34.藪の中
美月と二人で林の中を歩く。最初は新入生たち一緒とも考えたんだけど。「野暮」、「後は、若いお二人で」と見合いみたいなセリフで気を使われて別行動。湖とは別方向に進んでるので、あまり人も居ません。
こちらの方向を選んだのはシロからの報告があったから。「なんかいる」らしい。
しばらくして道から脇にそれ、藪こぎ開始。獣道さえないので、ちと手間取るが、山菜採りで慣れてるので、笹や小枝をかきわけ、軽く登りながら進みます。ここまでくれば、俺にもわかる。神様?にしては弱いが、前に回収した動物霊みたいな雑然さはない。神使かな?
神使でした。石の社というか塚はすでに年代物で苔むし、神様の気配はなし。そこにいたのはカラスっぽい何か。人間化するほどの力は残ってないのか、最初からできなかったのか?存在もあいまい、というか、消えかかっている弱々しい雰囲気。塚をみたところ百年近くは放置されてたので、信者の祈りなんて無かったろうし。
邪悪な気配はないので。「やってみる?」と美月に声をかける。なにを?という感じでこちらを見るので。「使い魔契約」と答えます。頷いて、前に出る美月。こちらは、デバイスのモニターを開始。神使に手をかざし、「クロ」と声をかける美月。あ、こりゃカラスなのとシロに合わせたネーミングですね。
カラスの姿がくっきりして、パスがつながったのが見えます。デバイスによるモニターも問題なし。羽ばたいて、美月の肩に止まった。より、パスが明確になり。完全に使い魔化したのを確認。
デバイスとの通信経路を確立。魔法ネットワークに組み込まれたのを確認。シロとヤミからの歓迎の言葉。「いらっしゃい」、「歓迎する」。クロは「かああ」という鳴き声だけでした。まだ、会話できるレベルではないのか、当分は偵察と伝書鳩的な使い方かな。と、自分のじゃない使い魔の位置づけを勝手に相談始める一同。
八咫烏でした。




