第1章 第4話 枯渇の村
ユウマ、リリア、セイル、ミアの四人は街道を北へ進んだ。
大陸の風景は美しかったが、魔素の枯渇でやや不穏な
空気が漂っていた
木々の葉が黄色く枯れ、川の水が濁っている。
ミアの猫耳がピクピク動く。
「魔物の気配が増えてるわ。魔素枯渇で暴走してる」
セイルは測定装置を覗き込み、言った。
「魔素濃度が低い。このペースじゃ、1ヶ月でこの地域は魔法が使えなくなる」
リリアは剣を握りしめ、言った。
「エターナルによる世界の崩壊が近づいている...
村に着いたら、色々と情報を集めましょう」
村に着くと、惨状が広がっていた。
家々が崩れ、住民は疲れ果てた顔で座り込んでいる。
魔素枯渇で魔法が使えず、作物が枯れ、魔物に襲われた痕跡が残る。
村長の老人が四人を見た。
「旅の人か……ここはもう終わりじゃ。
エターナルの使徒が来て、魔素を吸い取っていった」
ユウマは息を飲んだ。
「使徒って?」
老人は震えながら答えた。
「エターナルの直属の配下で黒い霧の怪物よ。
各地で魔素を回収しているのは奴らだ。
その時、村の外から咆哮が聞こえた。
(この感じなんか使徒がくる流れじゃね....)
案の定使徒を名乗る怪物が現れた。
黒い霧の人型、目が黄金に輝く。
住民たちが悲鳴を上げる。
リリアが剣を抜いた。
「こいつを倒せばこの地域の魔素は正常化される!
絶対に倒すわよ!」
セイルは詠唱を始めた。
「テラ・ウォーターフォール・ドミヌス! (莫大水流支配)」
中級魔法で大規模な津波を巻き起こし、怪物の足を止める。
ミアは弓を構え、矢を放った。
「当たれ!」
矢が怪物の肩を貫くが、霧のように再生する。
「まるで効いてない...」
ユウマは無属性魔素を集中させた
セイルの水魔法を瞬時にコピーし無詠唱で発動。
地面から水が湧き、怪物を囲む。
「これで!」
怪物は水を吸収し、ユウマに襲いかかる。
ユウマは火の魔法をコピー。
イグニス・フレア・エクリプシス・ドミヌス! (劫火神焔蝕影支配)
上級魔法の炎が怪物を焼くが、傷一つついてない。
リリアが突進し、剣を振り下ろした。
「はあっ!」
剣が怪物の胸を斬り、黒い霧が噴き出す。
「セイル!支援して!」
「任せろ!」
セイルは支援魔法を追加。
「ヴェントゥス・ガスト・ネプチューン・エクリプシス! 虚空神水主権蝕影)」
極級魔法の水刃が怪物を切り裂く。
「あいつの核を撃ち抜け!ミア!」
ミアの矢がトドメを刺し、怪物は消えた。
村長は震えながら言った。
「使徒に勝てるとは....あなた様方は私たちの英雄です」
「いや、まだだ、こいつ...使徒の分身だ。取り戻したのは精々5分の1程度でしょう..」
「それだけでも十分です。そのおかげで少しは平穏を
取り戻せます...」
セイルは怪物の残骸を調べた。
「これは……エターナルの破壊エネルギーだ。
魔素を吸い取ってリセットを加速させてる」
ユウマは掌を握りしめた。
「俺にできることはあるか?」
セイルは頷いた。
「無属性魔素の利用法については研究を
重ねていこう。」
リリアは村を見回し、言った。
「この村はただの始まりにすぎない...
エターナルを倒さないといずれは世界全土に被害が及ぶ」
ミアは尻尾を振り、笑った。
「決戦が近づいていてワクワクするわね!」
(なんでこいつらこんな戦闘狂なんだよ....)
旅は続いている。




