変化
予想よりもキャラの減りが早い。骸骨はもう半分ほど倒されてるな。
「何からやろうか」
まずは見極めようか。僕の物語の主人公候補がいるかどうか…
残りの骸骨を一体残して自壊させる。その分の能力を1体に凝縮させる。
「骸骨が消えた?」
倒したのか…いや、わざと破壊したように見える。
どちらにしろやることは変わらない。2人のサポートをしつつ自分も攻撃を仕掛ける。
骸骨は動かない。距離こそ近づいているがまだ…まだ動かない。
氷の槍を作る。3人で同時に攻撃をしようとした瞬間に骸骨の姿が消える。
「六花」
微かに見えた骸骨の攻撃を勘で六花を使って防ぐがそのまま後方へ吹き飛ばされる。
ガンッ
痛っ、何かに当たった。壁か、室内じゃなかったら孤立させられてたな。2人はあとどれくらいでくる?
2人の方へ視線を向けると敵本人が前に出ている。
「俺もすぐに合流しにいくか?」
いや、せっかくの1対2の状況、俺が行けば2対3になる。行かない方がいいそれよりも、
突き出した氷の槍が溶ける。
この骸骨に背を向けたら死ぬかもな。ダメだあっちにこのまま向かう方がリスキー俺は回復もできなければリストバンドもない。ここでこいつをすぐに倒して合流する。
レイが孤立した。助けに行くべき?いや、この敵を倒せば無くなるはず。でもグレンさんや私と違ってもうレイは残機がない。多分レイ1人でもあの骸骨には勝てる。でも、無傷で勝てるだろうか?
考えが纏まらないまま水槍を構える。
息を浅く吐き冷や汗を少し流しながらゆっくりと近づく。
「おい!」
あと少しで間合いに入るところでグレンさんが声を張り上げる。
「なに?」
「お前はレイの方にいけ」
本気で言ってるの?レイの残機がないこともグレンさんは知らなかったよね。
「あの骸骨よりもこの人の方が強いよ。それにこっちを倒せば全部解決する」
「そうだろうな。だがな、お前が集中できてない。どんな理由があるのかわからないが迷いながら戦える相手じゃない!それに俺1人でも大丈夫だ!」
体に炎を纏わせながら続ける。
「直ぐにあの骸骨を倒してこっちに来い!」
「わかった」
そしてレイの方に走り出す。
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いいねぇ。この炎の子、こういう感じの子は主人公にあいそうだ。
「いいの?正確には分からずとも僕の方が強いことぐらいはわかると思ったんだけど?」
どんなことを考えてるんだろう。ただの勢いで言ってたのかな?
「耐えるだけならいけると思っているぞ」
「なるほどね」
つまらないな。そこはもっと自信を持って「勝てる」ぐらい言って欲しかったのに。
考えてるわけでもない希望的観測してるだけみたいだな。
「もしあの2人が戻って来なかったら?」
「何?」
「だって君が僕の足止めしてるんだからその間に逃げた方が得でしょ?何も考えずに信じても騙されて終わるだけじゃない?もし僕が2人の立場なら君を見捨てるかな」
「確かにあの2人はほとんど話したことはない。だがな、信じなきゃ何も始まらないし何より俺自身がこの選択に納得してる。それだけでいいんだよ」
「へぇ」
これならアリかもな。もう少し品定めを続けよう。
「君が何を言おうと結局は結果が全てだよ。主人公なら尚更何かを成し遂げないとね」
グレンが炎を纏わせた蹴りをルイスの顔面めがけて繰り出す。
それは避けられる。
「つまらないな!主人公じゃなければ輝けない?違うな。自分を信じてればな、主人公みたいになれなくても人は輝ける」
「確かにね。少ししっかりと君自身を見たいと思ったよ。 物語の欠片人頭幢」
この子は僕の物語の主人公になれるかもしれない。追い詰められた時も同じことが言えるかなぁ?
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骸骨がついた杖?どんな武器だ?いや、関係ない。やることは変わらないんだ。
こっちの方が弱いことは変わらない。ならせめて、仕掛けるのは俺からにする!
グレンは炎で加速しながら距離を詰める。その瞬間ルイスの背後のケロベロスが動く。
「なっ!」
「最初から1対1でやるなんて言ってないしね」
クッソ、食われた?熱い肌が焼ける。脱出してリストバンドの蘇生で全回復するべきか?
流れ出しているはずの汗は瞬時に蒸発していく。
「大口叩いたのに終わりかな?」
ギリギリの状態で火傷をしながらグレンが出てくる。
「ほらほら待っててあげるから一度死んで蘇生でもしたr」
言い切る前にグレンはルイスに攻撃をする。ルイスは驚きながらも杖で簡単に防ぐ。
「それはただの無謀だよ」
やっぱりこいつは分かってない。
「意地だよ。俺はリサにレイの方に行かせたんだ。心配してたからな。だから俺が直ぐに倒れてお前をあっちに行かせるわけにはいかねぇんだよ。だからリストバンドもギリギリまでつかわねぇよ!」
ドンッ
風と炎を猛々しく暴れさせながら再びグレンが振りかぶって殴りルイスを後方へ吹き飛ばす。
ここで畳み掛ける!
炎を勢いよく放つ。それと同時にグレン自身も距離を詰めていく。
床に焼け跡を残しながら更に火力を上げていく。
どうせ後で治るんだ。俺の体が耐えられないレベルまで上げてやるよ。
「いいねぇ地獄の世界に似合う見た目になっってきたね」
火力は確かに上がってる。なのに全然攻撃が当たらない。打っても打っても宙に舞う羽根を殴っているかのように避けられ大岩に攻撃しているかのように全て防がれる!
全部読まれてる。スピードもこの属性じゃ上げずらいならやるべきは更なる火力の増加!
残機がなくなったらこの戦い方は出来なくなる。なのにまだ初撃しか当たってない。
マイナスなことは考えても意味ない。自分の理想を想像するんだ。こいつに勝つ!自分に足りないものを補う方法を!
その刹那グレンが纏っていた炎は静まり荒々しさが無くなっていく。
あの骸骨や杖のように…形をしっかりと持った炎を想像しろそれを纏って今までの炎を閉じ込める。凝縮して攻撃に全て炎がいくようにするんだ!
さっきよりも更に体の限界は早く近づいていく。だが、グレンの目はそんな自分の体には視線も当てずに構える。
周りの音は消えグレン自身の炎も圧縮され先ほどの轟音がなくなっている。残火のように微かに炎を漏らし、顔にヒビが割れそこにも炎が通っていく。
「行くぞ」
「いぃ。いいね!やろう!」
興奮した様子でルイスは赤く輝くグレンをその瞳に反射させている。
死ぬ寸前の最後の足掻きなんかではない。
感情すら超越した集中。
グレンの視界にはただルイスのみが写っていた。




