第12話 起爆剤
「俺にいい考えがあるんやけど」
仁君が何かを閃いて、嬉しそうに言った。
「え?」
「和希の本当の気持ちを知る方法」
「なにそれ笑
それで私の事何とも思ってない
って分かったら逆に傷が深くなるんですけど。」
「いや、それは無い。俺の勘」
和希を試すような事はしたくない。
「いや、、知らなくていいや。
さっきの仁君の言葉、めちゃ刺さった。
確かに、リサも家族も、私じゃ不満やと思う。
和希には、若くてキレイな奥さんもらって、
子供出来て、ていう普通の家庭を築いてくれる事を望んでるはずやし。
私も和希にはそうなってほしいから。
それに、リサと仲悪くなるのが1番嫌やし。
何で今までそこを考えてなかったのか
自分でも不思議なくらい、
仁君に言われてその通りやと思った。
だから、もう何もしなくていい。
私も、大人になる。」
「ごめん。俺の言い方が悪かったな。
自分の家族から真子さんを守りたいって事は、
真子さんの事が好きって事やよ。」
そう言うと、仁君は勢いよく立ち上がり
「店出よ!」と言って私の腕をつかんだ
「えーまだ残ってるけど・・」
「いいから!」
と言って強引に引っぱられた
レジの方を見ると、まだカウンターに和希の姿があった。
個室を出ると仁君が「大丈夫?靴はける?」
と言って
手を出してくれた。
「うん、ありがと〜」
和希がこっちを見たのが分かった。
ヒールだったので少しよろけてしまって
仁君が手を私の握った。
手を繋いだままレジの方に向かって歩いた。
和希と目が合った。
けど、何も話さなかった。
これでいい。これでいい。と自分に言い聞かせて
真っ直ぐ前を向いて歩いた。
−−−−
仁君がカードでお支払いをしてくれようとしてたので、
「いくら払ったらいい?」
と聞くと、ぐっと顔を近づけてきた。
「じゃあ、次払って」
と耳元で囁いて、腰に手を回してきた。
「分かった」
といって見つめ合った。
近くでみても、キレイな顔。
こうやって数々の女の子を落としてきたのか。
と思うほど、私も落ちそうだった。
−−−−
その時、 「おいっ!」
と背後から大きな怒鳴り声がした。
声のトーンが、怒ってる。
私は振り向けなかった。
仁君が「外出よ」とやさしく肩を抱き
扉を開けてくれた。
すると、すぐ和希もすぐ出てきた。
「おい待てーこいつに何する気や?」
和希が怒鳴った。
「そんな事、友達の弟には関係ないやろ」
仁君は冷静な口調で続けた。
「この人、年上やのに軽そうやから、
イケるかなと思って」
仁君はわざと言ってる。
次の瞬間と鈍い音がして
仁君が倒れた
えーーーーーーーーーービックリした
目の前で人か殴られるところ、初めて見た
「仁君!大丈夫?」
私は倒れた仁君にかけよって、
上をみて言った
「ちょっと和希!やめてっ」
「いったぁ〜、
お前真子さんの何なん?彼氏でもないくせに」
仁君も和希を睨んで、強めに言った
和希は言葉をつまらせた。
少し間を置いて
「俺の大事な人や」
と和希がつぶやいた。
すごく小さな声で。
「じゃあ、大事にしたれよ。」
「仁君、もうやめて」
それ以上聞きたくなかった。
「うるせーわ。お前には関係ないやろ」
「お前が大事にせんのやったら、俺がもらうぞ」
仁君が言った。(ウソでも嬉しい)
わざと言ってくれてるのは分かってるけど、
少女マンガで見る、1人の女の子を取り合いしてるシーンみたいで、ニヤニヤしそう。
というか、すでにしてる。
「お前なんかより、ずっと昔から真子の事見てきたし、
ずっと大事に思っとるわ!
お前なんかにやるかぁーボケ」
え?ずっと大事に思っとる?
お前なんかにやるか?
録音しておけば良かった。
リピートしたい。
「めんどくせー」と捨て台詞をはいて、
仁君は繁華街に消えて行った。
和希と2人きり。
「あいつの事好きなん?」
「そういうんじゃ、、」
「お前、軽いって言われてムカつかんの?
今日やられるとこやったんやぞ!
俺は、お前が侮辱された事が許せやん
お前、そんな軽い女なんか!」
(ウソやって、分かってたし)
「それは、、、
でも、和希だって軽いって思ってたから
あの日、ホテル行こ。って言ったんじゃないの?」
「あほか。違うわ。
お前ずっとそう思ってたん?
大事に思っとるって聞こえやんだんか。」
「聞こえた」
「お前を侮辱するような奴とは
もう2度と飲みに行くな!分かったか。」
「分かった」
今日の和希は殺気立っていて、
ものすごく怖かった。
けど、そんな風に怒ってくれる和希が
愛おしい。
こんなにも感情をむき出しにしてくれるなんて
思ってもなかった。
仁君の作戦が成功?
仁君、ありがとう




