第19話 第二波、刀が走る
《第二波開始》
《ゴブリンアーチャー部隊を確認》
《ゴブリンメイジを確認》
《ゴブリンチーフが前進を開始しました》
夜の《シズナ》南門前。
第一波を退けたばかりだというのに、休む暇はほとんどなかった。
「来るぞ!」
衛兵の声が響く。
森の向こう。
無数の松明。
その間から、今度は前衛だけではなく弓を持ったゴブリンたちが姿を見せる。
《ゴブリンアーチャー Lv.6》
《ゴブリンアーチャー Lv.7》
さらに。
杖を持った個体。
《ゴブリンメイジ Lv.8》
「本当に魔法使うんですね……」
ミナが杖を握り直す。
「厄介そうだな」
俺――ジョウゴは答えながら、手にした刀を見る。
《鉄刀・試作二号》
《品質:上質》
《耐久値:210/210》
まだ調整途中。
それでも。
「…………」
握った感触だけで。
試作一号より完成度が高いと分かる。
柄。
重心。
刀身。
俺がバルガへ伝えた改善点が、きちんと反映されている。
「ジョウゴ!」
カイト。
「刀に見惚れてる場合じゃないぞ!」
「分かってる」
「絶対ちょっと見惚れてた!」
「否定はしない」
「するところだろ!」
◇◇◇
「弓兵!」
NPC指揮官。
「構え!」
防壁の上。
矢。
大量。
「撃て!」
ヒュヒュヒュヒュッ!
矢の雨。
しかし。
「ギャギャ!」
ゴブリン側。
盾持ちが前へ出る。
《ゴブリンガード Lv.7》
「盾?」
粗末だが。
木と鉄板を組み合わせた盾。
複数。
ガガガガガッ!
「矢を防いだ!」
全部ではない。
だが第一波ほど簡単には倒れない。
「学習してる?」
レントが呟く。
「可能性はあるな」
第一波。
大量の矢。
魔法。
正面突破。
それを受けて。
第二波では盾。
弓。
魔術師。
「構成を変えてきたのか」
ますます。
ただのイベントモンスターには見えない。
◇◇◇
「ギャア!」
今度は。
ゴブリンアーチャー。
「撃つぞ!」
「伏せろ!」
ヒュン!
ヒュヒュッ!
「うわっ!」
矢。
プレイヤー側へ。
防壁。
盾。
ガンッ!
カイトの盾へ一本。
「本当に撃ち返してきやがる!」
「レント!」
「任せろ!」
レントも弓。
「《パワーショット》!」
ヒュッ!
ゴブリンアーチャー。
肩。
ドスッ!
「ギャ!」
「遠距離職同士の撃ち合いか」
俺たち近接組は。
まだ前へ出られない。
その時。
「ギャギャギャ……!」
ゴブリンメイジ。
杖。
赤い光。
「魔法来ます!」
ミナ。
直後。
「ギャッ!」
炎の塊。
「《ファイアボール》!?」
ドォン!
防壁へ。
《南門前防壁耐久度:76%》
「減った!」
「魔術師狙え!」
NPC。
「集中射撃!」
矢。
しかし。
盾持ちゴブリン。
前。
ガガガッ!
「守ってる」
「敵も役割分担してますね!」
「だったら」
俺は周囲を見る。
「こっちも役割を使う」
「どうする?」
カイト。
「盾持ちを崩す」
「誰が?」
「俺」
「出る気か!?」
「一人じゃない」
カイトを見る。
「付き合ってくれ」
「……そういうことか」
ニヤリ。
「いいぜ」
「ミナ」
「はい」
「援護」
「分かりました!」
「レント」
「盾の隙間を狙う」
「了解」
四人。
また。
自然に役割が決まる。
◇◇◇
門前。
衛兵隊が前進。
「前衛!」
「押し返せ!」
「「「おおおお!」」」
プレイヤー。
NPC。
一斉に。
カイトが前。
俺が横。
「行くぞ!」
「ああ!」
盾持ちゴブリン。
二体。
「ギャ!」
盾。
押し込んでくる。
「カイト!」
「受ける!」
ガンッ!
