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Another World Online(通称:AWO)  作者: バモス
第一章 AWO開始編

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40/130

第40話 シズナへの帰還と、新たな依頼

 翌朝。


 《エルナ村》は、昨日までとは少し違う空気に包まれていた。


 村へ帰ってきたルク。


 母セリエとの再会。


 父アルトの生存情報。


 そして。


 《黒鎖商会》という、新たな脅威。


 嬉しいことと。


 悪いことが。


 一気に押し寄せたせいだろう。


「……静かだな」


 俺――ジョウゴは、村の中央に立ちながら呟いた。


 朝。


 鳥は鳴いている。


 村人たちも起きている。


 畑へ向かう者。


 井戸へ水を汲みに行く者。


 いつもの生活は続いている。


 ただし。


 弓を持つ者が多い。


 柵の周辺には見張り。


 昨日よりも。


 明らかに警戒が強い。


「そりゃそうか」


《地域クエスト》


《エルナ村防衛準備》


《開始条件:シズナへ状況を報告》


《黒鎖商会による襲撃可能性:高》


 俺たちの今日の目的。


 シズナへ戻る。


 そして。


 冒険者ギルドへ報告する。


         ◇◇◇


「ジョウゴ」


「ん?」


 声。


 後ろ。


 ルク。


 旅装ではない。


 今日は村の普通の服。


 背中には。


 俺たちが買った短弓。


「もう行く?」


「ああ」


「……そっか」


「そんな顔するな」


「どんな顔?」


「寂しそう」


「してない」


「そう?」


「してない!」


 でも。


 明らかに。


 している。


「今回は」


 俺。


「一緒に来ないぞ」


「分かってる」


「本当に?」


「お母さんと村にいる」


「よし」


「でも」


「?」


「ジョウゴたち」


「帰ってくる?」


「ああ」


「いつ?」


「分からない」


「……」


「仕事もあるし」


「向こうの?」


「そう」


「でも」


 ルク。


 俺を見る。


「絶対?」


「ああ」


「戻る」


「約束?」


「約束」


 ルク。


 少しだけ。


 笑った。


         ◇◇◇


「ジョウゴさん」


 セリエ。


 家の方から。


 歩いてくる。


「昨日は」


「本当にありがとうございました」


「もう何回目?」


「何回でも言います」


「でも」


 俺。


 後ろ。


 ミナ。


 カイト。


 レント。


「四人でやったことだから」


 セリエ。


 微笑む。


「分かっています」


「それでも」


「あなたが最初に」


「ルクへ手を伸ばしてくれたと聞きました」


「まあ」


「たまたま」


「たまたまでも」


「救われた命があります」


「……」


 こういう。


 真正面。


 礼。


 苦手。


「じゃあ」


 俺。


 話。


 変える。


「村の防衛」


「はい」


「シズナで」


「相談してきます」


「お願いします」


「ただ」


「援軍が来るとは限りません」


「分かっています」


「それでも」


「今のままより」


「可能性は増える」


 セリエ。


 深く。


 頷いた。


         ◇◇◇


「ジョウゴ!」


「今度はバルガじゃないよな」


「誰それ?」


「なんでもない」


 エディル。


 昨日。


 負傷。


 していた。


 でも。


 今日は。


 肩。


 包帯。


 巻き。


 立っている。


「寝てなくていいんですか?」


「軽傷だ」


「昨日重傷だったけど」


「ミナの魔法のおかげだ」


「それでも無理しないで」


「お前に言われるとはな」


「俺は無理してない」


 三人。


 見る。


「何?」


「「「……」」」


「黙るな」


         ◇◇◇


 エディル。


 小さな。


 筒。


 渡す。


「これを」


「何?」


《エルナ村からの書状》


「村長代理の書状だ」


「村長?」


「今はセリエが補佐しているが」


「正式な村長は」


「襲撃で亡くなった」


「……そうですか」


