第33話 ルクへ届ける帰還報告
《Welcome Back》
《Another World Online》
目を開ける。
天井は布。
街の宿ではない。
俺――ジョウゴは、《双子岩野営地点》に張った簡易テントの中で目を覚ました。
「今日から帰り道か」
昨日。
俺たちはついに、エルナ村の生存者――エルフの狩人と接触した。
分かったことは大きい。
《エルナ村:現存》
《生存者:約27名》
《村への入村条件:ルク本人の帰郷意思確認》
そして。
アイテム欄。
《エディルの木札》
《森蜜》
ルクを知る者が今も生きている証。
「早く持って帰ってやりたいな」
もっとも。
ここからシズナまでは、まだ遠い。
現実では今日も仕事がある。
だから。
「焦って事故る方が駄目だ」
一つずつ。
帰ろう。
◇◇◇
テントの外。
「おはようございます」
「おはよう」
ミナ。
続いて。
「うー……」
カイト。
「今日も寝起き悪いな」
「ゲームなのに何で眠い感覚あるんだよ」
「没入感?」
「余計なところまでリアル!」
レントもテントから出てくる。
「今日は古石橋まで?」
「ああ」
ガレスの地図。
双子岩。
精霊迷い。
古石橋。
「行きよりは楽だろ」
「森精霊の祝福も残ってますしね」
《森精霊の祝福》
《残り:14時間23分》
方向感覚補正。
微。
でも。
精霊迷いではかなり助かった。
「問題は熊」
カイト。
真顔。
「まだ言うか」
「言う!」
レベル12の熊。
相当怖かったらしい。
「枝踏むなよ」
「もう踏まない!」
◇◇◇
朝食。
片づけ。
出発。
《旧西街道》
「行きと景色同じなのに」
ミナ。
「帰りってちょっと安心しますね」
「分かる」
目的地。
知っている。
道も。
一度通っている。
「でも油断はしない」
「もちろん」
◇◇◇
精霊迷い。
入口付近。
「ここだよな」
レント。
前回。
同じ場所を何度も歩いた。
でも。
今日は。
《森精霊の祝福が反応しています》
淡い。
緑。
視界の端。
「こっち」
俺。
自然に。
方向。
分かる。
「便利!」
ミナ。
「精霊さんありがたい」
カイト。
「もう迷いたくない」
森。
進む。
そして。
前回ほど時間を掛けず。
《特殊エリア》
《精霊迷い》
《通過》
「抜けた」
「早い」
レント。
「祝福強いな」
その時。
チリン。
「ん?」
鈴。
小さな。
音。
「また?」
ミナ。
周囲。
見る。
でも。
小さな光。
姿。
見えない。
チリン。
チリン。
そして。
俺の刀。
《鉄刀・試作二号》
鞘。
淡く。
緑。
光る。
《森精霊の祝福の熟練反応を確認》
「熟練?」
カイト。
「祝福に熟練あるの?」
「知らない」
次。
《森林環境への適応行動を確認》
《特殊技能候補》
《森歩き》
「また技能」
「探索職みたいになってきましたね」
ミナ。
「剣士なんだけど」
「指南役で採掘して野営して追跡してますから」
「言われると否定しづらい」
◇◇◇
昼前。
「ここ」
支流。
前回。
倒木。
渡した。
「まだある」
《簡易渡河路》
《作成者:ジョウゴ一行》
「残ってる!」
カイト。
「こういうの嬉しいな」
「プレイヤーが作ったもの」
「世界に残るんですね」
ミナ。
「いつまでかは分からないけど」
渡る。
今回は。
問題なし。
◇◇◇
その後。
「止まって」
三人。
止まる。
前。
足跡。
