第69話 幼竜の回復と蒼晶竜の礼
《蒼月安定導路》によって九十年以上途切れていた魔力循環をつなぎ直してから、三日が経過した。
その間、俺たちは毎日青晶洞へ通っていたわけではない。
俺には銀行員としての本業があり、ミナたちにもそれぞれ現実世界での生活がある。それに、幼竜の魔力核を安定させるためには、俺たちが余計な手を加えるより、蒼月泉から届く本来の魔力に時間をかけて慣れさせる方がいいと蒼晶竜からも言われていた。
そのため、青晶洞に設置された観測器から送られてくる情報を冒険者ギルドが確認し、俺たちは必要な報告だけを受け取る形にしていた。
幸い、この三日間で大きな異常は一度も起きていない。
《第一断裂部《蒼月安定導路》:正常》
《第二断裂部《蒼月安定導路》:正常》
《魔力逆流:なし》
《異常発熱:なし》
《周辺岩盤:安定》
《蒼月泉―蒼晶竜生息域間魔力循環:安定》
そして今日。
冒険者ギルドから、幼竜の状態確認を兼ねた再調査の依頼が届いた。
◇◇◇
仕事を終えて帰宅した俺――上塚賢吾は、夕食や風呂、翌日の準備まで済ませてからAWOへログインした。
銀麦亭の客室へ降り立ち、一階へ向かう。
そこではミナ、カイト、レントの三人が夕食を食べながら待っていた。
ミナ「あ、ジョウゴ。おかえり!」
ジョウゴ「ただいま。……もう食べてるのか」
ミナ「今日は青晶洞だから、ちゃんと食べておこうと思って」
そう言うミナの前には、すでに空になった皿が二枚ある。
念のため状態を確認する。
《満腹度:76%》
《状態異常:なし》
ジョウゴ「七十六%なら大丈夫か」
ミナ「だから大丈夫って言ったじゃないですか」
カイト「信用されてないな」
ミナ「前のことをいつまで覚えてるんですか!」
レント「《食べ過ぎ》が付いたことなら記録には残っている」
ミナ「レントまで!」
いつものやり取りをしながら、俺も軽く食事を取る。
今日は戦闘が目的ではない。
それでも青晶洞は推奨レベル十二から十五の未完全調査区域であり、深部にはLv18のグラン・ガルドもいる。目的地はそこまで深くないとはいえ、準備を省く理由にはならなかった。
食事を終えると、四人で冒険者ギルドへ向かった。
◇◇◇
ギルドではグレイス副支部長とエドガーさんが待っていた。
グレイス副支部長は俺たちを見ると、三日分の観測記録を机の上へ広げる。
グレイス「まず結論から言えば、導路に問題はない」
第一断裂部は伝達損失率が四から六%の範囲で安定。
第二断裂部は二から四%。
天然鉱脈との同調率は、どちらも設置直後より僅かに上昇している。
さらに青晶洞全体の魔力濃度も、以前のような局所的な急上昇が減っているらしい。
レント「やはり滞留していた魔力が正常に流れ始めた影響でしょうか」
グレイス「その可能性が高いと見ている。ただし断定はしない」
エドガー「九十年以上前の正常値など残っておらんからな」
エドガーさんが古い記録を指で軽く叩く。
エドガー「当時の鉱夫は魔力濃度を数字で測っていたわけではない。残っているのは『青き光が強くなった』『竜の息吹が聞こえた』という類いの記述ばかりだ」
ジョウゴ「今の状態と比較するのは難しいですね」
エドガー「そういうことだ」
だから今回も、目的は《元通りになったと証明すること》ではない。
現在の状態が安定しているか。
幼竜が回復しているか。
その二つを確認する。
グレイス「それと、一般冒険者の立入制限は継続する」
カイト「やっぱりですか」