「今は評議役が共同で村を動かしている」


「書状には」


「シズナへの協力要請」


「黒鎖商会の情報」


「捕虜の証言」


「全部」


「まとめてある」


「助かります」


 口頭だけ。


 より。


 正式。


 だ。


         ◇◇◇


「それと」


 ゼル。


 袋。


 出す。


「黒鉄」


「前にももらった」


「追加だ」


「いいの?」


「ああ」


《黒鉄鉱石×5》


「かなりある」


「侵入者が」


「倉庫から持ち出そうとしていた分だ」


「村の備蓄では?」


「少しなら」


「礼として渡す」


「バルガが喜ぶ」


「バルガ?」


「鍛冶師」


「カタナの?」


 ルク。


 入ってくる。


「そう」


「会ってみたい」


「絶対気が合うぞ」


「なんで?」


「刀好きになりそうだから」


         ◇◇◇


 準備。


 完了。


「行きますか」


 ミナ。


「ああ」


「配信?」


 カイト。


「今日はしない」


「帰路だから?」


「それもある」


「でも一番は」


「報告」


「先に当事者へ」


「なるほど」


 もう。


 俺の中で。


 そこ。


 自然。


 になっている。


         ◇◇◇


《エルナ村》


 村の入口。


 ルク。


 セリエ。


 エディル。


 リーファ。


 ケイル。


 村人たち。


 見送り。


「じゃあ」


 俺。


「行ってきます」


「ジョウゴ!」


 ルク。


 走る。


「走るな!」


「今日はいいだろ!」


「……まあ」


 目の前。


 止まる。


「これ」


「何?」


 小さな。


 木。


 手。


 渡される。


《木彫りの短刀》


《製作者:ルク》


「また作ったの?」


「今度」


「ちゃんと短刀」


「前の刀と違う」


 確かに。


 前。


 《木彫りの刀》。


 今。


 小さい。


 短刀。


「どうするの?」


「持ってて」


「お守り?」


「うん」


「……ありがとう」


 アイテム欄。


 収納。


《木彫りの刀》


《木彫りの短刀》


 二つ。


 並ぶ。


「売るなよ」


「売らないよ」


「絶対」


「絶対」


         ◇◇◇


「じゃあ」


 ルク。


「また」


「ああ」


「AWOで」


 俺。


 一瞬。


 止まる。


「……そうだな」


「またAWOで」


         ◇◇◇


 村。


 離れる。


 木々。


 間。


 エルナ。


 少しずつ。


 見えなくなる。


 ミナ。


「ジョウゴさん」


「何?」


「寂しいです?」


「少し」


「素直」


「何?」


「いえ」


 カイト。


「でも今度は」


「ルク」


「帰る家あるからな」


「ああ」


 それが。


 一番。


 いい。


         ◇◇◇


《エルナ村周辺・旧狩人道》


 リーファ。


 から。


 教えてもらった。


 安全寄り。


 ルート。


「帰り」


「こっち使う?」


 レント。


「ああ」


「双子岩まで早い」


「人攫いの街道」


「避けられる」


「それがいい」


 黒鎖商会。


 まだ。


 旧街道。


 動いている。


 不用意。


 接触。


 必要ない。


         ◇◇◇


 一時間。


 問題。


 なし。


 二時間。


 鹿。


 森ウサギ。


「平和」


 ミナ。


「このまま行ければ」


 カイト。


 その瞬間。


「言うな」


「何?」


「フラグ」


「ゲームにフラグとか――」


 ガサッ!


「ほら」


「俺のせい!?」


         ◇◇◇


 茂み。


 出た。


《フォレストボア Lv.7》


 一体。


「猪!」


 ミナ。


 目。


 輝く。


「食べ物を見る目やめて」


「違います!」


「絶対今肉って思った」


「少しだけ!」


「認めた!」


 猪。


「ブモオオ!」


「来る!」


         ◇◇◇


 戦闘。


 でも。


 四人。


 もう。


 慣れている。


 カイト。


 正面。


「《シールドガード》!」


 ドン!


