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2人の海  作者: MILK
11/13

第11話 相談役

私は何もかも嫌になり、

気分転換にある人を誘って飲みに行く事にした。



「久しぶり〜元気?」

「え、お久しぶりです。」


「突然やけど、今日、飲みに行かん?2人で」

「全然いいっすけど、何かあったんすか?」


「いや、別に。ちょっと気分転換」

「気分転換は、めちゃ大事!

仕事終わりで良かったら、行きたいです」



和希とは比べ物にならないほど、

一瞬で今日会う事になった。



仕事が終わって、駅で待ち合わせ。


もう仁(ジン)くんが待っててくれていた。



仁君は、私が大学の時アルバイトをしていた

塾の生徒で、当時は高校生だった。


すごく整った顔立ちで、韓国のアイドル風

爽やかイケメン。


周りの女の子達からも人気だった。


実は、私も密かにいいなぁーと思っていた。



「お疲れ〜突然ごめーん。ありがとう」


「俺もちょうど飲みたい気分やったんで、

誘ってもらえて、嬉しかったです。」


「それなら良かった」


和希と違って、気遣いもできる。


大人になった仁君は、

イケメンに磨きがかかっていた。


スーツも良く似合う。



「また身長伸びた?」

「いやーもうさすがに笑 182cmで止まってます」



和希よりも背が高い。

顔も小さくて、スタイルも良い。


モテるだろうなー。



−−−−



少し歩いて、お店に到着。


ガラガラガラ。


仁君の後についてお店に入った。




カウンターに見覚えのある背中。

あ、まずい。和希かも。


私は、まるで浮気でもしているかのように焦った。



「2人なんですけど、個室あいてますか?」

そう仁君が言った時、


和希が振り返った。



私はとっさに仁君の背中に隠れたが、

反応が遅かった。


「あ!真子やん。何してるん?」

「え、あー和希〜‥久しぶり〜」


「この前会ったばっかやん」

「あ、そっか」


動揺が隠しきれてない自覚があった。




仁君に向かって

「あ、友達の弟」

とだけを紹介して、

2人は軽く会釈を交わした。



「こちらへどうぞ〜」

店員さんに案内され、

奥の個室へと進んだ。



個室で良かった〜

カウンターに横並びだったら

間違いなく、帰ってた。




最近忙しいって、言ってたのに

1人で飲みに来る時間はあるんや。


よりによって

何で今日、、、

もー最悪。


気分転換どころじゃなくなった。


−−−−



いや、イケメンに申し訳ない。


今は気持ちを切り替えて、

目の前の仁君に集中しよ。




ちょうど注文した生中が届いた。


「お疲れ様〜」乾杯をし


コクゴクゴク。一気に半分くらい飲んだ。


「えっ!はや。いきなり飛ばすなぁ〜笑」

仁君に笑われた。



笑った顔、昔と変わってない。


ずっと見てられる、目の保養。

目がハートになりかけた時、



「・・・で?あの人とはどういう関係?」

いきなりぶっ込んできた。



「え?弟の友達。ちがう、、

友達の弟やよ。ただの。」


「へぇ〜〜〜〜それだけ?」


仁君は、ニヤニヤしてた。


私の焦り方が異常だったのだろう。



もう、いいや。



仁君には全部話して

相談に乗ってもらう方向に切り替えた。



仁君は相槌をうちながら

私の話を親身になって聞いてくれた。




「そっか〜。それは辛いな。」


その一言で私の心は救われた。


優しく抱きしめられた気がして

涙が出そうになった。



私はただ、この苦しい片思いを

誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。




「何で会ってくれないかは分からんけど、

あの人、真子さんの事好きやで!絶対」


「え?今の話でそう思えた?」



「いや。さっき一瞬しか会ってないけど、

すごい圧を感じた。

たぶん男同士にしか分からんやつ。

お前誰やねん。真子の何やねん。

みたいな目してた。

俺ちょっと、怖かったもん」



「和希は元々そういう顔やから。笑」



和希は昭和のスター風の顔立ちで、たまに怖いと言われてる。



「いや、違う。あれは嫉妬。俺には分かる。

女同士でもそういうの感じる時ない?」


「あー言われてみれば、あるかも〜」

「やろー。同性同士にしか分からん圧。」




じゃあ、私が仁君といる事に嫉妬したって事?


ますます和希が分からなくなった。


「そーかなー?」


「男って、やるまではマメに頑張るやん。

でもやった後って、、、

またやりたいって思ったら、連絡するけど、

毎日は、正直、、めんどい。


でも、会ってくれないって事は、

やる事が目的ではない。



ただ自分の事をを知って欲しい、

真子さんの事をもっと知りたい。


これって、純愛じゃない?

体目的じゃないよっていう彼なりアピールか。


好きじゃないと2カ月もLINEだけで続かんて。」



仁君はそうなんや。

もっと純粋な子かと思ってたから、

男側の意見にちょっと衝撃を受けた。



「えーそうかな。

でも私、何回も会うの断られて、、、

結構傷ついてるんやけど。


和希も好きやとしたら、付き合いたい。

ってならんの?


私、めちゃ分かりやすくアピってるけど」



「それは、俺なら、なる。


でも、、

そう思ったとしても、彼なりに真子さんを

守る為に色々考えてるんじゃない?

我慢してるか。」


「え?え?どーゆう事?全然分からん。

私、守られてんの?」



「ちょっと辛口になるかも?」


「全然いいよ。言って。教えて」


初めての客観的意見に興味津々だった。



「バツ1、子持ち、4つ年上の真子さんと付き合うってなったら、たぶん彼の家族は反対すると思う。


俺らの年的に、結婚を見据えての話にもなってくるし、

うちの親もそういう話、よくしてくるから。


だから、自分の家族から真子さんを守ってるんじゃない?傷つかないように。


それに、真子さんが彼のお姉さんと

仲悪くなったら嫌なんじゃない?」

 


・・・



仁君の言葉が、すーっと腑に落ちた。



「そっか。。確かに。」


和希が考えそうな事。



そっか。そうやよな。


私は和希にとって不釣り合いやよな。

そっか。そっか。



・・・



何で今まで気付いてあげれなかったんやろ。


自分の事は棚に上げて、

和希の事を変った人だと思ってた。

最低、私。


私は、もう和希と付き合えるような

身分じゃない事を、自覚していなかった。

バカみたい。


自分が情けなくなった。

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