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手をつなぐ理由  作者: リンダ


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雨の日の遺伝子



『ひまちゃんダイアリー』


番外投稿「雨の日の遺伝子」


 今日は、陽毬がアルバムを見て大爆笑した日。


 きっかけは、隆くんの昔の写真だった。


 中学生のころの隆くん。

 雨の日。

 傘もささずに、なぜか水たまりへ片足を突っ込んで、見事にずぶ濡れ。


 服はびしょびしょ。

 髪もぺたんこ。

 でも本人は、なぜか満足そうな顔をしている。


 陽毬は、その写真を見た瞬間、床に転がりそうなくらい笑った。


「おとうさん、なんでおみずのなかにいるの!」


 隆くんは真っ赤になって、


「ちがう、これは事故だ」


 と言い張った。


 でも、どう見ても事故ではない。

 あれは完全に、自分から水たまりへ挑みに行った顔だった。


 そこへ、なぎさちゃんが遊びに来ていた。


 陽毬が写真を見せると、なぎさちゃんも大笑い。


「お兄ちゃん、昔からやっぱりそういうとこあるんだの!」


 そこで、実里さんが一言。


「待って。これにそっくりな写真、なぎさにもあるわよ」


 その瞬間、なぎさちゃんの顔色が変わった。


「お母さん、それは出さなくていい!」


 でも、出てきた。


 中学生のころのなぎさちゃん。

 雨の日。

 こちらも見事にずぶ濡れ。

 しかも、隆くんの写真とほぼ同じ構図。


 水たまりに足を突っ込み、髪はぺたんこ。

 服はびしょびしょ。

 そして、なぜか本人は勝ち誇った顔。


 陽毬は写真を交互に見比べた。


 隆くん。

 なぎさちゃん。

 隆くん。

 なぎさちゃん。


 そして、ひと言。


「おなじ!」


 その瞬間、家中が爆発した。


 通泰くんはお腹を抱えて笑い、道也くんは意味も分からず一緒に笑い、隆くんとなぎさちゃんは同時に真っ赤。


 なぎさちゃんは、


「違う! 私は雨と戦ってただけ!」


 と謎の言い訳をしていた。


 隆くんは、


「俺は水たまりの深さを調べてただけだ」


 と、もっと謎の言い訳をしていた。


 陽毬は、しばらく笑いすぎて息ができなくなっていた。


 でも、私はその光景を見ながら、少しだけ思った。


 家族の中には、こういう“どうしようもなく似ているところ”がある。


 真面目なところではなく、

 かっこいいところでもなく、

 なぜか水たまりに挑んでしまうところ。


 そういう変な部分まで含めて、家族の記憶になる。


 そして陽毬は、いつかこの写真をまた誰かに見せて笑うのだと思う。


 その時、きっとこう言う。


「うちの家族、雨の日に水たまりと戦うんだよ」



短歌


雨の日の

水たまりには

家族史が

びしょ濡れ顔で

笑って残る



川柳


水たまり

親子そろって

勝負顔



コメント欄


「笑いすぎて無理」


水たまりと戦う家族、最高すぎます。

隆さんもなぎささんも言い訳が苦しすぎる。



「遺伝子強すぎ」


隆さんとなぎささん、兄妹すぎる。

しかも“事故”と“雨と戦ってた”で言い訳の方向性まで似てるの笑いました。



「陽毬ちゃんの『おなじ!』が強い」


子どもって一番核心を突きますよね。

たぶんその一言で全員沈んだと思う。



「家族史って表現が好き」


こういう何でもない写真が、後から一番大事な記憶になるんですよね。

笑えるのに、ちょっと泣けました。



「通泰さんの反応が見える」


絶対お腹抱えて笑ってる。

そして後でなぎささんに怒られるところまで見えます。



「道也くん絶対わかってない」


意味分かってないのに一緒に笑う道也くん、かわいすぎます。



「雨の日の遺伝子」


タイトルがもう優勝。

この家、次は陽毬ちゃんが水たまりに挑みそう。



「短歌が良すぎる」


“水たまりには家族史が”って、なんでこんな爆笑ネタからいい短歌が出るんですか。



「川柳で完全にトドメ」


親子そろって勝負顔。

もう写真見てないのに見えます。



「こういう回があるから好き」


重いテーマもある作品なのに、こういう家族の爆笑回がちゃんとあるから救われます。

笑いも大事な継承ですね。






『ひまちゃんダイアリー』


続・雨の日の遺伝子


 昨日の投稿で、


 “雨の日に水たまりへ突っ込み、ずぶ濡れになっていた中学生時代の隆くん”