「重っ!」


 でも。


 耐える。


「レント!」


「《パワーショット》!」


 脇。


 矢。


《Critical Hit!》


「ミナ!」


「《ファイアアロー》!」


 炎。


 直撃。


 猪。


 俺。


 横。


「ふっ!」


 刀。


 首元。


 斬る。


《Critical Hit!》


《Weak Point!》


《フォレストボアを討伐しました》


「終わり」


 カチン。


 納刀。


「早くなった」


 カイト。


「ああ」


 最初。


 苦戦。


 した。


 相手。


 今。


 連携。


 自然。


         ◇◇◇


《ジョウゴのLvが6になりました》


「お」


「レベル!」


 ミナ。


「やっと6」


「やっとって」


 カイト。


「攻略勢はもう十超えてるぞ」


「急いでない」


「本当に」


「でも」


 レント。


「灰色谷推奨7から」


「あと一つ」


「そうだな」


 父アルト。


 その調査。


 近づく。


         ◇◇◇


《フォレストボアの肉を獲得》


 ミナ。


「持って帰りましょう」


「即答」


「銀麦亭!」


「マリアさんに頼む?」


「はい!」


「完全に食目的」


         ◇◇◇


 双子岩。


 到着。


 でも。


 今回は。


 野営。


 しない。


「時間」


 現実。


 まだ。


 余裕。


「古石橋まで行ける」


「行こう」


         ◇◇◇


 精霊迷い。


 前。


 森。


「祝福」


 もう。


 切れている。


《森精霊の祝福:効果終了》


「今回は?」


 ミナ。


「どうします?」


「前に教えてもらった道」


「覚えてる」


「ジョウゴさんが?」


「ああ」


「方向だけ」


 木。


 岩。


 小川。


 目印。


「観察」


 使う。


《観察Lv.1》


 以前。


 通った。


 痕跡。


 微か。


「こっち」


「追跡スキルじゃないですよね?」


「観察」


「便利すぎません?」


「上げてよかった」


         ◇◇◇


 途中。


 チリン。


「……」


 全員。


 止まる。


「精霊?」


 ミナ。


 嬉しそう。


 光。


 木々。


 間。


 出る。


 前。


 小さな。


 森精霊。


「また会った」


 ふわふわ。


 俺。


 前。


「こんにちは」


『……』


 返事。


 でも。


 周囲。


 回る。


 ミナ。


 目。


 輝く。


「可愛い……!」


「触るなよ」


「分かってます!」


 精霊。


 俺の。


 刀。


 見る。


『……くろ……』


「黒?」


 黒鉄?