「熊?」
カイト。
もう熊しか頭にない。
「違う」
小さい。
蹄。
《森鹿の足跡》
「鹿」
「食材?」
ミナ。
「最近食べ物基準になってない?」
「違います!」
その時。
茂み。
「キュゥ」
鹿。
小型。
《フォレストディア Lv.4》
こちら。
見る。
「非敵対?」
レント。
「多分」
鹿。
少し。
こちらを見て。
森へ。
消える。
「追わない?」
カイト。
「食料ある」
「だよな」
ミナ。
「鹿肉……」
「ミナ?」
「何でもありません」
◇◇◇
午後。
古石橋。
「見えた!」
カイト。
石。
橋。
崩れ。
《旧西街道・古石橋》
「今日の目標」
「到着」
その向こう。
前回。
野営した。
《旧街道休憩所》
まだ。
ある。
「テント張ろう」
◇◇◇
設営。
焚き火。
そして。
「今日は配信してないんですよね」
ミナ。
「ああ」
「もったいない?」
カイト。
「帰路だし」
「俺たちには大事でも」
「視聴者からすると同じ道だろ」
レント。
「でも精霊迷いの祝福ルートは見たかった人いそう」
「次回話せばいい」
俺。
別に。
全部を。
見せる必要はない。
「配信してない時も」
「AWOは続いてる」
それでいい。
◇◇◇
焚き火。
夕食。
「明日」
レント。
「西門まで?」
「多分行ける」
「シズナ」
ミナ。
「ルク君待ってますね」
「ああ」
アイテム欄。
《エディルの木札》
「これ」
カイト。
「見せたらすぐ帰りたがるかな」
「可能性高い」
「連れてく?」
ミナ。
「まず本人に聞く」
「それから」
「体調」
「装備」
「ルート」
今まで。
安全確認。
した。
でも。
《安全度:低~中》
熊。
精霊迷い。
支流。
「十二歳連れて行くには」
まだ。
心配。
「エディルが途中まで迎えに来てくれれば」
レント。
「かなり楽」
「そうだな」
「相談できる?」
「次回」
また。
双子岩より奥。
「それだと往復長い」
「伝言手段ないかな」
ミナ。
「ギルド経由?」
「エルナ村とシズナ」
「連絡途絶えてるから無理」
「森精霊?」
三人。
俺を見る。
「なんで俺?」
「刀に祝福付いてるから」
「精霊と話せるわけじゃないぞ」
でも。
可能性。
ゼロではない。
◇◇◇
夜。
ログアウト。
《セーフログアウト》
《旧街道休憩所》
「明日」
「シズナ」
「了解」
◇◇◇
翌日。
現実。
仕事。
「上塚主任」
「はい」
「この前のジョウゴ配信の続きまだですかね?」
「知らない」
「旧街道遠征、気になるんですよ」
「そのうちやるんじゃない?」
「主任も見てます?」
「まあ」
「ルクの村見つかるかな」
「……あるといいな」
「ですよね」
俺は。
書類を見る。
もう。
見つけた。
でも。
本人に伝える前に。
職場の後輩へ言うわけにはいかない。
「主任?」
「何?」
「なんか知ってる顔」
「仕事しろ」
「またそれ!」
◇◇◇
夜。
ログイン。
《旧街道休憩所》
「今日は帰るぞ」
全員。
集合。
テント。
撤収。
古石橋。
渡る。
森。
前回。
熊。
遭遇地点。
「カイト」
「分かってる」
足元。
凝視。
「そこまで下見ると前見えないぞ」
「どっちだよ!」
◇◇◇
数時間。
歩く。
危険。
少ない。
フォレストウルフ。
二体。
遭遇。
「来る!」
カイト。
盾。
今回は。
問題なし。
「《シールドバッシュ》!」
ドンッ!
