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Another World Online(通称:AWO)  作者: バモス
第一章 AWO開始編

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38/132

第38話 エルナ村侵入者

 カン――!


 カン――!


 カン――!


 森の中に、警戒鐘の音が響き続けていた。


《緊急イベント》


《エルナ村侵入者》


《黒腕布の人攫い二名を発見してください》


《村人被害を防いでください》


「北側!」


 村人の声。


 俺――ジョウゴは、《鉄刀・試作二号》を抜いたまま村の北側を見る。


 木造の家。


 畑。


 柵。


 そして、その向こうに広がる森。


「侵入者は?」


 俺が聞くと、弓を構えたエルフの男が答えた。


「北の柵を越えた!」


「姿を見失った!」


「武器は?」


「一人が剣!」


「もう一人は弓だ!」


「分かりました」


 剣。


 弓。


 二人。


「レント」


「ああ」


「弓持ち警戒」


「任せろ」


「カイト」


「前?」


「俺と一緒」


「了解!」


「ミナ」


「はい!」


「ルクと村人側」


「……分かりました」


 ミナはすぐに頷いた。


 だが。


「俺も行く!」


 当然。


 ルクが反応する。


「駄目」


「なんで!」


「護衛対象だから」


「もう村に着いた!」


「クエスト完了してない」


「ゲームの話じゃなくて!」


「ゲームの話じゃないからだよ」


「……」


 ルクが黙る。


「ここはお前の村だろ」


「うん」


「なら」


 俺は周囲を見る。


 怪我人。


 老人。


 子供。


「守る場所は前だけじゃない」


「……」


「村の中で何かあったら」


「ミナと一緒に知らせてくれ」


「俺にできる?」


「ああ」


「それも役目」


 ルク。


 少し考え。


「……分かった」


「よし」


 その時。


 年配のエルフ女性がルクの肩に手を置いた。


「ルク」


「?」


「こちらへ」


「でも」


「あなたが戻ってきたこと」


 一拍。


「皆、まだ信じられないほど嬉しいのよ」


「……」


「だから今度は」


「勝手にいなくならないで」


 ルク。


 少し。


 俯く。


「うん」


         ◇◇◇


「ジョウゴさん!」


 ミナ。


「気をつけて!」


「ああ」


「刀で剣を真正面から受けない!」


「バルガみたいなこと言うな」


「大事です!」


「努力します」


「努力じゃなくて守って!」


 後ろでカイトが笑う。


「怒られてるぞ」


「行くぞ」


「はいはい」


         ◇◇◇


《エルナ村・北区画》


 俺。


 カイト。


 レント。


 さらに。


 村の狩人二人。


 六人で進む。


「名前は?」


 俺が聞く。


「俺はゼル」


《エルフ狩人 ゼル》


「こっちはトーマ」


《人間狩人 トーマ》


 人間。


 エルフ。


 一緒。


「村の狩人?」


「ああ」


 ゼルが答える。


「襲撃後」


「人手は少ない」


「だから戦える者は全員警戒担当だ」


「なるほど」


 北側。


 柵。


 一部。


 切断。


「ここ」


 トーマ。


「侵入された」


 木製柵。


 鋭利。


 一撃ではない。


 何度か。


「剣?」


「多分」


 レントが地面を見る。


「足跡ある」


 俺。


 しゃがむ。


《観察Lv.1》


《人型種の足跡》


《二名》


《経過時間:数分以内》


「近い」


         ◇◇◇


 足跡。


 村の中へ。


「逃げるなら外じゃないの?」


 カイト。


「目的がある」


 俺。


「何?」


「分からない」


 ただ。


 人攫い。


 わざわざ。


 村に侵入。


 見つかって。


 それでも森へ逃げず。


 中へ。


「誘拐?」


 レント。


「可能性高い」


 ゼル。


 顔。


 険しい。


「子供たちは中央集会所へ避難させた」


「なら」


「他に目的あるかも」


         ◇◇◇


 その時。


 ヒュッ!


「!」


「伏せろ!」


 矢。


 飛ぶ。


 俺。


 身体。


 横。


 矢。


 通過。


 背後。


 木壁。


 カンッ!


「弓持ち!」


 レント。


 即座。


 構える。


「二階!」


 家。


 窓。


 影。


《黒腕布の弓兵 Lv.8》


「いた!」


 レント。


「射線取る!」


 弓兵。


 次。


 矢。


「カイト!」


「任せろ!」


 盾。


 ガンッ!