 俺。


 持ってる。


 袋。


 精霊。


 近づく。


《黒鉄鉱石》


 ふわ。


 光。


『……森……鉄……』


「森鉄?」


「黒鉄のこと?」


 精霊。


 頷く。


 そして。


 西。


 いや。


 南西。


 指。


《サブクエスト情報更新》


《黒鉄の産地》


《森精霊から黒鉄に関する方向情報を取得しました》


「産地!」


 ミナ。


「バルガ喜びますね」


「帰って報告」


 精霊。


 くるくる。


 そして。


 消える。


「また」


 会える。


 気がする。


         ◇◇◇


 古石橋。


 夕方。


「今日はここまで」


「野営」


「ですね」


 テント。


 張る。


 夕食。


 当然。


「猪肉」


 ミナ。


「今日焼く?」


「持ち帰るんじゃ?」


「一部!」


「……」


「少しだけ!」


「分かったよ」


         ◇◇◇


 ジュウウウ……。


「うまそう」


 カイト。


「塩」


 レント。


「ある」


 俺。


 焼く。


「ジョウゴさん」


「何?」


「料理スキル取らないんですか?」


「戦闘職なんだけど」


「もう何回目だろう」


 食べる。


「美味い」


「やっぱり!」


 ミナ。


 満足。


         ◇◇◇


 翌日。


 古石橋。


 シズナ。


 帰路。


 危険。


 少ない。


 そして。


 夕方。


《シズナ西門》


「戻った」


 カイト。


「長かった」


 レント。


「今回は往復だから」


「本当に遠征」


 俺。


 少し。


 安心。


         ◇◇◇


「ジョウゴ!」


 西門。


 ガレス。


「待ってた?」


「たまたまだ!」


「本当?」


「……少し待ってた」


「素直」


「うるさい」


「エルナは?」


「残ってた」


「ルクは?」


「帰れた」


 ガレス。


 目。


 閉じる。


「そうか」


「母親」


「生きてた」


「……セリエか」


「知ってる?」


「ああ」


「父親」


「アルトは?」


「生きてる可能性高い」


 ガレス。


 目。


 開く。


「どこだ」


「灰色谷」


「……」


 表情。


 変わる。


「知ってる?」


「後で話せ」


「ギルドで」


「分かった」


         ◇◇◇


 そのまま。


《シズナ冒険者ギルド》


 扉。


 開く。


「戻りました」


「ジョウゴさん!」


 エリナ。


 立つ。


「ご無事で!」


「はい」


「ルク君は?」


「エルナ村に」


 一瞬。


 笑顔。


「帰れたんですね」


「ああ」


 周囲。


 プレイヤー。


 NPC。


 反応。


「ルク帰れたって!」


「よかった!」


「ジョウゴだ!」


「エルナ村見つかったんだ!」


「配信してない部分だ!」


 注目。


「……」


「ジョウゴさん」


 ミナ。


「有名人」


「静かに報告したかった」


「無理ですね」


         ◇◇◇


「グラン支部長を」


 俺。


 エリナ。


「呼べます?」


「すぐ」


         ◇◇◇


 奥。


 会議室。


 グラン。


 ガレス。


 俺たち四人。


 エリナ。


「報告を」


 グラン。


「最初から」


「はい」


 エルナ村。


 二十七人。


 ルク。


 セリエ。


 アルト。


 黒鎖商会。


 人攫い。


 黒鉄。


 十四年前。


 黒腕布。


 侵入者。


 捕虜。


 位置情報漏洩。


 全部。


 話す。


 そして。


《エルナ村からの書状》


 渡す。


 グラン。


 読む。


「……」


 長い。


 沈黙。


         ◇◇◇


「黒鎖商会」


 グラン。


「聞いたことがある」


「やっぱり?」


「シズナだけの問題ではない」


「王都側でも」


「密輸組織として名前が上がったことがある」


「奴隷売買も?」


「噂は」


「だが」


「証拠不足」


「今回」


「捕虜がいる」


「三人」


「一人はエディルさんの小屋」


「二人はエルナ村」


「後で連れてくる予定」


 グラン。


 頷く。


「証言」


「大きい」


         ◇◇◇


「エルナ村への支援」


 俺。


「できます?」


 グラン。


「すぐに軍勢は出せん」


「でしょうね」


「ただ」


「冒険者ギルドとして」


「警戒依頼」


「護衛」


「物資支援」


「可能」


「衛兵隊へも」


「話を通す」