「ミナ!」
「《ファイアアロー》!」
炎。
「レント!」
「《パワーショット》!」
矢。
俺。
刀。
「ふっ!」
一閃。
《Critical Hit!》
《フォレストウルフを討伐しました》
もう一体。
同じ。
撃破。
「もう慣れたな」
カイト。
「最初五体で大騒ぎだったのに」
「装備もレベルも上がった」
俺。
現在。
《ジョウゴ Lv.5》
少しずつ。
上がっている。
攻略。
急いでない。
でも。
生活。
していれば。
自然と。
◇◇◇
夕方。
森。
薄く。
明るくなる。
「西門!」
ミナ。
「帰ってきた!」
《旧西街道跡》
《シズナ西門》
「久しぶりに感じる」
実際。
何日か。
ゲーム内で。
旅していた。
門。
衛兵。
「おお!」
《西門衛兵 ローディ》
「無事だったか!」
「はい」
「どこまで?」
「双子岩より先」
「そんなところまで!?」
「それと」
「エルナ村」
ローディ。
止まる。
「見つけたのか?」
「生存者と会いました」
「……そうか」
少し。
目。
細める。
「よかったな」
◇◇◇
《旧西街道安全確認》
《シズナまで帰還しました》
《長期クエストが更新されました》
《ルクの故郷》
《旧街道の一次調査:完了》
《エルナ村生存者との接触:完了》
《次の目的:ルクへ報告》
「ようやく」
ミナ。
「あとは」
俺。
「本人」
◇◇◇
シズナ。
街。
「帰ってきた感じする」
カイト。
「銀麦亭行きたい」
「先にルク」
俺。
即答。
「やっぱり」
レント。
「そっちですよね」
「待たせてるから」
◇◇◇
診療所。
扉。
「失礼します」
セレナ。
「……!」
俺たち。
見る。
「お帰りなさい」
「ルクは?」
「奥です」
「ずっと待っていましたよ」
「……そっか」
◇◇◇
扉。
ノック。
「ルク」
中。
物音。
ガタン!
「ジョウゴ!?」
「入るぞ」
「待って!」
「何?」
「ちょっと!」
数秒。
「いい!」
扉。
開く。
ルク。
立ってる。
机。
上。
木屑。
木の刀。
慌てて。
布。
被せている。
「何隠した?」
「何も!」
「そう」
無理に。
見ない。
「ただいま」
「……」
ルク。
俺。
見る。
「ほんとに帰ってきた」
「ああ」
「約束したから」
「……うん」
少し。
目。
赤い?
「泣いた?」
「泣いてない!」
「分かった」
「笑うな!」
「笑ってない」
◇◇◇
「ジョウゴ」
「ん?」
「エルナ」
一番。
聞きたいこと。
当然。
「見つかった?」
俺。
一拍。
置く。
「村は」
ルク。
息。
止める。
「残ってた」
「…………」
「本当?」
「ああ」
「今も?」
「今も」
ルク。
目。
大きく。
「人は?」
「いる」
「何人?」
「二十七人」
嬉しさ。
でも。
同時。
その数字。
「……少ない」
「ああ」
「いっぱい」
「死んだ?」
「エディルさんは」
「そう言ってた」
「エディル?」
俺。
アイテム欄。
取り出す。
《エディルの木札》
「知ってる?」
ルク。
「……!」
取る。
両手。
「エディルおじさん」
「知ってるんだ」
「村の狩人」
「俺に弓教えてくれた」
「じゃあ」
「本人だ」
ルク。
木札。
握る。
「生きてる?」
「ああ」
「元気?」
「俺たちに弓向けるくらいには」
「え?」
「最初敵だと思われた」
ルク。
一瞬。
そして。
「……エディルおじさんらしい」
小さく。
笑う。
◇◇◇
「それから」
俺。
袋。
出す。
《森蜜》
「これ」
ルク。
見る。
「森蜜……」
「エディルさんから」
「ルクが好きだったって」
ルク。
両手。
震える。
「覚えてた……」
「みたいだな」
「俺」
「ずっと」
「森蜜好きって」
「…………」
声。
小さい。
「忘れられてない」
その言葉。
胸。
少し。
重い。
「忘れてなかったよ」
ルク。
下。
向く。
ポタ。
「……」
床。
涙。
「ルク」
