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7/11

GM

『100/100』になった空を暫く見ていると、なんの前触れもなく突然『100/100』が消えた。


 カウントがあった場所に四角い枠が現れる。


 そしてその四角はテレビの様に光出す。四角の中には仮面を被った人が映っていた。

 仮面を被った人はしばらく拍手する。

 そして拍手をやめたかと思うといきなり喋り出した。


 ??「ブラボーブラボー!大部分を除いた一部のプレイヤーに拍手!」


 おお、この声ホナ社の社長じゃん。『ザンシンファンタジー』のPR動画で聞いたインタビューの受け答え声そのままの声じゃん。

 ヘリウムガスとか吸ってなきゃ私以外からも簡単に特定されるよ?


 ??「おっと!自己紹介が遅れました。

 私は『ゲームマスター』。まぁ『GM』とでも呼んでください。ずっと貴方達プレイヤーを観てましたよ。」


 まぁ運営なんだしプレイヤーの動向ぐらい監視してるよね。私の動きとかvtuberの動きとか。


 GM「今回私が姿を現したのは、貴方達プレイヤーと。この世界の住民達が、私達が出した試練を無事クリアしたからです。おめでとう御座います!」


 そう言うと社長…いや、GMが映ってる四角い枠の横に3分割された数字が現れる。


『試練内容:霧に包まれた世界で、プレイヤー達が初めて降り立った計100箇所で、各都市街村で1つでもダンジョンを攻略する。

 

 プレイヤーの降り立った場所の内訳。

 村35箇所、街35箇所、都市30箇所


 クリアした者がプレイヤーかどうか。(プライバシーの為プレイヤー名は記載しない)

 村:35箇所全てプレイヤーがクリア。

 街:20箇所がプレイヤーのみ、残りの15箇所は現地の冒険者との混合パーティでクリア。

 都市:全て現地の騎士団や冒険者がクリア。』


 へぇ…そんな内訳だったんだ。でも村や街ってまだまだあるよね。どっちも35箇所しか無いって事は無いね。

 都市は30しかない事は知ってる。多分ベータ版から変わってない。


 GM「もちろん村や街はまだまだあります。良ければ探して交流してくださいね。」


 GM「と言ったところで本題に入ります。

 今回貴方達は私達の出した試練をクリアしました。

 なので貴方達を囲んでいた霧を無くします。

 交易が再開出来ます、自分が帰りたかった場所に帰れます、霧に入ったまま行方不明になっていた者達も帰ってきます。

 これからは自由に世界中を歩き、走り回って沢山移動してください。好きなだけ旅しちゃって下さい。」


 その社長の言葉と共にこの村を囲っていた霧が消えていく、そして見えたのは村の外の光景。


 製品版で初めて見た、村の外なんて。


「む、村の外が見える!」「霧が無くなってるわ!」「これでうちの若い男達が帰って来れる!」


 そんな私より反応が大きいのは村人達だ。

 村長も鍛冶屋のおっちゃんもギルド職員も他の人もみんな喜んでいる。


 GM「ふふ、皆さん喜んでいる様で何よりです。

 それではこれにて私達からの試練は終了となります。

 この世界の住民である皆様には大変ご迷惑をお掛けしました。これからは村や街の外に好きな様に出られます。

 それでは、また会う機会があれば会いましょう!」


 と言って社長が消える。続いて空にあった四角の枠や試練の内容なども消えていく。


 村は未だ大騒ぎである。外の状況をほぼ知らないラクスも村人達と一緒に喜んでる。


 時間を見れば夜の20時近く。一旦ログアウトするのだった。


 ログアウトしてからはいつも通りに過ごす。

 夕飯を食べ、風呂に入り、宿題も全部やって(土日を全て『ザンシンファンタジー』に使う)、平日ではやらない2度目のログインに備えて目も休ませる。


 あ、ホナ社への意見箱…。「GMが社長である事がすぐわかりました。PR動画見てる人なら即バレします。次はヘリウムガス吸うなりして声変えた方が良いですよ。」

 …と。さっきの即バレの件を送っておく。


 そしてもう本日2度目のログイン。


 ログインすると村中が大騒ぎしていた。村用に作ったリアカーに、食べ物やら魔石やら武器やらが乗せられる。

 

 私のリアカーにはラクスが乗っており、爆睡している。


 村長「おお、来たかユスラ。これから皆で都市に向かう。交易の再開だ。今は準備段階だが。

 ちなみに本当に全員で都市に向かう。だからここの村には誰も居なくなるから一緒に行こう。」


 なるほどなるほど。じゃあ私もついて行っちゃおう。


 リアカーの荷物乗せのど真ん中で爆睡していたラクスを端っこに寄せる。あ、そうだ!


 鍛冶屋のおっちゃんを探す。鍛冶屋のおっちゃんは鍛冶屋に居た。


 鍛冶屋のおっちゃんに『羊の毛』5つと、蜘蛛の糸2本と木の棒3本渡す。そして『釣竿』と『フカフカの毛布』を注文。


 鍛治「分かった。釣竿とフカフカの毛布だな。

 釣竿は釣りする為で、フカフカの毛布はラクスの為だな。ラクスの奴、嬢ちゃんがどこかに消えてから(ログアウトの事)ずっと寝てるぜ。

 そうそう、長い旅になるからラクスのための肉も用意してやらねぇと行けねぇな。

 だから嬢ちゃん、狩りに行ってこい。ほら、特別に新品の石の剣あげるから。返さなくても良いぞ。」


 と言う事でラクスのご飯を狩りに行く。牛を狩り、馬を狩り、ニワトリを狩り、羊を狩り、豚を狩る。


『動物の肉30個、動物の皮9枚、ニワトリの羽3枚、羊の毛3個』をゲットした。


 そしてもう一回鍛冶屋に戻って『釣竿』と『フカフカの毛布』を受け取る。そしてラクスを起こして毛布を敷く。

 するとラクスはすぐに毛布に乗ってまた眠った。


村長「よし、準備もできた事だし早速出発するぞ!

 目指す場所は魔王様が支配する都市、『マオウコッカ』だ!時間かけて行くから体調管理には気をつけろ!

 それじゃあ出発!」


 こうして私達は『マオウコッカ』を目指して歩き出すのだった。

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