283. 真実と嘘
男が机の上に、ゆっくりと手を置いた。
「お前らは自分たちを薬草商だと主張しているが、そこそこの傭兵顔負けの武装をしているじゃないか。剣に、短剣に、弓、盾までな。それに、お前が腰に下げていた鞄から出てきたあの品々はどうだ?」
彼の目の中には、疑念と好奇心が入り混じっているようだった。
「俺の人生で見たことも聞いたこともない品ばかりで埋まっていたぞ。ガラス瓶に入った丸薬、奇妙な匂いのする粉薬、正体不明の液体が入ったガラス瓶。それに……革袋に入った黒い粉、鉄でできた奇妙な道具まで。お前は本当に、これが薬草商にふさわしい荷物だと思っているのか?」
イヒョンの眉が、ごくわずかに動いた。現代の医療知識と地球の技術力をもとに改造した道具たち。この世界の常識では説明のつかないオーバーテクノロジーが、尋問官に引っかかったのだ。
「今からでも本当のことを吐け。そうすれば話がいくらか楽になるからな」
尋問官の声に、じめついた脅迫が滲んだ。
「誰の命を受けてブレサウンに来た? お前の本当の正体は何だ? そしてブレサウンに来た本当の目的は何だ?」
ルプスが机の上に手を伸ばし、イヒョンのシャツの襟を掴もうとするかのように、虚空を鷲づかみするように握った。
「本当のことを話せば、罪を軽くしてやれるかもしれん。運が良ければ命は繋がるだろう。死刑を免れたとしても、過酷な刑罰が人をどう壊すか、俺はよく知っている。今、よく考えておいた方が身のためだぞ。さもなければ、死ぬまで後悔することになる」
部屋の中の空気が、重く沈み込んだ。ランプの炎が揺らめき、男の傷だらけの顔を奇怪に照らし出した。イヒョンはゆっくりと息を吐き出した。震え一つない瞳が、ルプスの深淵のような目を正面から受け止めた。
「コグニトル様」
「話せ」
「……私はただ、事実だけを申し上げております」
彼の口角が、痙攣するかのように歪んだ。それは嘲笑であり、同時に忍耐が底をついたことを告げる合図だった。
「……ふん。最後までやり抜くつもりか、そういうことだな?」
ルプスが袖をまくり上げた腕を持ち上げた。硬い胼胝の刻まれた拳が、固く握り締められた。
「よかろう。夜は長いし、この部屋には俺たち二人きりだ。ゆっくりと……実にゆっくりとやろうじゃないか」
拳を握り締めると、太い静脈が今にも破裂しそうに盛り上がった。会話の時間が終わったことを告げる、不吉な筋肉の震えだった。
イヒョンの思考回路が、精巧な歯車のように噛み合いながら回転した。
『コグニトル。荒事をしていて単に採用されただけの男ではないはずだ。関連するコルディウムがあるかもしれない。ライレンのリラさんにも、嘘を見抜く能力があった』
男の放つ圧迫感は、加工されていない原石のように荒々しく、重々しかった。証人のいない密室、まくり上げた袖の下に晒された傷だらけの筋肉。暴力の予兆は、すでに臨界点に達していた。だがイヒョンは、ルプスの目の奥にある、彼をここへ送り込んだ真の主の意図を読み取ろうと努めていた。
『子爵は、最初から俺を敵と規定してはいない。引率者が鎖を禁じたのは、その時点ではまだ重大な犯罪者と見なしていなかった証拠だ。この男は、その命令の枠内で俺を崩そうとしているだけだ』
イヒョンは、胸の内ポケットに入った冷たい金属の感触を感じた。
カラディウムの認識票。高位貴族だけがその価値を見抜ける、切り札。だが今取り出すのは危険が大きすぎた。ここの領主がインテルヌムと繋がっている者ならば、その札は救いではなく、絞首台になりかねない。
『まだだ。切り札は、最も確実な時に使ってこそ効果がある』
イヒョンは静かに脈打つ心臓の鼓動を抑え込みながら、男を正面から見据えた。坑道のように深い男の瞳の中へ、イヒョンの冷ややかな理性が入り込んでいった。
