ただ者ではない女子高校生
遅れてごめんなさい!
体調崩しててダウンしてました・・・もう元気になったので大丈夫です!
お待たせしました!
「はあ・・・頭いたーい」
「あの程度で根を上げるとは・・・気合いが足らんぞ」
「うっさいわね、こちとら現代人よ?」
あの後も今後のことを決めていたがゴールデンウィークに立山県に行く事が決まっただけだった。
その後、夜も遅かったのでカレンは家に帰り私はクリカラから魔力操作の指南を受けていた。
結果は上手くいかずクリカラにダメ出しされまくって拗ねた私はコンビニにアイスを買いに来たのだった。
「なぜ、ここまで才能が無いか分からん。普段から雑な性格しているから魔力の操作も雑なのだ」
「それとこれとは関係ないでしょ。てか、女の子に雑とか言うな」
「雑であろう。武器の扱いも力任せ、冷蔵庫の扉は足で閉める、女子の割に口が悪い」
「アンタは敵を斬る為じゃなくて私の悪口を言う為に生まれてきたみたいね」
ええい!本当にこの剣はうるさいな。マジで女神にミュート機能付けて欲しいわ。
アイスを三つ選ぶとレジで会計して外に出ると少し暖かな風が出迎えた。
並木道に咲く桜はしっかりと春を告げていた、一週間前までは薄着だと寒かったが今はそうでもない。
早速、買ったばかりのアイスを食べるとシャキシャキとした食感とアイスの冷たさにソーダの味がたまらない。
「うーん!アイスといえばこれよね」
「三つも買っていたがまさか、全部今食うのか?」
「当たり前でしょ」
「何が当たり前は知らないが太るぞ」
「ざーんねん!私、食べても太らないもーん」
「背も伸びてないけどな」
「なんですって?」
クリカラのお小言にイラついていると正面から怒号が聞こえてきた。
「おい!さっさと当てろよ!」
「やってるって!見えてねぇのか!」
都会である龍昌市は夜でも明かりがそこら中についており視界に困る事は無い。そのお陰で30mは先の集団が何をしているのかもはっきりと見えた。
「あれ・・・喧嘩だよね」
何やら複数人が一人を囲んでいる様だがその攻撃はまるで羽に拳を振るうかの様に当たっていない。
囲まれている子は回避、同士討ちなんかで攻撃をいなしている。私みたいな喧嘩殺法ではなく明らかに武道の心得がある者の動きだ。
「その様だな。しかし、あの者見た事があるな」
「ええ、奇遇ね。私も見た事あるわ、学校で」
あの、白くて少し長いポニーテールに両手の黒い甲殻、そして黒い眼鏡はカルノクスの星花だ。
確か寮住まいだったはずだけど・・・もう消灯時間過ぎてるわよね?
「・・・ッ!」
星花の動きは流麗だった。不良のテレフォンパンチを受け流し、挟み込んで攻撃してくる不良共をしゃがんで回避して同士討ちさせた。
「・・・変ね」
それからも不良共の相手をする星花だが自分から攻撃をする事は無かった。
ただ、不良達からの攻撃をいなし、同士討ちや街頭を殴らせ相手にダメージを与えている。
「ふむ、あのレベルの武術家なら不良達からダメージを受ける事はないだろう。だが攻撃をしないのは妙だな。そういう特訓か?」
「かも。邪魔しない方がいいかな?」
私がそう言った瞬間、不良共のバイクの音が聞こえ4人が増援に入った。合計8人に囲まれた星花は追い詰められた様な顔になった。
流石にそれを見逃すわけにはいかない。
「こら!アンタ達!なにしてるの!」
アイスを食べながら星花に近づくと囲んでいた不良達全員がこちらを向いた。
「ああ!?誰だお前!」
「え!?優理さん!?」
眼鏡の奥の目が大きく開かれた、驚きつつも構えは解いていない。
「優理さん逃げてください!私ならなんとかできますから!」
「え?このくらいの雑魚くらい大丈夫よ。私、そんなに弱くないわ」