グレイス「古竜と幼竜の存在がある以上、当然だ。今のところ情報も調査関係者以外には公開していない」
それを聞いて少し安心した。
蒼晶竜が敵ではないと分かったからといって、観光地のように人が押しかけていい場所ではない。
幼竜はまだ回復途中なのだ。
グレイス「今日も配信は禁止ではないが、推奨しない」
ジョウゴ「配信する予定はありません」
即答する。
CROSS公式配信者だからといって、何でも配信する必要はない。
契約上も月四回程度が基本だ。
今日は普通にゲームをする。
それでいい。
◇◇◇
青晶洞へ到着すると、以前との違いが入口から分かった。
青い結晶が岩壁のあちこちで淡く輝いている光景そのものは変わらない。
しかし、魔力検知板に表示される数値が以前より落ち着いていた。
《青晶洞入口》
《周辺魔力濃度:148%》
《魔力流動:安定》
《異常滞留:なし》
カイト「最初の頃は二百%を超えてたよな?」
ジョウゴ「ああ。蒼晶竜が幼竜を生かすために魔力を流してた頃はな」
ミナ「じゃあ、蒼晶竜さんも楽になってるってこと?」
ジョウゴ「たぶん」
今までは親の蒼晶竜が、自分の魔力を大量に洞窟へ流していた。
それがなくなれば、入口付近まで異常な高濃度になる理由も減る。
俺たちは定点観測器の状態を確認しながら奥へ進んだ。
第一分岐。
正常。
旧坑道へ続く周辺。
正常。
そして蒼晶竜の生息域が近づいてきた時だった。
幼竜「キュウッ!」
聞き覚えのある鳴き声が響いた。
ミナ「あっ!」
次の瞬間、通路の奥から小さな青白い影が飛び出してきた。
ジョウゴ「え?」
走っている。
幼竜が。
以前は立つだけでも精一杯だった幼竜が、小さな四本の脚を懸命に動かしてこちらへ走ってくる。
幼竜「キュッ! キュウ!」
ミナ「わっ、ちょっと待って!」
幼竜はそのままミナへ突っ込んだ。
体長はまだ小さいとはいえ竜である。
勢いよく胸元へ飛び込まれたミナが、一歩後ろへよろめく。
ミナ「わっ!」
カイト「大丈夫か!?」
ミナ「だ、大丈夫!」
ミナが幼竜を抱き止める。
幼竜は嬉しそうに顔を擦りつけていた。
幼竜「キュゥ!」
ミナ「元気になったね!」
状態を確認する。
《蒼晶竜の幼竜》
《Lv:1》
《状態:回復期》
《生命力:良好》
《魔力欠乏:軽度》
《蒼月晶安定波長:継続受容中》
《魔力核安定度:78%》
《自力活動:良好》
ジョウゴ「七十八%……」
レント「三日前は四十三%だった」
カイト「一気に上がったな」
ただし、三日かかっている。
ゲーム的には一瞬の回復ではない。
時間をかけて少しずつ魔力核が安定した結果なのだろう。
そこへ洞窟の奥から低い声が響いた。
蒼晶竜「……待てと……言ったのだがな……」
巨大な蒼晶竜が姿を現した。
以前のような疲労感はほとんど見えない。
《蒼晶竜》
《古竜種》
《状態:回復中》
《魔力消耗:軽度》
《継続的過剰魔力放出:停止》
《外部魔力循環:正常》
こちらも順調に回復している。
ミナ「この子、走れるようになったんですね」
蒼晶竜「……ああ……」
蒼晶竜の声には、以前より穏やかな響きがあった。
蒼晶竜「……昨日より……さらに動くようになった……」
カイト「元気なのはいいことだけどな」
カイトが幼竜を見る。
幼竜はミナから離れると、今度は俺のところへ来た。
幼竜「キュ?」
ジョウゴ「俺?」
足元を一周する。
そして星月の鞘を不思議そうに嗅ぐ。
幼竜「キュ……」
その瞬間。