「よかった」


「だが」


「ジョウゴ」


「何?」


「お前」


「また面倒事を持ってきたな」


「俺が作ったわけじゃない!」


 エリナ。


 笑い。


 堪える。


         ◇◇◇


 ポーン。


《地域クエスト》


《エルナ村防衛準備》


《開始条件を達成しました》


《シズナ冒険者ギルドが協力を開始します》


《進行度:15%》


「始まった」


「また防衛準備」


 カイト。


「シズナ防衛戦思い出すな」


「今回は」


「襲撃前に潰せる可能性もある」


 レント。


「黒鎖商会」


「情報集めれば」


「ああ」


         ◇◇◇


 そして。


 ガレス。


「灰色谷」


「知ってるんですよね」


「ああ」


 古い地図。


 出す。


「レイゼンの西」


「険しい谷」


「昔」


「鉱山街道だった」


「今は?」


「ほぼ使われてない」


「なぜ?」


「崩落」


「盗賊」


「魔物」


「三つ」


「全部ある」


「最悪」


 ミナ。


「推奨7」


「納得」


         ◇◇◇


「アルト」


 ガレス。


「昔から」


「人の話聞かん男だった」


「知り合い?」


「冒険者時代」


「何度か組んだ」


「強い?」


「強い」


「剣士?」


「ああ」


「だが」


 一拍。


「お前とは」


「全く違う」


「どういう?」


「力で押す」


「豪剣」


「真正面」


「……」


 カイト。


「ジョウゴの逆」


「そうだな」


「会ってみたい」


 少し。


 思う。


         ◇◇◇


「ただ」


 ガレス。


「灰色谷」


「今のお前らで」


「行くな」


「分かってる」


「まず」


「レベル」


「装備」


「情報」


「その通り」


「珍しく素直だな」


「普段から素直」


「……」


「黙るな」


         ◇◇◇


 報告。


 終わり。


 報酬。


《エルナ村調査・帰還報告》


《報酬:600G》


《冒険者ギルド評価上昇》


《シズナ友好度上昇》


《エルナ村との交易候補が解放されました》


「交易?」


 ミナ。


「将来」


「シズナとエルナ」


「繋がる?」


「可能性」


 ある。


 旧街道。


 再整備。


 できれば。


「ルク」


 シズナ。


 来やすくなる。


「悪くない」


         ◇◇◇


 ギルド。


 出る。


「次」


 カイト。


「銀麦亭?」


「バルガ」


「ですよね」


         ◇◇◇


《鍛冶工房・バルガ》


 カラン。


「バルガ!」


「兄ちゃん!」


 奥。


 走る。


「黒鉄!」


「情報早すぎない?」


「ガレスが走ってきた!」


「あの人」


「元冒険者なのに元気」


「出せ!」


「はいはい」


 袋。


《黒鉄鉱石×8》


「……」


 バルガ。


 止まる。


「八?」


「ああ」


「こんなに?」


「エルナ村から」


「産地情報も」


「何!?」


《森精霊から得た方向情報》


 話す。


 バルガ。


 目。


 輝く。


「兄ちゃん!」


「何?」


「試作三号」


「作れる?」


「作る!」


         ◇◇◇


《鍛冶師バルガと刀》


《第五段階:強さと粘り》


《黒鉄確保条件を達成》


《第五段階達成》


《第六段階:複合鍛造》


「来た」


《高密度鉄と黒鉄を用いた新たな刀身構造を研究してください》


「俺も?」


「当たり前だ!」


「帰ってきたばっかり」


「今からだ!」


「休ませて」


「駄目だ!」


「横暴!」


 でも。


 俺。


 笑う。


 こういう。


 いつもの。


 やり取り。


 帰ってきた。


 感じ。


         ◇◇◇


 その夜。


 銀麦亭。


「お帰り!」


 マリアさん。


「ただいま」


「ルクは?」


「村」


「母親?」


「会えた」


「そりゃよかった!」


「父親も」


「生きてる可能性高い」


「なら」


 マリア。


 胸。


 張る。


「見つけな!」


「簡単に言う」


「ジョウゴなら行くんだろ?」


「まあ」


「じゃあ同じさ!」


         ◇◇◇


「それと」


 俺。


 アイテム。


《フォレストボアの肉》


「お土産」


「おっ!」


 マリア。


「肉じゃないか!」


 ミナ。


 目。


 輝く。


「料理!」


「完全にそれ目的」


         ◇◇◇


 しばらく。


 料理。


《猪肉の香草焼き》


「うまい」


