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小噺集  作者: 左鶏守
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7/9

ファン一号

 とあるアイドルのライブ会場、そのアイドルはいつものように客席に手を振る。それはいつものようなファンサのつもりだった。

しかし、客席の一人の男性が目に留まった時、彼女は思わず、

「二階席の○○くーん!」

そう声をかけてしまった。その瞬間会場は静まり返った。

 その後のネットは炎上祭り……とはならなかった。反応は以下の通りである。

「え!?誰、あのイケメン!」

「何でも彼女の幼馴染らしいぞ!」

「俺、あいつらの高校時代のクラスメイトだったから知ってるんだけど、彼女がアイドルデビューした後、あいつ「これからは一ファンとして彼女を支える!」って宣言してたんだぜ!」

「ケッ!イケメンは性格までイケメンかよ!」

「ねぇ!でもさぁ、ちょっとねぇ……」

「うん、私もそれ思った。ありえないよね。」

そう、この時ファンたちの気持ちは一つになった。

「彼はファンとしてではなく、彼女の旦那として彼女を支えるべき!」と。

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