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おおっと!ベヒモス君吹っ飛ばされたー!

遅れてすみません!

4月14日 火曜日  


 「よいか、剣術を習うのはあくまで防衛手段。皇舞桜と恋人になり世界の滅亡を回避することが最優先事項だということを忘れるな」


 「分かってるってば。朝からそんな話しないでよ」


学校に行く準備を整えていたらまたクリカラが色々言ってきた。心配なのは分かるけどまだ時間はある、着実に事を進めて行けば間に合うでしょ。


そんな事を考えているとインターフォンの音が鳴った。


モニターを見るとカレンだった。


 「おはよう、カレン。どうしたの?」


ドアを開けると間違いなくカレンが立っており何やら覚悟を決めている感じだ。


駅で会うのだから私の家まで来る理由はそんなに無いはずだけど。


 「おはよう優理ちゃん。えっとクリカラさん居る?」


ん?どうやら私ではなくクリカラに用事の様だ。


ああ、駅でクリカラと目立つから私の家まで来たのか。


クリカラと心で会話できるのは私だけだし。


 「おるぞ。何用だ?」


カレンをリビングに案内した後クリカラが現れカレンと話し始める。


 「私にできる事を増やしたいと思ってまして・・・その、私にも魔法を教えてくれませんか?」


魔法、この世界に元々存在していたが魔王の魔法により破壊され今ではクリカラしか扱えない技術。


クリカラはこの科学の発展した世界で魔法を普及させると戦争の引き金になりかねないと教えるのを私に絞っていた。


まあ、その私が細かい操作が苦手で一つも魔法は使えないけど。


 「・・・考えてはいた。しかし全てが終わった後魔法を知る者が居ればこの世界にとって危険となる。それに、もしどこからか魔法を使えると漏れればお主の身も危なくなるかもしれんぞ」


 「それは分かってます。けど、私にできることがあるなら優理ちゃんの為にやりたいです。私に魔力があるなら戦力にもなります」


魔法を扱うには魔力を生成する器官が無いとダメで魔法の時代から数千年経っているからか今では魔力を持っている人は少ない。


カレンは私より魔力の量は少ないがそれでも持ってはいる。


 「・・・はぁ、リスクを考えれば教えてたくは無いが戦力は必要で何より今教えているのがポンコツだからな・・・」


 「悪かったわねポンコツで!!!」


昨日も結局魔力の扱いは上手くいかなかった。


ゆっくりと動かすことはできるがクリカラにはダメ出しされてばかりだった。


 「今後、どんな事があっても誰かに魔法を教えないと約束してくれるなら教えよう。守れるか?」


 「はい、もちろんです」


その目と表情は覚悟が決まっていた。私の為なら危険な事だって一緒にやってくれる様な瞳だった。


 「よし、分かった。今日の放課後から教えよう、優理は星花と剣の稽古だろう?」


 「その予定。詳しくは星花と話さないと」


 「もう話ついてたの?」


 「うん、昨日偶然会って約束したんだ」


一緒に家を出て駅に向かいながら昨日の事を話す。そこから会話が弾みあっという間に学校に着いた。


 「うん?あれは・・・」


校門前の駐車場から皇さんと持国さんが出てきた。


挨拶しようと駆け寄ったその時だった。


 「暴れベヒモスだぁあああああ!!!!」


 「えぇ!?なに!?何事!?」


叫び声の聞こえた方を向くとそこには動物園から抜け出したのか通行人を跳ね飛ばしながらこちらに全力疾走してくるベヒモスの姿があった。


 「朝から退屈しないわね!カレン!こっち!」


カレンの手を引いてなんとか校門を通りベヒモスの通り道から抜け出すがまだそこに皇さんがいた。


 「危ない!」


ベヒモスはすぐそこまで来ており次の倒すターゲットを皇さんに決めたのか真っ直ぐ向かって行く。


 「皇さん!」


 「いえ、大丈夫ですよ」


走り出そうとしたその時肩を叩かれその方を向くと星花がいた。


 「え?」


 「護衛がついてますから。あの程度の相手なら彼女は余裕でしょう」


それを聞いて皇さんに視線を戻すとベヒモスは大きく前足を上げて踏み潰す体勢に入っていたが一つの人影がベヒモスの頭に向かった。


 「ふんっ!」


その影、持国さんはベヒモスの顎に向かってサマーソルトキックを放つとベヒモスから破砕音が聞こえてぐらりとその巨体が倒れた。


長いスカートはたなびきその素足が見えた。黒い甲殻、あれを持つのはカルノクスしかいない。


持国さんってカルノクスだったんだ。


 「お怪我はありませんか、舞桜様」


 「ありません、ありがとう律」


 「いえ、役目ですから」


そんなやりとりを交わす二人に私は目の前で起こった事が信じられずにいた。


 「え?今、ベヒモスの顎を一撃で砕いた?」


え、怖。


 「・・・持国律は皇さんの護衛になる為数々の強敵を倒しその座に立った実力者です。ベヒモスなんかでは相手にならないでしょう」


星花は今の光景に驚いていない様だがカレンも私と同じ反応だった。


 「陸の王者なんて呼ばれてるベヒモスを一撃なんて・・・流石、皇さんの護衛って感じですね」


 「てか、星花詳しいね。もしかして知り合い?」


 「・・・知り合いではありますが仲は良くありませんよ」


そういや、前に持国さんが星花の事睨みつけてたっけ。


どんな事があってそんな仲になったんだろう?




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