「私には隠すことがありませんので、時間が経とうとも答えが変わりようがありません」
イヒョンの声は、そよ風一つ立たない湖のように静かだった。
尋問官の眉が、微かに動いた。迫り来る暴力を前にして、これほど無味乾燥な反応を見せる人間は、彼にとっても初めてだったに違いない。
「何だと?」
「私が薬草商であることを証明するためなら、どんな質問にもお答えします。薬草の学名や採取時期、乾燥法、そして各村ごとの相場の違いまで。私が経てきた村々の地形や、そこの人々の特徴を、一つひとつ照らし合わせていただいても構いません」
ルプスは固く握った拳をほどかないまま、イヒョンを睨みつけた。普通、これほどの圧力をかければ、相手は泣きべそをかくか、みっともなく懇願するか、さもなければ論理から外れた言葉をだらだらと並べ立てるものだ。しかし目の前の男は、むしろより堅固な要塞のように固まっていっていた。
「そういうはったりは、市場では通用しても、俺には通用しないぞ」
「それと、一つ付け加えさせていただければ」
イヒョンが言葉を続けた。
「私の連れであるライルは、ただの荷担ぎ兼護衛にすぎません。薬草については全くの門外漢です。ですから彼に専門的な質問を投げかけ、答えが食い違ったとしても、それを私の嘘の根拠とはなさらないでください。彼はただ、私の指示に従っただけですから」
沈黙が部屋の中を満たした。ルプスは短い顎髭をいじりながら、イヒョンの顔の隅々までじっくりと観察した。
「今は仲間の心配をしている余裕なんてないはずだが……」
ルプスは再び椅子の背に深々ともたれかかった。殺気に満ちていた肩の力が、微かに抜けていた。もはや拳ではなく、耳を傾ける準備を整えたように見えた。
「お前がその村で見たものは何だ? そして、なぜ他の楽な道を差し置いて、こんな難しい道を通ってブレサウンまで来たんだ? 脚色も省略もせず、そのまま全部吐き出せ」
イヒョンはゆっくりと呼吸を整えた。
ランプの炎が、ぱちぱちと爆ぜた。
イヒョンは記憶の中のドルメアの光景を、慎重に頭の中から引き出し始めた。
「村に到着した時、真っ先に感じたのは、文字通り何も残っていないということでした。あるのはただ静寂だけ。台所の鍋の中には食べ物が干からびてこびりつき、食器類もそのまま置かれていましたが、人の気配だけがどこにもありませんでした」
イヒョンの語りは乾いていたが、その描写は、ルプスの頭の中に、ドルメアの奇怪な光景を鮮明な版画のように刻みつけていった。
「よくある略奪の痕跡も見当たりませんでした。扉は内側から施錠されており、窓も割れていませんでした。ですが人だけが消えていたのです。まるで幽霊が現れて連れ去ったかのようでした」
男の瞳が細くなった。机を叩く指の拍子が速くなっていた。イヒョンの話が深まるほど、尋問室の冷気はいっそう濃くなっていった。
尋問室の空気は、重いを通り越して粘つくようだった。隅に置かれた油ランプが最後の芯を燃やしながら、じじっと音を立てた。揺らめく灯りが、イヒョンの無表情な顔の上に、深い陰影を落としていた。
「ドルメアは……私が到着した時には、すでにあの状態でした」
ルプスの荒れた指が、机の上で止まった。イヒョンは、視線を虚空のある一点に固定した。彼が思い浮かべているのは、数日前、山脈の冷え冷えとした霧の中に沈んでいた、あの奇怪な静寂だった。
「タルコス山脈を越えてドルメアの最初の家を訪れた時は、ありふれた農繁期の光景だと思いました。人手の足りない山村では、村人たちが揃って何日も山や野へ出て、家を空けることもありますから。ですが村の奥深くへ足を踏み入れた瞬間、うなじを掠める鳥肌を無視することができませんでした」
イヒョンは、頭の中から取り出した記憶に嘘が混ざっていないか、自ら検閲をかけながら言葉を続けた。