「またそれだけ?」


 ミナ。


「うまいものはうまい」


「食レポ向いてない」


 カイト。


 笑う。


         ◇◇◇


 その時。


 ポーン。


《CROSS社からメッセージ》


「来た」


《長期遠征からの帰還を確認しました》


《次回LIVE配信について、多数の視聴者から希望が寄せられています》


《配信実施は任意です》


 続き。


《候補》


《エルナ村遠征報告》


《刀・試作三号製作》


《戦闘講座》


《通常プレイ》


「候補」


 レント。


「どれ?」


「刀」


「即答!」


「だって」


 バルガ。


 もう。


 作る気。


 満々。


「配信で鍛冶?」


 ミナ。


「面白そう」


「バルガに聞く」


         ◇◇◇


「配信?」


 バルガ。


「異邦人が見るやつか!」


「そう」


「俺の鍛冶を?」


「映していい?」


「……」


 少し。


 考える。


「いいぞ!」


「即決」


「ただし!」


「何?」


「邪魔する奴は追い出せ!」


「画面越しだから工房入れない」


「ならいい!」


         ◇◇◇


《NPC:バルガ》


《配信出演同意を確認》


「取れた」


「次回」


「鍛冶配信?」


「多分」


         ◇◇◇


 でも。


 その前に。


 俺。


 メニュー。


《ジョウゴ Lv.6》


《父を追って:推奨Lv7~》


「レベル一つ」


 上げる。


 必要。


 無理に。


 経験値稼ぎ。


 したくない。


 でも。


 今度。


 明確。


 目的。


 ある。


「少し戦闘依頼受けるか」


 ミナ。


「珍しい」


「必要だから」


「そういうレベル上げなら」


 レント。


「悪くない」


         ◇◇◇


 そして。


 今日。


 最後。


 俺は。


 銀麦亭。


 七号室。


 戻る。


 長かった。


 シズナ。


 ゴブリン。


 防衛戦。


 刀。


 CROSS。


 配信。


 ルク。


 エルナ村。


 黒鎖商会。


 父アルト。


「始めた時」


「ここまでなると思わなかったな」


 ただ。


 VRMMO。


 遊ぶ。


 つもり。


 だった。


 でも。


 今。


 守りたい。


 NPC。


 いる。


 帰りたい。


 街。


 ある。


 仲間。


 いる。


 配信。


 待ってる。


 人。


 いる。


「……まあ」


 悪くない。


         ◇◇◇


《第一章進行状況》


《シズナ周辺主要イベント:達成》


《新武器《刀》:開発進行》


《CROSS LIVE:開始》


《ルク帰郷:達成》


《次地域への導線:解放》


《交易都市レイゼン》


《灰色谷》


《黒鎖商会》


 表示。


「次地域」


 シズナ。


 だけでは。


 なくなる。


 エルナ。


 レイゼン。


 灰色谷。


 世界。


 広がる。


「そろそろ」


 本当に。


 最初の章。


 終わり。


 近い。


         ◇◇◇


 一方。


 現実世界。


 CROSS社。


「ジョウゴさん帰還確認」


「次回」


「鍛冶配信希望?」


「本人から候補選択」


《刀・試作三号製作》


「来ました」


 神崎。


 モニター。


 見る。


《鉄刀・試作二号》


《黒鉄》


《高密度鉄》


《複合鍛造》


「これは」


「戦闘とは違う意味で」


「伸びそうですね」


「告知します?」


「本人の開始時間待ち」


「はい」


         ◇◇◇


 そして。


 シズナの鍛冶工房。


 深夜。


「硬さ」


「粘り」


 バルガ。


 一人。


 炉。


 前。


 黒鉄。


 高密度鉄。


 並べる。


「違う鉄を」


「一つにする」


 ジョウゴ。


 教えた。


 考え。


「面白ぇ」


 槌。


 握る。


「今度こそ」


「兄ちゃんが」


「斧受けても」


 止まる。


「……いや」


「斧受けさせる前提は駄目だな」


 一人。


 首。


 振る。


 そして。


 笑う。


「でも」


「折れねぇカタナ」


「作ってやる」


 《Another World Online》。


 始まりの街シズナで生まれた。


 まだ。


 名もなき。


 新しい武器。


 《刀》。


 それもまた。


 ジョウゴの冒険と共に。


 次の段階へ。


 進もうとしていた。

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