第22話 仁
仁の好きなところを考えたら
沢山出てくる。
カッコいい
笑顔が可愛い
背が高い
センスが良い
気遣いができる
愛情表情してくれる
優しい
面白い
爽やか、清潔
大手企業の会社員
・
・
・
どんどん出てくる。
一方、
和希の好きなところは、何も出てこない。
でも、
和希なら
カッコ悪くてもいい
背が高くなくてもいい
センス悪くてもいい
気遣いできなくてもいい
愛情表情してくれなくてもいい
優しくなくてもいい
面白くなくてもいい
爽やかさ皆無でもいい
バイトでもいい
引きこもりでも、
ニートでも、
お酒飲みでも、
和希だったら、何だっていい。
だから、あえて挙げるような好きな所はない。
無条件に、和希の全部が好き。
もし、10人に相談したら相談したら、
満場一致で、仁になるだろう。
条件で選べば、それはそうだ。
自分でもよく分かってる。
仁を嫌いなわけでもないし、
むしろ好き。
でも、心が勝手に和希を選んでる。
−−−−−
恋は、頭で考えてするものじゃなくて
気付いたら落ちているもの。
理屈では説明できない。
周りの意見なんてどうでもいい。
これが、「恋は盲目」という事かと
身を持って感じた。
冷静な判断なんてできなくなる。
恋は、
恐ろしいものかもしれない。
恐ろしいものと分かっていても、
心が、勝手にそっちに突き進む。
もう迷いはない。
−−−−−
「この前の返事なんやけど、ごめん。
仁とはやっぱり付き合えない。
和希と付き合う事になった。」
「そっか。。
やっぱり。
俺、めちゃいい起爆剤やん。
そんで、自爆した。笑」
「ごめん」
「そんなに、和希のどこがいいの?」
「分からん。私もどこがいいのか考えたけど、
本当に分からん。
仁の方が好きな所はいっぱいある。
和希の好きなところは、探しても探して見つからない。
けど、、、何かいい。」
「何かいい。って1番いいやん。
好きな所が何個あっても、
それは、その条件さえ制覇してたら
俺じゃなくてもいいって事やもんな。」
「なるほどな〜そうかも。」
確かに、仁の変わりは探せばいるかもしれない。
でも、和希の変わりは、世界中どこを探しても
いない。
「笑。グサッ。
完敗やな。
和希に殴られた日から分かってたけどな。
悔しいけど、和希には敵わないって。
でも、今回は真子ちゃんにちゃんと伝えて、
ちゃんと振られたから、
もう、後悔はせんと思う。
最高のデートも出来たし。
心から真子ちゃんの幸せを願うよ。
あいつと絶対幸せになって。」
「うん。ありがとう。
私も、仁の幸せを願ってる。」
「うん。真子ちゃんより可愛い子、探すわ」
「うん。私ほどの女はそうおらんと思うけど、
頑張って。笑」
「俺の周りにはゴロゴロおるから、心配せんといて。笑笑」
「良かった。じゃあこれでLINEも最後な。
ありがとう。
仁とのデートめちゃ楽しかったよ。」
「うん。分かったよ。
俺も。めちゃ楽しかった。ありがとう」
と言って、仁との関係は終わった。
−−−−−
1回きりの最高のデートは2人の
永遠の思い出になる事だろう。
あの日を思いだすと
惜しい事をした気分は否めない。
和希と別れたらよろしく!と言えば良かった。笑
和希がいなかったら
両手を上げて、仁に真っしぐらだったと思う。
でも、和希がいるから。
私は和希を選んでしまう。
見えない引力には勝てない気がした。
これが運命の人なのかな。
何も後悔はない。
仁には悪いけど、
これから先も後悔はしないだろう。




