2話 8th dimension(8次元)
【次元の解釈】
0次元=点 ●
1次元=線 —
2次元=面 ▢
3次元=立体 ❒
4次元=時間 ⏱
5次元=分岐 パラレルワールドの世界(歴史ジャンル:信長Take3の世界)
6次元=内包 己の存在する宇宙の中で『すべての可能性の未来』へ一瞬でワープできる次元。
7次元=他宇宙 ビッグバンの条件が違う『物理法則などが異なる別の宇宙』へ繋がる次元。
8次元=集合 あらゆる物理法則や特性を持った宇宙が、たくさん並んでいる次元。
9次元=超越 物理法則が違うすべての宇宙の間を、自由に移動できる次元。
10次元=無限 すべての宇宙、すべての時間、すべての可能性が1つに集まった究極の次元。
ロブ・ブライントン氏の『Imagining the Tenth Dimension』を参考にまとめました。
これが絶対正解とは言いませんが、この小説ではこの解釈で行きます。
よろしくお願いします。
【8次元/神界】
「じゃ、今度はここがどこか説明しましょう。いわゆる8次元空間と呼ばれる世界ね。ちなみに貴方達がいたのは3次元+時間の4次元。時間はどの次元にもついてくるから、3次元の方が分かりやすいでしょうね」
「すまん。全然分らんのじゃが……蜂じ、ジゲン?」
「同じく……酸慈眼?」
「次元は空間の広がりとでも覚えておきなさい。で、0次元は点。1次元は線、2次元は面、3次元は立体、4次元は時間。それ以上は説明すると長いから第1話でも言った『前書き』を見てね。3次元では無理でも8次元にいるなら見れるはず」
「マエガキ……さっきもダイニワがどうとか言っていたが、意味が分からんのだが……?」
「ここは8次元。3次元とは違うの……理解したわね?」
突如ファルファッラが神性を放出させ有無を言わさぬ迫力で迫った。
もう一度第四の壁を破壊したのだ。
ちなみに『第四の壁』とは演劇や映画で、観客に干渉する事を言う。
本来は設定的に演者が客に干渉はありえないので見えない壁と称されるのだが、あえて禁を破り壁を破壊して観客に接触する登場キャラクターがいる。
ファルファッラはそれができる一人だ、いや、8次元の壁を破壊した、と言った方が適切か。
「あ!? 何か分らんが『前書き』とやらの情報が入ってきた!?」
「私も!? でも5次元以上は、ちょっと理解不能です!?」
戦国時代の人間が、5次元のパラレルワールドなど理解できるはずがない。
正直筆者も6次元以降は訳が分からない。
前書きは作者が一生懸命調べた末の、超意訳なのだ。
「そう言うモノよ。自分の住む次元以上を理解するのは、ほぼ無理なのよ。例えば漫画じゃなくて……絵巻物があったとしてその中の登場人物は平ぺったいでしょ? その人達が生きているとして、それは2次元の人。その絵の人物が意思を持っていたとして3次元の立体が想像できると思う? 答えは出来ないのよ。まさに次元が違う問題ね。分かった?」
「はい……」
信長と帰蝶は、目の焦点が合わない顔で返事をした。
「で、問題はこの8次元ね。決して空想の異世界ではない歴とした異次元。ここでは貴方達の常識は通用しないわ。通用する常識もあるけど、3次元に生きてきた貴方達には想像できない事ができる。その一端はさっき見せたわね? 歌術とかね」
「ッ!! あ、そう言えば?! あの……歌術とやらがワシらにもできるのか!?」
「わ、私は病気で呪いや祈祷を沢山受けてきましたが、効果がありませんでした。この世界では呪いや祈祷が効くと!?」
「そうよ。出来るし効くわ。ただ8次元っていってもそれは無数にあって、そんな世界じゃない8次元の場合もあるけど、この8次元はそうなるわね」
「ほほう!」
「凄い!」
「楽しみ? 異世界転生ならぬ異次元転生だしね。出来ない事が出来るのはさぞ楽しいでしょうけど、でもそれでは困るわね。遊んで貰うために呼んだ訳でも無いしね」
ファルファッラは信長達ではなく、虚空を見つめていった。
「いい? ここは異世界では無く、別次元。その別次元の中の8次元空間。決して異世界転生じゃないの。分かった? 8次元の我々でも3次元に干渉するのは難しいし、制御できない制約上、止む無く『異世界転生』の『タグ』をつけてるけど正確には違うからね?」
ファルファッラが突然、『誰』に向けて喋っているのか分からない距離感で話す。
「と、突然どうしたのかしら?」
「わからんが、ワシらじゃない『誰か』に聞かせている気がする……」
「正解! 文字通り次元が違うモニターの向こうの人達に第四の壁を破壊して言ったのよ。さっき言ったでしょ。出来ない事が出来る。これもその一つよ」
第四の壁を積極的に破壊してメタいと思うかもしれないが、それは違う。
なにせ8次元空間なのだ。
我らの常識など通用しないのだ。
いいね?