《《星月》が周辺魔力に反応しました》
《外部魔力流入:手動遮断中》
《青晶鉄鉱系安定波長との共鳴を検出》
そういえば星月には、青晶鉄鉱と部分的に似た魔力伝達特性がある。
幼竜にも何か分かるのだろうか。
蒼晶竜「……その剣……泉の巡りに……少し似ている……」
ジョウゴ「やっぱり分かるんですか?」
蒼晶竜「……我ほどではないが……仔にも……分かるのだろう……」
幼竜が鞘へ鼻先を近づける。
幼竜「キュ」
ジョウゴ「食べ物じゃないぞ」
カイト「青月石入ってるから気になるんじゃないか?」
ミナ「食べちゃ駄目だよ?」
幼竜「キュ?」
たぶん分かっていない。
俺は念のため星月を少し遠ざけた。
◇◇◇
幼竜の状態確認が終わると、今度は《蒼月安定導路》を確認する。
第二断裂部。
《稼働状態:正常》
《魔力伝達損失率:2%》
《天然鉱脈同調率:98%》
第一断裂部。
《稼働状態:正常》
《魔力伝達損失率:4%》
《安定波長保持率:92%》
《天然鉱脈同調率:97%》
設置直後より明らかに改善している。
レント「ほぼ天然鉱脈と一体化しているな」
ジョウゴ「完全に同じものではないけど、かなり馴染んでる」
中継核の青月石も異常なし。
温度上昇なし。
星蒼導流鋼にも劣化は見られない。
そこで新しいシステム表示が現れた。
《《蒼月安定導路》長期同調条件を達成しました》
《天然青晶鉄鉱脈との継続共鳴を確認》
《魔力経路自己安定化を確認》
《特殊設備状態が更新されました》
《仮設導路》
《↓》
《準恒久導路》
ジョウゴ「準恒久……?」
レント「仮設扱いじゃなくなったのか」
さらに説明が表示される。
《《蒼月安定導路》》
《分類:特殊魔力伝達設備》
《状態:準恒久》
《天然鉱脈同調率:高》
《自己安定化:有効》
《定期点検:推奨》
《中継核交換:可能》
《完全な無整備運用:非推奨》
カイト「永久じゃないんだな」
ジョウゴ「むしろその方が安心する」
何百年でも絶対壊れません、などと言われるより現実的だ。
青月石の中継核は交換可能。
星蒼導流鋼の補助経路も点検できる。
星月を作った時に交換式の魔力調整核を採用した考え方が、ここでも生きている。
ミナ「これからも時々見に来ればいいんだね」
ジョウゴ「ああ」
作って終わりではない。
使い続けるなら、維持する必要がある。
◇◇◇
蒼晶竜のところへ戻ると、幼竜は少し疲れたのか、親の前脚にもたれて休んでいた。
走り回れるようになったとはいえ、まだ回復途中なのだ。
蒼晶竜「……人の子らよ……」
蒼晶竜が俺たちを呼ぶ。
俺たちはその正面へ移動した。
蒼晶竜「……我が仔は……もう……我の力だけに頼らずとも……生きられる……」
ゆっくりとした声。
けれど、その言葉には確かな安堵が込められていた。
蒼晶竜「……泉の巡りも……戻った……」
巨大な頭が低く下がる。
俺たち四人の前まで。
蒼晶竜「……我が願いを……叶えし者たちよ……」
そして。
蒼晶竜「……礼を言う……」
その瞬間、システム音が鳴った。
《特殊クエスト《蒼晶竜の願い》》
《最終条件を確認しています》
《幼竜魔力核安定度:78%》
《自立維持基準:75%》
《条件達成》
《生命力:良好》
《魔力循環:正常》
《親個体による生命維持目的の過剰供給:不要》
《第一断裂部:正常》
《第二断裂部:正常》
《蒼月泉:正常》
《蒼月晶:正常》
《最終条件を達成しました》
《特殊クエスト《蒼晶竜の願い》――達成》