盾対盾。
「ぐっ!」
力。
「重い!」
「そのまま!」
俺は横。
ゴブリンガード。
盾の外側。
「ここ」
刀。
盾そのものは斬らない。
狙うのは。
手。
「ふっ!」
柄頭。
ゴッ!
「ギャ!?」
《《崩しLv.1》発動》
盾が下がる。
「レント!」
「見えてる!」
矢。
ドスッ!
《Critical Hit!》
顔。
「ギャア!」
「ミナ!」
「《ファイアアロー》!」
炎。
直撃。
盾役が倒れる。
「一枚抜いた!」
「次!」
もう一体。
カイト。
「《シールドバッシュ》!」
ドンッ!
盾同士。
敵が揺れる。
「今!」
俺。
懐。
「――ふっ!」
刀。
抜き打ちに近い。
横。
ザンッ!
《Critical Hit!》
《斬撃適正判定:Perfect》
「!」
感触。
「……いい」
思ったより。
ずっといい。
「ジョウゴ!」
「あ」
「また刀に感心してる!」
「ごめん!」
「戦場!」
「分かってる!」
◇◇◇
盾役が崩れた。
「今だ!」
周囲のプレイヤー。
「魔術師狙え!」
「弓兵も!」
遠距離攻撃。
「《ウインドカッター》!」
「《ロックバレット》!」
「《アイスランス》!」
ゴブリンメイジ。
被弾。
「ギャア!」
「押せ!」
戦線。
こちら側へ傾く。
しかし。
「グオオオオオオ!」
低い。
咆哮。
「来た」
中央。
《ゴブリンチーフ Lv.10》
巨大な斧。
第一波では後方にいた。
今は。
前へ。
「グオ!」
斧。
振り上げる。
「下がれ!」
俺が叫ぶ。
ドガァァンッ!
地面。
砕ける。
衝撃。
「うおっ!」
プレイヤー数人。
吹き飛ぶ。
《南門前防壁耐久度:71%》
「直接防壁まで削ってる!」
「ボスだな」
カイトが盾を構える。
「俺たちで?」
「無理」
即答。
「お、珍しい」
「レベル差六だぞ」
「ですよね!」
ミナが安心した顔。
「でも放置もできない」
周囲。
高レベルプレイヤー。
NPC熟練冒険者。
衛兵隊長。
集まってくる。
「みんなでやる」
MMO。
こういう時こそ。
一人で倒す必要はない。
◇◇◇
「チーフを囲め!」
「足止め!」
「魔法職、距離を取れ!」
「回復準備!」
複数パーティー。
自然と集結。
《ゴブリンチーフ Lv.10》
斧。
横薙ぎ。
「来る!」
盾役。
三人。
ガァン!
「ぐっ!」
「重い!」
「押される!」
俺は横から見る。
「動きは遅い」
大きい。
強い。
だが。
「予備動作も大きい」
肩。
腰。
斧。
足。
《見切りLv.1》
視界。
僅かに。
相手の動きが分かりやすくなる。
「右薙ぎ!」
「え?」
「来る!」
俺の声。
前衛プレイヤー。
一斉に下がる。
ブォン!
斧。
空振り。
「マジだ!」
「読めるのか!?」
「肩見て!」
「肩!?」
説明している暇はない。
「今攻撃!」
魔法。
矢。
剣。
ドドドドンッ!
チーフのHP。
少しずつ減る。
「グオオオ!」
怒り。
今度は。
振り下ろし。
「真正面!」
「避けろ!」
ドガン!
