95.大魔導師(笑)1
今回のデータを元に改良した治療ポッドAを3台追加で作成。2台は大田医師のつてで国内の他の大学病院に置いてもらい試験運用。残り一台は、先日C型の治療ポッドを設置した米国のサンミスコ医科大病院に置かせてもらう事にした。
これらの手配と事務手続きは社畜ズが対応。
社畜ズは法務関係も学習。先に神南大学経由で行った各種契約を杜撰と非難。大学から用意してもらったスタッフは、元が研究畑の人間たちなので、企業側の手玉にとられていた。と、喝破。以後の対外交渉と手続きは自分達でやると宣言。この件は教授にも話し、苦笑いとともに了承された。
後に。彼女たちはSNCのお局とか鬼のキャリアウーマンと呼ばれて恐れられ、取引先の女性陣からは憧れの目で見られるようになるが。それは、先の話。
そんなわけで。国内二箇所の設置が終わり。米国に向かうため羽田に到着。やはり、羽田のほうが成田より便利で綺麗だ。空港内に江戸時代の日本橋っぽい空間を再現した場所が結構好きで、来るたびに寄ってしまう。
海に滑走路を増設すれば、成田騒ぎはいらなかったんじゃあ。とも、思うが。まあ、後知恵か。当時の技術で海に向かう滑走路を作るより、農地を強制買収したほうが良い。と判断したのは、今だから言えるが、痛恨のミスだったと思うのだが。
機上の人となる。経費で落とせるのでビジネスクラス。映画を見て仮眠して到着。
病院に到着。設置と説明終了。以前納品したC型もチェック。問題なし。
というところで、来訪者。これは、魔法関係者と、同行者はお役人か。
「大魔導師が君と話したいと要望している」ということでした。
「意図が不明です。こちらにメリットが見出せないのですが?」と、答える。
聞いたところ。もともと研究肌というかマッド寄りの人だった。善悪とかどうでも良い、研究さえできれば良いと、テロリストにも協力していた。今回、拘束されたことで研究が遅滞。おまけに五行陰陽術という最新技術の存在を知ったことで。知識欲が刺激された。
「我が国に協力する条件に。君との会話。できれば魔法談義をしたい。ということなのだ」
以前なら、ここで了承するかもだが。社畜ズに「安売りするな」と怒られてるので。対価を要求しよう。「その件に協力した場合の、こちらに対するメリットの提示をお願いしたい」と回答。
提示されたのは名誉博士号。ここでヤミから追加情報。「名誉博士号は以前から検討されていました。報酬候補は他にも用意されています」。だそうです。なので、報酬候補から二つを選び、さらに追加の要望を提案。
「では、用意して頂いてる名誉博士号ではなく、こちらの提出する論文を精査しての正規の博士号を」。「あわせて。USMLE(米国医師試験)の受験許可を」。本来の医師試験の受験資格は医科大学の卒業生なので、受験資格だけズルさせてもらい、受験そのものは公平に受けると提案。「それから。以前の訓練では取りそこなった大型船舶と大型航空機、飛行船の免許取得にご協力ください」。「あと、できれば、関税特権も欲しいのですが」とダメ押し。
もちろん、全ての要求が通るとは思ってないので、これは交渉のお約束手順。最初は高めに言って値切らせて決着。という、イスラム圏の商人がよくやる手管を真似ただけ。
用意していた報酬候補を事前に知っていたとしか思えないので、驚いてると言うより警戒してる?まあ。こちらのハッキング能力は、東方の夜明けの諸点を割り出した時点で予想がつくので、今更ですが。
お役人が了承したので。関税特権以外は受け入れられました。
さて、再会と行きますか。




