第60話 蒼月泉
《白き道》を発見し、《岩喰い大顎獣グラン・ガルドLv.18》との戦闘を避けた俺たちは、その先で《蒼月水路》へ到達した。
水路を流れる《蒼月水》には高濃度の魔力だけでなく、《魔力安定化》に関係する特殊な波長が含まれていた。
蒼晶竜によれば、それは《蒼月晶》の力が今も失われていない証拠らしい。
そして《蒼月の道標》も、水路の上流から極めて強い反応を示している。
目的地である《蒼月泉》は、もう遠くない。
だからこそ俺たちは前回、その場の勢いで先へ進むことはせず、一度シズナへ戻って探索情報を整理した。
◇◇◇
翌日。
現実世界。
俺――上塚賢吾はいつも通り銀行へ出勤し、通常業務をこなしていた。
昨日の探索で蒼月泉へつながる水路まで到達したとはいえ、今日の仕事には関係ない。
午前中の業務を終え、昼休みにAWO公式アプリを確認すると、シズナ冒険者ギルドから通知が一件届いていた。
《青晶洞・定点観測情報》
《入口周辺魔力濃度:安定》
《第一分岐周辺魔力濃度:通常値比178%》
《蒼晶竜:状態変化なし》
《幼竜:生命反応維持》
《深部大空洞:大型生物反応位置に大きな変化なし》
グラン・ガルドも同じ場所にいるらしい。
《白き道》を使えば戦わずに通過できることは確認済みだけれど、相手が大きく移動していたら話は変わる。
その点でも、位置が変わっていないのはありがたい。
俺は通知を閉じ、午後の仕事へ戻った。
◇◇◇
夜になって帰宅し、夕食や風呂、家事、翌日の準備を済ませてからVR機器を装着する。
《リアルコンディションチェックを開始します》
《睡眠状態:良好》
《栄養状態:問題なし》
《水分状態:問題なし》
《体温:正常範囲》
《身体活動:良好》
《フルダイブ可能》
ジョウゴ「ログイン」
視界が切り替わり、銀麦亭の客室へ降り立つ。
今日は《蒼月水路》から先へ進む予定だ。
まず《星月》を確認する。
《星月》
《状態:良好》
《耐久値:96%》
《魔力経路安定度:99.2%》
《魔力調整核蓄積量:82%》
《外部魔力制限弁・試作型:正常》
《外部魔力流入:手動遮断中》
続いて《蒼月の道標》。
《蒼月の道標》
《耐久値:100%》
《月光同調:完了》
《蒼月泉波長固定:正常》
問題なし。
客室を出て一階へ下りると、いつものテーブルには三人が揃っていた。
ミナ「ジョウゴ、おかえり!」
ジョウゴ「ただいま」
カイト「今日はついに蒼月泉か?」
ジョウゴ「到達できればな」
レント「水路の長さも、その先の状況も分かっていない。今日中に着くとは限らない」
ミナ「でも、かなり近いんだよね?」
ジョウゴ「道標の反応を見る限りはな」
期待はしている。
でも、期待と確定は違う。
今日も危険なら戻る。
それだけは変わらない。
◇◇◇
冒険者ギルドへ立ち寄ると、副支部長のグレイスが待っていた。
グレイス「準備はできているようだな」
ジョウゴ「はい。今日は蒼月水路から先を調べます」
グレイス「こちらでも昨日の水を調べた」
机の上には、小さな透明容器が置かれている。
中に入っているのは、俺たちが持ち帰った《蒼月水》だ。
グレイス「魔力そのものは時間とともに少しずつ抜けている。ただし、安定化に関係する波長は今も残っている」
ジョウゴ「持ち出しても?」
グレイス「ああ。ただし弱くなっている」
蒼月晶そのものは泉から持ち出せば力を失うと蒼晶竜から聞いている。