地面。
俺は。
「…………」
斧の柄を見る。
長い。
重い。
「これ」
武器そのものを落とすのは無理。
でも。
「崩せるか?」
試したい。
「ジョウゴさん」
ミナ。
俺を見る。
「その顔」
「何?」
「また試そうとしてます?」
「……少し」
「やっぱり!」
「でも無茶はしない!」
「本当に!?」
「カイト!」
「俺!?」
「次の振り下ろし」
「ああ」
「横へ流せる?」
「チーフの!?」
「完全じゃなくていい」
「……やるしかないか!」
カイト。
覚悟。
「レント!」
「膝?」
「そう!」
「了解!」
「ミナ」
「顔面?」
「分かってきたな」
「付き合い長くなってきましたから!」
まだ数日だぞ。
◇◇◇
チーフ。
「グオオ!」
斧。
上。
「来る!」
カイト。
盾。
正面ではない。
角度。
「うおおお!」
ガァァァン!
「ぐっ!」
斧。
滑る。
完全には逸れない。
でも。
軌道。
僅かに。
「十分!」
俺。
踏み込む。
斧を持つ腕。
肘。
手首。
刀で斬る――。
違う。
刀を傷めたくない。
鞘。
左手。
ゴッ!
「グオ!?」
《《崩しLv.1》発動》
「効いた!」
「レント!」
「《パワーショット》!」
膝。
ドスッ!
「グッ!」
片足。
「ミナ!」
「《ファイアボール》!」
顔。
ドンッ!
「グオオ!」
仰け反る。
「今だ!」
周囲。
プレイヤー。
NPC。
一斉。
「《スラッシュ》!」
「《ピアース》!」
「《ウインドカッター》!」
「《ロックバレット》!」
HP。
一気に。
「半分切った!」
「押せる!」
歓声。
◇◇◇
だが。
「グオオオオオオオオ!」
ゴブリンチーフ。
全身。
赤。
《ゴブリンチーフが《狂化》状態になりました》
「狂化!?」
「第二形態!?」
速度。
上がる。
「まずい!」
斧。
速い。
横薙ぎ。
「避け――」
間に合わないプレイヤー。
「っ!」
俺。
走る。
刀ではない。
肩。
「どけ!」
ドン!
プレイヤーを押す。
直後。
斧。
目の前。
「ジョウゴ!」
「っ!」
避け切れない。
刀。
受ける?
嫌だ。
でも。
「仕方ない!」
鞘から抜いた刀身。
角度。
真正面ではない。
斧を滑らせる。
ガギィィィン!
《Guard!》
《Parry判定――成功》
「ぐっ!」
重い。
腕。
痺れる。
《鉄刀・試作二号》
《耐久値:210→196》
「十四!?」
減りすぎ。
「ジョウゴさん!」
「大丈夫!」
刀身。
確認。
折れてない。
「よかった」
「そこ!?」
「大事だろ!」
「自分のHP確認してください!」
「あ」
《HP:61%》
「結構減ってる」
「当たり前です!」
助けたプレイヤー。
「す、すみません!」
「気にしないで!」
「ありがとうございます!」
「次来る!」
◇◇◇
狂化。
速い。
だが。
「ずっと速いわけじゃない」
連続攻撃。
その後。
僅かな停止。
「疲労?」
ボスにも。
隙。
「三連続!」
一。
横。
二。
振り下ろし。
三。
回転。
「今!」
停止。
「全員攻撃!」
俺の声。
周囲。
一斉。
ドドドドドンッ!
HP。
残り。
三割。
「もう一回!」
チーフ。
狂化。
斧。
振る。
俺は。
前には出ない。
見る。
「二回」
「え?」
「今度は二回で止まる!」
本当に。
二撃。
停止。
「今!」
攻撃。
残り。
二割。
「ジョウゴ!」
カイトが笑う。
「完全に指示役じゃん!」
「動きが見えるだけ!」
「十分だ!」
◇◇◇
ゴブリンチーフ。
残りHP。
僅か。
「グオオオ!」
最後。
斧。
大振り。
「これ」
分かる。
最初に見た。
防壁を壊した一撃。
「振り下ろし!」
「全員散れ!」
ドガァァァン!