 矢。


 弾く。


「ジョウゴ!」


「行く!」


 家。


 入口。


         ◇◇◇


 扉。


 開いている。


「罠?」


 カイト。


「あり得る」


 俺。


 すぐには。


 入らない。


「ゼル」


「裏口?」


「ある」


「トーマ」


「裏へ」


「了解」


 レント。


 外。


「窓を見る」


「カイト」


「俺は?」


「俺と正面」


「やっぱり」


         ◇◇◇


「入るぞ」


 俺。


 低く。


 一歩。


 何も。


 ない。


 二歩。


 階段。


 上。


 床。


 音。


「いる」


 カイト。


 盾。


 前。


 俺。


 後ろ。


 階段。


 上がる。


 その時。


 ガタンッ!


「来る!」


 上。


 弓兵。


 矢ではなく。


 短剣。


「近接もできるのか!」


 飛び降りる。


 カイト。


 盾。


 構える。


 だが。


「避けろ!」


「え?」


 相手。


 狙い。


 盾じゃない。


 階段横。


 油壺。


「火?」


 短剣。


 壺。


 突く。


 ガシャッ!


「まずい!」


 油。


 床。


 広がる。


 そして。


 弓兵。


 火打石。


「燃やす気か!」


         ◇◇◇


 俺。


 一気。


 踏み込む。


「させるか!」


 右手。


 火打石。


 左手。


 短剣。


 火。


 起こす前。


 手首。


「そこ」


 刀。


 ではなく。


 鞘。


 ゴッ!


「ぐあっ!」


《Disarm!》


 火打石。


 落ちる。


「カイト!」


「おう!」


《シールドバッシュ!》


 ドンッ!


 弓兵。


 壁。


 叩きつけ。


《Stun!》


「今!」


 俺。


 短剣。


 蹴る。


 遠く。


「抵抗やめろ」


「くそが!」


「仲間は?」


「……」


「喋らない?」


「……」


 まあ。


 予想通り。


「縛る」


 ロープ。


《黒腕布の弓兵を捕縛しました》


         ◇◇◇


「火事は?」


 カイト。


「火ついてない」


「油」


「あとで村人に伝える」


 階下。


「ジョウゴ!」


 トーマ。


 裏。


 入る。


「もう一人!」


「どこ?」


「倉庫方面!」


「倉庫?」


 ゼル。


 表情。


 変わる。


「食料庫!」


 誘拐じゃない?


