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恋咲く季節  作者: 銀 歌月
第一章 うつり変わる季節
19/19

18 長い一日の終わり

短いですが投稿します


遅すぎてすいません<(_ _)>

これからもこんな感じかもしれないけど見捨てないでください(ToT)/~~~

 音楽室を出た後、矢城先輩との会話に思いをはせる。

 違和感の正体が分かった。


 ―――わざわざありがとうございます。先輩は優しいんですね。


 ―――そんなことないです。当たり前でしょう。


 先ほどの会話で先輩は私の言葉に対して何でもないように返した。

 しかしゲームの小春悠斗ならあんな風に返すことはできなかった。穏やかでお人よし、純粋な少年がそのまま成長したような心優しいキャラだったはずだ。

 褒められたら照れてお礼を言う。否定したとしても笑ってもっと嬉しそうに返す。それで雰囲気が悪くならないのは彼の天性のものなのかゲームの世界だからなのか分からないが。


 しかし、まるでどうでもいいように返してきた。内心ではそんな当たり前のこととでも思っていたのかもしれない。今のところは全くの被害妄想だが。丁寧な言葉遣いといいありえなくはないな、腹黒さんの可能性が。


「はぁ」

 溜息が出た。覚悟はしていたが思ったよりもどこかくるものがあったらしい。

 ゲームとの性格の違い。本当の性格はまだ分からない。しかし育ってきた環境が違うのだ。違っていて当前である。むしろそうでなくてはならない。

 でも、変えたのは私なのだと思うとどうすることもできない気持ちになる。


 何もできないのが腹立たしいのか。

 いや、自分勝手だけどシナリオを変えたことに対する罪悪感を何か別のことを思い軽くしたいだけだ。


 もう今日は帰ろう。

 部活動を見てまわるという目的は十分に果たされている。

 むしろ余計なことまでしてしまっている。


 疲れた。感想はその一言に尽きる。


 でも、文芸部は収穫だった。もし良かったら明日も行ってみようかな。うまく物語が書けなくても部活に入ると何か変わるかもしれない。

 何よりもう繰り返されることはない高校生活だ。私は転生したがまた生まれ変われる訳ではない。それなら息抜きも兼ねて普段しないことに挑戦してみるのもいい。


 朝、久しぶりに前世やゲームのことについてたくさん考えた。体育館で梅霖くんに出会った。江梨香といつものように話した。花宮さんと松島さん、秋月くんと同じクラスになった。お昼は暁と明智くん夏瀬先輩といっしょに食べた。部活見学では演劇部に文芸部、漫研ゲー研、天文部にも行ったし美術部、茶道花道部などたくさんの部活を見て回れた。最後に音楽室でピアノを弾いていたら矢城先輩と会った。


 長い一日だった。

 ベットの上でゲームをしながら今日あったことについて考えたらパーティーが全滅していた。本当についてない。

 ゲームの電源を切り仰向けに寝っころがる。目に入ってくる天井は紛れもなき私の部屋のもので今までずっと一緒に過ごしてきたものだ。当たり前の事実に安堵し部屋の電気を切った。



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