表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女の敵  作者: 紀ノ貴 ユウア
21/60

第7章、迷子の使い②

 今回「古の魔法書と白の魔女」はお休みです。

「あ…ああ。俺はアリシアーレンの弟子だからね。」

 師匠の名が出てきたことに驚きつつギアは答えた。


 すると、二人は喜びの声を上げた。

「良かった!」

「やった!」

 そして、男の子の方がギアにこう(たず)ねた。

「あの、ぼくたちを連れて行ってもらえますか?」


「もちろん。…ああ、もしかして今日来ると言っていたお客様かな?」

 ギアは子供たちの調子に合わせるように明るく優しく(たず)ねた。

「ええ!ぼくたちはアリシアーレン様の弟子の弟子。レンと…。」

「リシア!クレアルナのおつかいで来ました。」

 二人はそれぞれ手を挙げた。めくれたマントの隙間(すきま)から、()った衣装が見えた。


「そっか。俺はギアだよ。よろしく。」

「「よろしくお願いします!」」

 元気な声が返ってきた。それに、ずいぶん礼儀(れいぎ)正しい。

「じゃあ行こうか。」

「はい!」「はーい!」

 子供たちは返事をすると、それぞれ片腕(かたうで)(かか)えていたものを(かか)げた。男の子―――レンは(くま)のぬいぐるみ、女の子―――リシアはドレスを着た人形を。すると、それらは徐々(じょじょ)(ふく)らんで大きくなり、レンとリシアをそれぞれ(かか)えた。


 それを見てから、ギアは(ほうき)にまたがり空へと飛び立った。レンとリシアはその後ろを付いて行く。


「面白い魔法道具だね。」

 ギアは、レンとリシアのぬいぐるみと人形を話題にした。

「いえ、これはただのぬいぐるみと人形です。魔法で大きくして動かしているだけで。」

「二重で魔法を使っているのか。すごいな。」

 ギアは感心した。魔法使いは魔法石がなければ一つだって魔法を使えないのに、この子供たちは二つの魔法を同時に使っている。いや、さっき姿が見えなかったのは、透明(とうめい)化の魔法を使っていたのではないだろうか。だとすると、三つも魔法を使っていたのだろう。

(この二人、魔女か。)

 (ひとみ)(のぞ)くまでもなく、レンとリシアの正体が分かった。だとすると、見た目より年齢を重ねているかもしれない。魔女は見た目と実際の年齢、そして中身の年齢が合わない。神殿にいるチャドが10歳前後のような身体で実際は14歳、そして(いま)だ幼子だったように。

「えへへ。」「えっへん!」

 しかし、()められたことを素直に喜んでいる様子を見ると、やはり幼そうだ。

「二人は何歳?」

「二人ともたぶん20歳です。」

(俺よりも年上なのか…。いや、でも、魔女だったら人間に換算(かんさん)するとだいぶ年下のはず…。)


「そういや、二人はきょうだいなのかな?同い年なら双子…とか?息ぴったりだし、ぬいぐるみと人形の衣装がおそろいだし、仲良しだね。」

 ぬいぐるみと人形の衣装だけじゃない。二人のマントもその(すそ)から(のぞ)(くつ)も、明らかに同じ意匠(デザイン)だ。

「そうです。そう約束しました。」

「約束??」

 ギアは混乱した。

「リシアたちはきょうだいの約束をしたんです。ずっと一緒、死ぬまで絶対に(ひど)いことしないって。」

「???」

「そういえば、ギアさんは何で雨なのに外に―――」



「赤い、(ちょう)……。」



 突然、リシアが降下した。地面に衝突(しょうとつ)しかねない(すさ)まじいスピードで。

 レンはリシアの様子がおかしいことにいち早く気付き、その後を追う。


「リシア…!!」


(な、何だ?!)

 ギアは(あわ)てて(ほうき)を方向転換する。


「リシア!リシア!!」

「―――。」

 レンが必死に(さけ)ぶも、リシアはスピードを止めない。むしろ、勢いが()している。



「危ない!!!」



 ドガーッン!!



 ギアが(さけ)んだ次の瞬間(しゅんかん)、リシアは(はげ)しい音を立てて(がけ)激突(げきとつ)した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