「何狙ってる?」


 今。


 考えるより。


「行く!」


         ◇◇◇


《エルナ村・北倉庫》


 走る。


 前。


 男。


《黒腕布の剣士 Lv.9》


「高い!」


 カイト。


 盾。


 前。


 男。


 手。


 袋。


「何持ってる?」


 ゼル。


 叫ぶ。


「止まれ!」


 剣士。


 振り向く。


「遅い」


 剣。


 抜く。


 大きめ。


 片手剣。


「お前ら」


「何者だ?」


「そっちが答えろ」


 俺。


 刀。


 構える。


「この村で何してる」


「……」


 剣士。


 笑う。


「人攫いを」


「見たか?」


「見た」


「助けた?」


「助けた」


「それは困る」


「なんで?」


「商品だからだ」


 カイト。


 盾。


 強く。


 握る。


「最悪だな」


「人間もエルフも」


 剣士。


 平然。


「金になる」


 ゼル。


 弓。


 構える。


「貴様……!」


「待って」


 俺。


「袋」


「何入ってる」


「知りたいか?」


 男。


 袋。


 放る。


 中。


 転がる。


「……石?」


 ミナ。


 いない。


 でも。


 俺。


 見覚え。


 ある。


《黒鉄鉱石》


「黒鉄?」


 バルガ。


 探してた。


「何でここに?」


 ゼル。


「村の備蓄だ!」


「どこで採れた?」


 剣士。


 笑う。


「だから」


「この村は価値がある」


 ……なるほど。


 人。


 だけじゃない。


 資源。


「十四年前も?」


 俺。


 試しに。


 聞く。


 男。


 一瞬。


 表情。


 変わる。


「何の話だ?」


 今。


 反応。


 した。


         ◇◇◇


《観察Lv.1》


《対象の動揺を確認》


「知ってるな」


「何が」


「十四年前」


「エルナ村」


「……」


「ゴブリン」


「黒腕布」


 剣士。


 口。


 閉じる。


「やっぱり」


 レント。


 後ろ。


「関係ある」


         ◇◇◇


「なら」


 剣士。


 突然。


 踏み込む。


「ここで死ね!」


 速い。


 Lv9。


「来る!」


 縦。


 振り下ろし。


 俺。


 刀。


 受けない。


 右。


 半歩。


 でも。


「二段?」


 一撃目。


 囮。


 すぐ。


 横薙ぎ。


「っ!」


 後ろ。


 退く。


 ギリギリ。


「お」


 剣士。


「避けるか」


「強いな」


「褒めてる場合か!」


 カイト。


 横。


《シールドバッシュ!》


 剣士。


 後退。


 避ける。


「盾も見てる」


 経験。


 ある。


「ジョウゴ!」


 レント。


「俺、右から!」


「了解!」


 矢。


 ヒュッ!


 剣士。


 剣。


 払う。


 カンッ!


「矢も落とす?」


「厄介!」


         ◇◇◇


 俺。


 見る。


 足。


 腰。


 肩。


 剣。


 上手い。


 普通のゴブリンとは。


 全く違う。


「プレイヤー相手みたい」


 でも。


 癖。


 ある。


 一撃目。


 強い。


 二撃目。


 速い。


 そして。


 三撃目。


 左足。


「踏み込みが深い」


 そこ。


 重心。


 前。


「カイト!」


「何!」


「次」


「俺が流す!」


「合わせる!」


         ◇◇◇


 剣士。


「死ね!」


 一撃。


 斜め。


 俺。


 刀。


 側面。


 触れる。


 カンッ!


《Parry!》


 二撃。


 横。


 身体。


 沈める。


 避ける。


 三撃。


 突き。


「ここ」


 半歩。


 斜め前。


 相手。


 左足。


 深い。


 刀。


 柄。


 前腕。


 触れる。


 左手。


 肘。


 押す。


《崩しLv.1》


「なっ!?」


 姿勢。


 前。


「カイト!」


「《シールドバッシュ》!」


 ドォン!


「ぐあっ!」


 吹き飛ぶ。


 地面。


「レント!」


「《パワーショット》!」


 矢。


 脚。


 ドスッ!


《Critical Hit!》


「くそっ!」


 まだ。


 立つ。


 HP。


 半分。


「ゼル!」


「任せろ!」


 矢。


 肩。


 刺さる。


「ぐっ!」


 俺。


 踏み込む。


 刀。


 首。


 ではない。


 手。


 剣。


 握る。


 手首。


 峰打ち。


 ゴッ!


《Disarm!》


 剣。


 落ちる。


「終わり」


「……っ」


 男。


 腰。


 別の短剣。


「まだ!」


 抜く。


 でも。


「見えてる」


 手首。


 掴む。


 身体。


 入る。


 足。


 相手。


 外側。


「よっ」


 投げる。


 ドサッ!