空振り。
斧。
地面へ。
「抜けてない!」
斧が。
刺さった。
「今だ!」
全員。
走る。
俺も。
刀。
構える。
「バルガ」
心の中。
「使わせてもらう」
一歩。
胴。
いや。
首。
距離。
ちょうど。
「――ふっ!」
一閃。
ザンッ!
《Critical Hit!》
《Weak Point!》
《斬撃適正判定:Perfect》
同時。
他のプレイヤー。
NPC。
魔法。
矢。
「グオオオオオオ――!」
巨大な身体。
光。
《ゴブリンチーフ Lv.10を討伐しました》
一瞬。
静寂。
そして。
「うおおおおおおおお!」
大歓声。
「倒した!」
「やった!」
「シズナ守ったぞ!」
俺も。
「終わった?」
そう思った。
でも。
ポーン。
《第二波進行度:100%》
《第二波を撃退しました》
《シズナ防衛戦――最終判定中》
「最終判定?」
ミナ。
数秒。
長い。
そして。
《シズナ防衛成功》
「……!」
《南門突破:なし》
《NPC死亡者:0》
《主要施設損壊:なし》
《防壁残存率:68%》
《防衛評価:S》
「S?」
周囲。
ざわめき。
《特殊条件達成》
《防衛戦に参加したすべてのプレイヤーへ報酬が付与されます》
《貢献度に応じて追加報酬が発生します》
「やった……」
ミナ。
へたり込む。
「疲れたぁ!」
カイトも。
「ゲームでここまで疲れる?」
「俺も腕痺れてる」
レント。
「でも」
街。
無事。
防壁。
壊れかけ。
それでも。
守った。
「悪くないな」
俺は。
自然と笑った。
◇◇◇
その時。
また。
通知。
《ジョウゴの防衛貢献度を集計》
「個別?」
《敵攻撃予測》
《前衛支援》
《上位個体への崩し》
《味方プレイヤー救助》
《ゴブリンチーフ討伐参加》
《評価:非常に高い》
「…………」
嫌な予感。
《称号を獲得しました》
《シズナの守り手》
「称号?」
「ジョウゴさん!」
「そっちも出た?」
「私は普通の参加報酬だけです!」
カイト。
「俺も!」
レント。
「俺もだ」
「なんで俺だけ……」
「またジョウゴさんだからですよ!」
「説明になってない!」
◇◇◇
さらに。
別の通知。
《《見切りLv.1》熟練度上昇》
《《崩しLv.1》熟練度上昇》
《《刀術Lv.2》熟練度上昇》
《特殊戦闘技能連携を確認》
《条件達成》
《新規派生技能の候補が解放されました》
「また増える?」
「もう驚きません」
ミナ。
完全に諦めた顔。
「何が出るんだ?」
表示。
《派生候補》
《先読み》
《武器崩し》
《受け流し》
「全部それっぽい」
「ジョウゴの戦い方そのものだな」
レント。
「後で確認しよう」
今は。
それより。
◇◇◇
南門。
NPC。
住民。
少しずつ。
家から出てくる。
「終わったの?」
「ああ」
「冒険者たちが守ってくれた!」
歓声。
そして。
「ジョウゴ!」
「ん?」
マリアさん。
「生きて帰ったね!」
「約束したから」
「よかったよ!」
その隣。
「ジョウゴお兄ちゃん!」
「リリ」
ミーを抱いた少女。
「勝ったの?」
「ああ」
「すごい!」
「俺一人じゃないよ」
周囲を見る。
プレイヤー。
NPC衛兵。
冒険者。
「みんなで守った」
「そっか!」
リリが笑う。
その笑顔。
「……守れてよかったな」
本当に。
そう思った。
◇◇◇
そして。
遠く。
「兄ちゃん!」
「バルガ」
鍛冶師。
一直線。
「刀!」
「え?」
「刀見せろ!」
「俺の心配じゃなくて!?」
「見れば生きてるだろ!」
「そうだけど!」
渡す。
バルガ。
刀身。
確認。
「…………」
「どう?」
「斧を受けたな?」
「分かる?」
「分かるわ!」
「ごめん」
「何度言った!」
怒鳴る。
「刀は斬る武器だ!」
「本当にごめん!」
「だが」
バルガ。
刃。
見る。
「折れなかった」
「ああ」
「高密度鉄」
ニヤリ。
「使える」
「そこ?」
「次はもっと強くできる」
「もう次考えてる」
「当然だ!」
この職人。
本当に。
最高だな。
◇◇◇
その夜。
AWO公式掲示板。
---
【速報】シズナ防衛戦終了
1201:名無しの冒険者
S評価きたあああ!
