第6話 恋が終わった朝
色々考えているうちに着いてしまった。
久しぶりのホテル。
和希の後ろを隠れるように歩いた。
手慣れた感じでパネル操作し、
部屋を選んだので
「へーよく来るんや〜」
とからかった。
「初めて」
とウソをつかれた。
長い廊下を歩き、部屋に入ると
和希が「おいで」手を広げた。
お酒の力もかりて、私は吸い込まれるように
和希の胸にやさしく包まれた。
和希の体、暖かい。
タバコの匂い。
身長差がちょうどいいのか
すごくフィット感がある。
ハグだけでこんなに満たされた気持ちになるのは初めてかもしれない。
ずっとこうしていたい。と思った。
そして和希の唇がゆっくり近づいてきてキスをした。
とても優しいキス。
何度も何度もキスをした。
何もかも忘れて。
ベッドにやさしく押し倒された。
私は、抵抗することもなく
そのまま流れに身をまかせた。
我慢できなくなった和希がいやらしい声で
「いい?」
と聞いてきたので
私もいやらしい声で
「うん」
と返した。
そこまでの流れはスムーズだった
のに
いざ本番になると、全てがぎこちなく、
不慣れな感じがした。
おそらくずいぶんご無沙汰だったんだろう。
でも、そこも可愛かった。
ホテルが「初めて」と言ったのも本当だったのかもしれない。
体の相性は予想以上に、イマイチ。。
でも、裸で触れ合える事がとても幸せだった。
体は満たされなかったけど
心は十分、満たされた
そして、目標を果たした和希は
5秒後には寝てしまった。
こちらへの気遣いもなく、
ピロートークもなく、
全く女慣れはしてなさそうで安心した。
私も寝顔にキスして、そっと横に寝た。
ずっと実家暮らしで、人と寝ることにも
慣れていないはずなのに、
少し離れるとすぐくっついてきて
後ろから抱きついてきたり
足を絡めてきたり
慣れてるのか、慣れてないのかよく分からない。
特定の子はいないけど、遊ぶ女の子はいるのかなー
と思いながら
和希に抱かれて眠りについた。
−−−
翌朝10時頃
「真子、おはよ〜」和希の声で目が覚めた。
和希の腕の中。
よほど体のフィット感が良かったんだろう、
腕枕で朝まで寝れたのは初めてだった。
「おはよ~」
私はてっきり甘い朝を迎えたと思っていた、、、
「起きた?準備しよー」
といって
いきなり和希立ち上がり、服を着始めた
「えーもっとゴロゴロしよ〜
予定もないんやし」
と言うと
「早く服きろ!」と真顔で言われた、、、
(え?そういう感じ?)
(起きて我にかえった?)
(まさかの遊ばれた?)
言われるがまま、私は無言で服を着た。
何か夜の和希とは、全く別人みたいで
悲しく、重い空気が流れた。
準備が整い、必要な事以外は話さず
部屋を出た。
私は電車で帰る事にし、和希はタクシーで帰るからとホテルの前で別れた。
−−−
えーーーーーーー?どういう事?
電車の中で
昨日から何が起こっているのか整理した。
私たち寝るまではすごくイイ感じだったはず。
何かした?イビキかいてた?寝顔がヤバかった?
下着にひいた?ミドサーの体形にひいた?
相性が良くなかったから?
私、和希に嫌われたんかな?
酔っぱらって遊ばれて捨てられた?
色んな考えが頭の中をグルグル回った。
私は、こんな風に分かりやすく
ワンナイトラブをされた事が
これまでの人生で1度もなかった。
しかも、よりによって、親友の弟に。
和希には、私が経験豊富な軽い女に
見えてたのかな。
時間の経過と共にショックが大きくなっていった。
そして、私の淡い恋は
最短で終わった。