ミナ「クリア……!」
カイト「長かったな」
レント「青鉄砂を探し始めたところから考えれば、かなり長い」
ジョウゴ「本当にな」
でも、まだ表示は終わらなかった。
《クエスト評価を算出しています》
《蒼晶竜との敵対:なし》
《幼竜への過剰魔力供給:なし》
《蒼月晶の採取:なし》
《蒼月泉の破壊:なし》
《グラン・ガルドとの不要な戦闘:なし》
《天然鉱脈への過剰掘削:なし》
《魔力循環障害二か所を修復》
《独自設備《蒼月安定導路》を開発》
《幼竜生存》
《蒼晶竜生存》
《青晶洞環境:安定》
《総合評価――SS》
カイト「またSS!?」
ミナ「やった!」
ジョウゴ「……今回もか」
灰色谷以来のSS評価。
ただ、今回は敵を倒した結果ではない。
むしろ、ほとんど戦わなかった結果だ。
蒼晶竜とも。
グラン・ガルドとも。
必要のない相手とは戦わず、問題の原因を調べ、修復方法を探した。
その結果がSSなら、悪い気はしない。
◇◇◇
クエスト報酬の表示が続く。
《特殊クエスト《蒼晶竜の願い》達成報酬》
《経験値を獲得しました》
《青晶洞特別調査貢献度を獲得しました》
《シズナ冒険者ギルド評価が上昇しました》
《蒼晶竜との友好関係が成立しました》
《特殊称号条件を達成しました》
《称号《蒼月の架け手》を獲得しました》
《称号効果》
《特殊魔力経路の調査・製作時、微量の技量補正》
《魔力伝達設備の状態把握補助》
《蒼月系素材への鑑定補助》
ジョウゴ「称号まで来たか」
カイト「刀の先駆者、魔導刀開拓者、今度は蒼月の架け手」
レント「鍛冶師ではないと言い張るには厳しくなってきたな」
ジョウゴ「本職は剣士だから」
ミナ「銀行員でもあります」
ジョウゴ「それが一番大事」
そこは忘れてはいけない。
AWOで何をしていても、現実の本業は銀行員だ。
◇◇◇
ところが、蒼晶竜からの礼はシステム報酬だけではなかった。
蒼晶竜「……ジョウゴ……」
突然名前を呼ばれ、俺は顔を上げる。
ジョウゴ「はい?」
蒼晶竜がゆっくり身体を動かした。
その巨体の下、今まで見えなかった岩の窪みに、青白い光を放つものがある。
俺たちは一瞬身構えた。
蒼月晶かと思ったからだ。
しかし違う。
もっと小さい。
掌に載る程度の大きさだ。
蒼晶竜「……これは……泉より流れ……長き時を経て……我が寝床へ辿り着いた石……」
鑑定表示が出る。
《???》
《鑑定条件を確認》
《称号《蒼月の架け手》による鑑定補助》
《《蒼月晶・漂着結晶》》
《品質:希少》
《分類:特殊結晶素材》
《蒼月晶本体から遥か以前に自然分離》
《環境接続:なし》
《魔力蓄積性:高》
《魔力安定化:極高》
《安定波長保持性:高》
《採取による蒼月泉への影響:なし》
俺は思わず表示を読み返した。
ジョウゴ「蒼月晶……?」
蒼月泉で見つけた自然剥離片とは違う。
あちらは泉から出せば性質が急速に失われる状態だった。
しかしこれは、遥か昔に本体から分離し、長い時間をかけて泉の外の環境へ適応した結晶らしい。
蒼晶竜「……泉の一部では……もはやない……」
ジョウゴ「これを?」
蒼晶竜「……持ってゆけ……」
俺はすぐには手を伸ばさなかった。
ジョウゴ「本当にいいんですか?」
蒼晶竜「……ああ……」
蒼晶竜の大きな瞳が俺を見る。
蒼晶竜「……お前たちは……泉の石を奪わなかった……」
蒼月泉で自然剥離片を見つけた時のことだ。
持ち出せるかもしれない素材だった。
でも俺たちは採らなかった。