蒼月水も完全に同じではないけれど、泉から離れるほど力が弱くなるようだ。
レント「距離の問題か、時間の問題かは分かりますか?」
グレイス「まだ分からん。両方の可能性もある」
ここでも情報不足。
ただ、重要な手掛かりにはなる。
グレイス「それと、今回は蒼月泉へ到達しても、蒼月晶へ勝手に手を加えるな」
ジョウゴ「そのつもりです」
グレイス「調べるだけでいい。幼竜を助ける方法を考えるのは、それからだ」
俺は頷いた。
蒼月晶は採取対象ではない。
泉から持ち出せば力を失う以上、取って帰る意味もない。
何より、その場所に存在しているからこそ周囲へ影響を与えている可能性が高い。
壊したら取り返しがつかない。
◇◇◇
青晶洞への移動は、もう何度目になるか分からない。
北東草原を抜け、上流へ向かい、入口から洞窟内部へ入る。
第一分岐を越えたところで蒼晶竜へ挨拶した。
蒼晶竜「……行くのか……」
ジョウゴ「はい。今日は水路の先を確認します」
蒼晶竜「……そうか……」
蒼晶竜の傍らでは、幼竜が横になっている。
ミナが近づくと、小さな頭が動いた。
幼竜「キュゥ……」
ミナ「今日こそ泉まで行ってくるからね」
幼竜はミナの声を理解しているのか、弱々しく尻尾を動かした。
蒼晶竜はその様子を見た後、俺へ視線を向ける。
蒼晶竜「……泉へ……辿り着いても……晶には……触れるな……」
ジョウゴ「分かっています」
蒼晶竜「……あれは……石であって……ただの石ではない……」
その言い方が少し気になった。
ジョウゴ「どういう意味ですか?」
蒼晶竜は少し沈黙してから答える。
蒼晶竜「……泉と……晶と……この山は……長き時をかけ……一つとなった……」
泉。
蒼月晶。
そして青晶洞そのもの。
別々に存在しているわけではないということだろうか。
蒼晶竜「……一つのみを……動かせば……巡りは乱れる……」
俺はその言葉を覚えておく。
やっぱり、蒼月晶を持って帰るような単純なクエストではない。
◇◇◇
蒼晶竜と別れた後、俺たちは前回確認した経路を進んだ。
旧採掘坑道を通り、《蒼月の道標》を使って《月隠れの闇路》を抜ける。
深部大空洞ではグラン・ガルドが今日も青晶鉄鉱を食べていた。
《岩喰い大顎獣グラン・ガルドLv.18》
《状態:通常》
《敵対状態:なし》
俺たちは十分に距離を取り、《白き道》へ入る。
グラン・ガルドはこちらを一度も見なかった。
カイト「もう普通に通れるな」
ジョウゴ「慣れすぎるのも危ないぞ」
カイト「分かってる」
レント「相手がいつも同じ行動をする保証はない」
そういうことだ。
今日は大丈夫でも、次も同じとは限らない。
◇◇◇
《白き道》を抜け、《蒼月水路》へ到着する。
《青晶洞・蒼月水路》
《周辺魔力濃度:通常値比271%》
《水中魔力濃度:極高》
前回と大きな変化はない。
星月の外部魔力流入も正常に遮断されている。
俺は《蒼月の道標》を取り出した。
《蒼月泉方向感応:極強》
青い光は、水路の上流を真っ直ぐ指している。
ジョウゴ「行こう」
三人が頷く。
俺たちは水路沿いを上流へ進み始めた。
◇◇◇
蒼月水路は、思っていたより歩きやすかった。
水深は深いところでも膝下程度で、両側には細い岩棚がある。昔ここを利用していた者たちが削ったのか、一部には人工的な足場も残されていた。
ただし、奥へ進むほど魔力濃度は高くなっていく。
《周辺魔力濃度:通常値比286%》
さらに進む。
《周辺魔力濃度:通常値比301%》
