35.実は使っていたのです
合宿終了。途中で温泉入浴施設に寄ったりもしましたが。混浴じゃないのでサービスシーンは無し。あとで聞いた話では。女子同士の恋バナ。主に美月の出会いの、質問というか尋問。どう答えたかは聞いてません。
満タン返しで車をガレージに入れ、お土産を渡し。今日のところはお邪魔せず玄関で別れます。
向かうはバイト先の創作居酒屋、夜のシフトが入ってるのとお土産を渡すため。約束の時間にはまだ早いんだけど。「仕込みに入って」という言葉で店内に。奥で軽くシャワーを浴びてから、調理師用の白い服に着替えます。このあたりの手間を惜しむと食中毒の危険があるので重要です。
最近の調理師用の服はかっこよいデザインや色のもあるんだけど。基本的に客席には出ないので、一番安い白い服。これは、昔、叔母が温泉旅館をやってた時に手伝ってた際のもので。旅館を閉める時にもらったアイテムのひとつ。うちに食器やプロ用調理器具が結構あるのは、この際の貰い物。
つまり、私の料理は、一応プロ仕込みだったりするのです。まあ、夏休みや冬休みに、バイト程度に手伝ってただけなんですが。流派的には上野精養軒。そこで修行したという板長(板前の長、シェフの事)に習ったのが、一番勉強になっていたりします。
というわけで帰りは深夜。普通の学生は、こういう時は近くの友人宅に転がり込むので。おかげで学校近くに下宿する学生は仲間の簡易宿泊所にされ、嫌気がさして引っ越す。というパターンが多かったりします。
しかし、我にはこれがある。というわけで、やってきたのはシロを見つけた学校裏の社。と、言っても。ここに泊まるのではなく。裏に回って認識阻害の結界を張り。「マイルーム」と唱えます。
初日に覚えた魔法なのに、使ってないように見えましたが。実は使っていたのです。アイテムボックスの亜種魔法なので、事前に設置した寝具もセットされた、カプセルホテルをやや大きくしたような空間が出現。後ろ向きに腰掛けるように入り、靴を棚の靴箱に入れ。シェアウエアから拾ってきたクリーンの魔法をかけたら、シャツとパンツだけになって、布団にもぐりこみます。「おやすみなさい」
叔母の旅館と上野精養軒出身の板前さんに習ったくだりは実話だったりします。
おかげで、”花咲くいろは”みた時は、”あるある”の連続でした。でも、まかない料理はあんなに豪華ではなかったです。むしろ穂高の山小屋の手伝いした時のほうが食事が良かった記憶が。




