ベータ版の知り合い
眠りに眠りまくってようやく目が覚める。
お昼だった。母に呼ばれたのでお昼ご飯を食べて再び更に少し寝て学校から出されてた宿題をして、もう少し休憩する。
休日はゲームし放題と思っていたが、流石に一晩中ゲームをした後はキツかった。まだただの学生の私にはずっとゲームなんてきついよ。
長時間ゲームできるって才能だったんだなぁ。あんまり欲しい才能では無いけど。
結局日中はゲームをせずに夕飯を食べて風呂に入った。
風呂から出た所でヘッドギアを被ってようやくログイン。
私は鍛冶屋前に居た。ラクスもちゃんとリアカーに居る。眠っている。
リアカーに、今まで腰などに身に付けていた、リュックや大型剪定鋏や粗悪なツルハシなどの道具を置く。もちろん刃がラクスに当たらないように気をつけて置く。
道具を置いたら一気に身軽になった。リアカーを引いてダンジョンに向かう。クエストは後からでも受けられるからギルドには後で行く。
その時に噴水を見ると、そこには牢屋が無くなっていた。もう閉じ込め期間が過ぎたのだ。
もうあんな問題児達を解放するなんて…魔王様メチャクチャ寛大。だけど大丈夫かなぁ…。
まぁ関わるだけ無駄なので、変に声を掛けられても無視無視。
今回は鹿のツノ集めちゃおうかな。
鹿のツノ6本でゴールド10枚と信用ポイント5が貰える。
と言う事で野生動物の肉と一緒に鹿を狩りに行く。
剣で殴るのも良いがたまには別の物使おう。
と言う事で一度も使ってないパチンコ。
コレで鹿を狙撃していく。脚を狙って脚を折って行って動けなくなった所をトドメを指す。
弾はそこらに落ちてる小石だ。実質無限である。
そのまま様々な野生動物を殺しながらパチンコの練習を繰り返す。
そしていっぱい集まった。
『動物の肉40枚、動物の皮20枚、ニワトリの羽5枚、羊の毛3、鹿のツノ10本』
沢山の肉と材料でホクホクとする。ラクスも大喜びだ。
そんな私達の耳に大きな音が聞こえてくる。
何かが叩きつけられる音。
その方向に向かうと1人の肥満体型の男が素手で蜘蛛を持ち上げてぶん投げていた。蜘蛛は勢いよく飛んでいき木にぶつかる。木は蜘蛛の弾丸に耐え切れずへし折れる。
蜘蛛は死んでドロップアイテム落として消えた。
おーすごい。…この怪力と肥満体型はもしかして?
と思っていると蜘蛛を投げ飛ばした男がコチラに気がつく。やっぱりそうだ。やっぱり彼だった。
??「あれ?ユスラじゃん久しぶりだな。」
いや〜、久しぶりだ。彼は私がベータ版をプレイしている時に知り合ったプレイヤー。
その名は『ショウリ・ジョウ・ドヒョウ』だ。私は彼の事を『ショウリ』と呼んでいる。
ショウリ「ユスラもこの都市に来てたのか。」
そう言うショウリもここだったんだ。それにベータ版の時から変わらない怪力だ。
ショウリ「そうなんだよ。その怪力何故か製品版でも俺の体に出たんだよ。
バグかと思ってホナ社に問い合わせしても『わからないしバグでもない』って返ってきたから、この謎のパワーの原因特定は行き詰まってんだよ。」
へ〜そんなことあるんだ。不思議だね。
ショウリ「あ、そう言えばユスラは知ってるか?
俺達一般プレイヤーに粘着するvtuberが出てる話。
特に今はユスラのリアカー…いやリュックでさえ、vtuber達は配信ネタに使えると一般プレイヤーを見つけ次第粘着しているらしい。」
えっ…私達あんな奴等に配信のネタとして粘着されるの?自分勝手すぎて気持ち悪いんだけど…。マジでやめてほしい。
他人に迷惑かけず自分の滑稽な姿だけ晒し続けて欲しい。普通に嫌悪感しかない。死んでくれとまでは言わないけど目の前に現れないで欲しいし尾行しないで欲しい。
ショウリ「その事を騎士団に相談したんだ。
そしたら「我々が出来る限り守るし、それでも近づいて来るのだったら殺しても構わない」って言うありがたいお言葉を頂いた。だから粘着を殺しても信用ポイントは下がらないとの事だ。」
へぇそうなんだ。ならしつこい奴は何人でも殺しても良いのね。騎士団の推奨なら安心ね。
??「おっ!良いネタ発見!突撃取材開始します!」
ショウリ「は?なんだお前?」
いきなりコレだよ…。奴が来る前にどうするかショウリくんに意見を求める。
ショウリ「殺す…前に一度話聞いてみるかな…。」
??「ハイハイハイ!居ました居ました!今話題の一般プレイヤーです!
僕が取材して有名にしてやるから、そのお礼にいいもの寄越してください!」
は?は?何言ってんのコイツ?vtuberってこんなのしか居ないの?殺すまではやらないけど脅すか。ショウリも同じ考えだし。
そう考えた私達の動きは早かった。
まずショウリが近くを歩いていた蜘蛛を無造作に捕まえて、vtuberにわざとハズす様に無造作に投げる。
蜘蛛は木を何本もへし折りながら絶命した。
??「…へ?」
その隙を私とラクスは逃さない。ラクスが腹部に体当たりして、その追撃に私は首を掴み木に叩きつける。そしてそのまま首を木と片手で挟み撃ちにして絞める。
??「ガハッ!このクソ犬!ぐはっ…ク、首がぁ!」
しばらく首を絞めて死にかけで解放する。
vtuberは呼吸を整えてる。そして喋れるようになったかと思うとまた元気に喚き始めた。
??「僕を誰だと思っている!僕は大企業の配信会社『タノシマセテイル』に所属している忍喜仁垂萢だぞ!
お前らは生意気にも大企業を敵に回した!たかが一般プレイヤー如きがだ!この事は訴えてやる!証拠は配信に残ってるんだ!
覚悟しろよ!この僕の偉大さがわからないカスども!」
そう言ってログアウトして行った。
どうやらvtuberはこんなのしか居ないらしい。vtuberに対する考えが「マジで死んでくれ」にアップグレードした。