「そ、そうなのか」
「そうなのよ。で、話を元に戻すけど、貴方達は肉体を奪われたのよ? 取り戻したくはないの? 腹立たしいと思わない? 理不尽とは思わない?」
ファルファッラは挑発的に言った。
まさに言う通りで肉体を奪われ、追放同然に8次元空間にやってきてしまったのだ。
決して異世界転生モノでもないし、ある意味、追放モノかもしれないが、追放を命じられた訳でも無いのにだ。
「あっ……そ、そうじゃ! ワシは本能寺とやらで2回殺されておるぞ!?」
「わ、私も……1回ですけど」
「ワシの肉体を動かせるのはワシだけじゃ! ワシ本人が入り込んだとて許さんぞ!?」
「私は……病気の体に戻るよりはここのがマシですけど」
「病気は治療して戻してあげるわ。でも今は治療しても帰れない」
ファルファッラは『思惑通り』と思いつつ返事をした。
「えっ」
「何故じゃ!?」
帰蝶は当然、信長も嚙みついた。
当然戻れると思っていたからだ。
「何故かと言うと、今の肉体に入り込んだ魂が絶大な力を有しているから。貴方達の様な何の経験も積んでいない蚊トンボの魂とは比較にならないわ」
「か、蚊トンボ!?」
あまりにあんまりな例えに信長は憤慨する。
「彼らは英雄として生き経験を積んだ魂。一方で貴方達はまだ小僧に小娘。英雄になる資格はあるけど、あくまで資格であって確定ではない。現時点では取り戻そうとしても跳ね返されるのがオチよ。相手にも気づかれない程にね」
「そんな事やってみなければ分からんじゃろ!? オリャァァ――」
そういって信長は雲の中にダイブした。
戻る方法を教えてないが、一応、正解の一つではあった。
「――ァァァあ?」
「おかえり。早かったわね」
時間にして3秒もかかっていない。
雲に飛び込んだ勢いで、雲から飛び出して戻ってきたのだ。
3次元空間で活動する、己自身を認識する事すらできなかった。
「言ったでしょ? 今の体に入っている魂は絶大だと。『魂の格』が違いすぎるのよ。あちらは歴史をも動かす大英雄の魂。一方で貴方は現時点で何物でもない一般人。勝てると思う?」
「あの、私は病気の一般人ですけど……私なら行けます?」
別に元の体に戻りたい訳ではないが、帰蝶は生まれた時から体調不良で過ごしてきた。
英雄の魂な訳がない。
「本来はね。でも今入り込んでる魂は5次元で鍛えられ、英雄の資格を持って入り込んだ強大な魂よ。少なくとも、あの強大な魂を上回る魂に育たないと奪い返せないわ。だから貴方達にはこの8次元で英雄に育ってもらう。そうすれば帰れるわ。何せここは8次元の世界。ここで英雄になれたら3次元や5次元なんてカスみたいなモノよ」
「ん? 今、聞き捨てならない事を言ったな? ここで英雄になる?」
信長が耳聡く大事な部分を聞き逃さなかった。
だがファルファッラはその言葉に耳を貸さず、歌術を唱えた。
『真偽わけ 真なる事実 映し出せ 虚像鮮美鏡! 時空神ファルファッラが命ずる!』
ファルファッラが歌術を唱えると、信長たちの目線の位置に3次元の映像が現れた。
「これは!! 小さい人? い、いやソレよりも、じくー神とか言ったか? お主も神なのか?」
「えぇ。属性神だけが神じゃ無いわ。私は時空と次元を司る神。だから貴方達と最初に接触できたのよ。敬えとは言わないけど、言葉に気をつけなさいね? 歌術一つで、貴方達の魂をバラバラにして次元の狭間に放り込んじゃうわよ? フフフ」
その言葉の迫力は『まさに神』としか思えない、冗談ではない本気の神性を感じる脅しだった。
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作画担当先生は、八坂たかのり(八坂考訓)大先生だ!(旧Twitter @Takanori_Yasaka)
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