1202:名無しの冒険者
NPC死亡0すげえ。
1203:名無しの冒険者
防壁68%残し。
1204:名無しの冒険者
第二波エグかった。
1205:名無しの冒険者
チーフ強すぎ。
1206:名無しの冒険者
あれ誰が動き読んでた?
1207:名無しの冒険者
ジョウゴ。
1208:名無しの冒険者
またお前か。
1209:名無しの冒険者
「右薙ぎ来る!」って叫んでた奴?
1210:名無しの冒険者
そう。
1211:名無しの冒険者
マジで予備動作だけで読んでた。
1212:名無しの冒険者
しかもLv4。
1213:名無しの冒険者
は???
1214:名無しの冒険者
刀でチーフの斧パリィしてたぞ。
1215:名無しの冒険者
それはやめろw
1216:名無しの冒険者
耐久めっちゃ減ってそう。
1217:名無しの冒険者
戦闘終わった直後、鍛冶師NPCに怒られてたwww
1218:名無しの冒険者
草。
1219:名無しの冒険者
動画上がってる。
1220:名無しの冒険者
一人称視点で見たい。
1221:名無しの冒険者
ジョウゴ配信まだ?
1222:名無しの冒険者
頼むから配信してくれ。
---
そして。
現実世界。
《CROSS社》。
「防衛戦動画、急上昇一位です」
「再生数は?」
「関連動画合計で三十万を超えました」
「早い」
モニター。
ゴブリンチーフ。
斧。
攻撃を読むジョウゴ。
味方へ声を飛ばす。
最後。
刀。
一閃。
「配信向きですね」
「派手だから?」
「それだけじゃありません」
「?」
「周りを見ている」
担当者。
映像。
止める。
「自分だけで倒そうとしない」
「味方を使う」
「指示を出す」
「救助する」
「NPCにも普通に接する」
「そして」
別映像。
戦闘終了後。
バルガに刀を取り上げられ。
怒られるジョウゴ。
「オチまである」
「本人は狙ってませんけどね」
「だからいい」
担当者。
資料。
「接触準備」
「完了しています」
「では」
一拍。
「正式に連絡を送りましょう」
「CROSS社から?」
「はい」
AWO運営を介した。
公式連絡。
「内容は」
「配信活動への協力相談」
「いきなり契約ではなく」
「まず面談希望」
「本人が断れば?」
「そこで終了です」
「了解」
送信。
《公式メッセージ送信完了》
宛先。
《プレイヤー:ジョウゴ》
その頃。
当の本人は。
「マリアさん!」
「あいよ!」
「今日のおすすめ四人分!」
「防衛戦終わった直後に食事!?」
ミナが笑い。
「腹減ったんだから仕方ないだろ」
俺は。
何も知らずに。
いつもの《銀麦亭》で。
仲間たちと夕食を始めていた。
そして。
俺のメニュー画面の端では。
まだ開かれていない一通の通知が。
静かに。
点滅していた。
《公式メッセージが届いています》
《送信元:CROSS社》




