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朝チュン

 チュンチュン、と鳥の鳴き声で目が覚める…これが俗に言う朝チュンか…違うか…


 という感じで目が覚めるのが異世界の定番じゃないんですか?

まだ鳥も寝てる日の出のよりも前なんですけど?


 「シアさん?まだ鳥も寝てらしていらっしゃるのですけど?」

そう、外はまだ暗いのだ、外が暗いので夜です。日の出までは夜です。まだ寝かせてほしいです。

 

「ははは、アヤ、冒険者は早寝早起きが必須スキルだよ。これから毎日この時間に起きるんだよ」

シアはさも当たり前のように言ってのけた。もしかしたらまだ寝ぼけているのかもしれない。


「え……?ほんとですか?冗談きついですよ?」

こんな時間に毎日起きていたら…朝方人間になってしまうではないか!いや、いいことか。昨日の夜もかなり早く寝てたことだしね。


「冗談なんかじゃないさ、冒険者にとって活動のできる時間っていうのは基本的に日の出ている間に限られるからね。日の出より先に起きて準備をして、日が出てきたらもう冒険の始まりさ。」

 

 たしかに言っていることは至極当然なのでまったく反論の余地がない。

 冒険者初心者の私でも夜に戦うのはどう考えたって危ないし、なんか夜行性の魔物は危険とかありそうだし…


「なるほどシアさんそのとおりですわかりましたおやすみなさい」

 まあ、二度寝するんですけど、布団にジャンプでふたたびおやすみ。


 頭ひっぱたかれました、おはよう。


「さ!アヤの目もしっかり覚めたようだし、はやく準備して行こうか!」


「はーい、ビンタのおかげでしっかり覚めましたー」

冒険者の腕力、手加減してるのはわかるんだけど普通にめちゃめちゃ痛かった。ドアノブとか破壊するタイプだこれ。


と、ぼちぼち準備をして、準備といっても私は電子書籍を持つだけなのだけれどね、外に出た。


宿は別に街の外れにあるわけじゃないけど、中心の方にある訳でもないのでギルドまではちょっと歩く。

歩いてるうちに、お腹が空いてきて、気づいた。


「あれ?朝ごはんは?宿で食べるんじゃないの?」


「いや、宿屋に泊まってる人たちは外で朝食をとることがほとんどだよ、ほらご覧、屋台が見えるでしょ?」


そう言ってシアが指さした先の広場には様々な屋台がまだ早朝だというのにいい匂いをさせていて、人もまばらであるもののそこそこ賑わっていた。中には冒険者っぽい人もいる。


「わー!いい匂い!ここで食べるんだ!こういうのってけっこうワクワクするよね!」


「アヤって結構お嬢様だった?けっこう普通だと思うんだけど…まあいいか」


ギクッ、現代日本人の私には朝から外食なんて贅沢に思えるけど。たしかに昔の労働者階級の人たちは朝はカフェーをするものだ。とかいうのをどこかでみたことがあるきがする。


人々が行き交い、屋台に混じって必要雑貨なんかを売っている人もいる雑多な雰囲気がまた新鮮な感じで私には少し楽しい。


「おうシアちゃん!今日はオレの店のを食ってけよ!」

 突然いかつい屋台のおじさんに話しかけられた。

THE屋台のおっちゃんって感じでひげをたくわえたワイルドな雰囲気のおじさんだ。


「ミックス焼きのオジサン、おはよう、じゃあそうしよかな、2つ頼むよ」

そう言ってシアはおじさんにいくらかお金を渡した。


「あいまいど!2つってこたあついに仲間ができたのかい?そこのお嬢ちゃんか?」


「そうだよ、紹介しよう。新しく一緒にパーティを組むことになったアヤ、そしてこちらがミックス焼きのオジサン」

シアがそう紹介してくれた。ミックス焼きのオジサン…ね…オジサン…ね…嫌な予感がするね


「はじめまして、アヤです。あの…このミックス焼きっていうのはなんですか…?」


「おう!よくぞ聞いた!このミックス焼きこそ働く野郎共への朝の一発!肉!野菜!麦!すべてをこのミックス焼きで食べられる、完全栄養食よ!オジサン自慢のな!」


「な、なるほど…!それはすごいですね!さっそくいただきます!」


 みためはお好み焼きのような、焼きたてアツアツのミックス焼きを一口。野菜の香りと肉の風味が共存することなく大喧嘩をしていて、それを喧嘩両成敗と言わんばかりに強烈に叩きのめすタレの濃い味付け。

 ウム、不味くない、しかし美味しくもない。ちょっとハズレめのジャンクフード、みたいな感じの味がする。


「う、うん…?うん!おいしいです!」

と言おう。


「ほんとかお嬢ちゃん?これ美味しいっていう奴は普段泥食ってる奴か断食の後の奴くらいだぞ?まあ美味くないがクセになるって評判なんだけどな!ガハハ!」


なんだよ気つかって損した…気分…たしかにクセになるっていうのはちょっとわかる。なんだろう…マックみたいな…そこまで美味しくはないけどたまーに食べたくなるような、そんな味。あと泥食ってる奴とかいるのだろうか、こわい。


「ははは、アヤ、無理しなくていいんだ。ミックス焼きは安い!強い!不味い!が売りだからね」


「ガハハ!言うねえシアちゃん!そんだけ元気なら大丈夫だ!今日も帰ってこいよ!」

その通りだ!なんて周りから言われている声も聞こえる。その通りだ!


「うん、今日も一日で帰ってくるつもりだから、行ってきます。」


 特にシアがオジサンと親しいからこんなやり取りをしている訳ではなく、だいたいの冒険者が朝こうやって広場でコミュニケーションを色々ととるそう。こうして、人の安否を確認したり、情報を交換したりするそう。意外と広場の情報網も馬鹿にできないらしい。


 チョイまず朝食を終えた私達はギルドに向かう。

今日も一日が始まる。今日はどんなことがおこるかな。たのしみだ。





あとで聞いた話によると、ミックス焼きのオジサンの"オジサン"は年をとった男性の意味のおじさんではなく、名前の"オジサン"らしい。オジサン…

感想を始めて頂いたのですが、ガチでめちゃめちゃ嬉しかったというかもはや感動したのでぜひ感想なりなんなりをくれると嬉しいです、話書く欲がモリモリでてきます。



オジーサ、オジサンとの名前の違いは太郎と小太郎みたいなもんです。

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