ミナ「三百超えたよ」
ジョウゴ「ああ」
俺は星月を確認する。
《外部魔力反応:非常に強い》
《外部魔力流入:手動遮断中》
《外部魔力制限弁・試作型:待機》
《魔力調整核蓄積量:82%》
手動遮断は正常だ。
ただ、刀身そのものが僅かに温かくなっている。
外部魔力を取り込んでいなくても、周囲の高濃度魔力そのものから影響を受けているらしい。
ジョウゴ「星月に少し反応が出てる。遮断は正常」
レント「問題は?」
ジョウゴ「今のところない。でも長時間は避けたい」
その判断を共有して進む。
途中で小型の魔物を二体見つけた。
《ブルーウォータースライムLv.13》
水路の端で魔力を吸収しているだけで、こちらへ攻撃してくる様子はない。
無理に倒す必要もないため、そのまま距離を取って通過した。
◇◇◇
水路を二十分ほど進んだ頃。
周囲の青晶鉄鉱に変化が現れた。
これまで壁に筋のように走っていた鉱脈が、すべて同じ方向へ集まり始めている。
レント「鉱脈が合流している」
ジョウゴ「ああ」
右。
左。
天井。
床下。
あらゆる方向から伸びてきた青い鉱脈が、前方へ向かって一本の巨大な流れを作っている。
《魔力方位計》を見る。
《青晶鉄鉱主鉱脈反応:極大》
《測定限界に接近》
さらに《蒼月の道標》も強く光り始めた。
《蒼月泉方向感応:極強》
《目的波長との近距離接続を確認》
ミナ「もうすぐだね」
ジョウゴ「たぶんな」
やがて水路の先に、青白い光が見えた。
今度は前回のような僅かな光ではない。
洞窟そのものが月明かりに照らされているような、柔らかな光。
でも、ここは地下深く。
本物の月光が届くはずはない。
俺たちは足を止め、周囲に敵がいないことを確認してから進んだ。
そして、狭かった水路を抜ける。
「……すごい」
ミナが思わず声を漏らした。
俺も同じ気持ちだった。
◇◇◇
そこには巨大な地下空間が広がっていた。
天井は高く、暗闇の中へ消えている。
中央には、直径三十メートル以上ありそうな泉。
水面は波一つなく、青白い光を放っていた。
壁や天井から伸びる青晶鉄鉱の鉱脈は、すべて泉へつながっている。
まるで青晶洞全体の血管が、この場所へ集まっているようだった。
《特殊区域を発見しました》
《《蒼月泉》》
《青晶洞最深部・特殊魔力循環領域》
《周辺魔力濃度:測定上限超過》
《特殊環境効果を確認》
《敵対反応:なし》
ついに。
辿り着いた。
ミナ「ここが……蒼月泉」
カイト「思ってたよりずっと広いな」
レント「泉というより、地下湖に近い」
俺はすぐに《蒼月の道標》を見る。
道標から伸びていた光は、泉の中央を指していた。
その先。
水面の下に、何かがある。
青白い。
結晶。
最初は小さく見えた。
でも、よく見ると違う。
水中から何本もの結晶柱が伸び、その中心に巨大な結晶体が存在している。
《特殊対象を確認しました》
《《蒼月晶》》
《品質:鑑定不能》
《分類:特殊環境結晶》
《魔力蓄積:極大》
《魔力循環:極大》
《魔力安定化:極大》
《環境接続状態:完全》
《採取:非推奨》
最後。
分かりやすい。
カイト「採取、非推奨」
ジョウゴ「触らない」
ミナ「うん」
蒼晶竜にも言われている。
ここへ来た目的は持ち帰ることではない。
調べることだ。
◇◇◇
俺たちは泉の縁から観察を始めた。
まず水。
《蒼月水》
《品質:最高》
《魔力含有量:極大》
《魔力安定波長:強》
《蒼月晶の影響下》
