解体屋
アイテムボックスはあった。それもすんごいのが。いろんな魔導書があったけど、一つだけページ数がおかしいことになってるやつがあってそれが一番使えそうに見えた。
だって何千何百のページ数が普通の本で一冊だけ5万6千とちょっとっておかしくない?ページをひらいたらどう見ても本っていうより鉱石に彫り込んだものの写しっていう感じだった。たぶん設置する魔道具を本って言い張ってるんだと思う…。
「アヤ、なんとかなりそう?」
「うん…なんとか…今からやってみるね。」
私は魔力を電子書籍に流しこむ…がこれ、ページ数が恐ろしい癖にとんでもなく魔力の消費がすくないのだ。ちょっと入れただけで魔法が使えそう。
「えいっ異空間収納っ」
目の前の空間が歪んで穴が開いた。
「この中に入れれば大丈夫!…だと思う…」
「収納の魔法かな…?まあ魔石はとってあるし最悪死体はなくなっても大丈夫かな。とりあえず入れてみよう。」
シアはそう言って魔石だけ袋につめてあとの死体はポイポイ穴に入れ始めた。私もポイポイ入れた。
「あんなにあったウサギが…これで取り出せたら本当にすごいね。実はゴミとして処分しちゃう魔法だったりして。あはは。」
「ふ…うふふ…笑えない冗談をおっしゃいますのねシアさん〜〜〜いいでしょう、とりだしてみせましょう。」
もう一度異空間収納の魔法を使う。使うと今度は中に何が入っているかが頭に浮かんできた。
出てこい!と念じると。ボトッとウサギが落ちてきた、穴から
。
「できた!出できた!これで運搬には困らないよ!」
「すごい!すごいよアヤ!これは本当にすごい。アヤはまだ気づいてないかもしれないけれど、これがあれば今までの比じゃないくらい稼げる」
たしかに肉もなにも全部持っていけばかなりお金にはなりそう。ウサギのお肉も食べてみたい。
二人でスキップしながらギルドに戻って報告した。
「あの…これ…全部ですか…?」
受付のお姉さんが魔石の山を見てびっくりしてた。
「そうです!そうなんです!すごいでしょ!」
「アヤの探知魔法のおかげですよ。」
「ああ…探知魔法…なるほどそれでですか。」
受付のお姉さんはそう言って納得して査定を始めた。一個一個素早くしかし丁寧に魔石を見る受付のお姉さんにシアが顔を近づけて囁いた。
「解体所に入りたい。そのままのツノウサギが魔石の数はある。」
「それは…わかりました。話しておきます。」
そういうとお姉さんは魔石の査定に戻った。
「収納ができるってバレると色々面倒なんだ。内緒な。」
「うん、わかった…」
おたがいこしょこしょ話で話した。飛び抜けた力はあまりバレないほうがいい。
「査定が終わりました。どれも状態がいい魔石ですので引き取れますよ。あとでまとめてお支払いするので解体所へどうぞ。」
お姉さんがそういったのでギルドの裏の解体所へ向かった。
ノックして解体所へ入る。
「おう、話は聞いてる。まあ入れや。」
腕がガッチガチの筋骨隆々のおじさんがこちらに視線を向けずに答えた。おじさんのエプロンは凄まじく汚れていた。壁には様々な道具がかけてあった、私にはよくわかんないけど。
「ツノウサギの解体を頼みたい。数が数だからな。」
「わざわざ見られたくねえってんでここまで持ってくるほどだろ、だしな」
シアが私にアイコンタクトをしてうなずいた。収納
の魔法をつかってツノウサギをすべて出す。こんもりと積み上げてしまった。
「これは…すごい量だな…これを見られちゃ黙ってねえ連中がいらあ。」
「あ…あの…このことは…」
「安心しな、解体屋は解体以外のことには口出さねえよ。それにしてもすげえ数だ、こいつは骨が折れるな。」
そう言うとおじさんは部下っぽい人を呼んで作業を始めさせた。
「いい遅れた。俺はこのギルドの解体所任されてるデリだ、これからもあんたらにはよく会いそうだ。よろしくな。」
「ああよろしくデリ。私はシアだ。こっちはアヤ。アヤ?」
「おじさんなのに…おじさんじゃ…ない…?」
「はっはっは、この街でオジサンじゃねえおじさんに会うほうが珍しいか!俺はこの街の産まれじゃねえ。オジサンがこんなに多いのはこの街くらいだよ。」
そうなん…だ…オジサンじゃないおじさんがいるというだけでなんだかとても安心した。
「俺の故郷の言葉で「勇敢なる者」って意味なんだぜ。英雄オジサンは俺の国では尊敬をこめてそう呼ばれてたからデリって言えばオジサンを指すことが多いな。はっはっは」
結局…こいつも…オジサンか……!!!!
デリの故郷は単音節言語の国です。
デとリでそれぞれ意味を持ってます。
中国語をイメージしてもらえるといいです。