《Throw!》


 カイト。


「出た!」


「何が?」


「いつもの!」


「今はいいだろ」


         ◇◇◇


《黒腕布の剣士を戦闘不能状態にしました》


《捕縛可能》


「縛る」


《黒腕布の剣士を捕縛しました》


 これで。


 二人。


 確保。


         ◇◇◇


《緊急イベント》


《エルナ村侵入者》


《侵入者二名を無力化しました》


《村人被害:0》


《施設被害:軽微》


《評価:S》


「終わった」


 カイト。


「村人被害ゼロ」


「よかった」


 俺。


 刀。


 見る。


《耐久値:207/210》


「三減った」


「ジョウゴ」


「何?」


「戦闘終わって最初それ?」


「大事」


         ◇◇◇


 村。


 中央。


 侵入者。


 二人。


 縛る。


 捕虜。


 前日。


 斥候。


 合わせれば。


 三人。


「エディルの小屋の奴は?」


 ゼル。


「ケイルが見張ってる」


「後で回収」


「シズナ冒険者ギルドに?」


「そうする」


         ◇◇◇


 その時。


「ジョウゴ!」


 ルク。


 走ってくる。


「走るな」


「今はいいだろ!」


「まあ」


「村」


「大丈夫?」


「ああ」


「誰も怪我してない」


「ほんと?」


「ほんと」


 ルク。


 息。


 吐く。


「よかった……」


 そして。


 周囲。


 村人。


 集まる。


 今度こそ。


 戦闘。


 終わり。


「ルク!」


 一人。


 老婆。


 近づく。


「本当に」


「ルクなのね?」


「……ネア婆ちゃん?」


「そうよ!」


 抱き締める。


「生きてた!」


「よかった……!」


 別。


 男性。


「ルク!」


「ダインおじさん」


「大きくなったな!」


「十二歳!」


「そうか!」


 次々。


 名前。


 呼ばれる。


 覚えられている。


 忘れられてない。


「ジョウゴ」


 ミナ。


 隣。


「よかったですね」


「ああ」


         ◇◇◇


 でも。


 ルク。


 周囲。


 見る。


 誰か。


 探してる。


 当然。


「お父さん」


「……」


「お母さん」


 村人たち。


 空気。


 変わる。


 そして。


 一人。


 ゆっくり。


 前へ。


 エルフ女性。


 銀色に近い。


 淡い金髪。


 顔。


 疲れてる。


 でも。


 ルク。


 見た瞬間。


 止まる。


「……」


 女性も。


 止まる。


「ルク……?」


 声。


 震える。


 ルク。


 目。


 大きく。


「……お母さん?」


 女性。


 口。


 手。


 覆う。


「ルク!」


 走る。


 抱き締める。


「ルク!」


「ルク!」


「本当に!」


「生きて……!」


「お母さん!」


 ルク。


 声。


 崩れる。


「お母さん!」


 抱きつく。


「俺」


「俺……!」


「うん」


「うん……!」


「もういいの」


「帰ってきた」


「帰ってきてくれた……!」


 俺たち。


 黙る。


《NPC情報更新》


《セリエ》


《種族:エルフ》


《ルクの母》


「……生きてた」


 ミナ。


 泣いてる。


「一人は」


 カイト。


 小さく。


「見つかった」


         ◇◇◇


 しばらく。


 母子。


 離れない。


 当然。


 誰も。


 止めない。


 ようやく。


 ルク。


「お父さんは?」


 セリエ。


 表情。


 止まる。


「……」


「お母さん」


「お父さんは?」


 その沈黙。


 答え。


 予想。


 できてしまう。


 でも。


 セリエ。


 ゆっくり。


 言う。


「アルトは」


 一拍。


「生きてる」


「!」


 俺たち。


 全員。


 驚く。


「本当!?」


 ルク。


「どこ!?」


「村には」


「いない」


「なんで?」


 セリエ。


 目。


 伏せる。


「あなたを探しに」


「出たの」


「……え?」


「襲撃の後」


「生き残った人たちで」


「何度も探した」


「でも見つからなくて」


「それでも」


「アルトは諦めなかった」


「一年前」


「ゴブリンたちが東へ移動しているって情報を聞いて」


「一人で」


「村を出た」


「一年前……」


「まだ帰ってきてない」


 つまり。


 生きている。


 と。


 確認。


 されたのは。


 一年前?