前回採取したものより明らかに強い。
次に周囲の青晶鉄鉱。
《青晶鉄鉱脈》
《魔力流動:極大》
《流動方向:複数》
《蒼月泉との魔力循環を確認》
「複数?」
俺は表示を見直した。
これまでは、蒼晶竜が放出した魔力が青晶鉄鉱脈を通って幼竜へ向かっていた。
でもここでは違う。
泉へ入る流れ。
泉から出る流れ。
両方ある。
ジョウゴ「レント、これ見て」
情報を共有する。
レント「循環している?」
ジョウゴ「ああ。青晶鉄鉱は一方通行の導線じゃない」
洞窟全体。
巨大。
魔力回路。
なってる。
可能性。
高い。
その中心。
蒼月泉。
そして。
蒼月晶。
ある。
ミナ「じゃあ、この力を幼竜のところまで流せないのかな?」
ミナの言葉に、俺はすぐには答えなかった。
でも、同じことを考えていた。
蒼月晶を持ち出す必要はない。
青晶鉄鉱脈そのものが、ここから幼竜のいる場所までつながっているなら。
この安定化する力を鉱脈へ乗せればいい。
問題は、それが可能なのかどうかだ。
◇◇◇
俺は泉の近くに露出している青晶鉄鉱へ手を近づけた。
触れる前に鑑定する。
《青晶鉄鉱脈・蒼月泉接続部》
《蒼月晶由来魔力:流入》
《安定波長:含有》
《伝達効率:低下》
「低下?」
レント「何か問題が?」
ジョウゴ「蒼月晶の安定波長は鉱脈へ入ってる。でも伝達効率が落ちてる」
ミナ「途中で弱くなっちゃうってこと?」
ジョウゴ「たぶん」
だから幼竜のところまで届いていない。
あるいは届いていても、魔力核を安定させるには弱すぎる。
さらに調べる。
《魔力伝達経路を解析中……》
《生産技能《槌打ちLv.1》》
《称号《刀の先駆者》》
《称号《魔導刀開拓者》》
《特殊鍛冶技術《星蒼導流鋼芯刀剣構造》》
《青晶鉄鉱研究情報》
《蒼月晶観測情報》
《条件が更新されました》
以前。
幼竜の前。
同じような。
表示。
出た。
あの時。
《情報不足》
だった。
今。
蒼月晶。
直接。
確認。
した。
条件。
変わる。
《特殊生産研究条件を満たしました》
《新規研究項目が開放されました》
《《蒼月安定導路》》
《目的:蒼月晶由来の魔力安定波長を遠隔伝達する》
《基礎素材候補:青晶鉄鉱》
《補助素材候補:星蒼導流鋼》
《蓄積・緩衝素材候補:青月石》
《詳細設計:未完成》
「……来た」
カイト「何か出た?」
俺は情報を共有する。
全員が表示を見る。
ミナ「これなら幼竜まで届けられる?」
ジョウゴ「可能性はある。でも、まだ設計未完成だ」
レント「バルガに見せる必要があるな」
ジョウゴ「ああ」
バルガ。
見たら。
工房。
叫ぶ。
だろうな。
でも今回は、星月の改良が目的じゃない。
幼竜の命を救うためのものだ。
そこはバルガも理解している。
◇◇◇
さらに泉を調べていると、ミナが何かに気づいた。
ミナ「ジョウゴ、こっち」
泉の端。
浅い場所。
小さな結晶片が沈んでいる。
蒼月晶本体から離れているように見える。
でも、俺たちは触らない。
先に鑑定する。
《蒼月晶・自然剥離片》
《本体から自然分離した結晶》
《環境接続:微弱》
《魔力安定化:高》
《泉外へ移動した場合、特殊性質が急速に低下します》
カイト「持って帰っても駄目か」
ジョウゴ「ああ」
レント「ただ、研究には使えるかもしれない」
確かに。
泉から出さなくても、この場所で反応を測定することはできる。
俺は持ってきていた《魔力検知板・改》を取り出した。
バルガから借りているものだ。
