対峙
美月が男達に連れて行かれたのは、近くにある寂れた廃寺であった。打ち捨てられた廃墟であるので、こんな時間に人っ子一人寄り付かない。助けは期待出来なかった。
「きゃっ!」
美月は突き飛ばされて尻もちを着いた。男達の視線が美月の下半身に注がれる。尻もちを着いた時に足を開いてスカートが捲れ、白いパンティが露わになったのだ。美月は慌ててスカートを直す。
「な、何なんですか?止めて下さい。」
「・・・・・・・。」
男達は無言で美月の全身を舐め回すように見つめる。まさか・・・・・。この男達は自分をレイプしようとしているのか?13歳の少女とはいえ、美月には性知識があった。恐怖で恐れおののく美月。必死でそれを悟られまいと震える声で気丈に振舞った。
「私に用が有るからこんな所に連れて来たんじゃないんですか?あなた達一体、誰なんですか?」
「・・・・・・・。」
「用件を早く言って下さい。じゃなければ帰らして貰います。」
「・・・・・・・。」
男達は答えない。男達が何をしようとしているのかが分からない。こんなに怖い沈黙はなかった。美月は叫び出したい衝動に駆られるのを必死に抑えた。ここで叫んでも、誰にも聞こえないばかりか、刃物を持っている男達を刺激する。恐怖をかき消すようにしゃべり続ける美月。
「何故、私の事を知っているんですか?刃物で脅してこんな所に連れ込んで、私に何かしたら警察を呼びます。」
男2人は警察と言われ少し反応を見せた。どうやら警察に行かれたら拙いという意識はあるようだ。
「・・・・・お前と話がしたいだけだ。」
片割れの男がようやく口を開いた事に美月はホッとした。話がしたいだけだと言う。最悪の事にはならなそうだった。
「何の話ですか?家に帰りたいんです。早く話して下さい。」
美月は警察の名を出されて臆した様子の男達から主導権を握ろうと気丈に振舞う。
「強化指定選手を辞退しろ。」




