51 第二の神隠し 巫女探偵出陣
「正午のニュースをお伝えします」
「一昨日、有田郡清水町の山あいで滑落事故があり、和歌山県立和歌山高等女子学院の女子生徒が行方不明となった件について、新たに女子生徒が行方不明になりました。これで行方不明となっている女子生徒は二人となりました。今回新たに行方不明となったのは、清水町で行方不明になった女子生徒が所属する部活動の部長を務める女子生徒で、普段から非常に責任感が強いことで知られていました。事故当時、この部長生徒は「見知らぬ男たちに罠で襲撃された」と主張していたものの、警察では滑落事故に伴って有田川上流の渓流に流された可能性が高いと判断し、捜索を続けていました。少女はその対応に深く失望し、悩み込んでいたという証言も周辺から寄せられています。その後、この女子生徒の自宅から短刀が持ち出され、両親から警察に捜索願が出ていましたが、今朝、由良町の戸津井鍾乳洞の入り口付近で、血の付着した短刀が発見されました。清水町の滑落現場からは数十キロ離れており、警察は関連性も含めて慎重に捜査を進めています。警察によりますと、短刀からはこの女子生徒の指紋のみが検出されました。現場で争った形跡や、第三者の足跡なども確認されておらず、女子生徒の単独行動だったとみられています。また、付着していた血液はO型で血液型が一致したため、本人のものとみて捜査が進められています。付着した血液の量から、致死量には達していないとみられています。警察は、自殺の可能性も含めて、清水町の事故現場周辺に加え、戸津井鍾乳洞やその沿岸部まで捜索範囲を拡大するとともに、事件に巻き込まれた可能性も、引き続き慎重に調べています。滑落事故当時、「襲撃された」との証言についても、今後の捜査で再評価が進められる予定です。現場では警察・消防による捜索活動が続けられており、地元住民や学校関係者からは、不安の声も上がっています。警察は地域のみなさんにも、注意を呼びかけています。以上、清水町の女子生徒行方不明事件について、最新情報をお伝えしました」
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「なんやて!」
椛乃はニュースを聞いて愕然とした。そして胸の奥が重く沈んだ。世界が静止したように感じられた。
(親友の京子だけじゃなく、まさか雅先輩まで)
椛乃は自分の鼓動がやけに大きく聞こえる気がした。そして意志を持つ霊刀、邪斬・来国光に話しかけた。
「邪斬君、君はどう思うかね。ボクはこれが単なる事故とは思えないんだ」
『じゃのう。なにやら面妖じゃ』
「今日、これから先輩方と会う予定があるのだけれど、なにか注意して聞くことはあるだろうか?」
『じゃのう。周囲に争った気配がないと、箱の男は言うておる。椛乃はこの状況に、思い当たる節があるじゃろ?』
「×××の状況そのものだね。しかし、それを先輩方に言っても、信じてもらえないだろう。なんと聞けばいいだろうか」
『じゃのう。例えば……』
「わかった。聞いてみるよ」
椛乃意を決したように立ち上がり、先輩方に電話をかけた。一度目を伏せ、きっと、前を向いた。
「行ってきまーす」
椛乃は慌てて制服に着替え、急いで玄関に向かうのだった。




