第15話 デート
テンションが上がりまくった私は
子供に返った。
「まずアレ乗ろ〜、次はアレ、その次はアレ」
「真子ちゃん、子供みたい笑」
「遊園地は子供に戻れるのが醍醐味やろっ」
笑顔で仁君を見た。
「そやな。俺も子供になる〜笑」
「イエーイ」とハイタッチ。
こういうの乗ってくれる人好き。
乗り物に乗る時、荷物を棚に置いてくれたり、
ベルトチェックしたり、
荷物取りに行ってくれたり
ジュースを買ってくれたり
いつも私が子供達にやっていた事を、
今日は全部、仁が私にやってくれた。
2人共、スピード系や高い系が大好きで、
回転系が苦手。
絶叫マシンの好みも合う。
「仁、すごい顔してたでー本当は怖いの我慢して乗ってんちゃう?笑」
「俺はそういう風に楽しむタイプやねん。
てか、真子ちゃんもまぁまぁヤバかったで」
「えっ、うそーハズ。笑」
「うそうそ。可愛い」
可愛いわけはない、、
そして、休憩には
チュロスとソフトクリームも定番。
2人で分け合って、カップルみたい。
男の人と2人でくるのは久しぶりで浮かれた。
「次あれ乗ろ〜」
いつもは2時間待ちの人気のジェットコースター
今日は30分待ち。
「俺、意外とこの並んでる時好き」
「え、分かる〜〜私も」
「みんな並びたくないって言うけど」
「うんうん。この時間も遊園地の醍醐味やよな」
「イチャイチャできる絶好のチャンスやしな」
「え、そっち?笑」
確かに、周りのカップルはここぞとばかりに
イチャイチャしてる
「俺もしたい」
「え、何を?」
突然バッグハグをされた。
「これ」
「え、ちょっと〜」
「おれ、誕生日やし」
「誕生日つよいな〜」
最初は高い位置にあった仁の腕が
腰まで下がり、前で手を繋いだ。
恋人つなぎ。
私が振り向けば、唇が当たる。
キラキラとブレスレットが輝いてたから
振り向けなかった
顔は見られない体勢で良かった。
バッグハグをきっかけに、私達のキョリはぐんと近くなった。
待ち時間がもっと長かったらいいのに。
一通り乗り尽くして、あっという間に
夕方になっていた。
「最後にアレ乗ろ」と仁が指さした
「観覧車?いいよ」
実は私はあまり乗った事がない。
「観覧車あんまり乗ったことないねん。
男同士で来たら絶対乗らんからさー」
「やよな。笑 あれはカップルの乗り物やよな。」
あの密室で告白の返事を聞かれたらどうしよう。
観覧車に乗るとき、仁が先に乗って
「大丈夫?」と言って手を貸してくれた。
乗った事ない割に慣れてる、、
そのまま、手を繋いで同じ方に座った。
「何か、バランス悪くない?仁、あっち行ってよ」
あきらかに傾いてる。
「いや」
「揺れるの怖いの?じゃあ私があっち行く」
と言って立ち上がったのに
腕をつかまれて、勢いよくまた座った。
ゴンドラが揺れた
「こわっ」
「キスしていい?」
「え?」
「俺、今日誕生日やし。」
「誕生日、めちゃ使うやん」
笑うと思ったけど、
真剣な顔でこっちを見つめてる
夕日が仁の顔を赤く染めていた。
「今日1日我慢してた」
「うん、しってる」
和希の手が私の髪の毛をなでた
「いい?」
「うん」
ちょうど頂上になるくらいで
私達は初めてキスをした。
10年越しのキス。
このまま時が止まりそうだった。
1回離れておでこをくっつけた
「もう1回」
「だめ!もう着くよ」
登りよりも下りの方が早かった。
夢のような時間は終わった。
降りる時も仁が先に降りて手を貸してくれた。
お姫様になった気分。
ちゃんと慣れてる。
「じゃあ、帰ろっか」
「うん」
手は繋いだまま。
出口に向かってゆっくり、ゆっくり歩いた。
「俺、もう無理かも」
突然、仁が立ち止まった
「え?足痛い?」
「好き」
と言って抱きしめられた。
「ちょちょっと、人いるから。
めちゃ見られてるから、離して!」
「俺じゃあかん?そんなに和希がいい?」
どんどん仁の感情が溢れ出てきた
「そんな事はないけど、、、」
言葉に詰まってると
突然、私の携帯が鳴って
仁の体が離れた
画面をみて、止まった。
和希。
たぶん仁にも見られた。
普段電話なんてかけてこないし
ずっとLINEもしてなかったのに。
何かあったのかもしない
「仁君、ごめん、ちょっとだけ電話してくる」
と言って少し離れた
「もしもし?どしたん?何かあった?」
「いや、何もないけど」
「え?電話珍しいから、何かあったんかと思って」
「いや、別に。ただ、、」
和希が何か言いかけた時、
閉園のアナウンスが流れた
「お前、今どこにおるん?」
「遊園地」
「誰と?」
「誰でもいいやろ!和希の知らん人」
「男か?」
「で、用は何?」
「もうええわ」
と言って切られた。
なにこいつ。ちょっとイラっとした。
「仁君、ごめん」
「和希?」
「・・うん」
「なんて?」
「いや、何も用はなさそう。勝手に切ってった」
「すごいタイミングやよな」
「・・・やな〜」
と言って歩き始めた。
もう手は繋いでない。
あきらかに流れが変った。
「あそこでご飯食べてこっか」
私が明るめの声で言った。
「うん、そうしよ」
遊園地の横にあるアウトレットに入った。
「お誕生日やから奢ったろ〜」
「いいよーもう最高のプレゼントはもらったし」
「そこは誕生日の特権使わんのや」
「どうせなら、残る物がいい〜
ご飯は食べたらなくなるやん」
あ、私もそれ思った事ある。
「じゃああとで何か見に行こっ」
「やったー」
仁の機嫌が戻った かな?
食べて終わって、アウトレットを散策した。
「何が欲しい?」
「今日の記念になるもの」
「じゃあ、ジェットコースターのキーホルダーは?笑」
「小学生か。笑」
色々回ったけど、気に入る物が何もなくて
最終的に2人の好きなジェットコースターの
キーホルダーをオソロで買った。
「はい、ぼく〜。お誕生日おめでとう。」
「ありがと。ランドセルにつける。笑」
と言って笑った。