「家の中に入った時、私を迎えたのは人の温もりではなく、時が止まったかのような絶望でした。食卓の上にはパンが置かれていました。ですがすでに、カビが天鵞絨のように覆い尽くし、石のように固まっていました。台所の竈も同様でした。燃えていた炎は跡形もなく、残された灰は湿気を含んで固まり、灰色の岩のように変わり果てていました」
イヒョンは一旦言葉を止め、尋問官の目を見た。男の瞳が、震えていた。
「寝室には、布団が片側にめくれたまま残されていました。まるで、つい先ほどまで人が横になっていたのに、何かに取り憑かれたかのように体だけが抜け出ていったかのように。そして……最も残酷な証拠は、庭の真ん中にありました」
「……それは何だ?」
「子供の靴、片方でした」
ルプスの呼吸が荒くなった。イヒョンは、釘を刺すように言葉を続けた。
「もう片方は見当たりませんでした。ただその一つだけが、庭の土の上に寂しく転がっておりました。そしてその靴の上には……薄く透き通った蜘蛛の巣が、びっしりと張られていました。細い糸が風に揺れるのを見た瞬間、確信いたしました。これは数日前の騒ぎではない。人々が消えてから、少なくともかなりの時が経っているということですから」
沈黙が部屋の中を押し潰した。
「さらに奇妙だったのは、急いで逃げた形跡もなかったということです」
「形跡が……ないだと?」
「はい。もし盗賊や獣が襲ったのであれば、扉は壊れ、壺は割れているはずです。悲鳴を上げて逃げる際に落とした衣類や荷物が、路上に散らばっているはずです。ですがドルメアは、人が消え去った古びた光景を除けば、ひどく整然としていました。まるで村全体が巨大な静寂に呑み込まれたかのように、死体一つ残さず、皆が一斉に消え去っていたのです。食事をしていた者も、眠っていた者も、畑を耕していた者も……その刹那の一瞬に」
ルプスは答えられなかった。椅子に深々と身を沈めたまま、イヒョンが描写したあの地獄のような静けさを、頭の中で思い描いていた。
長い過酷な人生の中で数多の事故や死を見てきたベテランではあったが、痕跡なき消滅がもたらす根源的な恐怖の前では、彼もまた一人の脆い人間にすぎなかった。
「そして私たちがブレサウンへ来た理由は、次の目的地がラティベルナだったからです。道はいささか険しいものの、ブレサウンを経て西へ下る道が最も良いと判断したためです」
深く息を吐き出す尋問官の胸が、大きく波打った。傷跡の刻まれた彼の顔色は、ランプの灯りの下で蒼白になっていった。
「お前……それが全て真実だと、七柱の神の前で誓えるか?」
イヒョンは揺るぎない眼差しで、男の震えを見つめ返した。主導権が完全にイヒョンの手に渡ったようだった。
「はい。誓えます。そして今、私の喉元に刃が突きつけられていても、同じことを申し上げるでしょう」
尋問室の静寂は、もはや単なる沈黙ではなかった。互いの喉元に突きつけられた見えない刃が擦れ合う、冷ややかな摩擦音だった。ルプスの黒い瞳が、イヒョンの瞼のごくわずかな震えすら見逃すまいと、執拗に食い込んできた。
「アクィラと言ったな? お前が経てきたという村」
尋問官の低い声が、床を這った。
「アクィラですか? はい、覚えております。タルコス山に登る前に立ち寄った小さな村でした」
「そこでは何をした?」
「しばらく身支度を整えた程度です。薬材の取引が起こるような規模の村でもなく、あそこには取引先もありませんでしたから。私たちの目的地はドルメアでした。アクィラの次には、ルテオンで山を登るのに必要な物資を買い揃えました。人を遣って確認していただいても構いません。宿にある私の荷物の中に、かんじきと厚い外套があります」
尋問官の目が細くなった。