 の写真が公開され、大騒ぎになりました。


 さらに、


 “全く同じ顔で、雨の中をびしょ濡れで駆け回っていた中学生時代のなぎさちゃん”


 の写真も発掘され、家族全員が腹筋崩壊しました。


 ――ここで終われば、まだ平和だったんです。


 問題は、そのあと。


 実里さんが、アルバムをめくりながら突然止まったんです。


「あっ」


 その瞬間、なぎさちゃんが察した顔をした。


「……お母さん?」


 実里さんは、ものすごく嫌そうな顔をした。


「いや、これは違うのよ」


 隆くんが即座に言う。


「その前置き、絶対違わないやつ」


 そして。


 出てきた。


 若き日の実里さん。


 推定、中学一年生。


 土砂降り。


 全身ずぶ濡れ。


 水たまりの真ん中。


 しかも。


 顔。


 顔が。


 隆くんとなぎさちゃんと完全一致。


 びしょ濡れなのに、なぜか誇らしげ。

 “やり切った”顔。


 しかも、片足が完全に水たまりへ突っ込まれている。


 陽毬は、三枚の写真を床に並べた。


 若き日の実里さん。

 中学生時代の隆くん。

 中学生時代のなぎさちゃん。


 見比べる。


 もう一回見比べる。


 そして、腹を抱えて転がった。


「いっしょ!!」


 通泰くん、その場で崩れ落ちる。


「遺伝子ぃぃぃ!!」


 道也くんも意味分からず大笑い。


 なぎさちゃんは顔を真っ赤にして、


「なんでお母さんまで同じことしてんの!?」


 実里さんも真っ赤。


「いや、あれは……その……側溝の水の流れを確認してて……」


 隆くんが即ツッコミ。


「俺と同レベルの言い訳やめて」


 陽毬はもう息できないくらい笑っている。


「おばあちゃんも、おみずたたかってる!」


 さらに通泰くんが写真を見比べながら言う。


「いや待って。顔の角度まで一緒だ」


 本当にそうだった。


 三人とも、


 “水たまりとの戦いに勝利した顔”


 をしている。


 なぎさちゃんは頭を抱えた。


「もうやだこの家系!」


 でも、笑いながら、私は少しだけ思った。


 人って、意外と“受け継いでる”。


 顔だけじゃない。

 性格だけでもない。


 なぜか雨を見るとテンションが上がるところ。

 水たまりを見ると突っ込みたくなるところ。

 全力でバカをやってしまうところ。


 そういう、“説明できない部分”まで、ちゃんと繋がっていく。


 陽毬もたぶん、いつかやる。


 そして未来のアルバムに、


 “雨の中、ずぶ濡れで勝利顔してる四世代目”


 が追加されるのだと思う。



短歌


雨の日の

笑顔の角度

同じなり

水たまりまで

受け継ぐ遺伝子



川柳


三世代

全員びしょ濡れ

同じ顔



コメント欄


「遺伝子強すぎる」


もうDNAが水たまり求めてる。

顔の角度まで一緒は反則。



「実里さんまで!?」


まさかの義母参戦で吹きました。

この家系、雨の日に覚醒するんですか。



「勝利顔でダメだった」


“水たまりとの戦いに勝利した顔”で腹筋死にました。

写真見てないのに情景が浮かぶ。



「通泰くんの『遺伝子ぃぃぃ!!』好き」


完全に読者の気持ち代弁してる。



「陽毬ちゃん絶対将来やる」


100%やる。

しかも五世代目まで続く。



「実里さんの言い訳が弱い」


“側溝の水の流れを確認してて”

無理がある。

でも隆さんも同レベル。



「三世代同じ顔はズルい」


こういう家族写真って、一番宝物になりますよね。



「短歌が妙に美しい」


“水たまりまで受け継ぐ遺伝子”

バカみたいな話なのに、なんでこんな綺麗なんですか。



「川柳でまた吹いた」


三世代全員びしょ濡れ同じ顔。

もう芸術作品。



「この作品ほんと好き」


重いテーマを扱ってるのに、こういう“全力でくだらない家族回”があるから救われる。

生きるって、こういう笑いなんだなって思う。

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