剥離片の近くへ置く。
《安定波長検出》
《基準値設定可能》
「基準値?」
操作すると、検知板へ蒼月晶の波長情報を記録できるらしい。
石そのものは持ち帰れない。
でも。
波長。
データ。
なら。
持ち帰れる。
ジョウゴ「これだ」
俺は記録を開始する。
《蒼月晶安定波長を記録しています》
《記録率:21%》
しばらく待つ。
《記録率:54%》
さらに。
《記録率:83%》
そして。
《記録率:100%》
《《魔力検知板・改》に蒼月晶安定波長を記録しました》
《簡易波長データを取得》
ミナ「バルガさんに見せられる?」
ジョウゴ「ああ。これなら泉を壊さずに研究できる」
重要な成果だ。
◇◇◇
その時。
泉の中央にある蒼月晶が、一度だけ強く光った。
「……?」
俺たちは動きを止める。
青白い光が泉全体へ広がる。
次の瞬間、壁に走っている青晶鉄鉱脈が一斉に輝いた。
《大規模魔力循環を検出》
《蒼月晶→蒼月泉→青晶鉄鉱脈》
《安定波長伝達》
俺は表示を見つめる。
流れ。
確か。
存在。
する。
でも。
数秒後。
《遠距離伝達効率:低》
《一部経路に異常を検出》
「異常?」
レント「どこだ?」
《魔力方位計》を取り出す。
反応。
泉。
ではない。
水路。
戻る。
方向。
さらに。
その先。
《青晶鉄鉱主鉱脈》
《魔力伝達障害を検出》
《推定位置:蒼月水路~旧採掘坑道間》
俺たちは顔を見合わせた。
カイト「途中で詰まってる?」
ジョウゴ「たぶん」
崩落。
あった。
九十年前。
大きな地震。
旧採掘坑道。
閉ざされた。
そして。
蒼晶竜。
蒼月泉。
行けなくなった。
もし地震で壊れたのが道だけじゃなかったとしたら。
青晶鉄鉱の主鉱脈。
つまり。
魔力の通り道。
それ自体。
寸断。
された。
可能性。
ある。
レント「それなら説明がつく」
ジョウゴ「ああ」
蒼月泉は今も生きている。
蒼月晶も力を失っていない。
なのに幼竜へ、その安定化の力が十分に届かない。
理由は。
泉。
弱った。
から。
じゃない。
途中。
道。
壊れてる。
から。
かもしれない。
《特殊クエスト《蒼晶竜の願い》が進行しました》
《第二段階《蒼月泉への道》を達成しました》
《蒼月泉:発見》
《蒼月晶:状態確認完了》
《蒼月晶:正常》
《蒼月泉:正常》
《魔力循環経路:異常あり》
《第三段階が開放されました》
《《途切れた蒼月の流れ》》
《目的:魔力伝達障害地点を特定する》
《目的:青晶鉄鉱主鉱脈の状態を確認する》
《目的:蒼月晶の安定波長を幼竜まで届ける方法を確立する》
俺はその表示を見ながら、泉の中央にある巨大な蒼月晶へ視線を向けた。
幼竜を助けるために必要なものは、ここにある。
蒼月晶は壊れていない。
泉も枯れていない。
だったら。
持って帰る必要なんてない。
止まっている流れを、もう一度つなげればいい。
ミナ「助けられるかな?」
俺はミナを見る。
ジョウゴ「まだ方法は分からない」
そこで一度言葉を切り、青く輝く鉱脈へ視線を戻した。
ジョウゴ「でも、何を直せばいいのかは見えてきた」
俺たちは蒼月晶そのものには一切触れず、必要な観測記録だけを回収した。
次に調べるべき場所も分かった。
九十年以上前の地震によって崩れた、青晶洞のどこか。
蒼月泉から幼竜へ続いていたはずの魔力の道。
その途切れた場所を見つけ、もう一度つなぎ直す。
それが、蒼晶竜の幼竜を救うための次の一歩だった。