イヒョンの言葉の中に嘘を探しているのは間違いなかった。だがイヒョンの言葉のどこにも嘘はなかった。アクィラとイストリルであったことを話さなかっただけで、嘘をついたわけではなかったからだ。
事実の一部だけを切り取って入れ替えるのが、本物の嘘の技術だ。真実の骨組みをそのまま残したまま一部だけを変える嘘でなければ、人を完全に欺くことはできない。まったくの荒唐無稽な嘘は、疑いを招きやすいからだ。
「山を越えるのに三日かかりました。この時期のタルコスは凄まじいものでした。膝まで埋まる大雪の中で道に迷いかけたこともありましたし、指先の感覚が失われるほど氷壁を登りました。死の淵を何度も行き来して得たものが、たかがドルメアの静寂だけだったという事実が、私にとってはどんな苦痛よりも過酷でした」
イヒョンの口調には、心底からの疲労感が滲んでいた。それは嘘ではなかった。実際にあの山脈を越える中で経験した肉体的な苦痛が声に乗ると、尋問官の疑念に満ちた眼差しにも、微かなひびが入るようだった。
「その事実を確認した後は、ドルメアに留まる理由がありませんでした。もぬけの殻の村で薬草を買い付けることなどできませんから。それで山を下り、北へ向かいました。それで辿り着いた場所が、ここ、ブレサウンです」
「それが……全てだと?」
「はい。私の正体はご覧の通りで、旅程にも隠すことは何一つございません。コグニトル様」
尋問官は再び口をつぐんだ。鋭い眼差しで、嘘という不純物を探そうとしていた。視線はイヒョンの瞳から始まり、唇、顔の筋肉、机の上の手へと移っていった。
彼はゆっくりと顎髭を撫でた。シャツ越しに浮かび上がる腕の筋肉が、奇妙に波打った。男はイヒョンの言葉に本能的な違和感を覚えていたが、イヒョンが張り巡らせた論理の網は、たった一つの穴も許さないほど緻密だった。
尋問官が椅子の背に深々と身を沈めた。張り詰めていた緊張の糸が、ほんのわずかに緩んだようだった。
「よかろう。ドルメアについては信じてやる。だが、お前の鞄から出てきたあの奇怪な道具の数々……あれも『薬草商』の持ち物だと、最後まで言い張るつもりか?」
沈黙が、密室の中で徐々に重みを増していった。天井から吊るされた油ランプが最後の油を絞り出しながらじじっと音を立てるたびに、壁に映る二人の影が怪物のように揺らめいた。
彼は両手を組んで顎を乗せ、イヒョンを穴が開くほど見つめた。その眼差しは、暗い鉱道の奥深くで鉱脈を探し当てる、老練な採掘夫のものだった。一片の真実でも飛び出してくるのをじっと待つ、恐ろしく忍耐強い捕食者の視線。
イヒョンはその圧力を正面から受け止めた。外科医として幾万回もメスを振るう中で培ってきた平静さが、彼の全身を堅固な要塞のように包み込んでいた。
ここで口を開いた方が負けるゲームだ。追加の説明や下手な言い訳はむしろ毒になる、ということを、彼は数え切れないほどの商談の場で体得していた。
イヒョンの呼吸は穏やかな波のように一定で、膝の上の指は微動だにしなかった。
尋問官の目が一度細く絞られたが、やがて力なく緩んでいった。組んでいた手をほどきながら、低く呟いた。
「……妙な奴だな」
軽蔑でも疑念でもなかった。正体の知れない巨大な岩盤を前にした鉱夫の、奇妙な感嘆に近かった。
コン、コン。
扉を叩く音が聞こえた。
尋問官の許可が下りると扉が開き、先ほど出て行った兵士が再び姿を現した。だが、彼の肩に担がれた物を目にした瞬間、イヒョンの内側に、ごくわずかな亀裂が走った。
ドサッ。
机の上に、大きな革の鞄が重々しく下ろされた。
見覚えのある革の香りが、鼻先を掠めた。『ミソサザイの巣』の宿、最も安全だと信じて寝台の傍らに解いておいた、イヒョンのリュックだった。
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