「泣いてない」
「今度は無理ある」
「泣いてない!」
「はいはい」
「はいは一回!」
「はい」
ミナ。
顔。
背けている。
多分。
泣きそう。
カイト。
黙る。
レントも。
◇◇◇
少し。
落ち着いて。
「ジョウゴ」
「ん?」
「お父さん」
来た。
「お母さん」
「……」
「いた?」
俺。
嘘。
つけない。
「分からない」
「……」
「エディルさんには聞いた」
「でも」
「俺が二人の名前を知らなかった」
「だから確認できなかった」
「名前」
ルク。
「お父さんは」
一拍。
「アルト」
「人間」
「お母さんは」
「セリエ」
「エルフ」
《重要情報を取得しました》
《ルクの父:アルト》
《ルクの母:セリエ》
「分かった」
「次」
「確認する」
「……うん」
「まだ」
「生きてないって決まったわけじゃない」
「うん」
「でも」
俺。
「生きてるとも言えない」
ルク。
黙る。
「それでも」
「調べる?」
ルク。
顔。
上げる。
「調べる」
「分かった」
◇◇◇
《クエスト更新》
《ルクの故郷》
《新規情報》
《父:アルト》
《母:セリエ》
《二名の安否を確認してください》
そして。
《ルクへエルナ村の現状を報告しました》
《信頼度が大幅に上昇しました》
◇◇◇
「それと」
俺。
「村へ行くか」
「?」
「エディルさんが」
「ルク本人が帰りたいなら」
「村へ入れるって」
「…………」
ルク。
固まる。
「帰れる?」
「ああ」
「ただ」
「道は危ない」
「大きな熊」
「迷う森」
「川」
「だから」
「準備してから」
「一緒に行く?」
ルク。
返事。
すぐではない。
「……怖い」
「うん」
「村」
「なくなってない」
「でも」
「いっぱい死んだ」
「うん」
「お父さんとお母さん」
「いないかもしれない」
「うん」
「それでも」
小さい。
拳。
握る。
「帰りたい」
「分かった」
「じゃあ」
「帰ろう」
ルク。
俺を見る。
「一緒に?」
「ああ」
「四人で?」
「もちろん」
ミナ。
「私も行きます」
カイト。
「ここまで来たら最後までだ」
レント。
「同意」
ルク。
「……ありがとう」
◇◇◇
《長期クエスト》
《ルクの帰郷》
《ルクをエルナ村まで護衛してください》
《推奨Lv:5~》
《重要NPC同行クエスト》
《失敗条件:ルクの戦闘不能》
《事前準備を推奨します》
「戦闘不能」
俺。
表情。
変わる。
「これは」
「慎重に」
ミナ。
「絶対ですね」
「ああ」
今まで。
俺たちだけなら。
無理なら逃げればいい。
でも。
今度は。
ルク。
いる。
「装備」
「整える」
「ルクの分も」
◇◇◇
セレナ。
診察。
「長旅?」
「はい」
「今のルク君なら」
「歩行自体は問題ありません」
「ただし」
「無理は禁物」
「分かりました」
「休憩を多めに」
「食事」
「水分」
「睡眠」
「はい」
ルク。
「子供扱い」
「十二歳です」
「セレナまで!」
◇◇◇
診療所。
出る。
「どこ行く?」
ルク。
「銀麦亭」
「!」
「森蜜」
「マリアさんに頼んで」
「何か作ってもらう?」
「行く!」
「走るな!」
「走ってない!」
早歩き。
「それ走る一歩手前!」
◇◇◇
銀麦亭。
「お帰り!」
マリアさん。
「本当に長かったねぇ!」
「ただいま」
「ルク!」
「マリア!」
「元気そうじゃないか!」
「うん!」
ルク。
森蜜。
見せる。
「これ」
「ほう」
「エルナの?」
「エディルおじさん」
「生きてた」
「そりゃよかった!」
「マリア」
「これで何か作れる?」
「もちろん!」
「何がいい?」
「パン!」
「やっぱり!」
◇◇◇
しばらく。
甘い。
匂い。
《森蜜パン》
焼き上がる。
「ほら!」
ルク。
一口。
「……!」
「どう?」
「おいしい!」
「よかったねぇ!」
俺。
見てる。
すると。
「ジョウゴも」
ルク。
半分。
差し出す。