「最後の情報は?」


 俺。


 聞く。


 セリエ。


 こちら。


 見る。


「三ヶ月前」


「旅商人が」


「シズナよりさらに東の街で」


「アルトらしい人を見たと」


「……」


 ルク。


 俺。


 見る。


「ジョウゴ」


 嫌な予感。


「何?」


「お父さん」


「探せる?」


 やっぱり。


 でも。


「探す」


 即答。


 するのは。


 違う。


「情報」


「まず集めよう」


「うん」


「一年前」


「三ヶ月前」


「足取りがあるなら」


「追える可能性ある」


「じゃあ」


「手伝って」


「ああ」


 ここまで来た。


 なら。


「できるところまで」


         ◇◇◇


《長期クエスト:ルクの帰郷》


《母セリエとの再会を確認》


《父アルト:生存情報あり》


《目的地到達》


《護衛対象:生存》


《帰郷成功》


《クエスト達成》


「達成」


 そして。


《評価:S》


《報酬》


《経験値》


《800G》


《エルナ村友好度:大幅上昇》


《ルクとの信頼度:最高段階へ進行可能》


「終わった」


 でも。


 次。


《新規長期クエストが発生しました》


《父を追って》


《ルクの父アルトの足取りを調査してください》


「続いた」


 レント。


「やっぱり」


 カイト。


「ジョウゴのクエスト」


「終わると増える」


「俺のせい?」


「多分」


         ◇◇◇


 そして。


 もう一つ。


《特殊クエスト》


《黒腕布の影》


《十四年前のエルナ村襲撃と黒腕布集団の関係を調査してください》


《黒腕布の目的》


《人攫い》


《黒鉄》


《ゴブリンとの関連》


「こっちも」


 ミナ。


 表情。


 真面目。


「放置できませんね」


「ああ」


 エルナ村。


 ただ。


 帰ってきた。


 だけでは。


 終われない。


         ◇◇◇


 その後。


 セリエ。


 俺たちの前。


 深く。


 頭。


 下げる。


「ジョウゴさん」


「頭上げてください」


「でも」


「あなたたちが」


「ルクを」


「助けて」


「守って」


「ここまで……」


「四人でやった」


 俺。


 ミナ。


 カイト。


 レント。


「それに」


「シズナの人たちも」


「銀麦亭」


「診療所」


「冒険者ギルド」


「みんな」


「だから」


「俺だけに礼は違う」


 セリエ。


 少し。


 笑う。


「ルクが」


「あなたを慕う理由が」


「分かる気がします」


「慕ってない!」


 ルク。


 即。


「え?」


 セリエ。


「違うの?」


「違う!」


「そう」


 母。


 笑う。


「じゃあ」


「大好き?」


「お母さん!」


 顔。


 真っ赤。


 カイト。


 吹き出す。


「ハハハ!」


「笑うな!」


         ◇◇◇


 俺。


「ルク」


「何!」


「俺は嬉しいぞ」


「何が!」


「元気で」


「うるさい!」


 よかった。


 本当に。


         ◇◇◇


 夜。


 エルナ村。


 中央。


 焚き火。


 歓迎。


 というほど。


 派手ではない。


 村。


 まだ。


 傷。


 残る。


 でも。


 少し。


 食事。


 出る。


《森菜のスープ》


《木の実パン》


《森蜜》


「森蜜」


 ルク。


 嬉しそう。


「久しぶり」


「シズナでも食べただろ」


「あれはパン」


「これはそのまま」


「違う」


「こだわり」


         ◇◇◇


 ゼル。


 黒鉄。


 持ってくる。


「ジョウゴ」


「何?」


「これ」


《黒鉄鉱石×3》


「いいの?」


「侵入者から取り返したもの」


「村のでは?」


「倉庫にはまだ少しある」


「それに」


「侵入者を止めた礼」


「……」


 バルガ。


 喜ぶ。


 絶対。


「もらいます」


《サブクエスト》


《黒鉄の産地》


《黒鉄を入手しました》


《バルガへ報告可能》


「刀も進んだ」


         ◇◇◇


 そして。


 ルク。


 母。


 隣。


 座る。


 久しぶり。


 二人。


 話す。


 俺たち。


 少し。


 離れる。


「配信」


 ミナ。


「今日はしてなくて良かったかも」


「ああ」


 この再会。


 大勢。


 見てなくて。


 よかった。


 次の配信。


 話せるところだけ。


 話せばいい。


「ジョウゴ」


 カイト。


「これからどうする?」


「一回シズナ帰る」


「黒腕布の捕虜」


「ギルドへ」


「バルガに黒鉄」


「CROSS社にも?」


「配信は」


「帰ってから考える」


「父親探しは?」


「すぐじゃない」


「まず情報」


 焦らない。


 それで。


 いい。


         ◇◇◇


 その時。


 村の外。


「――誰だ!」


 狩人。


 声。


 全員。


 反応。


「また?」


 俺。


 刀。


 柄。


 でも。


「待って!」


 村人。


「一人!」


「武器なし!」


 森。


 暗い。


 そこから。


 人。


 現れる。


 疲れ。


 服。


 ぼろぼろ。


 人間。


 男。


《旅人 ???》


「……エルナ村」


 男。


 息。


 荒い。


「まだ」


「あった……」


 セリエ。


 立つ。


「あなたは?」


 男。


 顔。


 上げる。


「アルトを」


 一拍。


「知ってる」


 ルク。


 立ち上がる。


「お父さん!?」


 男。


 ルク。


 見る。


「……君」


「まさか」


「アルトの息子か?」


 全員。


 止まる。


 そして。


《新規情報》


《アルトの足取りを知る人物が現れました》


 ルクの帰郷。


 それは。


 終わった。


 けれど。


 父親を巡る。


 次の物語は。


 思っていたより。


 ずっと早く。


 俺たちの前へ。


 姿を現そうとしていた。

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