15話 Restart Take 2(2回目の再出発)
【8次元/神界】
(キュロリピキーン――wwヘ√レvv―― ッ!!)
「来たわッ!!」
ファルファッラが何かを感じとったのか叫んだ。
「何が?」
「何でしょう?」
信長と帰蝶は何のことか分からず困惑する。
「武士道と騎士道の違い、バフとデバフ、ニューロンの事よ!! 読者に頼んだのよ! 感想欄を見なさい!」
「ドクシャ?」
「カンソーラン?」
「空間を繋げるからサッサと読みなさいッ!!」
ファルファッラが手を振りかざすと『感想欄』と繋がった映像が中空に映し出された。
「なるほど(あんまり分からん。ニューロンの項目にさらに意味が分からん単語がある……)」
「へー……(武士道騎士道はともかくバフデバフってそういう事?)」
「さ、(まさか本当に来るとは思ってなかった読者様に)感謝しなさい! って事で理解したなら訓練を再開するわよ!」
信長と帰蝶は、首を捻りながら、今見た情報を整理し、結局理解できる事と理解不能な事を切り分け、使えそうな情報だけ覚えたのだった。
――100年後
「火燎神ケレベック!!」
信長の指から、その指の太さに相応しい、葉巻大の火が灯された。
ケレベックは気を失った!
「水灑神ペタルデス!!」
帰蝶の指からジョウロの水の如き、拡散された優しい水があふれ出た。
ペタルデスは気を失った!
「風飄神ペルホネン!!」
信長の30cm程前方にある雲から、食らったら『ああ冬だな』と感じる静電気が飛び出した。
ペルホネンは気を失った!
「土壅神ボルボレッタ!!」
帰蝶の30cm程前方にある雲から、目に入ったら『ああ冬だな』と感じる砂埃が舞った。
ボルボレッタは気を失った!
「暝朧神バーバチカ!!」
信長の眼前に薄い闇が現れた。まぶしい時には便利そうだ。
バーバチカは気を失った!
「兤陽神パーピリオー!!」
帰蝶の眼前から薄い光線が放たれた。暗い時には便利そうだ。
パーピリオーは気を失った!
言うまでも無いかもしれないが、一応言うと、属性神たちは、攻撃を食らって気を失ったのではない。
100年に追加して、もう100年の総決算を見て気を失ったのだ。
「これはこれは……」
創造新パルヴァーネが絶賛した。
「本当に凄いわ……☆」
運命神シュメッターリングが絶賛した。
「申し訳ありません」
時空神ファルファッラが神々に土下座した。
頭は雲にめり込んでいる。
信長と帰蝶が追加の100年を修行に費やして、この程度しか基礎術が成長しなかったのだ。
術の才能は若干帰蝶の方が優れるが、まさに50歩100歩、目くそ鼻くそ、どんぐりの背比べだ。
属性神も自分の名前で、想定外すぎる低威力の術に卒倒してしまった。
「謝る必要はない。ただ神々にも分からない事があると分かったのは収穫だ。我でも再現できない低威力! まさに大発見!」
「まぁ、あの嬉しそうな顔を見たら説教はできませんね。頑張った努力は認めなければねぇ?☆」
パルヴァーネとシュメッターリングが、小説なのに文章で表現できない顔で呟いた。
一方、離れたところにいる信長と帰蝶は大喜びだ。
実は歌術は3属性契約しつつも、それぞれ火と水しかできなかったのに、ついに契約した3属性で術が発動したのだ。
100年のシゴキに耐えた甲斐があるものだ(?)。
「何でなのよぉぉッ!?」
土下座から膝立ちになったファルファッラは、頭を掻きむしって絶叫する。
「ファルファッラよ。気に病むことはない。これは3次元人の特性なのだろう。あと、やはり次元の壁は大きい……とも違う。あんな憐れな術でも発動はする。絶対に発動しないならまだ理解できるが……。まぁ15歳にして3次元人。これが限界かもな。精神が成長すればあるいは……?」
パルヴァーネが、この不思議な現象に興味深々だ。
「何かが足りないのか、これが限界なのか。成長の余地はまだまだある様に見えるんですけどねぇ? 事実ウェアウルフの呪いは解いたのだから。術は発動できる。でも下手。う~ん???☆」
シュメッターリングも謎の現象に、このまま下界に降ろすより研究材料にしたいと思っている。
「下界に行かせるか。これ以上ここでは成長できぬ。死ねない神界と死ねる下界では、緊張感は雲泥の差だろう」
「でも下界で死んだら戻ってくるだけですよ? 緊張感は大差ないのでは?」
