第1章 2話 剣の調停者
ユウマとリリアは森を抜け、小さな町に着いた。
アルテミア大陸の辺境町。木造の建物が並び、市場に人だかりができていた
だが、空気は少し重い。
魔素の枯渇が始まっているせいか、魔法ランプの光が弱く、住民の顔に疲労が浮かんでいる。
(ここの住民はなんか...ブラック企業30連勤レベルの
げっそりした顔をしてやがる...)
リリアは剣を腰に下げ、ユウマを連れて市場を通った。
「ここでセイルを探すわ。彼は魔素の専門家よ」
ユウマは周りを見回した。
「市民の様子をみれば異常事態てのはわかるんだけどさ...実際魔素枯渇って、どれくらいヤバいんだ?」
リリアはため息をついた。
「あなたは異世界人だからね..!このヤバさがわからないのも無理もないわ....魔法が使えなくなったら、剣だけじゃ生きていけない世界よ。それだけ過酷な世界なの..
魔素が枯渇=死だと思った方がいいわ。
魔素は魔法を使うためのエネルギーなのよ。
それがなくなったら魔法の使用ができなくなって
しまうわ....それにこの世界の大半は魔素でできているの
もし世界から魔素が消えてしまえば...崩壊するでしょうね.....そういえばこの辺....前よりも魔素濃度が薄くなってる....想定よりも減りがはやい...これは間違いなく
「使徒」が近くにいるわ!
この町もかなり危険よ。町だからと気を抜かない
ようにしましょう。」
と会話をしながら歩いていると町の図書館に着いた。
埃っぽい本棚が並び、とても静かな空間だ。
奥の部屋で、銀髪の少年が本に埋もれていた。
15歳くらい、メガネをかけ、クールな目。
(こいつがセイルか!)
セイルは本から目を上げ、リリアを見た。
「リリアか……話には聞いていたが...。もう異世界人を連れてきたの?」
リリアは頷いた。
「善は急げというでしょ...!セイル、仲間になって。魔素の枯渇を止める方法を探すわ」
セイルは本を閉じ、ユウマを見た。
「こいつ..魔法適性がないじゃないか...異世界人なら
逆に珍しいかもしれないが...微力な戦力..いや足手纏いになってしまうぞ」
「大丈夫よ!聞いて驚け..ユウマはね「無属性」魔法の
適性者なのよ!」
セイルは顔を顰めた...
「とうとう希望が見えずリリアがおかしくなっちまった..」
「失敬な!ユウマ!力を見せてあげな!」
ユウマは掌を広げ、火を起こした。
セイルは目を輝かせた。
「....信じられない....それに魔素量もかなりのものだ...
これは興味深い....わかったよ。僕も仲間に入れてくれ
!その代わりだけど...ユウマには僕の研究を手伝って
貰うよ」
「それぐらいなら構わないよ!」
セイルは加入を了承した。
彼は魔素の研究者で、枯渇の原因をエターナルだと確信していた。
「まあ僕もあんな堕落した神に嫌気がさしてきたしね...
自分の力で制裁できるなら好都合だと思っていたし、
仲間ができるのは願ってもない話なんだ...
大勢だと研究も捗るし!」
(最後だけやけに迫真に迫っていたな...)
三人で町を出ようとした時、魔物の襲撃があった。
枯渇で暴走した魔物群。
(ここでセイルにも俺の実力を見せてやるか...)
ユウマは無属性魔素でコピー魔法を連発。
「動きを封じているうちに攻撃してくれ!」
セイルが支援魔法を発動して一網打尽にした。
(おお...中々やるな...)
セイルは息を荒げ、言った。
「これは枯渇の始まりにすぎない...
俺らのチームは前衛が足りてない!」
するとリリアが
「その点についてはすぐ解決するわ!
リアっていう友達がいるからその人を仲間に
入れましょう!」
ユウマは頷いた。