泉から離せば性質を失うと分かったこともあるが、何より蒼月泉の環境を壊したくなかった。
蒼晶竜「……ゆえに……泉より離れても生きる石を……我より贈ろう……」
これは採掘ではない。
蒼晶竜からの贈り物だ。
ジョウゴ「……ありがとうございます」
俺は両手で受け取った。
《《蒼月晶・漂着結晶》を入手しました》
手の中で、青白い結晶が静かに光る。
強い魔力は感じる。
しかし青月石とも、青晶鉄鉱とも違う。
暴れるような力ではない。
むしろ、周囲の魔力を落ち着かせるような、不思議な感覚だった。
ミナ「綺麗……」
カイト「バルガに見せたら?」
レント「工房だろうな」
ジョウゴ「間違いなく工房だな」
全員の意見が一致した。
◇◇◇
シズナへ戻った俺たちは、まず冒険者ギルドへクエスト完了を報告した。
グレイス副支部長はSS評価の記録を見て僅かに眉を上げたものの、驚きより納得の方が強かったようだ。
グレイス「幼竜が自立維持基準を超えたか」
ミナ「走ってきました」
グレイス「走った?」
カイト「ミナに突撃した」
ミナ「突撃じゃありません。お迎えです」
レント「速度的には突撃に近かった」
グレイス副支部長の口元が僅かに緩んだ。
グレイス「そうか。なら何よりだ」
青晶洞の立入制限については、しばらく現状維持。
蒼月安定導路は冒険者ギルドと俺たちで定期点検を続ける。
蒼晶竜の存在についても、必要以上に公表しない。
その方針が正式に決まった。
◇◇◇
そして最後に、バルガの工房へ向かう。
扉を開ける。
バルガ「おう! どうだった!」
ジョウゴ「クエストは完了。幼竜の魔力核安定度七十八%。導路も正常」
バルガ「よし!」
まずそこを喜んだ。
その後で、俺はインベントリから蒼晶竜にもらった結晶を取り出す。
ジョウゴ「それと、こんなのをもらった」
バルガ「ん?」
青白い光が工房を照らした。
バルガが止まる。
バルガ「……おい」
ジョウゴ「蒼月晶の漂着結晶らしい」
バルガ「……おい」
ミナ「蒼晶竜さんからのお礼です」
バルガ「……おい!」
カイト「三段階で来たな」
バルガが俺の手元へ顔を近づける。
バルガ「工房!」
ジョウゴ「だからここが工房だって」
バルガ「研究だ!」
ジョウゴ「今日はしない」
バルガ「なぜだ!」
ジョウゴ「明日も仕事だから」
俺が即答すると、バルガは固まった。
ミナが笑い、カイトも肩を揺らす。
レント「最強の遮断機構だな」
ジョウゴ「本業優先」
CROSSとの契約でも。
銀行への副業申請でも。
そして俺自身の生活でも。
そこだけは変えない。
蒼月晶の漂着結晶は逃げない。
幼竜も、もう今すぐ命が危ない状態ではない。
なら、今日はここまででいい。
俺は結晶をインベントリへ戻した。
《蒼月晶・漂着結晶》
《状態:安定》
《新規研究対象として登録可能》
《関連研究候補》
《星蒼導流鋼》
《青月導流構造》
《蒼月安定導路》
《星月》
最後に表示された名前を見て、俺は少しだけ目を止めた。
《星月》。
俺の現在の主武器。
青月石を魔力調整核として使い、星蒼導流鋼によって魔力を巡らせる魔導刀。
そこへ《蒼月晶・漂着結晶》がどう関わるのか。
それはまだ分からない。
でも、幼竜を助けるために始まった青晶洞での出来事が、また新しい研究へつながろうとしていることだけは確かだった。
もっとも。
その前に。
今日はログアウトして寝る。
銀行員にとって、明日の出勤の方が先なのだから。




