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87.ある受験生の場合

---ある受験少女の視点-----


私は英語が苦手だ。文法や受験テクニックばかりの授業も嫌いだ。こんなもの、受験が終わったら役に立たない知識なのに。そんな無駄なものを頭に詰め込まれるのがとても苦痛。特に英語の教師の発音が巻き舌で、かっこつけて喋るのが嫌い。


でも、模試の結果が、このままでは志望校に入れないと告げている。嫌いな英語をやろうとすると胃が痛い。目眩もする。どうしたら良いのだろうと悩んでいた時。TVに流れた言葉が聞こえた。


その人は末期癌で助からないと言われていた患者だったけど。最新技術で治った。という話だった。コメンテーターは、嘘っぽいとか。何時もの人をけなす口調だったが。それが、逆に真実味を出して。この嫌な奴が非難するなら、逆に本物では。と、真剣に見てしまった。


自分を直してくれた研究者に感謝して。今はその人に出資して会社を作って貰ったそうだ。その会社の製品がさっと流れた中に語学の催眠学習装置が見えた。また、嫌なコメンテーターが非難したので。これは本当では。と思ってネットで探した。


見つけてポチった。貯めていたお年玉が全部消えた。後で気づいたお兄ちゃんとお父さんに、絶対に詐欺だからキャンセルしろ。と怒られたが。意固地になって頑張っているうちに製品が届いた。駄目ならクーリングオフ。と叫ぶお兄ちゃんを無視して、学習装置を使ってみた。


目が覚めるようだった。これが本物の英語だ。学校の英語教師は嘘っぱちばかり教えていたのか。発音もこれが本物か。本棚に積んだだけで放置していた英語のファタジー小説を取り出した。英語の勉強用にと叔父さんからプレゼントされたが、読めずに積んでいた本だ。それが読める。スラスラと物語が頭の中に入ってくる。登場人物たちが旅をして、妖精のお姫様や竜と出会う。


私は泣いていた。凄い。こんな本物を作る人がいる。また、ネットワークで調べた。神南工業大学。まだ学生なのに会社を作ったのか。こんな人がいるところで学びたい。私は志望校を変えた。前より難しいと言われたが頑張る。だって、本物に会って、本物を勉強できる機会なのだから。



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