「いいの?」
「エディルおじさんの」
「一緒に食べて」
「じゃあ」
一口。
「うん」
「どう?」
「美味い」
「それだけ?」
ミナ。
「食レポじゃないから!」
◇◇◇
ポーン。
《特殊交流を確認》
《森蜜パンのレシピが銀麦亭に登録されました》
「……え?」
マリアさん。
「気に入ったよ!」
「今度から作る!」
「メニュー増えた」
ルク。
嬉しそう。
「エルナの味」
「シズナにもできた」
「……そうだな」
世界。
また。
少し。
変わった。
◇◇◇
その時。
《CROSS社からメッセージが届きました》
「ん?」
《旧街道探索からの帰還を確認しました》
《次回配信に関する希望が多数寄せられています》
《ただし、NPCルクに関する内容の配信は本人の意思とプライバシーを最優先してください》
「ちゃんとしてる」
ミナ。
「配信します?」
俺。
ルク。
見る。
「ルク」
「何?」
「次の旅」
「向こうの人たちにも見てもらっていい?」
「前のいっぱいの人?」
「ああ」
「嫌ならしない」
ルク。
少し。
考える。
「ジョウゴと一緒?」
「もちろん」
「じゃあいい」
「本当に?」
「うん」
「でも」
「?」
「俺」
「変なこと言ったら」
「映さないで」
「分かった」
「あと」
「泣いたの」
「言うな」
「……分かった」
後ろ。
ミナたち。
何も。
言わない。
賢い。
◇◇◇
《配信許可設定》
《NPC:ルク》
《同行配信:同意》
《センシティブ情報保護:最大》
「設定完了」
次。
エルナ村。
ルク。
帰郷。
それは。
多分。
今までで。
一番。
大事な旅になる。
◇◇◇
そして。
現実世界。
CROSS社。
「ルク君本人の同行配信同意を確認」
「保護レベルは?」
「最大」
「家族関連」
「自動コメントフィルター強化」
「過度な詮索」
「即時非表示」
「了解」
神崎。
画面。
見る。
《次回候補:ルク帰郷》
「数字より」
「安全と物語優先で」
「はい」
◇◇◇
AWO公式掲示板。
---
【速報】ジョウゴ旧街道遠征帰還
441:名無しの冒険者
帰ってきたらしい。
442:名無しの冒険者
エルナ村どうだった?
443:名無しの冒険者
詳細まだ。
444:名無しの冒険者
配信してなかったからな。
445:名無しの冒険者
重要回なのに配信しない自由人。
446:名無しの冒険者
それでいい。
447:名無しの冒険者
ルクに先に話すって言ってたらしい。
448:名無しの冒険者
あー。
449:名無しの冒険者
ジョウゴらしい。
450:名無しの冒険者
次回帰郷クエスト?
451:名無しの冒険者
配信あるかも。
452:名無しの冒険者
絶対見る。
453:名無しの冒険者
護衛だから戦闘厨は暴れるなよ。
454:名無しの冒険者
ルク優先。
455:名無しの冒険者
了解。
456:名無しの冒険者
ところで銀麦亭に新しいパン増えたぞ。
457:名無しの冒険者
何?
458:名無しの冒険者
森蜜パン。
459:名無しの冒険者
またジョウゴか?
460:名無しの冒険者
またジョウゴだ。
461:名無しの冒険者
何で旅から帰ってパン増やしてんだよw
---
俺としては。
何も。
増やしたつもりはない。
ただ。
ルクが持って帰ってきた故郷の味を。
マリアさんがパンにした。
それだけ。
でも。
AWOでは。
そんな小さな出来事も。
街に残る。
次の旅。
今度は。
俺たち四人だけではない。
ルクを連れて。
旧街道を西へ。
エルナ村へ。
そして。
そこで。
ルクの両親。
アルトとセリエ。
二人の安否を。
確かめる。
「ちゃんと帰そう」
俺は。
刀の柄へ手を置く。
今度こそ。
ただの探索ではない。
守るべき相手がいる。
だから。
これまで以上に。
慎重に。
準備する。
剣士ジョウゴの。
初めての本格的な。
NPC護衛遠征が。
始まろうとしていた。




