」


「燃やす」


「人質も?」


「証拠になるものは」


「残すな」


「……」


「ただし」


 一拍。


「ジョウゴは」


「生かして連れてこい」


「なぜ?」


「面白い」


 男。


 笑う。


「異邦人」


「奴が」


「何を守れるのか」


「見てみたい」


         ◇◇◇


 俺たち。


 知らない。


 灰色谷。


 敵。


 こちら。


 来る。


 知っている。


 そして。


 証拠。


 消す。


 準備。


 始めている。


 次。


 必要。


 なる。


 速さ。


 強さ。


 判断。


 連携。


 そして。


 今まで。


 積み上げた。


 全部。


 《Another World Online》。


 ジョウゴの。


 最初の大きな物語は。


 いよいよ。


 終盤へ向かって。


 動き始めていた。

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