「相手はオーガもいるんですよ!」
不良共をよく見ると背の高いオーガやクーリエなどで構成されたグループの様だ。
「なんだこのチビ!邪魔すんじゃねぇ!さっさとお家に帰んな!」
「悪いけどそうはいかないの。アンタ達こそ、今逃げるなら見逃すわよ?」
「ふざけんなこのチビ!」
「優理さん!」
リーダーであろうオーガは私に拳を振るうが片手でそれを受け止めた。
「な、なにぃ!?」
普通の人間であれば大怪我になるオーガの本気の拳は私の細腕に阻まれた。
総愛総護。本来はサキュバスの力である恋人や恋慕などの気持ちを受けるとパワーアップする力が人間である私に完全に受け継がれている。特性完全顕現現象を私は発現しておりその力を私は完全に使えるのだ。
それゆえに今の私はオーガ以上のパワーを持っている。
「やっぱり、こうなるのね。それじゃあ覚悟しなさいよ!」
受け止めた拳を雑にぶん投げてオーガを投げる。
「優理よ、力加減はするのだぞ。カレンが恋人になった事により前より力が増強しているのだからな」
「分かってる!安心しなさい、これでも喧嘩で力加減は鍛えているわ」
クリカラに言われるまでもなくこの力で全力で殴れば悲惨な事になるのは知っている。
相手は武器も無いので素手で相手していく。
しかし、相手は大した事なく30秒経たずに制圧できた。
「お、覚えてろー!」
捨て台詞を吐いて不良共はバイクに乗って去って行った。
「ちぇ、今回はハズレか」
喧嘩しながらアイスを食べていたが終わる頃に丁度食べ終えた。
「・・・優理さんって何者ですか?」
「え?普通の女子高生よ?」
「いやいや!普通の人間の女性はオーガの一撃を受け止めきれないですよ!」
「私はできるわ、それだけよ。それで?なんで星花はこんなところにいるの?寮だったわよね?」
「それは・・・その」
眼鏡の位置を直した後言いたくないのを隠さず星花は困った顔を見せた。
「なに?修行か何か?最近不良共が集まっているらしいから夜に出ない方がいいわよ」
「・・・優理さんも出てますよね?」
「私はいいのよ、ぶちのめせるから」
「あはは・・・」
苦笑い。まさにそんな笑いだった。デュランさんから警告されていたけどそんな事で私のアイス欲を止められるとは思わない事だ。
「あ!そうだ!星花!お願いがあるの!」
「え!?なんですか?」
私は星花に詰め寄りその黒い両手を握った。
「お願い!私に剣を教えて!」
「・・・え?剣・・・ですか?」
「そう!剣!ブレード!私、色々あって剣術習わないといけないの」
「どんな理由ですか!?いや、私は・・・」
「ダメ?」
星花の目を見てお願いすると星花はしばらく耐えていたが目を逸らした。
「その、いいです。いいですが・・・あまり期待しないでください」
「うん?どうして?」
「私は槍を使っていたので剣を使うのは久しぶり・・・というか武術自体、避けていたので」
「そうなの?さっき不良相手にはやってたじゃん?」
「あれは・・・そうするしかなかったので。やりたくは無かったですが」
「え?じゃあ剣術も本当は教えたくない?」
「いえ、教える分には構いません・・・そろそろ寮に戻らなくては。優理さん、私が寮を抜け出した事はどうか秘密に」
「うん!もちろん内緒にするよ。あ、送ろうか?」
「いえ、大丈夫です。ではまた学校で」
「うん、またね。あ、これあげる」
レジ袋からアイスを一つ取り出すと星花に軽く投げる。
「え?あ、ありがとうございます」
それを受け取ると星花は走って去っていった。
「うーん、なんで星花は寮を抜け出していたのかしら?修行・・・って訳じゃなさそうだし」
「さあな、我らも家に戻るぞ。休憩はもういいだろ?」
「はいはい、分かってるわよ」




