94.異世界拳法万能説
カ・ル・ゾ流体練術。ヤミが見つけてきた情報の中にあった可能性。健康法と治癒に特化した、体を鍛え他を治癒する流派。点穴と気と魔法を複合した技。これって、いろんな漫画の拳法技をあわせたような感じね。目的は戦闘力強化ではなく治療特化だけど。
前に異世界拳法を検索した時は方向性が違いすぎて見逃していた。というわけで、説明資料を取り寄せて確認。行けそうな感触を得て、正規のソフトを購入。デバイスは前に拳法で使ったものと共通で行けました。シュブ・ニグ流の基礎が有るので、加速空間を使ってリアルタイムの一週間で習得。そのあいだの大学の講義は式神が受講。弟子の面倒はヤミとシロに丸投げ。
これに薬物療法も併用して成功確率を上げる。日本は薬に関しては世界的に規制が厳しいので。薬と言うと使わせてくれない可能性が高い。また、健康飲料と言って誤魔化すか。
まず、宇摩医師の方に連絡。理由は、最初に大田医師に連絡すると、また気が狂った騒ぎの再演になるから。拳法で癌が治ったという宇摩医師の話を、胡散臭そうに聞く大田医師。患者本人は受ける気だけど、家族は反対。治験は同意が得られないと出来ないので。帰ろうかと思ったら。最後は大田医師と患者が決断。
同意が得られたので翌日を手術の日と定め。その日は帰宅。
翌日、助手として看護婦風に擬態したヤミを同伴して手術室に。
ミッションスタート。術式発動。周囲の人間の感覚を魔法で誤魔化し、記録装置にはヤミが侵入して、魔法と薬物の使用を無かったことにします。
患者に調合した魔法薬を投与。薬が回ったのを確認してから治療開始。点穴を突いて、そこから気と魔法を流し込み、運動ニューロンを活性化。完全に死んでると厳しいが、死にかかりなら、これで治るはず。状況を解析。ニューロンの一部と筋肉が少し回復、ただし、完全に死んだ部位は治らず。
体中の点穴を突き、魔法と気を流し込む作業を継続。流石に、こちらと患者の疲労がきついので本日はここまで。解析結果は治癒率30%。以前と比べると、多少は体が動き、発音も出来るレベル。完治には程遠いが、この方法だと。これが限界。
麻酔が切れた際に患者の驚く声が聞こえた。治癒効果を実感したらしい。
「今はこれが精一杯」と。頭を下げます。
「ただ。この治療を続ければ悪化は食い止められます」
「当面は1週間に一度程度伺いますが。癌のときと同じように、早急に治療ポッドも開発します」と告げて辞します。さすがに、疲れた。
3週間後、治療ポッドの試作品が完成。大田医師に預けて様子を見ることにします。
完治にもっていけなかったのが残念だけど。研究に時間をとられる過ぎると間に合わなくなった可能性が高かったので。今回は、これが正解。と、思おう。
あくまでも暫定処置なので。完治の方法は探り続けないといけないけど。
なお、治癒ポッドは癌用をC型。筋委縮症用をA型。と、仮称することにしました。




