第2話 暗黒時代
夏も終わり、少し肌寒くなってきた。
夏から秋に変わるこの時期が1番好き。
今日は湿度も温度もちょうどいい、ピクニックでもしたくなるような、
ザ・秋晴れ。
なのに、なぜか朝から少し嫌な予感がした。
するとリサからの電話がなった。
え?怖い。
何かあっあのかな?
出るか迷っていたら切れてしまった。
その後、すぐLINEで
「和希が彼女にフラれたらしい」
と入ってきた。
正直、もっと嫌な事を想像していたので、
「なんだ〜そんな事か。」と思い安堵し、
折り返し電話をして、リサに話を聞いた。
和希は、彼女に二股をかけられていて
その相手は、
和希の友達だったらしい。
最悪のパターン。
そして、その子にプロポーズされたので、
結婚する事になり、
和希はフラれたという。
リサは可愛い弟を傷つけられて
いつになく激怒していた。
リサ自信も彼女の可愛がってたから、
裏切られた気分なんだろう。
全然関係ない私でも話を聞いていて
ムカついた。
ついこの前、
「もうすぐ結婚するかも」
とデレデレした顔で、のろけ話していた
和希を思い出し、
胸が締め付けられそうになった。
信じていた友達と、大好きな彼女に裏切られ、
突然、一気に、大事な2人を失って
どれだけのショックを受けただろう。
リサも、和希の顔をみたら
かける言葉がなかった。と言っていた。
大丈夫かな?
心配でたまらなくなったけど、
今、私にできる事は何もない。
時間が解決してくれるのを待つしかない。
−−−
和希のダメージは、
私たちの想像をはるかに越えていた。
純粋で真っ直ぐに、彼女が大好きだった和希は
あの日以来、部屋から出てこれなくなった。
家族や心配してくれる同僚、友達
誰とも話そうとしない。
もちろん仕事にも行けてない。
ろくに食べてもない。
ただただ、毎日毎日、朝から夜まで浴びるように
お酒を飲んでいるらしく
リサもお母さんもすっかり滅入っていた。
あの日の私の嫌な予感は
「そんな事か。」
で済まされるような事ではなくなっていった。
私も1度だけLINEを送ってみたが、
既読にすらならなかった。
携帯を見るの事も怖いのかもしれない。
きっと心のシャッターを閉め、
1人ぼっち暗闇の中で過ごしているのだろう。
もう誰とも関わりたくないだろう。
まだピチピチの24歳。
1番楽しい時なのに。
和希の現状を想像して、涙がでた。
−−−
それから徐々に誰も直希の事を話さなくなった。
私も触れてはいけない話題。という認識になり
状況が分からないまま、
数年間、和希の暗黒時代が続いた。
もう一度
和希の笑った顔が見れる日をみんな願っていた。