「そこはほら。戻ってきたら魔神ファルファッラちゃんがお出迎えするわけだし?★」
「あぁ。それは嫌だな」
「それに、ここでは何百年かかる事が、下なら1年で済むかもしれませんよ。最初は1年どころか10日も持たなかったのに? ねぇファルファッラちゃん☆」
シュメッターリングがニヤニヤ笑いながら言った。
「グッ! それを言われると痛いけど! 前回、小説で表現できないR-25レベルで惨殺されたんだから、何か学んだはず! あと何度もしつこくて申し訳ないけど『登場人物が「小説」「R-25」とか言うな! メタいのにもほどがある!』とか思わないでね!? 我々は君らの思考の及ばぬ8次元の神なのだから! 何でもありなのよ!」
「そうそう。君らの常識など通用しないのよ? 8次元人は平気で3次元の掟を破ってくるけど逆は無理。いいわね。ウフ☆」
ファルファッライライラしながら、シュメッターリングが無駄にサービスポーズを取りながら言った。
誰に対しての苛立ちと、サービスポーズなのかは言うまでもないだろう。
「さて気を取り直して話を戻すが、ファルファッラの言葉も一理ある。……九十九理ないかもしれないが」
「パルヴァーネ様!?」
「まぁまぁ。どんなに術がゴミカスでも、やはり腐ってても『織田信長』と『斎藤帰蝶』なのだから、我々が思いもしない事をやるかもしれないわ☆」
「シュメッターリング……(泣)」
「文章で泣くんじゃないわよ。器用な真似するわね!?★」
何度もしつこくて申し訳ないが(以下略)
「まぁやってみよう。どうせ彼らはやるしかないのだ」
「そうですね。どう言う訳か闘争心だけは失われていないし、ここは戦国時代出身の性質なんでしょうね☆」
「それは間違いない」
シュメッターリングが予測し、パルヴァーネが断言した。
「よし! やるか!!」
ファルファッラが両頬を叩いて気合を入れる。
「信長、帰蝶! 喜んでるところ悪いけど、また下界に行ってもらうわよ! 『引き寄せよ 転移導線法! 風飄神ペルホネン!』」
「おわッ!?」
「キャッ!?」
またしても胸倉をつかまれて引っ張りこまれた、信長と帰蝶。
「あ、あの、呼ばれたなら走って来るんじゃが!?」
「そ、そうですよ、ファルさん……ゲホッ!」
「もう3000字に届きそうなのよ! チンタラやってると文字が増えるばかりだわ!」
「文字?」
「3000?」
何度もしつこくて申し訳ないが(以下略)
「気にするな! さあ行くわよ!? 『真偽わけ 真なる事実 映し出せ 虚像鮮美鏡! 時空神ファルファッラが命ずる!』」
虚像鮮美鏡の歌術にて、100年ぶりに清須城っぽい室内に、織田信秀が懸命に歌術儀式を執り行って停止している場面が映し出された。
「さぁ時間を動かすわよ。『鼓動せよ 時の流れは 激流に 星天地動法! 時空神ファルファッラが命ずる!』」
虚像鮮美鏡で見える小人たちや炎などが一斉に動き出した。
それと同時に、信秀が疲労困憊で、超高等歌術を唱える。
『魂よ 朽ちた肉体 黄泉帰り 悪鬼共から 救い給うや! 蘇生回帰法! 兤陽神パーピリオー!』
その信秀に合わせファルも併せて唱える。
『魂よ 朽ちた肉体 黄泉帰り 悪鬼共から 救い給うや! 蘇生回帰法! 兤陽神パーピリオォォォッ!!』
信秀よりかなり気合の入った蘇生呪文をファルファッラが唱えた。
「じゃ、行ってくるぞ」
「今度は突破して見せますわ」
そう言いながら信長と帰蝶は虚像鮮美鏡に吸い込まれていった。
「……いやに自信満々だったわね?★」
シュメッターリングが怪訝な表情で不審に思った。
「アッ!? あの基礎術で勘違いしてる!?」
ファルファッラもとんでもない勘違いをさせたままだと気がついた。
あのクソ基礎術に対し、何も言ってない事を思い出したのだ。
「まぁ、流石にあの基礎術が自信の源じゃないだろう。……多分。さぁ、皆でまた見物するか」
その言葉とともに、六属性神が現れた。
全員『大丈夫か!?』と表情が読み取れる不安具合だった。
「今度死んだら200年しごいてやる……ッ!!」
ファルファッラが殺意を込めて祈った――
≪第1章 -愚者- 完 第2章に続く≫
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