表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された《解読》士、魔王が世界を守っていると気づく  作者: 北こたろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/53

半地下

半地下の空気は、

ひんやりしていた。


 石造り。


 かなり古い。


 だが。


 思ったより保存状態は悪くない。


 エルドが周囲を見回す。


「……すげぇ」


 壁には、

薄く術式が刻まれていた。


 灯り用。


 結界補助。


 保存術式。


 かなり簡易的だが、

生活前提で組まれている。


 リナが埃を払う。


「ほんとに避難用なんだ」


「長期じゃないな」


 レイは静かに見る。


「数日から数週間、

 隠れるための場所だ」


 つまり。


 昔にも、

“逃げる必要があった”。


 エルドが床へ座り込む。


「……もう無理。

 限界」


 そのまま後ろへ倒れた。


 リナが呆れた顔をする。


「汚い」


「知らん……

 寝かせろ……」


 だが。


 三人とも疲労は限界だった。


 まともに眠れていない。


 追われ続けている。


 ようやく、

少しだけ気を抜ける場所へ辿り着いた。


 レイは壁の術式を見る。


 かなり古い。


 だが。


 まだ動いている。


「妙だな」


 リナが近づく。


「また?」


「術式の劣化が少ない」


 普通なら、

もっと崩れている。


 なのに。


 ここだけ妙に保存状態がいい。


 まるで。


 最近まで誰か使っていたみたいに。


 その時だった。


 エルドが半目で呟く。


「……それ今言う?」


「気になるだろ」


「気になるけど今じゃない……」


 リナが少し笑う。


 逃亡してから初めてだった。


 三人の空気が、

少しだけ柔らかくなる。


 その時。


 半地下の奥から、

小さく水音が聞こえた。


 三人の動きが止まる。


 静寂。


 レイはゆっくり立ち上がる。


 奥は暗い。


 崩れた扉が半分開いている。


 リナが小声で呟く。


「……何かいる?」


「分からない」


 だが。


 侵食体の気配ではない。


 もっと静かで、

もっと微弱だった。


 レイは崩れた扉へ近づく。


 そして。


 薄暗い奥を見て、

小さく目を細めた。


「……水路か」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