援軍と新たな敵
雷はロキの前に轟音を轟かせながら落下してきた。
電気が周りを破壊しながら収まっていく。
全身の毛が逆立ち、その雷が放つ重圧はその脅威を物語っている。
「来たか」
最上位魔導士の雷属性の奴、名前はノアだったな。
近距離遠距離共に得意だが生徒やジークが近くにいる自然に攻撃手段は限られる。範囲広めの技で周りを巻き込むか。
放電が収まり——人影が見える。
瞬間ロキの右手が飛ぶ。
ドンッ!
人影があったところが突如崩れ音を立てて落ちていく。
「なるほど」
俺の手が飛んでから敵がいた場所が崩れた。単純に速すぎる。奇襲であれば防げるやつはほぼいないだろうな。実際に情報がなかった俺も避けきれなかった。というより反応できなかった。
「強い能力だが、それなりに制約はあるんだろう?」
後ろへ振り返りながら告げるとノアが電気を纏わせながらロキを見ている。
「右手失ったのに余裕だね」
「そうでもない。かなり焦っているぞ。だが、俺はさっきの攻撃には反応できなかった。なのに失ったのは右手だけで致命傷でもなんでもない」
「制約なのか、それとも…人を殺せないか」
「考えが足りてないんじゃない?ただ、貴方を苦しめたいだけかもよ」
「それこそおかしな話だな。七つの大罪と呼ばれている犯罪者だぞ?直ぐに殺すのが普通だ」
「だから普通じゃない考えってだけ」
「ならお前は範囲の広い攻撃で生徒を巻き込んで攻撃をしたほうが苦しめる方法はありそうだが、周りを巻き込まない時点で倫理的な部分は普通そうだが?」
「自分の手で感触を味わいたいタイプなんだよね〜」
まぁそれらしいといえばそれらしい気もするが…どちらにしろ広範囲の攻撃は来ない可能性が高そうだ。こいつの本心はどうでもいい。俺の仕事をするか。
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レイは雷を確認しながらさっき見た爆発に向かっていた。
天気的にもあり得ない落雷…誰かが魔法を使ったのか。敵か?あの2人は大丈夫か?
いや、今は直ぐにでも爆発の元に行くか。
六花に乗り低く飛び上がり地面を滑るように進む。
爆心地付近に着地する。
近くの木に隠れながらゆっくりと近づく。謎の悪寒が背を通ってゆく。
目を向けた先には負傷した教師や生徒が複数人倒れて血を流している。
「近くに敵は…いないか」
六花を展開させたまま近づく。
自分の足音が頭に響く。緊張感の持った状態で、負傷者に近づくと何かおかしい。
全員リストバンドが発動していない。
直ぐに確認すると死んでいない。ただ気絶しているだけだった。
「誰も殺されていない?」
あの爆発が敵のものだとして全員を殺せる火力はあるはずだ。気絶している状況なら尚更、だが…そもそも生徒の中には見た目ほど傷が深くない奴もいる。教師も深手こそ負っているがリストバンドが作動していないと言うことは死んではいない。
「この人数に対して手加減ができるレベルの敵…」
俺では絶対に勝てない相手。
そう感じながらおそらく敵の去った先に歩みを進めていく。
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各地で戦闘が始まる中グレンはまだルイスと戦闘をしていた。
次々に繰り出す攻撃はいなされて後方の壁が焼け落ちる。
更にカウンターを当てられ後ろへ下がる。
「思ったよりも硬いな。っていうかあの氷の子はどこだ?」
ここに居なくて外でやることだとしたら教師を呼ぶこと。だが戻ってくる気配がない。
思考の隙間にグレンが攻撃を繰り出し続ける。
「君は一旦いいや」
ルイスが手を翳した瞬間にグレンの右手が焼け落ちる。
床が焦げ騒々しい静寂が訪れる。
「なんで急に…」
グレンは確かに戦闘に集中していた。だが、自分の状態は自分が1番わかっていた。まだタイムリミットでもなんでもない。なのに体が焼け落ちた。
「…まぁこれぐらいは言ってもいいか」
「僕がやったのはただ君の魔法を補助しただけだよ」
「補助?」
「君が体を犠牲にしてるから同じ属性の僕が炎を追加して強化してあげただけ」
「その分体の崩壊も早まったけどね」
それより氷の子が戻ってこないってことは逃げたのかな?いや、ここで逃げるならさっき戦う選択はしない。
そもそもどうしてあんなに戦えたんだ?僕に対して恐怖を感じていたはずなのに戦闘が始まったら2人の様子を見ながら上手く立ち回ってた。
「…演じてた?」
そんなそぶりはなかった。心と体が別れてるみたいな。
歪な感じ…。




